見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

February 29, 2008

ガザにホロコーストの脅し


◇独占記事ー3兆ドルの戦争:ノーベル賞受賞者ジョセフ・スティグリッツとハーバード大エコノミスト、リンダ・ビルメスが書く、米国のイラク侵攻とイラク占領での本当のコストに関する本
イラク戦争が米国経済に損害を与えているとの責めをブッシュ大統領がはねつけて一週間後、今までのところ戦争にかかった費用は3兆ドルとの控えめな見積もりを載せる新著が出ました。2人の本の出版に従事する全米で放送された最初のインタヴューでもって、ノーベル経済学賞受賞者で世界銀行の元主席エコノミストのジョセフ・スティグリッツともう片割れのハーバード大学経済学者リンダ・ビルメスは、ブッシュ政権が繰り返し国民を欺くような安い戦費の見積もりを示してきていると言いいます。そして別の記録簿をアメリカの国民から隠し続けているとも言います。
(これ以降に続くエイミー・グッドマンと2人のインタヴューの映像は日本語字幕なしですがデモクラシーナウ!のサイトからご覧になれます。スクリプトも読めます。)

◇イスラエルの大臣がガザは「ホロコースト」だと脅す
イスラエルと占領地となるパレスチナ自治区では、少なくとも18人のパレスチナ人がガザ地区へのイスラエルの継続的な攻撃で殺されてきています。木曜のパレスチナ人の遺憾な犠牲にはサッカーをしていたときに爆弾で殺された4人の少年が含まれます。最年少の少年は8歳でした。他にも一般市民の大人2人といっしょにパレスチナ人の子どもが殺されました。また少なくともパレスチナ人の闘士9人が殺されたとパレスチナ当局は言います。過去2日間のイスラエルの攻撃で、子ども9人を含む、少なくとも31人のパレスチナ人が亡くなっています。
木曜に45発のロケット弾がガザから発射されたことで、パレスチナのロケット弾にお返ししているとイスラエルは言います。スデロットの町で今週ひとりのイスラエル人が殺されました。過去7年間に13人のイスラエル人がパレスチナ人のロケット弾によって殺されました。パレスチナ人のロケット弾がイスラエルの町アシュケロンに落ちた木曜、17歳の少女が軽傷を負いました。
イスラエルの国防相エフード・バラクはイスラエルの全面的なガザ侵攻を警告しています。もしロケット弾発射が続くなら、ガザは「ホロコースト(パレスチナ人大虐殺)」だと言って国防副大臣マタン・ヴィルナイが脅してきています。
「カッサムロケット砲がますます激しくなり、ロケット弾がより遠くまで達する、パレスチナ人は彼らの身にもっと大規模なホロコーストを招くことになるだろう、なぜなら、われわれは我が身を守るのに持てる力すべてを使うつもりだからだ。」とヴィルナイは述べました。
イスラエル人の64%がハマスとの停戦に賛成するのを今週行われた世論調査が示します。現在のところ大多数です。ハマスは休戦協定に向けた幾つかの提案をしてきていますが、イスラエル政府はその交渉開始(申し入れ)を拒絶しています。
(デモクラシーナウ!2008年2月29日ヘッドライン)

写真は、先に述べた「3兆ドルの戦争」という本と、共著の2人です。

February 28, 2008

ミサイル対ロケット弾


27日のCNNによると、イスラエル国民の64%がガザを実効支配するハマスとの対話路線を支持しているのをイスラエルの主要紙ハーアレツが最新世論調査の結果として報じた。これまでハマスとの接触にノーと言っていたのが、ここにきて変化を見せているのは、やられたら何倍にしてもやりかえすイスラエル軍とハマスとの報復合戦など、長年の悪循環に対するイスラエル国民の嫌気を反映したものであるとも分析している。

◇パレスチナ自治区ガザからの報道によると、イスラエル軍は28日、ガザで空爆などを繰り返し、ガザを支配するイスラム過激派ハマスの戦闘員のほかに、サッカーをしていた8〜15歳の少年5人など計20人を殺害した。27日からの犠牲者は31人に達した。
ガザを統治する「ハマス内閣」のハニヤ首相の自宅付近にミサイルが着弾し、ハマスのメンバー11人が死亡している。
(朝日新聞、読売新聞2008年2月29日)

◇イスラエル軍がミサイル攻撃 市民ら11人殺害 ガザ
パレスチナ自治区ガザからの報道によると、イスラエル軍は27日、空からガザへのミサイル攻撃を繰り返し、乳児1人を含む市民5人とガザを支配するイスラム過激派ハマスなどの戦闘員6人を殺害した。ハマスは約40発のロケット弾をイスラエル領内に撃ち込み、イスラエル人男性1人が死亡した。
ハマスは大量のロケット弾攻撃について、ハマス戦闘員5人が同日朝のミサイル攻撃で殺害されたことへの報復だとしている。ガザからのロケット弾によるイスラエル人の死亡は昨年5月以来。イスラエル軍はその報復として、ハマスの内務省ビルなどを空爆し、近くの住宅にいた生後半年の乳児が死亡した。
(朝日新聞2008年2月28日)

◇イスラエルがガザにあるハマスの標的を攻撃
ガザの極端に人口が密集した地域から、発射されたミサイルの煙霧の航跡が
BBC 27 February 2008

ガザから発射されたパレスチナのロケット弾の連発にイスラエルが報復

イスラエルの空爆がガザ地区を支配するハマスの政府建物を攻撃し、生後6カ月の赤ちゃんを殺しているとパレスチナの医者が話している。

その攻撃は、ガザからパレスチナのロケット攻撃が起こった9カ月で、初めてイスラエル人に死者が出た暴力による威嚇の日における最初の攻撃だった。

たびたびのターゲットとなるスデロットの町をねらった8発を含め、少なくとも20発のロケット弾を発射したとハマス活動家グループは話す。

これより早くに、ガザ南部でイスラエルの空爆が5人のハマス闘士を殺した。

・集団ヒステリー

当時そこに人はいなかったが、ハマスが支配する内務省ビルに命中したとパレスチナ人目撃者らは語った。

近くの建物は爆風のなか激しい打撃を受けて、乳児ひとりが殺され、少なくとも6人が負傷したとパレスチナの医療当局者らは語った。

9カ月のパレスチナのロケット砲発射でイスラエル人の犠牲者は初めてとはいえ、ここ3カ月にパレスチナ戦闘員による攻撃で他に4人のイスラエル人が殺されている。

それと同時期に、大部分は闘士の、200人以上のパレスチナ人がイスラエル軍によって殺されてきている。

ミサイルがサピル大学の駐車場に落ちて炸裂し、爆弾の破裂でひとりの学生の急所に命中したと、イスラエルのメディアは報じた。

「胸に大きく穴の開いた男性を見た、彼は医者によって手当てされた。ふたたび警報がなりだすと、大学は集団ヒステリー状態だった。人々が叫んでいた、絶叫して、泣いていた」と心理学科の学生オレル・デイヴィッドは話した。

大学で2人目の犠牲者は脚に傷を受けた。

ハマス当局者らはガザ地区の南部、ハンユニスでロケット弾を製造する上級エンジニアとロケット隊を率いる司令官を含める5人が死んだと言った。

・ガザのロケット弾の脅威

他にイスラエルのミサイルが少なくとも2人のパレスチナ人一般市民を殺した、その日のパレスチナ人の死という遺憾な代価は少なくとも8人になった。

ほとんど毎日のロケット弾とイスラエル南部へのうんざりする発射を抑制しようとの奮闘で、イスラエルは沿岸の細長い土地にしきりに軍事行動を遂行する。

米国がスポンサーの和平会談に着手して以降、国連安全保障理事会はイスラエル・パレスチナ間の和平協定に向けて前進してきていないと2人の国連上級使節が語った日に、この最新の暴力による威嚇は起こる。

昨年末、イスラエルとパレスチナの指導者らは、米国のジョージ・W・ブッシュ大統領の任期が切れる2009年1月前に和平協定を締結すると誓約した。

写真は、ガザの人口が密集した地域に発射されたイスラエル空軍のミサイルの航跡

February 27, 2008

世界にガザを知ってほしい


◇通商停止に抗議してパレスチナ人が人間の鎖を作る
ガザ地区へのイスラエルの経済封鎖に抗議するため、25日ガザでは数千人のパレスチナ人がイスラエルの国境沿いに人間の鎖を作っている。人間の鎖は、ラファの国境からエレズ検問所まで、ガザの長さまで達するものと期待された。

◇ガザの抗議者らが人間の鎖を作る
BBC NEWS 25 February 2008

5万人がラファからベイトハナンまで40キロの鎖を作るんだとオーガナイズした人たちは期待していたが、動員は予想をかなり下回った。若者の一団がエレズ検問所に近づいて石を投げ出した後、約50人を拘束したとイスラエル軍は述べた。6月にハマスがガザの支配をつかんだときイスラエルは封鎖を強化した。月曜の平和のデモのためにガザ地区のそこらじゅうから何千という女性と子どもたちが南北の幹線道路までやってきた。

その日、学校は休校となり、何千という生徒たちが参加するため乗物に詰め込まれた。大多数が、「ガザの包囲はわれわれを強くするだけ」や「世界はガザに死を宣告している」などと申し立てる横断幕を持つのが見られた。

抗議のオーガナイザー、ハマスびいきの反包囲人民委員会は、南部国境にあるラファ検問所から北部の町ベイトハナンまで、長さ40キロの道路に沿って1メートルごとにひとりを配置することを計画していた。

