見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2008/10/31

全米規模の有権者パージ


◇いんちきチラシがバージニア州の民主党員に誤った投票日を教える
有権者だましの報告が国の全域で続きます。バージニアでは、州の選挙管理委員会から来たという意味のいんちきチラシが投票日に民主党員が投票するのを妨害するため配布されてきています。選挙後の11月5日に投票するよう民主党員と独立系支持者に伝えます。

◇報告:セコイアの投票機はハッキングをこうむりやすい
もうひとつ投票のニュースでは、プリンストン大学の新しい報告が、目下ニュージャージーと他の州で使われている電子投票機に対し警告しています。カリフォルニアが拠点のセコイア・ヴォーティング・システムズ社によって造られた投票機が約7分でハッキングされてしまうと報告書は言います。この報告は、投票機の悪用をめぐる4年の法廷闘争の一環としてニュージャージーの判事によって命じられました。
(デモクラシーナウ!2008年10月29日のヘッドライン)

グレッグ・パラストとロバート・ケネディJrによると、おおがかりな有権者パージが行われているそうです。2000年のフロリダの数百万の黒人有権者を極悪人と名指しして追放したことの全米版が今回の選挙で進行中だと言います。この泥棒された投票権を「盗み返す方法」が呈示されているのが二人の新著コミックブックです。とにかく、「投票用紙を郵送では絶対に送るな!」期日前投票を活用して「いますぐ投票しろ!」特に、今回初めて投票するマイノリティや貧乏人には暫定投票用紙が手渡されるが、これは破棄されることになるので、「暫定投票用紙は絶対に受け入れるな!」その際には「法廷に持ち込め!」どうやるかは「サイトを見ろ!」この「ガイドブックを持って投票に行け!」と必死で訴えます。誰がパージされるか教えない。世論調査ではわからない、開票されて「サプライズ!」ということが起こりうるということです。アメリカ人のみなさん、サイトからこれを無料でダウンロードして、仲間に広めましょう。だいじな選挙です、今度は盗まれないように、最後まであきらめずに、全米で立ち上がってください。そうすれば、世界だって黙って見過ごさないと思います。
詳しくは、近々UPのメールマガジンでお読みください。

写真は共和党副大統領候補サラ・ペイリンのコレクターズアイテムのひとつ。「私はワシントン政界のエリート文化の解毒剤」とペイリンは言っています。インサイダーによれば、彼女の急激な躍進を後押しするのがこのワシントンのエリートたちです。たとえ今回の選挙に敗れても彼女には「白旗をかかげて負けるつもりはない」、彼女はアラスカに帰るつもりはなく、ワシントンに居座るときっぱり言い切っています。

2008/10/30

どたんばのオクトーバーサプライズ



◇どたんばの心変わりーアメリカ大統領選を追いかける
BBCのマチュー・プライス

実りのない一日だった、日の暮れる前のペンシルバニアをよく歩いて、フロリダのウエストパームビーチへと移動する。そこでボクたちはジョン・マケインのイベントを待ちかまえていた。

結局、それは共和党候補といっしょに移動する記者という「要員」を除き、すべての報道関係者を立ち入り禁止にした。それでいまボクたちはまたもや移動中、明日もう一度、ジョン・マケインに会えることを期待して北に引き返す。アトランタ空港ではちょうど日が沈むところだ。ボクたちはまだオハイオにたどり着けないでいる。遅れはないと決め込んで、移動時間は19時間!

この時期、オバマをコースから厄介払いするかもしれないかなりのカーブ、「オクトーバーサプライズ」のうわさ話がたくさんある。

現に影響を生じるには投票日に近づきすぎだとボクは考えているのだが、ここへきて保守的なウェブサイトでこれが準備され、起ころうとしてきている。そして少なくとも地方紙のなかでうまくやり遂げる徴候を示す。フォックスはまたそれをたくさん報道している。

アメリカ生まれのパレスチナ人大学生について好意を示す言葉で話すバラク・オバマのヴィデオを故意に削除するとしてマケインのスポークスマンが昨夜、LAタイムズを非難した。多くの人がこの種の報道にはうんざりだというのが私が持つ感情だが、ことによると、もうひとつ、よく誤用され人を惑わせる言葉「テロリスト」とオバマを結びつけるものが、誰かさんの考えを変えることになるのかも?
(BBC NEWS 29 October 2008)

◇フランスのサルコジ大統領が、自身の人形をブードゥー教の教本とセットで販売している出版社に対して出版の差し止めを求めていた訴訟で、現地の裁判所は29日、大統領側の請求を棄却した。この教本では、ブードゥー教ののろいの儀式用に、同大統領の人形に針を刺すようになっている。
裁判所は、その人形が「表現の自由とユーモアの権利の範囲内」と判断。サルコジ大統領側の肖像権の侵害に当たるという主張を退けた。
出版社は、この教本を2万部発行。人形には、同大統領が昨年握手を拒否された市民をののしった際に述べた言葉もプリントされている。
(ロイター通信 2008年10月30日)

◇フランスTV TF1などによると、判断は呪いの人形について「サルコジ氏という個人に対して針を刺しているのでなく、(大統領の)発想や政治的立場を皮肉ろうとするもの」と評価。「表現の自由とユーモアの範囲内だ」と認めた。大統領は上訴する方針という。
70年にはポンピドー大統領が、76年にもジスカールデスタン大統領が、いずれも大統領をからかう表現を含んだ印刷物について訴えを起こし、大統領側の主張が認められていた。
(朝日新聞 2008年10月30日)

◇教材セットはカリブ海地域にみられる呪術的色彩の強い民間信仰、ブードゥー教をサルコジ氏のぬいぐるみを使いながら学ぶ趣向。ぬいぐるみには論議を呼んだサルコジ氏の発言や政策が記されていて、添付の針を突き刺し、うさを晴らす体裁になっている。
(共同通信 2008年10月30日)

写真は人気のブードゥー人形サルコジ版。仏社会党ロワイヤル前大統領候補のブードゥー人形もあって、こちらも人気者、でもムキになるサルコジとは違って彼女は「有名になった代償」と軽くかわす。ロワイヤル版ブードゥー人形もカワイイです!