だが、ガザ地区のところどころは激しい雨になり、5000人ほどが加わっただけだと、記者は伝える。

「これは包囲と集団懲罰への拒絶を人々に表現させる平和で礼儀正しい行動です」と反包囲人民委員会のリーダー、ジャマル・カダリは述べた。

「行動することで、われわれは世界に対して叫んでいるのです。」

・すべてかかせない

幾つかの箇所でパレスチナの活動家がエジプトからガザを分断するフェンスを破壊して、何十万人ものガザっこを国境を越えさせ、大いに困窮していた生活用品を得るのを許した先月、イスラエル当局は事態の繰り返しを恐れていた。

早期のイスラエル外相と国防大臣による共同声明が、イスラエルは「その自治領の防衛力を確保して絶対的な国境のいかなる侵害もさせない。」と言った。

イスラエル軍報道官が、軍は「イスラエル領内に人々を渡らせないために必要なことはなんでもする。」と言っていた。

午後早々、抗議が追い散らされはじめたとき、若者の一団がエレズ検問所に近づき投石したりタイヤを燃やしだして、逮捕を促した。

BBCのアラブ問題アナリスト、Magdi Abdelhadiは、ガザのパレスチナ人たちはどうも、大衆行動が世界の注目を得るのに最良のチャンスであり、封鎖を和らげるのにイスラエルに対しもっと圧力を生むことになると、実感してきているようだと述べる。

イスラエルの拒絶と、ハマスとファタハが権力闘争にはまり込むことで、普通の市民がそのツケを支払っているという、はっきりとしたメッセージを彼らは外の世界に送りたがっている、と彼は述べる。

人道上必要な支給を除き、すべての物流を妨げてきている包囲は、ガザに近いイスラエルの町へのロケット攻撃(幼児が死亡した事件、といっても幼い子どもが殺されるのはイスラエル軍のミサイル空爆とかでパレスチナ人のほうが圧倒的に多い)などへの報復だとイスラエルは述べる。

昨年6月、アッバス議長に忠実なファタハ軍勢をハマスが総くずれにしてガザ地区の支配を握った後、ガザの封鎖が押しつけられた。

日曜、ハンユニスにある国境近くでハマスの闘士らがイスラエルの空爆で殺されると同時にガザ北部でも殺されたと、ハマスグループは述べた。

イスラエル軍はまたパレスチナ人40人を留置して、自治領の辺境沿いに5箇所の密輸トンネルを発見したと言った。

February 26, 2008

ダークサイドから立ち退きたい


今年のアカデミー授賞式はなかなかでした。主演女優賞も男優賞も「文句なし」ってところだし、なんでも共同で行うというコーエン兄弟の兄さんの淡々ぶり、初めて弟と撮影したときと何も変わってないしそのへんで映画作って遊んでいられるのもみなさんのおかげと言うのも、ダニエル・デイ・ルイスが「誰かにキスする必要があった」と言って一番近くにいたノミネートの同僚、ジョージ・クルーニーにキスして壇上にあがったのも、「その人らしく」てよかった。ダニエル・デイ・ルイスはもっと前の映画俳優組合でも主演男優賞をもらっていて、その受賞スピーチでは映画「チョコレート」や「ブロークバックマウンテン」での演技が彼にもたらした影響について触れ、「この賞をヒース・レジャーに捧げる」と言って感動を呼んだ一幕もあったらしい。
彼は俳優業から遠ざかっていた時期に、イタリアで靴作りに専念しているという話を聞いたことがあったが、こちらでも職人のアートにこだわってのめり込んでいたに違いない。
ところで、今回のアカデミーでの大きな拍手は、ドキュメンタリー映画の受賞場面ではなかったか。米国の拷問の実態を調査した、以前にもここに書いた「Taxi to The Dark Side (闇へ)」が受賞したのだから。
以下、デモクラシーナウ!の25日のヘッドラインからーー。

◇昨夜、ドキュメンタリー映画の最優秀作品に「Taxi to The Dark Side (闇へ)」が選ばれました。映画は、米国によって身柄を拘束されたあと、拷問されて死んだアフガンのタクシードライバーの顛末をあばく。これはアレックス・ギブニー監督の受賞スピーチです。
アレックス・ギブニー:「どうもありがとう、アカデミー。すべてのドキュメンタリー映画作家を祝します。ボクの妻アンはまあロマンチックなコメディでも作ってもらいたかったんだろうけど、正直、グアンタナモ、アブグレイブ、特別レンディション(尋問のため他国にテロ容疑者を引渡す)の後、それはとうてい無理だったというのが真実です。これは、もはやいっしょにはいない2人の人間、若いアフガンのタクシードライバーとボクの父に捧げられています。父は海軍の尋問者です、父は法の支配に対して行われていたことへの激怒から、この映画を作れとボクを激励しました。さあ、この国を方向転換できると希望を抱きましょう。闇から光へと立ち退きたいものです。どうもありがとう。」
ディスカバリーチャンネルがこの映画の放送権を買ったにもかかわらず、予定された放送を「論議がましい」という理由からやめにしたことは今月初めのヘッドラインでお伝えしました。
先週、HBOが映画の権利をディスカバリーから買いました。

写真は、受賞したダニエル・デイ・ルイスです。彼は両耳にピアスしています。今回もダブリンではお祭り騒ぎでしょうか。

もうひとつ、
◇米国支援のトルコによる、また別のイラク侵攻
2月21日、米空軍による協力のもと何千ものトルコ軍兵士がサダム・フセイン政権崩壊以来最大のイラクへの越境攻撃を開始した。トルコ政府は、クルド労働党(PKK)がイラク北部をトルコへの攻撃地点に利用していると非難している。トルコは、武器や情報などのほとんどを米政府から入手している。

February 25, 2008

3Xテロリスト


ネット上のメディアでたびたび見かけるこの3人の写真が気になっていた。
数百人も人殺しをしてきたような「テロリストだった」と3人が言ってることが本当なら、なぜいまのアメリカで、ネオコンやら現政権を支えてる側の人たち、あるいはアメリカで勢力を増しているブッシュを支える福音派キリスト教徒といった人たちに、「ちやほやされている」かがわからない。レンディションされてシリアのような国で拷問を受ける代わりに、そしてグアンタナモで無期限に閉じこめられる代わりにだ。どうやらこの3人はある勢力の道具のようなのだーー。

◇キリスト教右派のいんちき万能薬を売る?
IPSインタープレスサービス 22 February 2008
by Khody Akhavl
ワシントンーー今月初め、キリスト教右派と強いつながりのある3人の自称「元テロリスト」を協議会に招いた後、コロラドスプリングスにある空軍士官学校が、モスリムと宗教の自由を擁護する団体から激しい批判をうけた。

ひとまとめにして「3X テロリスト」として知られるワリド・シューバット、カメル・サリーム、ザカリア・アナニは、中絶から過激なイスラムにおよぶ「価値」と最新のつまらぬ問題に従事するとりとめのない戦い、米国の「カルチャーウォー」で最前線の兵士たちだ。

第50回士官学校議会への3人の出演に1万3000ドルの寄付を募った。それは学校の政治学部の後援で組織化される200人のインターナショナルな学生と空軍士官候補生が出席する4日間の協議会だ。

支持者にとって3Xは、極端に走らない「手頃な」意見に相当する;彼らは福音主義のキリスト教に改宗した自称モスリム(イスラム教徒)過激派で、いま彼らはイスラムとは実はなんなのか仮面をはいでいる。批判者にとって、彼らは食わせものペテン師だ。フォックスニュースやCNNを含めるケーブルニュース局と講演巡業とで3人のイスラム恐怖症をひとに押しつけようとするのに、大量人殺しとしての過去の手柄の大部分をでっち上げると非難される。

だが、どうも批判者らから最大の懸念を引き出しているのは、彼ら3人と政治的指導者や右翼のキリスト教周波域の全域にまたがる組織との関係のようなのだ。

「この男たちは詐欺師だが、それが問題点なのではない。アメリカ本土での次なる大災害のテロリスト攻撃という時に、すべてのイスラム教徒を標的にして迫害するのを容認できるようにさせてしまう、寛容に反対するキリスト教右派による邪悪でぎょっとさせる戦争の、彼らは一部なのだ。」と元ニューヨークタイムズ紙記者クリス・ヘッジスが広く読まれているオンライン・エッセイの中で書いた。

「彼らは米国を破壊している世界観に一定の領域を提供する。それは共和党を堕落させてきた。それは新しいメディアに影響を与えてきた。それは私たちが自分の動機を自分に対し釈明するのに使われる毎日の月並みな考えに入り込んでいる。それは無知によるもので人種差別主義者だが、きわめて有害なやりきれないものでもある」と彼は述べた。

シューバットと彼の同僚たちが行くところどこでも論争が結果として起こるようだ。スタンフォード大学で学生が運営する3人を主役にするフォーラムに大衆とニュースメディアのメンバーは出席を許されなかった。2005年、予定されたシューバットによるトークが「扇情的すぎる」と気づかれたせいで、プリンストン大学がキャンセルした。2006年、シューバットと元ナチ・ヒットラー青年でドイツ兵士ヒルマー・ヴォン・キャンペのスピーチで、イベントが行われるわずか3時間前にコロンビア大学は一般の人の出席を禁止した。

軍隊における「ぞっとする福音伝道」と説明するものに反抗するため連邦政府を訴えているグループ、軍人の宗教自由組織(MRFF)もまた、その巡回を公然と非難した。

米国の保守的な社交界の方針を促進するいわば教会に従属する組織の一部、そしてジョージ・W・ブッシュ政権との親密な関係を維持してきているフォーカスオンザファミリー(家族中心)はもちろん、ジョン・ハッジ師のキリスト教シオニスト、イスラエルのためのキリスト教徒連合(CUFI)と結びつきのある、福音伝道のキリスト教右派と3Xとの関係は強度になる。

ユダヤ人を攻撃し、イスラエルに爆弾をくらわせた元PLO(パレスチナ解放機構)のスパイだった、そして1993年にキリスト教に改宗したとの主張をシューバットは語る。彼は2007年に「なぜわれわれはおまえを殺したいか」というタイトルの本を発表して「強迫観念:過激なイスラムの対西側戦争」というドキュメンタリーとのうわさのある映画に登場した。