2008/10/29

アメリカのキラードローネ


◇キラードローネ(殺人無人機)

米軍は敵を除外するのにキラードローネを何年も使用してきている。だが、空襲は通常、少人数のグループかまたは個人を標的にしてきている。昨夜、アメリカの無人機は報じられるところではパキスタンの戦闘員の囲い地への攻撃の間に20人殺害した。おそらくはこれまでで最もすさまじい無人機の空爆となるものだ。

パキスタンを拠点にするゲリラはアフガニスタンにおけるアメリカの作戦でトップの脅威として持ち上がってきている。米国の無人航空機、あるいはUAV、プレデター(奪い取る人)とリーパー(死神)が、戦闘員に対する反撃でアメリカの司令官の特別上等の兵器になってきている。パイロットのリスクなしに無人機は長時間ゲリラの陣地の上空を旋回できる。おまけに、政治的冒険も見たところ少ないようだ。アメリカのゲリラ隊(突撃隊)による地上任務や有人飛行はパキスタン指導部を激怒させ、地元兵士たちとの小競り合いを誘発してきている。少なくとも今のところ、無人機の空襲はもっと控えめな反応を引き起こすようだ。それに攻撃に対し、まことしやかに関係を否認する権利をいくらか提供する。最近、無人機プレデターがパキスタンで墜落した。米軍はUAVとはなんら関係ないと誓って断言した。

「8月の発端以降」、パキスタンの部族エリアでのUAVの攻撃は少なくともこれが19回目だとニューヨークタイムズ紙は書き留める。「2008年の最初の7カ月間に5回空爆があった。」ある空爆などは「パキスタン領内に25マイル(約40キロ)も入り込んで行われている。」そしてますます破壊を意図したきわめて致命的な攻撃になっている。9月の一週間にアメリカの無人機が4度の攻撃で50人以上を殺害した。

タイムズ紙や他のニュース局は無人機「プレデター」が攻撃したと信じる。だが、プレデターに代わり、むしろもっと大型で強壮なUAV「リーパー(死神)」が使われている可能性が高い。プレデターの450ポンド(約200キロ)に比べ、搭載爆弾3750ポンド(約1700キロ)のリーパーは、ヘルファイアー(地獄の火)ミサイルはもちろん、衛星誘導型爆弾や25トン爆弾を搭載できる。並外れた死の爆撃を成し遂げることができる。

(DANGERROOM 27 October 2008)

2008/10/28

じゃじゃ馬ペイリン


この時期の米軍のシリアへの越境攻撃が気になります。27日シリアの外相は訪問先のロンドンで記者会見し、これは「アメリカ政府の決意に基づく犯罪で、テロ攻撃」だと強く非難している。「白昼の攻撃で誤認ではない。」なお、CNNによると、米軍関係者が米軍ヘリと特殊部隊が攻撃を行ったことを認め、標的はアルカイダとのつながりが疑われるイラク人「アブ・ガディア」だと言っているが、シリアの外相は「アメリカのウソ」と釈明を受け入れる気はない。米軍ヘリ4機の攻撃で子どもを含む民間人8人が殺されている。

◇スキンヘッズがオバマ殺害を計画
二人の男が法廷に出廷して、民主党大統領候補バラク・オバマ殺害のおどしで起訴されたと連邦捜査官は言う。

二人はまた未登録の銃・ライフルなど小火器所持と認可された銃の売人から盗みを共謀したことでも告発されていた。

二人組はダニエル・コワート20歳とポール・シュレッセルマン18歳と名指して呼ばれた。

ネオナチのスキンヘッズが100人以上の黒人を標的にする盛んな殺害活動でオバマ氏を暗殺しようと計画していたと法廷の記録は申し立てる。

男性らはテネシー州クロケット郡で先週逮捕された後、月曜、同州ジャクソンの法廷に初めて出頭したとATF(アルコール、タバコ、小火器と爆発物)取締局の捜査官が言った。

ATF当局は、逮捕の間に捜査官らがライフルと銃身を切り詰めたショットガン、ピストル3丁を押収していると言った。

二人の男はまだ最初の抗弁に入っていないが、今週後半には再び出廷することになっている。

・しろうと臭い

申し立てによると二人組は銃砲店で銃を盗み、そのあと不特定のアフリカ系アメリカ人が優位を占めるハイスクールで盛んな殺害活動を行おうと計画したという法廷の記録をAP通信が引用した。

二人の男が88人の黒人を撃って、他に14人の首を切る計画を立てていたとナッシュビルのATF現地取締局の特別担当官ジム・カヴァナウはAP通信に伝えた。白人至上主義者の社会では88と14は象徴的数字だ。

最終的標的をオバマ氏として、全米の盛んな殺害活動を行おうと努めていたとカヴァナウ氏は言った。

「彼らはそれができるとは信じていなかったが、なんとかして殺してしまおうとしたということだ。」

白のタキシードとシルクハットで正装してオバマ上院議員に向かってできるだけ早くクルマを走らせて窓から彼を撃つつもりだったと二人の男が言うのを法廷の記録は引用した。

この陰謀はどうもしろうと臭く、特に確かなバラク・オバマへの脅威には思えないが、二人の男にはある種の黒人学生に対する攻撃を行う手段と意図があったとアメリカ当局者らが信じるのは明白だと、ワシントンにいるBBCのアダム・ブルックスは伝える。

オバマ陣営にはこの報道に対する初期段階のコメントはなかった。

(BBC NEWS 28 October 2008)

写真は今回起訴された自称「白人至上主義者」の片割れ。
話変わって、マケイン陣営の主要顧問たちがサラ・ペイリンは「手に負えなくなっている」と外部に漏れるほど不信感をあらわにしているようです。
ただしペイリン関係者たちは、単に記者の質問への彼女の応答のまずさによるものだとの見解を示している。だが、さすがに先週コロラド州の飛行場で記者団を前に話が止まらなくなったことに言及して、自分をコントロールするのに苦労していることは認めた。

2008/10/25

3万人のインディオがハイウェイを行く



◇コロンビア先住民1万人以上がウリべ政権への抗議デモ行進を開始
1万人以上のコロンビア先住民が、アルバロ・ウリべ大統領への抗議のデモ行進を始めました。参加者たちは先住民居住域の軍事化、アメリカ・コロンビア間の自由貿易協定、そしてウリべ政権が先住民社会と結んだ様々な協定の履行を怠っていることに抗議しています。
(デモクラシーナウ!2008年10月24日)