映画は主に自称「イスラエルびいき」グループによって市場で売られた。そしてハーバード大法学部教授アラン・ダーショウィッツ、うさんくさい「調査報道ジャーナリスト」スティーヴ・エマーソン、イスラエルに基づく「パレスチナメディアウォッチ」のルティマー・マーカス、そして、中東研究学科教授に対するマッカーシー風の攻撃なるもののせいで2002年彼のウェブサイトcampuswatch.comに突然非難を起こさせたイスラム中世史の学者、ダニエル・パイプスとのインタヴューをそれは目玉として宣伝する。

シューバットは他にもネオコンのお偉方の支援を受けている。彼のウェブサイトは安全保障政策センターのフランク・ギャフネイからの引用文を目玉として宣伝する:「25年ずっとワシントンにいて、私はこのワリド・シューバットのような者によって語られる、それほどひとを動かす力のある真実とそれほど並外れたことを一度も耳にしたことがない。」

サンアントニオエクスプレスによると、2006年の夏、政治勢力としてキリスト教シオニストを動員することをねらう、パストール・ハッジのCUFIによって提示された3日間のイベント、「イスラエルをあがめる夜」でもシューバットは話をした。

シューバット、サリーム、アナニはまた、3月のCUFIワシントン代表者大会での元テロリストのパネルにも登場するはずである。他の注目に値するスピーカーには独立心の強いコネチカットの上院議員ジョー・リーバーマン、パイプス、民主主義擁護財団の議長クリフォード・メイが含まれる。

「Koome 聖職者連」と呼ばれる組織を運営するサリームは、子どもとしてPLOによって教え込まれ、ゴラン高原の下に掘られたトンネルを経由してイスラエルに兵器を運び込んだと言う。だが、アナリストたちはそのような事件のうわさ(記事)はないと主張する。サリームが自分のウェブサイトで反証したばかげた言葉、「イスラムの大臣」の血統を引くとも彼は主張する。

「不正確な言葉を選んだことの責任を負う。ボクと血縁関係があるせいで聖職者の名称と地理的位置の両方をあいまいにするためにそうした」と彼は書いた。

「Koome 聖職者連」のウェブサイトはその目的ではまったく明白だ:ひとつ、差し迫った過激なイスラムの危険に関してキリスト教徒とユダヤ人を鼓舞させ、教育して仕込むこと。ふたつ、キリストの贖罪のメッセージでモスリムを動かすこと。みっつ、真実でモスリムを動かすために教会の「福音伝道の結びつき」を教えること。

そのサイトは、訪問者に特定のモスリム国家のために祈るよう求める。そして「ゴスペルの準備が整った」土着集団のヴィデオを用意する。サイトは目下、モロッコ南部のベルベル人グループのおもしろいヴィデオプレイヤーを宣伝する。そして見る人に、「何世代にもおよび彼らを制限にとどまらせてきているイスラムの精神と妄想に逆らうよう請え。南部シルハのベルベル人がぜひとも真にアフリカの自由な男性と女性になるよう祈れ」と求める。

アナニは、1970年代前半を通してレバノンの闘士として少なくとも223人を殺し、キリスト教徒への改宗で「首をはねられるも同然」だったと主張する。カナダのウィンザースター紙の2007年の記事は彼のジハード(聖戦)の過去について疑問を投げかける。イスラム擁護の世界的な聖戦主義のエキスパートであり、裁判官資格のあるカナダ人のトム・クアイギンによると、あるアナニの話は実際の歴史的できごとと一致しなかった。

「アナニ氏がしてきた身の上話に基づいて、彼は微々たる程度の信憑性を特別扱いする人物ではありません」とシンガポールにある国家安全保障優秀センター上級特別会員のクアイギンは述べた。

シューバットとサリームは米国市民、アナニはカナダ人。

February 23, 2008

ファンキーなブッシュ大統領


◇AFRICOM受け入れをガーナが拒む
アフリカ5カ国歴訪の4番目の行程でブッシュ大統領はガーナにいる。火曜日、ガーナの大統領ジョン・クフォーは友人としてブッシュを歓迎したが、AFRICOMとして知られる米軍の新たなアフリカ司令部を受け入れるつもりはないと断言した。大統領は「私たちの主権は、私たちがだいじに育てるものである。」と言った。木曜、ブッシュはリベリアを訪問する、リベリアはAFRICOM受け入れを表している唯一のアフリカ国家である。

◇アナリスト:アフリカ訪問でブッシュは広く大陸に米軍を拡大するアジェンダをせきたてる
ブッシュ大統領は大統領職在任中2度目でおそらく最後となるであろうアフリカ5カ国歴訪でアフリカを再訪する。大統領の訪問はアメリカの戦略的そして経済的利益のためにアフリカ同盟国の中での支持を強化する好機だと、多くが予想する。それにはアフリカでの米軍司令部AFRICOMの拡大が含まれる。

◇米国はアフリカの基地をほしがってはいない
米軍アフリカ司令部を作るのは、彼がアフリカ大陸で米軍の駐留を拡大したがっているという意味ではないと、ジョージ・ブッシュ大統領は述べた。
ブッシュ氏は米軍基地のための用地を捜すため目下、アフリカを訪れているという考えは「ばか話(たわけたこと)」だと言った。
(以上、デモクラシーナウ!ヘッドラインより)

◇ブッシュ米大統領は20日、アフリカ中部ガーナの首都アクラで記者会見し、昨年新設した米地域統合軍「アフリカ軍」の配置問題について「アフリカに新たな軍事基地を建設する考えはない」と言明した。米国の軍事的影響力拡大に対するアフリカ側の懸念を打ち消したものだ。
ブッシュ大統領はクフォー・ガーナ大統領との共同会見で、アフリカ軍の役割について「平和維持部隊の訓練などで、アフリカ諸国が自らの紛争に対処する能力を高めることだ」と説明。「米国が突然、さまざまな軍部隊をアフリカに持ち込むという憶測を払拭したい」と述べた。
米国は昨年10月、アフリカ諸国のテロ対策や密輸取り締まりの能力強化を目的にアフリカ軍を新設。報道によると、ナイジェリアや南アフリカなど数カ国が米軍基地の拡大に懸念を示しているという。
アフリカ軍の司令部は現在、暫定的にドイツに配置。米国は、アフリカにある既存の米軍基地の利用や司令部施設新設の可能性を排除していない。
(毎日新聞 2008年2月21日)

リベリアで歓迎式典でのアフリカ音楽に突然ブッシュが踊り出した。上着をぬいでまでダンスして見せるブッシュに色めき立つ会場。BBCの記事のキャプションには「ファンキーなブッシュ大統領」とあった。写真はガーナでのクフォー大統領との共同会見の席上。ここでは新たな軍事基地は建設しないと明言するはめに。リベリアでブッシュが踊ってみせたのは、彼がファンキーというより、リベリアが米軍司令部のアフリカ唯一の受け入れ表明国だからでしょ。これが彼のお仕事!

February 22, 2008

グアンタナモ特別軍事法廷は八百長


ここにきてイギリス政府がゴタついている。これまでブレアが「間違ってない」、「正しいことをしてきた」、「米国がそんなことはしていない」ときっぱり言い切ってきたことが、なにやら怪しくなっている。いまだに不思議なのは、なぜこうまで米国に追随し、彼らの肩を持ってきたかだが。信念の人とも呼ばれるブレアは果たしてどんな弱みをアメリカに握られていたのだろうーー。

◇「書式一式」を書いた人:イラクに対して英国は「間違って」いた
イラク攻撃の基礎を作った、いわゆる諜報「書式一式」とやらの初期版を英国政府が発表している。40分以内にサダム・フセインは生物化学兵器に着手できると、当時の英首相トニー・ブレアがたびたび利用した主要な主張の言及は文書にはない。初期の草案は最終的な文書の基礎として活用されなかったと英外相デイヴィッド・ミリバンドは述べた。彼はまた、情報自由制定法(条例)の要請に従って公開を実施するため、司法の決定を批判した。草案が公開されたとき、それを書いた元ブレアの補佐、ジョン・ウイリアムズは、その戦争に抗議して辞職したブレア政権の人たちは「正しかった」と述べた。「政権のために働き続けたわれわれのような者は間違っていた」と彼は付け加えた。
(デモクラシーナウ!2008年2月19日)

◇囚人引渡(レンディション)情報で米国がUKに「遺憾」を表明
ワシントン:インド洋に浮かぶ英国の島(ディエゴガルシア)で燃料を補給したテロ容疑者を乗せた米国航空機についてもたらされたワシントンの不正確な情報に関して、米国は木曜、英国に遺憾の意を表明したと述べた。
「初めに昨年末にわれわれが招いた、英国政府に提供された不正確な情報がありました」と国務省報道官ショーン・マコーマックは述べた。「よき友人であり同盟国に不正確な情報を提供するという、初めにエラーがあったことをわれわれは遺憾に思う」と彼は述べた。
この出来事に関して米国の遺憾を表明するため、米国務長官コンドリーザ・ライスが水曜に英外相デイヴィッド・ミリバンドに電話したと、彼がリポーターに語った。
当初米国が請け合ったことに反して、尋問を外注する外国にテロ容疑者を「引き渡すフライト」として2002年に2機の航空機が英国領ディエゴガルシア島の米軍基地で燃料を補給したと、木曜早くにミリバンド外相が英国議会に伝えた。
2001年にジョージ・ブッシュ大統領が就任して以来、正規の外国への犯罪人引渡の手順外でテロ容疑者を移送するのに英国領土が使われているなんてことは知っていないと英国政府はあらかじめきっぱり主張してきていた。
(ロイター通信 2008年2月21日)