◇コロンビアのアルバロ・ウリベ大統領と大規模なインディオの抗議運動のリーダーたちが日曜、カリ市で会うつもりである。今週、抗議者らはコロンビア、ヴィラリカのパンアメリカンハイウェイを行進する。

木曜の晩、大統領は抗議のリーダーのひとり、ダニエル・ピナクエと電話で話をして、「包括的で建設的」な会話を期待すると述べたとコロンビア政府は伝えた。

数万人規模のインディオたちが、もっと土地を、もっとましな教育と医療ケアを、彼らの先祖の土地を企業が侵略することから保護してと要求して、コロンビア南西の山脈から200万人の都市カリまでデモ行進している。

コロンビアの130万人のインディオは4000万の国民のなかでも最も力を失い最も貧乏になった人たちと同列に考える。

デモが10月10日に始まって以降、抗議者と警官隊が衝突してきている。少なくとも4人のデモ参加者が殺されて130人が負傷してきているとインディオのリーダーたちは言った。彼らは政府の治安部隊がデモ隊をねらって銃撃すると非難してきている。

当局者らはこの申し立てを否定してきており、治安部隊めがけて石を投げつけ、火炎ビンや手製爆薬を投げるインディオがいると言った。主に暴動鎮圧隊(機動隊)の70人の治安部隊の隊員がケガをしたと政府は言った。

当局者らはまた、群衆の怒りをかきたてるために仲間のデモ参加者を撃っているインディオがいると言った。

最初のうちそのような言いがかりを否定した後、治安部隊は発射していないとの政府の誓約にもかかわらず、水曜日ウリベは先週警察がインディオに発射していたのを認めた。

10月16日、コロンビア南西部のラマリア・インディオ(政府指定)保留地にいる警察の姿を示すヴィデオテープをCNNが入手して放送した後、記者会見でウリベは「警察は発射した」と言った。

発射したパトロール隊員は爆薬で攻撃されたとウリベは言った。監督官は彼が発射したのを知らなかったと大統領は述べた。

殺されたインディオらは、警察の銃弾ではなく彼らの爆薬の結果として死んだのだとウリベは言った。

「これはレジスタンス運動です」と抗議者のロドリゴ・キーラは言った。「私たちはウリベ大統領の政策に同意しません、他のグループもまた同じ感情を抱いています。それで私たちの仲間に加わっているわけです。」

デモ行進者たちは南米の主要な交易ルート、パンアメリカンハイウェイをくねりつつ進んできている。彼らは時折、海を渡って持ち込まれた病気、奴隷制や戦争の結果として南米と中米の全域で多くのインディオが死んだとき、スペイン征服の時(10月12日はコロンブスのアメリカ大陸発見の日というか、搾取の始まり)にさかのぼる伝統的なインディオの歌を奏でる。

「私たちの権利を要求する闘争で、私たちは強固な同盟を創り出さなければならないと考える」とインディオのリーダー、アイダ・キルクエは言った。

コロンビアの暴動鎮圧部隊の隊員は、「火炎ビン、火薬(手製爆薬)、ナタで闘っているのでインディオは最悪だ」と言った。

コロンビア政府によると、ウリベとピナクエとの5分の電話で、今週末に双方が「兄弟の間柄のつもりで」話すべきだと大統領は述べた。
(CNN.com 24 October 2008)

◇「混乱ばかりを伝えるのではなく、なぜ私たちが立ち上がっているかを伝えていく必要があります。まず、コロンビアでは、虐殺、民族虐殺が進行しています。内戦や麻薬対策という名目の農薬空中散布、医薬品と食料品の遮断、先住民追放などにより、現在18の民族ですでにその数500人を下回り、消滅の危機にあります。コロンビア政府が憲法を守らず、これらの民族虐殺を止めるのに適切な対応をとらないなかで、国内的にも国際的にも憂慮される情況にあります。
また命に関して言えば、先住民ばかりか、内戦で脅かされているすべての国民のために運動しています。
そして先住民の権利が、石油開発や鉱山開発など、多国籍企業の活動によって脅かされていることがあります。先住民の協議の権利を侵害し、生存を脅かしています。また先住民の権利を侵害するような関連法が制定されようとしています。農村開発法や森林法が自由貿易を推し進めるため、制定されようとしています。
また、40万人以上の土地を持たない先住民の問題に対して、政府の真摯な対応を求めています。
危機にある18の民族の存続を確実にする計画の策定とそのための予算措置、そして心安らかな平和が必要です。政府と、すべての准軍事組織に対し、政治的な解決の道をとることを要求します。武力紛争が民族の消滅、コミュニティの消滅をひきおこしています。
また、先住民運動を犯罪とみなすのを拒否します。私たちが運動を展開するたびに、政府はゲリラが浸透しているといい、犯罪者とみなそうとします。ですが私たち先住民組織は、当初から武装グループを拒絶し、武力紛争に対し、独立した立場を要求してきています。私たちはいかなる形の戦争にも同意していません。
人々が平和を求めている時、政府は力で蹴散らそうとします。人々を追い払うことはできても、問題は解決できません。ウリベ政権下の6年に1240人の先住民が暗殺されています。99人という政府の報告は大きな誤りです。2003年のカンコアモ族の虐殺だけでも、153人の命が失われています。
今年だけで57人の先住民が暗殺され、カウカではこの一カ月に20人、1週間に7人の先住民が暗殺されています。けれど、私たちがこうした弾圧に反対する運動を展開すると、さらなる弾圧で応えてきます。
これ以上の犠牲者が出ないことを願うとともに、政府が私たちの要求に応じることを求めます。
(Razones de Minga de la Movilizacion Indigenas Nacional)

◇コロンビア国内に広がる先住民のデモに対する支持
エルリベラル紙の報道によると、国内の数千人の女性がカリに向かう先住民デモ隊に合流するとのことである。
デモへの参加は、先住民女性への連帯と擁護、過酷な状況に置かれている農民やアフリカ系住民の女性たちへの連帯、そして人権擁護のために活動しているリーダーの命を守るためだと伝えている。
さらに、先住民の運動について、それにすべての抗議について、政府がテロリスト呼ばわりすることへの抗議であり、その証拠を公にするためだと語っている。
他に、公務員組合などが木曜日から全国でストライキに入るとのことだ。
(23 October 2008)

◇CNNが警察が抗議行動に対して銃撃を加えている様子を撮影したビデオを公開
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/10/22/colombia.shooting.video/
index.html#cnnSTCText

◇コロンビア政府の対応に反発が広がる
欧州議会の議員がコロンビアの先住民運動への抑圧について声明を発表
10月12日から着手する先住民のデモや組合運動にに対する政府の抑圧に抗議した。102の先住民のうち消滅の危機にある18の民族の存続と、先住民の自治区の権利、自治権の尊重を求める運動を正統なものであると評価し、コロンビア政府に対して軍隊による抑圧の早急な中止を要求すると共に、3名の欧州市民の理由なき追放を受け入れがたいとする声明を発表した。さらにコロンビアにおいて社会運動を抑圧するため、常にテロリズムに対するの戦いとの口実が使われることにも強く非難している。
  
◇不当な強制退去処分への抗議
コロンビアでは、今回の事件とそれ以前から海外の人権擁護団体のメンバーなどに対し圧力が高まっており、今月2日にドイツ人1人、14日にはフランス人2人が強制退去させられた。彼らは人権組織のメンバーもしくは現地情況を記録するためコロンビアを訪れていた。

◇10月18日、コロンビアのウリベ大統領はこの件に関して、「外国人が入国規定を破り、テロリストに混じり、先住民の抗議を利用している」、「こうした外国人は退去でなく監獄に入れるべきだ、暴力をそそのかしている張本人」、「真実をねじ曲げている」などと非難した。 
(以上、開発と権利のための行動センターのサイトのニュースより抜粋)

写真は今週パンアメリカンハイウェイをくねくねと行進していく抗議者のデモ。このハイウェイは中南米をチープに旅するバックパッカーにはおなじみのルートです。

2008/10/24

平和を好む有権者


◇4年前、私たちを大変な苦痛をもたらす戦争に底知れず導くのをブッシュに許した盗まれた選挙によってアメリカ人はだまし取られました。海外で暮らす600万人のおよそ半数が投票用紙を断じて受け取ってません。登録がシュレッダーで処分されたのです。欠陥のある投票機が約100万人の票をダメにしました、おおまかに言って100人にひとりの運だめしです。

イラク戦争を終わらせて将来の戦争を防ぐための絶好の機会、そして人々の意志ではなく詐欺行為によってそれが決まった場合、いつでも行動する準備ができていなければならない、この歴史的な選挙まで残すところ2週間弱です。平和を求める有権者にとって世論調査はたぶん肯定的に見えるかもしれません、でも私たちを自己満足させるわけにはいきません、そして確実に歴史を繰り返させるわけにはいきません!

コードピンクは「No More Stolen Elections」という全米の取り組みの一部です。このグループは、これまでに問題が生じてきている重要な選挙区で周囲の事情をモニタリングしていて、さらに多くの投票マシーンと選挙スタッフに肉薄して迫ってきています。選挙の夜、コードピンクには選挙の公平さについて彼らの見解を表明する専門家グループがいます。もし重大な詐欺行為があれば、私たちは全米に動員をかけるつもりです、そして11月5日から着手します。

もし盗まれた選挙があれば11月5日から始まる行動を起こすとの誓約にサインをしてください。詐欺行為が生じた重要な州とワシントンDCはもちろん、私たちは全米の地域社会に動員をかけるつもりです。

・連合についてさらなる情報はこちら:
◇NoMoreStolenElections.org
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=gFcn9NtB6RBFLduI%2FejTQiPO8Wz5GBhj
・有権者保護についてもっと知るにはこちら:
◇866ourvote.org
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=XIrI0e3o5kLBg90QxlH9FyPO8Wz5GBhj
・グレッグ・パラストの共同著作、調査報道コミック本の有権者ガイドの無料コピーはここからゲットできます。
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=9pY4BZX%2By1MzXvMqQayytSPO8Wz5GBhj

今度は、準備万端なのを確実にしましょう。今度は、私たちがすみやかに、そして決定的行動に出ると確実にしましょう。今回は、賭がすごすぎて捨てておけません。いっしょに誓約しましょう、「No More Stolen Elections!」

(CODEPINK 23 October 2008)

2008/10/23

投票させてなるものか


◇NATO軍の攻撃で殺されたアフガン人が35人に達する
アメリカ主導のNATO占領軍が別のアフガニスタンでの一般市民の大量殺人で非難されてきています。16日木曜のNATO軍の空爆で25人から30人が殺されたとLashkar Gahという町の地元当局者は言います。民間人の犠牲者を避けるため、空爆を限定する新たな方針を実践するとNATO司令官らが伝えた翌日に攻撃は起こりました。少なくとも18の遺体が瓦礫から引き出されたと居住者たちは言いました、他にまだ12人が瓦礫の下に埋まったままだと言います。18の遺体の年齢が6カ月から15歳までなのを確認とBBCの特派員は伝えました。NATOは爆撃が行われたのを確認してきていますが、犠牲者が生じたのを事実と認めていません。ペンタゴンが8月の空爆でアフガンの一般市民を大量殺戮したのを事実と認めるのにほぼ2カ月近くかかりました。そしてその時でさえ、居住者がおよそ90人だったと主張するとはいえ、米国は30人の一般市民を殺したのを事実と認めてきています。

◇元検察官:ACORN(エイコーン)徹底的調査は「人心の攪乱を狙った戦術」
FBIはコミュニティをまとめる団体ACORNへのインチキ有権者の調査に着手しています。マケイン陣営は、米国史上最もうまくいく有権者登録の成果のひとつ、ACORNを、攻撃の最前線をつとめる詐欺行為で非難してきています。この1年半を通してACORNは、主として若者、主として貧乏人の100万人以上が投票に必要な申し込み登録を行うのを助けてきています。国内の数エリアでACORNの運動員によって提出された登録用紙に不正または詐欺的な名前があることが見つけられてきています。ACORNの職員たちは事例をとがめ、それは登録した有権者のごくわずかなパーセンテージのみと強く主張してきています。Talking Points Memoというウェブサイトのインタヴューで、ニューメキシコの元連邦検察官デイヴィッド・イグレシアスは、「人心の攪乱を狙った戦術」と呼んで、その徹底的調査を非難しました。イグレシアスはブッシュ政権の検事解雇スキャンダルで解雇された検察官のひとりでした。彼は共和党員によって求められる有権者詐欺事件を追求するのを拒否したせいでいわば放免されたようなものでした。