◇独占記事:グアンタナモ米軍基地での軍事裁判は前もって結果を粉飾される
「ペンタゴンは無罪放免の可能性をあらかじめ排除してきている」と、刑務所の特別軍事法廷の元主任検察官が述べるのを、ネーション誌があばく。

ということは、グアンタナモに閉じこめられている人々は、テロとのつながりやアルカイダとのつながりが何ひとつ明らかにされなくても有罪ということになる。
閉じこめられるといえば、自分の肉体に閉じこめられる「ロックトインシンドローム(閉じこめ症候群)」というのがあるのを最近知った。そう、ジュリアン・シュナーベルのすごい映画「潜水服は蝶の夢を見る」でだ。この映画は冒頭からすごい。こういう映像体験って初めてに近い気がする。シュナーベルが言うように、誰でも病気になるものだ。主人公は病気になるまで、自分は「生きて」いなかったと書く。想像力と記憶とでこの「潜水服」から抜けだせる、とも。調子が出てきてこれからってときに肺炎の合併症を起こして彼は死ぬ。

February 20, 2008

カストロ引退


デモクラシーナウ!2月18日ヘッドラインからーー。

◇スンニ派民兵が民間人の死者によって米軍との協力をやめる
イラクで今月12人の一般市民を殺害した米軍のミサイル攻撃に抗議して、今週、米軍と連携した民兵が治安部隊の持ち場から堂々の退場(ストライキ)をやってみせた。「イラクの息子」として知られるグループのメンバーたちは、米軍部隊といっしょに戦うのに日給10ドルをもらい戦闘用ベストを配給される。だが、前日のバグダッドの南の町での米軍の攻撃の当然の結果として、土曜日、ほぼ2000人のメンバーが彼らの持ち場を放棄した。ヘリコプターから降りると、米軍部隊はわざと発射したと民兵のメンバーは述べる。「イラクの息子」はもう米軍とはいっしょに働かないと述べる。(「イラクの息子」というグループは、米政府と軍とが元スンニ派ゲリラが「めざめ」て米軍に協力していると宣伝してきた傀儡警察の元メンバーだ)

◇オルメルト首相 イスラエルは「だれもみな攻撃できる」
イスラエルとその占領地でイスラエルの急襲のあった日曜日、90人以上のパレスチナ人たちが逮捕されイスラエルに連れていかれた。イスラエル軍が引き上げる前に一般市民のパレスチナ人ひとりとハマスの闘士3人が殺され、20人が負傷した。パレスチナ人のロケット弾が発射されれば、イスラエルには「だれでもみな攻撃する」権利があるとイスラエルのオルメルト首相が知らせたとき、急襲が起こった。
イスラエルのオルメルト首相:「われわれの国の南部でどういう類であれハマスに代わって責務を引き受けているだれでもみなに対し、応酬し、接触しようとし、そして攻撃することで、われわれにはまったくの自由がある。」オルメルトは、一連の「基本原則」だけで今年パレスチナ当局と和平協定に達することはあてにしないと続けた。まさしく最終段階までエルサレムの現状についての話を遅らせることにパレスチナのアッバス議長は同意しているのに、パレスチナ当局は主張を真実でないと言っていると彼は言った。昨年11月のアメリカが黒幕として牛耳るアナポリスサミット以降、アラブの東エルサレムに大規模な2つの入植地の拡大をイスラエルは発表してきている。ハマスのスポークスマン、サミ・アブ・ズハリが停戦についてイスラエルと話し合うことでハマスはただちに受け入れるままだと言ったとき、オルメルトのコメントが起こった。
サミ・アブ・ズハリ(Sami Abu Zuhri):「イスラエル占領軍が、わがパレスチナ民族に対するあらゆる形の正当な理由のない攻撃をやめることでゆだね、わが民族に押しつけられる包囲を取り除くのであれば、事態を注視するのになんの反対もないことをハマスは確認してきている。」

◇国連の人道主義のトップ:ガザ封鎖をやめろ
一方で、国連人道支援担当官のトップがイスラエルのガザ地区の封鎖をやめろとの要求を繰り返してきている。国連人道支援担当事務次長、緊急救済コーディネーターのジョン・ホルムズは金曜にガザを訪れた後こう語った。
国連緊急救済調停官ジョン・ホルムズ:「このどれもがここガザの人間と人道上の情況を厳然たる冷酷の方向へ進ませている。これは彼らにその権利がある、基本的尊厳を持って生きることができないということを意味する。どうしても必要なのが遮断する交差点の開通、人道上の物資はもちろん、他の物資がたくさん入ってくることで、人々はもっと普通に生きられるようになり、もっと尊厳のある暮らしを始められる。」

写真は、引退の声明をしたキューバの指導者カストロ。これで49年間におよぶカストロ政権が終結することになる。81歳のカストロ議長は声明のなかで、「機動力と総力をあげた献身が要求される要職を務められる健康状態にはない。この状態で引き受けることは私自身の良心を裏切ることになる。」と書いている。

February 18, 2008

クジラ問題は日本の「環境」問題


今日の朝刊の「鯨肉 さばけぬ悩み」というのが気になった。商業捕鯨が中止になって20年になるのに、なんたって日本のクジラ肉の在庫が「普通の企業ではありえない」6000トンまで増加しているというのだから。なんで? 政府が調査捕鯨を拡大したからだ。国策販売会社は赤字続き、国民になんとか食べてもらおうと農水省管轄でクジラ料理講習会などを開催して盛んにアピールをかけているというのだ。これっておかしくない?
水産庁捕鯨班と日本鯨類研究所が後押しする「合同会社 鯨食ラボ」のサイトを見ると、「鯨ルネッサンス 鯨肉の価値の再構築を実現します」と威勢がいい。日本鯨類研究所(鯨研)は、世界で批判くらってる調査捕鯨を行う財団法人だ。2月2日の朝日新聞によると、この実働部隊も懐はピンチ。国から無利子で借りていた36億円の運転資金のうち10億円が返せなかった。鯨研は05〜06年に、クジラの生態系調査を強化する名目で、南極海での捕鯨頭数を440頭から850頭に増やした。
以下、専門家の意見から抜粋ーー。

◇調査捕鯨をめぐり反捕鯨活動家の拘束事件が南極海で起きた。日本はここ数年、調査捕鯨を急拡大。国際会合では多数派工作を進めてきた。問題に出口はあるのか。
日本の調査捕鯨をめぐる南極海での緊張が、これまでになく高まっている。
1月15日、環境保護団体「シー・シェパード・コンサベーション・ソサエティ」(本部米国)の2人のメンバーがメッセージを伝えるため航行中の日本の目視採集船「第2勇新丸」に乗り込み、日本側はこれを拘束した。
シー・シェパードは国際環境保護団体「グリーンピース」(本部オランダ)の創設メンバーだったポール・ワトソン氏が1977年に組織した。過激な行動で知られ、アイスランドなどの捕鯨船を沈没させたこともある。シー・シェパードにしろ、グリーンピースにしろ、日本側関係者は彼らを「環境テロリスト」とあしざまに呼び、放水による排除活動を行うようになっている。
実は政府間でも調査捕鯨をめぐる駆け引きは昨秋以降にわかに慌しさを増している。発火点はオーストラリアでの政権交代だ。昨年11月の総選挙で勝利した労働党政権が掲げる重要公約の一つが「反捕鯨」。12月19日には外務・環境の両大臣が会見を開き、日本の違法行為の有無を監視するため税関巡視船を派遣することなど行動計画を公表した。(つい先頃、この税関巡視船が撮影した写真が海外のメディアで取り上げられ、大きな衝撃を与えた)
このなかで一つの焦点として浮上したのが「ザトウクジラ問題」だった。日本は今年から新たに大型種であるザトウクジラ50頭を捕獲する計画を立てていた。だがホエールウォッチングの対象となることの多いザトウクジラはオーストラリア国民にとって特別な存在だ。それもあって、同国での反捕鯨キャンペーンは過去最大のものとなった。
12月11日、議長国の米国がひとつの提案を示した。機能不全に陥るIWC(国際捕鯨委員会)の正常化と引き換えに、ザトウクジラ捕獲を見合わせろというのだ。日本政府はこれを受け入れ、21日異例なことに官房長官がこれを発表した。 
日本の譲歩には、オーストラリアでの反捕鯨熱を沈静化させる狙いもあったが、新政権はその後も「調査捕鯨は無意味かつ残虐な行い」との主張を前面に出し、反捕鯨外交の手を緩めようとしていない。
日本の調査捕鯨への国際的関心が高まっている背景には、その規模が年々拡大していることがある。
そもそも調査捕鯨とは何か。IWCは1982年、乱獲による資源量の激減や環境保護運動の高まりを受け、商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を採択した。そこで日本が87年末から始めたのが調査捕鯨だ。国際捕鯨取締条約は、IWC加盟国が自身の判断で資源量や生態を調査する目的でクジラを捕獲することを認めている。「IWCでの承認手続きは必要なく、他国からとやかく言われる筋合いのものではない」と水産庁捕鯨班は合法性を強調する。「殺さなくても調査はできる」と反捕鯨派の批判は根強いが、年齢や胃の内容物などを知るには「致死的調査が必要」として日本側は譲らない。
調査とはいえ、商業捕鯨時代と同じように母船を中心とする船団方式で行われており、必要経費は莫大だ。そのため捕獲調査後のクジラはすぐに約15キログラムの赤肉ブロックなどに解体冷凍、日本帰国後に「副産物」と称して売り出し、その収入を費用にあてている。全体の5割強が卸売市場、4割弱が加工会社、残り1割が学校給食関係などに販売される。副産物利用も前出の国際条約が定める義務なのだが、反捕鯨からは「擬似商業捕鯨」と反発が強い。
そうしたなか、日本は調査規模を拡大してきた。当初の対象は南極海のミンククジラ約300頭のみだった。乱獲時代に見向きもされなかったのが小型のミンククジラだったために資源量が豊富で最後まで商業捕鯨の対象とされた。18年間の計画で始まった南極海調査の一方、94年は北西太平洋でも大型のニタリやイワシ、マッコウの各クジラも対象となった。さらに南極海調査は05〜06年のシーズンから6年間の第2期計画に移行、ミンクの捕獲数は2倍超の最大935 頭に増え、ナガスとザトウの各クジラも対象に加わった。
調査捕鯨の実施主体をになうのは水産庁の関連公益法人「日本鯨類研究所」。そこが投じる費用は07年9月期予算で73億円にも上る。それを賄う副産物の収入は68億円(差額は国からの補助金を充当)、量にすると5000トン以上だ。これはモラトリアムに異議申し立てを行い93年から商業捕鯨を再開したノルウェーの捕獲量を上回る。
在庫増加に危機感を持った水産庁の後押しにより、販路拡大のため5年限定の新会社「鯨肉ラボ」が2年前に設立されたが、成果は上がっていない。流通量に限度があるため、大手スーパーが定番品として扱いにくい面もある。たとえば、イトーヨーカ堂は3年前から鯨肉の取り扱いをやめている。
民間の「クジラ離れ」はほかにもある。鯨研は調査捕鯨の船団を民間企業の「共同船舶」から用船し、副産物販売についても委託している。だが、一昨年6月に同社は「民間資本」ではなくなった。というのも、日本水産はじめ5社が、鯨研など水産庁の関連公益法人に保有株式を無償譲渡したからだ。この件に関する旧株主の口は重い。ある企業は「アンタッチャブルな問題」とささやく。「背景には海外での環境保護団体によるハラスメント(=不買運動)の影響もあった」と共同船舶は明かす。企業にとってはクジラ関連ビジネスは「経営リスク」なのだ。
そうした足元のクジラ離れをよそに、日本は調査捕鯨拡大だけでなく、IWCでの多数派工作を強力に進めてきた。ODA(政府開発援助)で関係が深い西アフリカ諸国などが捕鯨容認国としてIWCに次々加盟。賛成・反対ほぼ拮抗する状況となった。一昨年のIWC総会では捕鯨推進派寄りの「セントキッツネーヴィス宣言が1票差で決議され、日本代表団はモラトリアム採択から24年ぶりの勝利に沸いた。だが、直後から英国が反捕鯨外交を展開。欧州新興国など5ヵ国が加盟し、形勢は再び逆転した。
次の議長国には副議長を務める日本が就任することが確実。数年間は日本にとって捕鯨外交を推進する上でまたとない好機のようなのだが、IWC総会で4分の3以上の賛成が必要な商業捕鯨再開は現在の情勢から見てほぼ不可能というのが一致した見方だ。にもかかわらず、なぜ日本は「経済的に問題なし」の捕鯨推進にこだわるのか。「生物資源を持続的に利用しようとする原理原則の問題。クジラで一歩譲ると、次は (資源減少が指摘され始めた)マグロでも譲らなければならなくなる。そのためにも調査は必要」というのが日本政府の答えだ。
南極海遠征は必要か 関心の低さこそが問題
たとえば、調査捕鯨のあり方はどうか。日本が多額の費用をかけてはるか遠くの南極海で調査を続ける理由は、将来の商業捕鯨の想定海域としているからだ。
現実的選択肢からかけ離れた大規模事業は、ややもすると一部関係者による利権と化す。捕鯨は欧米に対して日本が自らを主張する数少ないテーマだけに、強行路線派、偏狭なナショナリズムのはけ口となるきらいもある。それらは結局、「国益」を損なうことになりかねない。これを機に日本人自身が捕鯨問題を見直す必要がありはしないか。
商業捕鯨が認められているノルウェーの捕獲量を上回る調査捕鯨の理論は、世界の反感を呼ぶ。世界に対してていねいにPRを行うべきだ。
(週刊東洋経済 2008年1月26日)

◇現在日本が行っているのは、IWCの規約上認められている「調査捕鯨」を拡大解釈した日本流の「調査捕鯨」だが、その実態は限定的「商業捕鯨」である。
また、「一部の鯨種」の中に、実際には絶滅危惧種のナガスクジラ、絶滅危急種のザトウクジラも含まれている。日本はそれを沿岸および北西太平洋だけでなく、IWCが保護区と定めた南極海という公海でおこなっている。
このいびつな「国営捕鯨」を支えているのは、水産庁捕鯨班とタッグを組む日本鯨類研究所である。「鯨研」は国庫補助金と調査捕鯨の副産物、つまり鯨肉の販売収入で運営されている。
「鯨研」の手足となって動くのが、かつての商業捕鯨最盛期を担った大手水産会社が統合された「共同捕鯨」を前身とする現・共同船舶株式会である。またその下で鯨肉消費促進を図るために去年設立されたのが「鯨肉ラボ」という合同会社だ。さらにこれらを自民党捕鯨議員連盟などが「官民一体」の名のもとで後押ししている。
だが、それでも鯨肉はだぶついている。なので、自衛隊や学校給食への導入も考えられている。かつて販売の主体であった民間の水産会社は、採算がとれないので、すべてクジラに見切りをつけている。
「捕鯨は日本の伝統」ということがたびたび言われる。だが、渡邊洋之氏の著書「捕鯨問題の歴史社会学」(2006年東信堂)のなかにおもしろい指摘がある。
つまり、近世までの局地的な沿岸捕鯨の伝統と、明治時代の「ノルウェー式捕鯨」導入後に形成された歴史とでは、あらゆる点で断絶があるというのだ。その一方で、昔は多くの漁村でクジラは大漁をもたらす「神」として獲ることを禁じられていたり、魚ではなく動物という認識があったため、その肉を食べることが倫理的(仏教観)によくないとされていた「伝統」もある。こうした日本人の意識の問題や、歴史の「複数性」に触れられないのはなぜなのか?という問題もある。
クジラ問題は「文化摩擦」などではない。まさしくメディアを含め、私たちを取り巻く「環境」の問題なのだ。
(ブログ「弱い文明」より抜粋)

February 16, 2008

ラテンアメリカのカタツムリ革命




日本の三井物産株式会社及び丸紅株式会社は、昨年、ベネズエラ国営石油公社(PDVSA)との間で締結したベネズエラ産原油及び石油製品引取りに関わる包括引取枠組契約に基づき、200万バレルのベネズエラ産原油を共同で引き取ることで合意している。ベネズエラの原油を積んだタンカーが8月に出港した。

◇資産凍結でベネズエラ国民がエクソンモービルに抗議
石油大企業エクソンモービルとのベネズエラの戦いは激しくなっている。水曜日、米連邦判事はベネズエラ国有石油会社の海外資産と銀行口座の凍結を裁定する裁判官を支持した。エクソンモービルは国有化されたベネズエラ石油プロジェクトにおける開発をいわば埋め合わせる命令を勝ち取った。エクソンの投資額は20億ドルから40億ドルの間と値踏みされたにもかかわらず、120億ドルを上回るベネズエラの資産が凍結されたのだ。距離を置く国務省がエクソンモービルの支援を発表した数時間後にこの命令が下った。その間に、ベネズエラではエクソンモービルに対する抗議でデモ隊が英国大使館まで行進した。ベネズエラの主権を陰険な手段で傷つけるとしてベネズエラのエネルギー大臣ラファエル・ラミレスは会社を訴えた。
エネルギー大臣ラファエル・ラミレス:「一国の利害を超えた会社、エクソンモービルは、われわれの政府に満足していない。エクソンモービルがわが国の政府について何を思うか、われわれはほとんど気にかけない。わが国の政府はベネズエラ国民、ベネズエラの労働者、ベネズエラの制度・法令に合致する。」
ベネズエラは今週初めにエクソンモービルに石油を売るのを中止した。

◇キューバのカストロ政権と反米左翼のチャベス・ベネズエラ大統領らが提唱する独自の経済協力協定「米州ボリバル代替統合構想(ALBA)」の首脳会議が1月26日、ベネズエラで開かれ、チャベス大統領は加盟各国に対し米国系金融機関からの資金の引き揚げを求めた。AP通信などが報じた。
大統領は「(外貨準備を)なぜ、北(米国)に置いておかなければならないのか」と強調。約10億ドル(約1070億円)を原資とするALBA銀行の創設を打ち出し、各国の開発支援にあてるという。
各国は石油や天然ガス、地熱発電への合弁企業の発足でも合意したほか、イランが南米諸国への金融支援を表明した。
ALBAの加盟国はイランやボリビア、ニカラグアなど計6カ国。豊富な石油収入を原資としたチャベス大統領の影響力がさらに拡大しつつある。
(共同通信2008年1月27日)

◇ベネズエラのウゴ・チャベス大統領がラテンアメリカとカリブ諸国に反米軍事同盟を提携することを求めている。
心底からの反米指導者は、ニカラグア、ボリビア、キューバ、ドミニカはひとつの統一軍隊を創設すべきだと述べる。
米国帝国主義とみなすものを長いこと批判してきたチャベス氏は、リーダーたちのサミット後にコメントした。
米国拒否を守り通しても、チャベス氏は米国が中南米にとって重大な脅威の姿勢をとると確信する。
彼は最近、コロンビアとの強力な結びつきを案出することでその地帯を精力的に不安定にしようとしていると米国を責めている。
資本主義やグローバリゼーションや米国との彼の戦いでチャベス氏にはキーとなる重要な同盟国がある。
ボリヴィア、キューバ、ニカラグア、そしてカリブ諸国と、どれもみな、南米独立指導者シモン・ボリーバルから名前をいただいた米州(南北中央アメリカ)ボリバル代替(オルタナティヴ)と知られる貿易(通商)同盟国のメンバーだ。
チャベス氏は彼ら仲間に、共同の防衛政策を立案して米国帝国主義と戦う統一軍隊を創設しようと促している。
「米国がわれわれのうちの一国をおどしでもしたら、われわれすべての国をおどすことになる」と言って、「われわれは一体として応酬するだろう」と言った。
(BBC 28 January 2008)