◇「配管工のジョー」は免許を受けた配管工ではない
マケインが彼の名前を引き合いに出して加護を祈って以降、「配管工のジョー」に関して幾つかの意外な新事実がおおやけになってきています。ウルゼルバシャーは、実は免許を受けた配管工ではないのを、Toledo Bladeが暴露してきています。ウルゼルバシャーの会社には州の配管工事免許がありません、そして彼自身に責任を持たせる免許を受けません。つまり、オハイオでは配管工として仕事をすることができないということです。ウルゼルバシャーが登録を済ませた有権者であるかどうかの疑問もまた持ち上がってきています。

◇ブッシュはアンデス山系の貿易を拡大するが、ボリビアに停止を押しつける
ボリビア、エクアドル、ペルーに加えて、ブッシュ大統領がコロンビアとの一年の貿易拡大に調印しているところに、不安が起こります。ブッシュは、コロンビアとの自由貿易とやらについて広く議会の承認を求めています。だが協定はコロンビアの労働組合の指導者たちの多数の殺しを含める人権の懸念から延ばされてきています。ボリビアの貿易を拡大するにもかかわらず、ブッシュはなおもボリビアの特別貿易待遇をはずすことで議会の承認を求めています。
ブッシュ大統領:「アンデス山系貿易特恵条例は約束をちゃんと果たさない国々との貿易特恵をわれわれが停止するのを許す。そして残念ながらボリビアは麻薬取引と戦うための重要な奮闘で米国との協力を怠ってきている。そういうことで、不幸ながら、義務を果たすまでボリビアの貿易特恵を停止することを私は提案しようと考えてきている。」
批判者たちは、ブッシュ政権の申し立てはボリビアのエボ・モラレス大統領の政府を不安定にするためのキャンペーンの一環だとして、公然と非難してきています。

◇ヨルダン川西岸の抗議行動で3人のパレスチナ人が殺された
占領された自治区では、西岸のイスラエル軍による別々の攻撃で殺された2人の一般市民のパレスチナ人の葬儀が執り行われました。犠牲者は20歳と21歳でした。前日の18歳のパレスチナ人殺害に対する別々の抗議で2人はデモをしていました。同時に、例年のオリーブの収穫に加わるパレスチナ人農夫たちが西岸のイスラエル人入植者からの続行中の攻撃に苦しんでいます。パレスチナ人農夫のハムダラ・アファナはイスラエル軍が彼の訴えを無視してきていると言いました。
ハムダラ・アファナ:「毎年、私たちはオリーブを摘みに来ます、私たちには許可証があります。私たちめがけて走ってくるユダヤ人入植者に気づいたので私たちは逃げました。彼らが石を投げ始めたので、50メートル先にある軍の基地に向かってまっしぐらに走りました。入植者たちが石を投げてクルマを壊したと彼らに教えましたが兵士らは私をそのエリアからたたき出しました。」
(BBCのニュースにはオリーブの実を収穫する農夫に対する入植者の暴力を撮影するパレスチナ人カメラマンを数人が取り囲んで足蹴りにする写真が掲載されています)

◇パキスタンで米軍の攻撃で6人が殺される
伝えられるところでは、パキスタンでは米国の無人機からの最新のミサイル攻撃で少なくとも6人が死んでいます。アフガンとの国境の近く南部ワジリスタンで襲撃が行われました。

◇企業救済に反対するウォール街抗議行動をラルフ・ネイダーが主導する
ここニューヨークでは、16日木曜、ウォール街企業救済に反対してニューヨーク証券取引所の向かいで数百人が集会をしました。「企業犯罪で刑務所に入る時が来た」とあるプラカードに混じり、独立系の大統領候補者で長年の消費者支持者のラルフ・ネイダーがニューヨーク証券取引所のCEO、Duncan Niederauerを選抜しました。
ラルフ・ネイダー:「つまり、ウォール街はアメリカ国民を彼らの政府から締め出す壁なのだよ。所有者たることを認めても支配はしない国民の富からアメリカ国民を締め出す壁なのだよ。ミスターNiederauer、あなたのボスたちがあれほどはずかしめ、名声を汚してきている、あの旗を降ろしなさい。」
抗議者のリチャード・タブニックもまた企業救済を批判しました。
リチャード・タブニック:「企業救済は、貧乏人から金を奪い、それを金持ちに与えようとしている。基本的にレーガノミックス(レーガン大統領の経済政策)がそれである。貧乏人から盗み金持ちにくれてやる。私に言わせれば、水は葉にではなく、根にやるものだ。金は人々に与えよ、そして教育やマイホームへの機会を与えよ、そして現実にすべてを盗んできているこの連中、彼らには自分の行為の結果を黙って辛抱させろ。」

◇マケインの寄付者が戦争で不当に暴利をむさぼるとして告発される:DynCorp詐欺で告訴
イラクとアフガニスタンでの新たな詐欺行為の申し立てにふたつのアメリカの会社が直面しています。インターナショナルオイルトレーディングカンパニーという名の石油請負業者がイラクのアメリカ基地への燃料配達に関し不当に請求したことにより、この4年間で数千万ドルかせいできていると下院監視委員会は言います。会社のオーナー、ハリー・サージェントはフロリダ共和党の議長でジョン・マケイン上院議員の主要な基金調達者です。そして民間軍事会社DynCorpが、アフガンの下請け業者から労働者をおどして備品を盗むとして告発する、連邦訴追で打撃を与えられてきています。DynCorpは、予告なしに解雇してあとで労働者を放逐するのに武装した警備員を送り込み200ドル以上の用具を押収したと下請け業者は言います。
(以上、デモクラシーナウ!2008年10月17日ヘッドライン)

◇数万人のイラク人がアメリカ・イラク間の地位協定に抗議
もうあと3年米軍にイラク駐留を許す最終協定案に反対して土曜日数万人のイラク人がデモをしました。デモ行進者らはイラク国旗を振って「Yes, yes Iraq! No, no to the occupation!」とシュプレヒコールを唱えました。デモ参加者たちはジョージ・ブッシュ大統領とコンドリーザ・ライス国務長官の人形(ひとがた)に火を付けました。イスラム教シーア派ムクタダ・サドル師の支持者らは、イラクに米軍を駐留させる案はどんな案も多くのイラク人が反対なのを抗議が明らかにしたと述べました。
サドル師の副官ハジム・アラジ師:スンニ派とシーア派、アラブ人とクルド人を含める、すべてのイラク人が占領と安全保障協定への拒絶を表明するため今日街頭におもむいており、われわれはまた協定を公然と非難する人々すべてから同様のデモを組織するよう要求する。」
この協定を交渉してまとめた各党からも異論が噴出、協定への抵抗がイラク内でどんどん強まっているとニューヨークタイムズ紙は報じます。日曜、政府びいきの統一イラク連合は、2011年までに米軍がイラクを離れることが欠かせない、これがない限り協定は支持できないと言いました。
(デモクラシーナウ!2008年10月20日ヘッドライン)

◇マリキ首相を支えるイスラム教シーア派の与党会派は19日、協定案について「修正を要する」との声明を発表。スンニ派各党も慎重論を表明し、協定を支持したのはクルド人会派にとどまった。
同案で米側は、米軍の撤退期限を2011年末と明示することに初めて同意。また公務外で重大な罪を犯した米兵をイラク当局が訴追できるとした。だが各党は「訴追手続きがあいまい」と不満を示し、イラク当局の米軍管理をより強固にするよう主張したという。
一方、クルド人のジバリ外相は修正には応じない構えを示している。政府は今後、協定案を議会に示し、承認を求める考えだが、与野党ともに反発があり、難航は必至だ。
米軍など外国部隊のイラク駐留根拠である国連安全保障理事会決議が年内で失効する。このため両国による協定交渉は本格化した。
米軍抜きの治安維持がなお困難なため、イラク政府は締結を急ぎたい構え。だが、各党は米軍への警戒感が根強く、駐留米軍を軍事上の脅威と見なすイランの影響もある。国営イラン放送によるとモッタキ外相は19日、「協定は無益」と反対をあらためて表明。イラクのシーア派与党議員の多くは、スンニ派の旧フセイン政権時代にイランに亡命するなど関係は深く、その意向を無視しにくい。
イラク側からは外国軍駐留を可能にする新たな国連安保理決議を求める声も浮上。ただ、各国部隊のイラク撤退が加速する中、国際社会の慎重論も強く実現へのハードルは高い。
(北海道新聞 2008年10月21日)

◇ブッシュ政権は山頂の採鉱規制緩和に向けて進む
山頂の採鉱廃棄物を河川や小川の近くに投げ捨てることで、ブッシュ政権は規制を緩和しようと企てている。廃棄物処理が水質や水量に影響を及ぼすとして、どんな流れであれ100フィート以内に大量廃棄物の山を投げ捨てるのを石炭鉱業会社に禁じる1983年の規則の書き換えに内務省は近づいている。アースジャスティスのジョアン・マルハーンは、「新しい規則は大量の廃棄物の山を流れに直接どさりと投げ捨てるのを石炭鉱業会社に許すものとなり、永遠に小川を失うことになる。」と言いました。
(デモクラシーナウ!2008年10月20日ヘッドライン)

写真のイラストは投票を阻止しようとの企みが今年もまたハデに行われているというニュースから。今月号のローリングストーン誌に掲載されているグレッグ・パラストがロバート・F・ケネディJrと共同で書いた新しいコミックブック「Steal Back Your Vote」については後日メールマガジンにて紹介するつもりです。

2008/10/21

絶滅危惧種 サラクーダ


◇11月4日の米大統領選を前に、米紙ワシントンポストやロサンゼルスタイムズなどが17日、民主党のオバマ候補を支持するとの社説を相次いで掲載した。ロサンゼルスタイムズが大統領選で立場を明確にしたのは、ニクソン大統領を支持した1972年以来。

オバマ氏の地元、イリノイ州のシカゴトリビューンも同日の社説で「我々は彼の確かで思慮深い決断力に大きな信頼を寄せている」とオバマ支持を表明。同紙が民主党の大統領候補を支持するのは1847年の創刊以来、初めてという。

各紙は共和党のマケイン候補を支持しない主な理由の一つとして、そろって副大統領候補にペイリン・アラスカ州知事を選んだ判断を挙げた。ロサンゼルスタイムズは「ペイリンは記憶にある中で最も不適格な主要政党の副大統領候補で、無責任な選択だった」と厳しく批判している。
(日経新聞 2008年10月18日)

◇米海洋大気局(NOAA)は17日、アラスカのクック湾に生息するシロイルカを絶滅危惧(きぐ)種に指定した。

指定は、共和党の副大統領候補に指名されているサラ・ペイリン・アラスカ州知事の反対で半年間、延期されていた。同知事は、内務省が決めたホッキョクグマの絶滅危惧種指定にも反対しており、環境保護に対する消極姿勢が改めて際立つ格好となった。

シロイルカは北極圏に広く分布するが、同湾に生息する孤立した集団は乱獲で約10年前に半減、禁漁後も300頭前後のまま、回復していない。AP通信によると、指定により、沖合の石油掘削、港湾拡張などの開発計画への影響が想定され、同知事は「指定は時期尚早」と反発している。

ペイリン知事は、ホッキョクグマの絶滅危惧種指定について、「地球温暖化自体も、そのクマへの影響も確かでない」と主張し、内務省を提訴中。一方、環境団体「生物多様性センター」は「提訴したりせず、保護に取り組んでほしい」と求めている。
(読売新聞 2008年10月18日)

写真はアラスカ州近くの海で群れをなすシロイルカ(ロイター通信)
選挙関連のコレクターアイテムに「サラクーダ」とある魚のブローチみたいなのがあります。
先日サタデーナイトライブに出演して視聴率をかせいだサラ・ペイリンのハイスクール時代のニックネーム、サラ<バラクーダ>ペイリンからきています。これって、コレクターアイテム?