写真は、今から14年前以前のものにまでさかのぼり、グルーバル化やあらゆる搾取と闘うラテンアメリカのすべての民衆蜂起の名称と同等にまでなるサパティスタ民族解放軍(EZLN)に関するものです。2006年、レベッカ・ソルニットが「インディアンの地位だけにとどまらず、革命の本質にまでおよぶ革命を演出した」と書いた革命勢力、サパティスタ民族解放軍は、みずからをカタツムリやトウモロコシにたとえる。1枚目はサパティスタの女性たち。2枚目は刺繍されたそのシンボル。そして3枚目はランドリーと壁画のあるサパティスタの学校。
これらの写真がキャプション入りでついた最新のレベッカ・ソルニットの記事は後日、メールマガジンのほうで紹介するつもりです。写真はクリックすると拡大版で見ることができます。

サパティスタのことをインターネットで知った方は多いはず。彼らを率いるマルコス司令官は世界中の大学生に特に人気です。彼らはじょうずにインターネットを活用してその運動の精神を世界中に知らせてきています。ビジュアル的にもうまい。なんでも、ネットワーク上での活発な活動は米国のジャスティン・ポールスンという当時の学生がウェブページを作っていて、なかなかニュースにならないラテンアメリカの解放運動の声明やインタヴュー、新聞記事、論説などの貴重な資料がべたべたとアップされていました(http://www.ezln.org/)。これは当時、画期的なこと。ネットの世界では「サパティスタ」があらゆるジャンルの革命を表す名詞になっているのがわかる。

February 13, 2008

いよいよGreedy 強欲という伝染病


昨年6月25日、米エクソンモービルとコノコフィリップスは、ベネズエラ石油事業への参加継続を拒否し、両社がベネズエラから撤退する可能性が高まった。
米シェブロン、ノルウェーのスタトイル、英BP、仏トタルの4社は、協定に署名する予定だと伝えられた。

◇ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は10日、米石油大手エクソンモービルの訴えに基づいて国営ベネズエラ石油(PDVSA)の海外資産の差し押さえが実行されれば、米国への原油輸出の停止も辞さない考えを明らかにした。
チャベス大統領は、自身の定例ラジオ・TV番組「こんにちは大統領」で、エクソンモービルを「盗賊」と呼び、「こうした帝国主義の盗人、企業犯罪者どもに、わが国の搾取は許さない。彼らはイラクの侵略を支持し、いまなお続くイラクでの虐殺を支持している」と強く批判。油田国有化政策をめぐるエクソンモービル社との係争について「経済戦争の氷山の一角」と述べ、「わが国での略奪は許さない」と対決姿勢をあらわにした。
エクソンモービルは、チャベス大統領が進める油田国有化にともない損害を受けたとして、PDVSAを相手取り総額120億ドル(約1兆2800億円)相当の海外資産の差し押さえを求める訴訟を起こしていたが、前週7日、英ロンドンとオランダの裁判所がエクソン側の訴えを認めた。
米ニューヨークの裁判所も、米国内の3億ドル(約320億円)相当のPDVSA資産の差し押さえを命じている。これに対しベネズエラのラファエル・ラミレスエネルギー石油相は8日、これまでにPDVSAの海外資産が凍結された事実は確認していないと述べていた。
ベネズエラは輸出収入の90%を原油に頼っており、米国にとっては第4位の原油輸入先国となっている。
チャベス大統領はまた、同番組内でベネズエラ国内に工場を持つスイス食品大手ネスレとイタリア食品大手パルマラットについても触れ、「2社が国内の牛乳を独占し、国営の乳製品工場が設立できないのは理にかなわない」として、両社の国内工場を収用する可能性を示唆した。
(AFP 2008年2月11日)

◇チャベス大統領は、「米国の攻撃的な態度が原油価格を1バレル=200ドルまで押し上げる可能性がある」と述べた。
エクソンモービルは、ベネズエラで重質油改質プロジェクトを進めていたが、ベネズエラが昨年同プロジェクトを国有化したことから、ベネズエラ国営石油会社PDVSAの資産凍結を求める訴えを起こしていた。チャベス大統領は、「米国が仕掛けた経済戦争にベネズエラも参戦する」とした上で「イラン、エクアドルなどの他の産油国もベネズエラに味方するだろう」と語った。
(ロイター通信2月11日)

◇国務省のショーン・マコーマック報道官は13日、「国際法の規定に応じて適切で公平な保障を得られるようエクソンモービルを全面的に支援する」と述べた。一方、ベネズエラのニコラス・マドゥロ・モロス外相はマコーマック報道官の発言について、今回の一連の問題が政治的な理由に基づくものであること証拠だと反撃している。
(AFP 2月14日)

◇国営ベネズエラ石油(PDVSA)の海外保有資産が、同国から事業撤退した米エクソンモービルの訴えに基づき、欧米の裁判所で差し押さえ命令を受けた問題で、ベネズエラ政府はPDVSAの取引先に対し、今後の取引はスイスの金融大手UBSを通じて決済するよう要請した。ロイター通信が11日報じた。
スイス金融界の法制は一般的に預金者保護で知られており、PDVSAは、資産凍結が実行に移された際に対抗する狙いがあるとみられる。
ロイターによると、PDVSAの海外保有資産額は900億ドル(約9兆6000億円)超。欧米の裁判所は、このうち120億ドルの差し押さえを命じた。
(共同通信)

◇「原油価格が1ドル上がるたびに、エクソン社の収益は4半期あたり1億2500万ドル(約133億4311万円)上昇する」と、CNNの報道でオッペンハイマー社資源アナリスト、ファデル・ゲイト氏は語った。
エクソン社の記録的な最高益は2006年度の395億ドル(約4兆2180億4600万円)で、1分あたりおよそ7万5000ドル(約8001万円)稼いでいる計算になる。
2月1日、石油業界各社が2007年度の収益を公表した。これによると、エクソン社の昨年度の収益は406億ドル(約4兆3312億円)で、予想通り、エクソン社の史上最高益記録を更新した。前年度の記録の14%増になる。またシェブロン社の収益も前年比29%増、英シェル石油も276億ドルと過去最高益を記録した。石油大手5社(エクソン、シェル、BP、シェブロン、コノコ・フィリップス)の合計収益は2002年以降3倍に膨れ上がった。

増益増収は石油業界ばかりではありません、兵器産業も万々歳! 大統領が代わっても業界の利益は維持されるとの発言が伝えられています。マケインだったら百年戦争大統領ですから安泰なはず。すでに今から「次の戦争もある」んだと、支持者に覚悟を促しているくらいですから。
「チェンジ!」は、反グローバリゼーションの大統領が率いる他国からじわじわと押されるかたちでしか実現できないのではないでしょうか。

February 12, 2008

音楽は世界を救えない


ニール・ヤングは先週ベルリン映画祭で報道陣に「音楽は世界を救えない」と言って驚かせた。「音楽が世界を救えたのは過去の時代」と彼は述べた。「今日の時代にそう考えるのは非常に単純でうぶってことだろうと思う。世界は違う立場にある、科学や物理学や精神性がこの世界を変えるときで、地球を救うために精力的に取り組むときだ。」
あれから、「Ohio」や「Rockin’ in the Free World」を書いた男は、彼の見解を詳しく述べることにした。以下は彼のステイツメントだ。

◇単に歌ってだけ by Neil Young
世界を変えられる歌なんてひとつもない。だからって歌うのをやめるときだと言ってるんじゃあない。
地球のどこかでひとりの科学者がもっぱら独力で進んでいる。彼や彼女が何を考えているか誰も知らない。解決のカギは手の届くところにある。答えがわかっていれば、ボクなら歌にして歌っているだろう。
これは革新の時代だ。希望の問題。でも希望だけじゃあない。革新の時代には人をかきたてるものがきっと見つかるはずなんだ。これが最大の挑戦。誰がこの挑戦、やりがいのある仕事にどっぷりつかっているか?今日、誰が探しているか?昼も夜も。四六時中。それはボクだとわかっている。
あきらめるなと友人たちは書いてよこす。ボクはあきらめてなんかいない。これが変化のときなのはわかっている。でもそれが歌でないのはわかっている。たぶん過去は歌だった。でもいまは違う。行動、仕上げ、思いがけない啓示、新しい手段。人をかきたてるものをボクは探している。それが見つかるか?ああ、見つかると思う。ボクがなぜこの第一級の発見を可能にする助けになりたいと思ってきているかはわからない。ボクにわかっているのは、それを見つけたとき歌に書けるってことだ。それまでボクは探索について歌に書くか、ずっと探して暮らすかだ。でも、歌だけでは世界を変えることにはならない。たとえそうでも、ボクは歌い続けるつもりだ。
(ローリングストーン誌2008年2月11日)

冒頭のベルリン映画祭ではニール・ヤングの映画「CSNY Deja Vu」が上映された。これはニール・ヤングが反戦歌「リヴィング・ウィズ・ウォー」でもって全米を駆けめぐった、2006年のクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの全米ツアー「Freedom of Speech tour」の映像とこれに対する人々のリアクションで構成されるドキュメンタリー作品。「Let's Impeach the President(大統領を弾劾しよう)」の演奏では、これに応える歓声と中指を突きつけるブーイングとで文字通り会場がまっぷたつに割れる。アメリカの置かれた現状が見て取れる。