2008/10/19

ジョスリンに天使が降りてきた


◇抵当流れ処分にされるマイホーム最前線:ある母の苦闘
by Steven Greenstreet ANP(American News Project)17 October 2008

今日、ブロガーや活動家たちが介入できなければ、ジョスリン・ヴォルテールは家を失うことになります。水曜、ANPは、バラク・オバマとジョン・マケインの最後の大統領候補討論会の場所、ニューヨーク、ヘムステッドの住民の経済的苦境について伝えました。ジョスリンのニュースはとりわけ、ウェブ上での支援のほとばしりに影響を与えました。ジョスリンは、ANPがゴールドマンサックスにまでさかのぼるのをつきとめている、略奪を目的とするローンの犠牲になりました。ゴールドマンサックスはロイド・ブランクフェインがCEOのウォール街の企業で、昨年7000万ドル以上かせぎました。私たちはこのニュースを追い続けます。

▲ここまでの顛末はこちらのヴィデオでご覧ください。
http://newsproject.org/node/154

◇金曜日は歴史に残る日でした。午前11時、ジョスリン・ヴォルテールはこれまで20年間住んだ家、4人の子どもたちを育てた家、クイーンズヴィレッジの彼女の家を失う予定でした。急騰する抵当付き融資の支払いを続けることがどうしてもできないジョスリンには、彼女の家が競売にかけられるという事実、ぞっとする戦慄が待ちかまえます。

午前9時5分、私たちはコードピンクのメンバーリストに緊急の基金呼びかけを送信しました。それに対する反応を見たとき、私たちのアゴはあんぐり(びーっくり)。寄付金5ドル、25ドル、500ドル、1000ドルもありましたよ!私たちは1時間以内に1万ドル以上集めました。そして支援の美しいメッセージといっしょに寄付金はどんどん増え続けます。

ジョスリンは感動して涙をこぼしました。そして午前11時、私たちの即時保証の1万5000ドルによって、抵当付き融資銀行員らが競売を止める気になったのです。

私たちはやりました!!!政府が富裕層を救済するため何十億と私たちの税金を奪っているのに、私たちは絶望した母親を救済するため結集しました。あなた方のおかげです、私たちは一日で650人の寄付者から3万ドル以上を集めて、ジョスリンに愛と同情をどっさり与えました。金融家ではなく、政府には個々の災難に直面する私たちの家族を救済して欲しいという、まさしく行動規範を私たちは形に表しました。

ジョスリンはまだ財政面と感情の両面でケタはずれのハードルに直面します。彼女は湾岸で兵役についていた海兵隊員の長男を亡くした深い意気消沈から立ち直らなければなりません。再び働き出せるように健康を取りもどさなければなりません。収入を増やすため人に貸すには家を修理しなければなりません。そしてまだローンを再交渉して抵当付き融資の月額支払いをしなければならないのです。

でも、あなた方のおかげで、ジョスリンにはいま別のチャンスがあります。略奪を目的とする貸し手との闘いを助け、彼女のローンを再構築する、すばらしい公共の利益のための弁護士を私たちは見つけました。そして抵当付き融資会社に1万5000ドル電送した後、月額の支払いと経済的に独立し彼女が立ち直るのを助けるため、私たちは機能し続けるこの基金を活用するつもりでいます。

拒否するのでなく、彼女を精神的に高揚させたがる人々に囲まれているといま彼女は感じています。そして彼女は自分の体験を他者を助けるのに役立てたがっています。裁判所の階段で開いた記者会見で、十数台のカメラに包囲されたジョスリンはこう言いました。「同様の災難に直面する全員が黙っていてはいけません、恥ずかしがってはいけません。前に進んで助けを求めなさい。私はそれをして、奇跡が起こりました。この天使たちが私を助けにやって来ました。私たちはみな力を合わせて助け合わなければなりません。」

あなた方がその天使です、そしてコードピンクの私たちは、あなた方の寛大さ、あなた方の同情、メインストリートのアメリカ人のために立ち上がろうとするあなた方の自発的意志におそれ敬っています。この先、ジョスリンが求めてきたとき、私たちは力を合わせましょう、そして我らが政府を動かしてウォールストリートではなくメインストリートに同じ救済をさせるのに、私たちは力を合わせましょう。

奇跡を起こしてくれてありがとう。

(CODEPINK Women 18 October 2008)

写真のグラフィティはニューオリンズのバンクシーの作品。カトリーナで廃墟化したニューオリンズのストリートにはバンクシーの痕跡が多数見られます。以下で見ることができます。
写真はクリックすると拡大版で見ることができます。
http://www.banksy.co.uk/outdoors/horizontal_1.htm

2008/10/18

有名になった配管工のジョー


◇イラク戦争が息子を奪い、ウォール街の強欲が今にも家を奪おうとしている

イラクで息子が殺されたとの通告を受けて以降、ジョスリン・ヴォルテールは泣き続けてきています。「食べられないし眠れません。彼は私の最初の子、私の人生の精神的光でした。私は毎日、泣いて泣いて泣きわめきます。どうにも抑えられません。」

今日、ジョスリンは、また別のマイホームを失うという悲劇に襲われることになります。ジョスリンは21年前にハイチから移住して、子どもたちを育てながら2つの勤め口で働いてきました。1987年、彼女はアメリカンドリームを達成します。5万5000ドル頭金を払ってニューヨークのクイーンズヴィレッジにある白い二階建の家を購入しました。今、彼女は、マイホームが競売にかけられ売却されることになる史上最大の金融詐欺にあたって巻き込まれる何千というアメリカ人のひとりになります。

昨夜、配管工のジョーの話からオバマとマケインが大統領選の綱引きをしている間、ホフストラ大学の三回目の討論からちょうど石を投げて届く距離、ロングアイランドの地元民たちがアメリカの誤った政策のせいでマイホームを失い、職を失い、子どもたちをなくしてきています。