February 09, 2008

民間の経営トップはFBIの同僚


「大統領暗殺」という映画を見ました。経済界から招かれて短いスピーチをするためにシカゴにやってきたブッシュがシェラトンで簡単に射殺されます。
アメリカにいるアラブ系やイスラム教徒の人たちはそうとうな個人情報をあちこちの機関に握られています。彼らは犯人をあげる(クリエイトする)ために共有した情報の「ほしいところ」を選び取ってメディアも国民も納得するストーリーを完結します。映画のようにあとから実は身内(湾岸戦争で闘った愛国者の黒人)が犯人の証拠がそろっても、それは簡単に片づけられます。
映画で、夫が犯人に仕立てられた米国在住のシリア人妻は、犯行後自殺した本物の犯人に「引き金を引く前に、これがどういう結果をもたらすか考えなかったのか」問い詰めます。いまの米国は、大統領を殺した人物が、イラク戦争で息子が死んだことでブッシュのせいで殺されたと恨む愛国者の父親では困るわけです。
そんなことを考えていたら、2月8日のデモクラシーナウ!にこんなヘッドラインがありました。

◇FBIがテロ対策で2万3000社の経営トップに代理を命ずる
民間業の2万3000社以上の代表者が、そっと遠回しにFBIと国家安全保障省の同僚であるのを、プログレッシヴマガジンが報じている。経営のボスたちは世間が知る前にFBIから直接テロリストの脅威の警告を受けるInfraGard(インフラ保護)として知られるグループになる。ある告発者によれば、FBIは交戦法規(国際法)の場合には射殺する許可をInfraGardのメンバーに与えている。

「InfraGard」は1996年にクリーブランドのFBI現地局で始まったプログラムなんだそうです。以下、サイトよりーー。

◇InfraGardはNIPCの重要な出先機関
クリーブランドのFBI現地局で設立されたInfraGardは、民間と政府間のインフラ保護のための情報共有のために地域事務所を持ち、コンピュータ関連の事故に対する民間と政府の協調体制および対応システムを築いて運営する。InfraGardは、事件発生時に事故内容を暗号化し、FBIとNIPCに電子メールで送信することで加入機関に関連情報を通報する。
InfraGardが提供するサービスとして以下のようなものがある。
・地域支部会議の参加:加入機関は多様な教育プログラムに参加することができる。たとえばセミナー、教育、訓練、ニュースレターなど支部活動への参加。
・警告通知:NIPCが提供する暗号化メールによるネットワーク上の警告通知。NIPCは情報機関関係者および犯罪調査部門から入手した情報を加入機関に対して定期的な脅威報告の提供を行う。
http://www.infragard.net/

◇NIPC(全米インフラ保護センター)は、21世紀の未来戦争である情報戦争に対応して全米の主要なインフラをサイバー攻撃から保護するため1998年2月FBI局内に設置された機関。

February 08, 2008

Funny bones 映画バケツリスト

◇ちょっと人を喜ばせるもの
死は笑い事ではない、とはいえジャック・ニコルソンの新作映画「The Bucket List」(大量のリスト)はそうでないのを提案するかもしれない。ジョニー・ディーは映画史において最も忘れられない死のシーンを再現する。

映画「The Bucket List」は末期症状のガンの2人の男に向けられている。2人はいやいやながら病室を共有しなければならないときに出会う。モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンが演じるペアが、スカイダイビング、ピラミッドを見る、バイクに乗って中国の万里の長城を行く、カッコーの巣の上を飛行する...などといった、常にしたくてもする機会が一度もなかったことすべてをすることで彼らの生涯を終えると決めるとき、死ぬことに関する映画であっておかしくないものは、実のところ、生きることに関する映画なのだ。ああ、それに家族と和睦することや、喜びで元気にさせること。映画「タイタニック」のように、映画のひとつの要素は予測できても、映画をだいなしにしたくないので、君のために種明かしはしない。代わりに、映画の最も感動させる瞬間に吹き込まれたボクたちの興奮が以下(記事の下にある読者からの書き込みのこと)にある。映画の死のシーンは、いつだってボクたちの大好きなシーンだ。
(ガーディアン紙 9 February 2008)

◇1月11〜13日の北米映画興行収入ランキングは、ロブ・ライナー監督による末期がんをテーマにしたコメディー「The Bucket List」が1950万ドル(約21億円)で初登場首位となった。
(ロイター通信2008年1月13日)

写真は映画「The Bucket List」のワンシーン、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの最後の笑顔
他にも映画のオフィシャルサイトからテント暮らしする2人やスカイダイブするニコルソンなどのシーンを見ることができます。
http://thebucketlist.warnerbros.com/

February 07, 2008

日本の調査捕鯨の真実をあばく




写真は、英インディペンデント紙の記事、「日本の科学上の調査捕鯨について写真が真実をあばく」から(The Independent 8 february 2008)

一枚目:南極海域でクジラに銛(もり)を打ち込む日本船「勇新丸2号」につながれる殺害されたミンククジラの死体だとオーストラリア政府が述べるのをこの写真は示す

二枚目:南氷洋でミンククジラとその子どもクジラが日本の捕鯨船「勇新丸2号」の後尾傾斜路(ランプ)に引っ張っていかれる

三枚目:南極海域で銛(もり)を打ち込まれた後、2頭のクジラが日本船の船上に引き上げられる。
新聞の一面に貼り付けられ、TVで見せられるこれらの写真は、例年の殺戮を止めるため可能な法的行為の証拠収集のためにクジラを追跡するオーストラリア税関の船から撮影された

調査捕鯨とはいえ、殺したクジラの肉は売られるんです。科学的調査と言い張るんだったら、日本政府はやはりその証拠を世界に公開して説明したらいい。
写真の力は大きいです。

写真はクリックすると拡大版で見ることができます。

February 05, 2008

スーサイドボンバーズ


◇イスラエル南部ディモナのショッピングセンターで4日午前、自爆テロがあり、イスラエル放送などによると、少なくとも女性1人が死亡、8人が負傷した。警察は自爆テロ事件と断定。自爆犯2人も死亡した。ディモナは核研究施設があることで知られる。イスラエル国内での自爆攻撃は昨年1月に紅海沿岸のリゾート地エイラートで起きて以来。
(時事通信2008年2月4日)

◇ロイター通信によると、アッバス・パレスチナ自治政府議長の出身母体ファタハ系の武装組織「アルアクサ殉教者団」と、パレスチナ解放機構(PLO)反主流派の「パレスチナ解放人民戦線」(PFLP)が犯行を認めた。
イスラエル警察などによると、腰に爆発物を巻きつけた男2人が現場に近づき、1人が自爆。もう1人は爆発前に治安当局に射殺された。
一方、イスラエル軍は自爆テロ発生後、ガザ地区北部で過激派組織「パレスチナ民衆抵抗委員会」(PRC)の車を空から攻撃、乗っていた幹部を殺害した。自爆テロに対する報復かどうかは不明。
(毎日新聞2008年2月5日)

◇自爆攻撃の責任は、アッバス議長のファタハとばらばらにつながりのあるガザのアルアクサ殉教者団の分派によって犯行声明が出された。声明はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)と今まで知られていないグループ、United Popular Brigade(統一人民団)で攻撃を実行したと言う。
だが、昨夜イスラエルの警察と軍が2人の爆弾犯の出所を確認するのを断ったとき、困惑が増大した。
同時にロイターはハマス筋が述べているとして、爆弾攻撃はイスラム教党派の軍部陣営によって作り上げられていた、そしてそれをしでかしたのはガザというよりヘブロンの人間だった、というのを引用した。もし事実なら、2004年以来のイスラエルでのハマス自爆攻撃となる。
(インディペンデント紙2008年2月5日)

◇火曜日、ガザ南部のハマス地盤をイスラエルの空からの攻撃が猛撃した。これによって少なくともハマスの闘士6人が殺され10人が負傷、3人がきわどいと、ハマスの防衛筋は述べた。
空襲はハンユニスの東の地盤を攻撃したと筋は言った。ガザ南部に空からの攻撃を実行したのをイスラエル防衛軍は確認したが詳細は提供しなかった。
(CNN 2008年2月6日)

写真は、昨日自宅で息子の写真を見せる自爆した22歳のLuay Laghwaniの母の姿
爆弾を腹に巻きつけてイスラエルの町に入るスーサイドボンバーズになるように仕込まれる青年の話、映画「パラダイスナウ」を見ると、イスラエルによって強いられる窮乏生活と世界から取り残され、檻の中に閉じこめられたと実感する少年や青年の将来への絶望感がボンバーズになる道を用意するんだというのがわかります。少なくとも映画を見ることで、わたしたちのガザっ子への距離は縮まると思います。

February 04, 2008

団結した脚本家たち


「ハリウッドのストライキがもたらす地殻変動・TV依存からの脱却」という日経ネットの記事を見つけた。
昨年11月から数日前まで続いてきたハリウッドの脚本家組合のストライキの影響は、人気TV番組や映画製作がストップしただけの一過性の話ではすまされない。シリーズもののTV番組の放送そのものを変えかねない、コンテンツ問題の将来において対岸の火事ではすまされない重要な含みがあると専門家は述べている。
以下、記事から抜粋ーー。

◇そもそもストライキはなぜ起きたか
今回のストライキの根源は1985年にまでさかのぼる。当時ホームビデオが普及するなかでその売り上げの関係者への配分方法が決められたのだが、脚本家の取り分は売り上げのわずか0.36%、ホームビデオ1本当たり4〜6セントに相当するものだった。
この配分率の低さに不満だった脚本家組合は、DVDの普及段階でDVDについてはこれを増やすよう交渉した。だが、映画会社は、制作ならびに宣伝コストの高騰を理由に断り、0.36%を維持した。
そして2006年2月、米ABC TVは番組のダウンロード販売の収入のうち脚本家の取り分をDVDと同じく0.36%に据え置くことを決めた。ほかのTV局や映画会社もこの決定に追随した。ある報道によると、たとえば、2005年末からアップルの「iTunes」で有料配信された「Lost」など大ヒットした番組の脚本家に支払われる配信開始後3カ月間のダウンロードの報酬は、これによって455ドルにしかならなった。
また、番組のネット配信の宣伝用に制作されるwebisode(ショートクリップ)はプロモーションとして扱われるため、脚本家はwebisodeの制作からは一切報酬を得られない。
すなわち、脚本家は過去20年間、新たなメディアでのコンテンツ流通が増大するにもかかわらず、そこから十分な報酬を得られてきていない。一方、今後はネットが間違いなく重要な流通経路となることから、将来にわたり収入を得る機会を失うのを避けるため、脚本家組合は行動を起こしたのだ。決して、組合が権利を主張するためばかりにストライキを起こしたのではなかった。

◇コンテンツを制作する側にも正当な見返りを
TV番組や映画を作る際、莫大な制作資金を調達するTV局や映画会社がリスクに見合ったリターンを得るのは当然である。だが、コンテンツはクリエーターの力なしには完成できない。コンテンツの制作側も正当に報われなければならない。こんな当たり前のことが無視され続けてきたことが、今回の脚本家組合のストライキだった。ーーこれが第1の含み。
実はこれに近い動きが日本でもすでに起きている。もう私的録音録画補償金を払う必要はないと電子情報技術産業協会(JEITA)が宣言したことに対し、デジタル化が進むことで所得機会を喪失している権利者(著作権者、著作隣接権者)たちが激怒した。その延長で先月、私的録音録画補償金制度の堅持を求める「Culture First」という運動が立ち上がった。注目すべきは、そこに参加している権利者団体の数が87に達したということである。音楽、落語、歌舞伎など、コンテンツの制作側がジャンルを越えて一致団結し、流通側に対して怒りを表明したのである。

◇TV依存からの脱却をめざす
第2の重要な含みは、ストライキが長期化するなかで、脚本家たちの一部にTVや映画館といった伝統的なメディアに依存せずに自分たちでコンテンツ制作・権利保有・ネット流通を行える会社を設立しようという動きがいくつも始まってきたことだ。これにはベンチャーキャピタルやシリコンバレーのネット専門家も関与する。
つまり、コンテンツ制作側がマスメディアへの依存をやめ、ネットを活用して自立しようという動きが始まったということ。実はストライキが始まる前の昨年前半から、ハリウッドの俳優やプロデューサー主導によるそうした動きがいくつかあった(動画配信プラットフォームのFunnyorDie、MyDamnChannelなど)、ストライキを契機にこの流れが本格化したと理解すべきであろう。
そして第3の含みーー。シリーズものの人気TV番組の放映が中断されるなかで、視聴者側にもTV離れが起き、ネットで動画を観ることが多くなった。実際、プロの動画専門サイトにはストライキ後にアクセス数が倍増しているものがある。どのメディアを選ぶかでは視聴習慣が大きく影響する。ネットでの視聴に慣れた利用者にとっては、ストライキが終結したからといってこれをやめることにはならない。

◇適切な刺激
今回のストライキを契機に、米国ではコンテンツの制作側も視聴者側も、TVという最もメジャーなコンテンツ流通経路への依存割合を修正し始めている。ネットの普及段階からずっと「ネットがマスメディアを代替する」と言われてきた。ストライキという人為的なアクションによって、米国ではそれが実現するかもしれない。
2月2日の報道によると、3カ月を超す長期ストライキも終結の見通しがついたようだが、今回のストライキは、以上3点の含みから、非常に大きい意義を持つものだったと評価できる。

写真は、1月14日大手映画会社ワーナーブラザーズの前でピケを張るストライキ中の脚本家たち(AP電より)

February 03, 2008

パレスチナのことで頭がいっぱい


全米で320万人が所属する反戦組織「ムーブ・オン」が2月1日、オバマ氏の支持を打ち出し、20州以上の予備選・党員集会が集中する5日のスーパーチューズデーに向け、支援運動の開始を宣言した。「ムーブ・オン」は民主党に多額の献金を行うなどして、党内に影響力を持つうえ、カリフォルニア州だけでも、50万人の会員がいる。オバマ氏が頼みとする草の根運動は、一段と弾みがつきそうだ。
(北海道新聞2008年2月3日)

メディアの顔となって流れを作っているバラク・オバマは、自分が大統領になったら、まず中東のイスラム指導者らに会いに行って話をすると言いました。ヒラリーから「ナイーブ」だと言われましたが、彼はほんとうに、パレスチナ人が民主的な選挙で代表として選んだハマス指導者らと会うんでしょうか。イスラエルは選ばれた彼らを、ただハマスというので、ばかばか殺しています。

February 02, 2008

生活必需品買い出しで罰を下す


イスラエルの報復の早さとむごさは有名である。大して破壊力のない(つまりぜんぜん脅威ではないということ)抵抗運動の「ポン!」に対しても必ずハマスのメンバーだと言って何人か殺すほどのお返しをする。今回のラファ国境の壁を誰かが破壊したことで報復のニュースはこれまでに入ってきていないが、ほんとうにイスラエルはこれを見逃しているんだろうか?
やはり、彼らは迅速に行動していた。国際メディアは「だんまり」でも、市民力、草の根の「パワーオブピープル」が報じていた。
以下、日本のP-navi info経由で紹介するーー。

「私がこれを書いている折しも、パレスチナ人に不可欠なものを仕入れさせた、壁の部分を爆破した勢力のガザ指導者ムハンマド・ハルブをイスラエルが殺しているとのニュースが入る。占領の番人を「選ぶ」ことでイスラエルと米国からの限りない圧力にもかかわらず、パレスチナ人はハルブをその代表として民主的に選んだ、彼はその人たちのつかの間の自由のために命を落とした。」(Power of the people Nada Elia )

他の25日付ニュースによると、ガザ地区南端のラファでイスラエル空軍の攻撃によって4人のパレスチナ人が殺された。クルマを狙った2回のミサイル攻撃の犠牲者のなかにムハンマド・ハルブの名が含まれる。イスラエルは、全員がハマスのメンバーでイスラエル攻撃をもくろんだから殺害したと述べている。
一方で、日増しに悪化の一途をたどるガザの生活状態について以下のような報告があるーー。

ガザ市ザイトゥーン地区にある下水処理場は毎日2万リットルの石油を必要とする。ガザへ石油が入ってこなくなり(入っても一日の量7万リットルほど)稼働できなくなった。排水が逆流して配管をつまらせ、街路にあふれ出ている。ガザの保健省は「環境は破滅的」だと宣言した。
すでに断続的に続く停電のために限られた燃料で動かす発電機でどこに電力を使うかが問題となっている。
ガザ最大のシーファ病院の救急部長は、「保育器の赤ちゃんか、手術室か、心臓病の患者か、どこに電気を送るかで選択をしなくてはならない。」と語る。22日にWHOもこの医療状況について警告していた。ワクチンなどを保管している冷蔵庫も停電のせいで低温での保管ができなくなっている。

写真は、ラファに住むガザっ子、エジプトとの国境にある倒れた壁の前でお茶をする。(キャプションにはイスラエルの「包囲を破る」とある。)

February 01, 2008

バンクシーたちのアートアタック


ガザのエジプト側の壁が倒されて1週間が経過。欠乏している燃料などの生活必需品や医薬品は手に入ったのだろうか。イスラエルの封鎖を破った日、つかの間の自由を手にしたガザの人々の笑顔も2日目以降は、彼らが行ける国境に近い町アリーシュにすでに調達するモノがなく、たとえあっても高値だったりで、手ぶらで戻る人もかなりいたらしい。エジプト政府がアリーシュの商店に仕入れを許さなかったという話も聞いた。
ニュースによると、27日イスラエルのオルメルト首相とパレスチナのアッバス議長の会談でエジプトに壁の修復を要求するというので一致した。エジプト政府が申し出るアッバス(ファタハ)とガザを支配するハマスの直接会談にはオルメルトが反対を表明。アメリカ・イスラエルから圧力をかけられて困った立場のアラブ同胞のエジプトに手を貸そうとのイランの動きもあって、政治的な交渉でなんとかなるとはとうてい思えない。
さて、イスラエルのガザ封鎖に対しては国際的な非難が高まっている。
26日にはイスラエルをはじめとして、英国、フランス、イタリア、米国、南アフリカなどで抗議行動が行われた。1500人のイスラエル人がガザ近くまで行って抗議をしたほか、ロンドンのダウニング街では5000人が英国政府にイスラエルに圧力をかけるよう求めた。また米国でも10を超える都市で抗議活動が行われた。
一方で、約1500人のパレスチナ人(ガザ居住者)がアリーシュの町にとどまったまま、空港などへのアクセスをエジプト政府に認めるように要求している。彼らはハンストに入る用意である。この人たちは国外に仕事があったり、留学していたり、ガザの外での治療を必要とする患者とその家族などで、ガザから他の国に行くことを望んでいる。
政治的な解決方法が見つかりそうもないとき、「生きながら絞め殺しにあってる」人々が唯一頼れるのが、世界の市民がまとまって世界の関心をそこに集めることではないだろうか。そういう意味では、世界のあちこちから政治意識を持ったアーティストたちがベツレヘムに結集する動きには、人をひっぱる知力を感じて感動する。政治のあてにならなさがいっそう露骨になっている。アーティストのような別人種が動かせることってあると思うし、またそういう感性が政治的駆け引きの泥沼化には必要なんじゃないかと思う。

以前にも西岸の分離壁で絵を描くバンクシーのことは書きましたが、補足として昨年クリスマスシーズンにバンクシーの呼びかけに応えてベツレヘムに行った仲間のアーティストの記事をメールマガジン「NewsFanzine」で紹介しました。
イギリスのニューステイツマンの記事はこちらから読めます。「No-187:バンクシーたちのアートアタック
写真は、分離壁に描かれたバンクシーの作品のひとつです。