「私にはまだ6歳と10歳の子どもがいます。二人には屋根が必要です。私は生涯働きづめです、この国のため息子は死にました、そして今度は銀行が私の家を取り上げたがってる?そんなのは間違ってます」とジョスリンは言う。「銀行やウォール街ではなく、ワシントンは私たち、マイホーム所有者を助ける必要があります。」

ジョスリンの家は今日競売へと進みます、彼女の運命が決められるクイーンズ裁判所の外にコードピンクは彼女といっしょにいます。

ジョスリンが家にとどまれるのを確実にするための緊急基金。私たちがいますぐ2万ドル調達すれば、次の悲劇を避けることができて、下院がすべきはウォール街の救済ではなくて国民を救済すること!だとのモデルを提供できます。

▲ジョスリンのヴィデオはここで見れます。配管工のジョーの話も聞けます、マケインの口からではなしに。どうか見てください。このすべてがアメリカで起こっていることです。
http://salsa.democracyinaction.org/o/424/shop/custom.jsp?donate_page_KEY=4072
(CODEPINK Women 17 October 2008)

ホーマーはオバマに投票


10月17日、ワシントンポスト紙が社説でオバマ支持を表明しました。オバマを選んだ理由について、「偉大な大統領になる素質を示した」と称賛。「知性、複雑な問題の理解能力、調停能力や合意をつくる上での手腕を持つ人物」だとも指摘した。逆にマケインを選ばなかった理由について、アラスカ州知事サラ・ペイリンを副大統領候補に選んだことをあげて、「大統領に危急の事態が起きた際、後任の大統領に就任する準備がない副大統領候補を選んだことは無責任」であるとも指摘した(CNN)。ただし、ワシントンポストは2000年、そして2004年にも民主党候補を支持した。オバマ自身も、世論調査で上回っても予備選で負けた州のことを引き合いに出して「うぬぼれるな」と支持者らを戒めた(BBC NEWS)。

◇カーク・ダグラスが自分のサイトで若者に投票に行くように呼びかける
「不公平になるので私が誰に投票しているかは教えないが、投票することを若者に奨励する。副大統領に立候補する女性がいて大統領に立候補する黒人がいる、これはすばらしい選挙だよ。」

共和党副大統領候補サラ・ペイリンについて尋ねられると、91歳のダクラスは肩をすくめる。

「彼女はチャーミングだ、親切、上等な脚、美人、話がうまい。だがね、もし彼女が私たちの国の大統領になるようなことになるとして、賢明かどうか怪しいと思うね。」

ダグラスは片眼でまばたきするが、彼は使命を真剣に受け止める男だ。

「世界が窮境に陥り、子どもたちがその混乱を受け継ぐことになる、そして私たちは子どもたちを助けられることはすべてやらなければならない、これを直視しよう。」

(BBC NEWS 18 October 2008)

写真は「シンプソンズ」でオバマに投票しようとするホーマー・シンプソン

2008/10/16

I Love NY


◇ウェブ上院議員が3億ドルのイラク・プロパガンダ計画を中止するようペンタゴンに求める
ヴァージニア州選出民主党ジム・ウェブ上院議員が、イラクでアメリカ人びいきのニュースと公益事業メッセージを産出するための3億ドルのプログラムを中止するよう求めているとアーミータイムズが報じています。「この国がこんな重大な経済危機に直面しているときに、国防総省がイラク国民に宣伝するために数億ドル費やしていることはほとんど道理にかなわない」とウェブは言いました。ペンタゴンは最近、イラク人聴衆のための親米プロパガンダを産出するため、新たな契約で総額3億ドルを4つの請負業者に与えました。請負業者はどちらもバージニアに拠点を置くMPRIとSOSIと同じく、ワシントンに拠点を置くLincoln Groupと、ロスに拠点を置くLeonie Industriesです。

◇次の戦争ではレバノンに対し「不釣り合いな軍事力」を行使するつもりだとイスラエルが警告
仮にまたレバノンと戦うことになるなら、ロケット弾を発射するのにヒズボラによって使われたレバノンの村に対して、イスラエルは不均衡な軍事力を使うことになるとイスラエル軍の北部司令部の指揮官は言います。「われわれはそれに不均衡な軍事力を注いで、向こうに大被害と大破壊を引き起こすつもりだ。われわれの見地では、あれらは一般市民の村ではない、軍事基地だ。」とエイセンコット少将は言いました。「これは推薦状ではない。これは計画だ。そして計画は承認されてきている。」とエイセンコットは続けました。

◇共和党全国大会前の警察の手入れでセントポールが訴えられる
共和党全国大会開始2日前の論議を呼んだ家宅の急襲からミネソタ州セントポールの市が25万ドルの訴訟を起こされています。8月30日、セントポール警察とFBIと国土安全保障省捜査官はマイケル・ウォーレンの家を急襲しました。団体I-Witness Videoのメンバーが含まれる、ウォーレンと彼のテナントと客人は、数時間のあいだ銃で脅されて拘束されました。

◇私たちのアーカイヴ、内部告発者から:軍がイラクのジャーナリストとNGOに接近して盗み聞きした
そして最終的に、5カ月前にデモクラシーナウ!が報道したニュースに、ほとんどのニュースメディアが巻き込まれています。5月13日、軍の情報部の元軍曹Adrienne Kinneがプログラムに姿を見せて、どうイラクで報道機関やNGOの仕事をしているアメリカ人を立ち聞きするよう彼女にあてて命じられたかについて話しました。
Adrienne Kinne:「私の時間の推移の中、私たちがゆっくりと電話番号と誰が何に属するかを特定し始めたとき、あることが私に重大な懸念を起こさせました。電話番号を特定したとき、テロや軍隊、イラクやアフガニスタンやどこか他の軍隊に密接に関連させる組織に属さない番号をいよいよ見つけることが始まったということでした。国際赤十字社、Red Crescent(赤新月)、国境なき医師団、ありとあらゆる人道援助組織のホストを含む、人道援助団体、NGOの番号です。そしてそれにはジャーナリストも含まれました。」
昨夜、Adrienne Kinneともうひとり軍の諸外国語に通じた人がABCニュースの報道番組に登場しました。
ABCニュースのブライアン・ロス記者:「アメリカの諜報員(スパイ)に代わって電話を盗み聞きして記録する、これは事実上の通信傍受オペレーターの第一号です、その第一号が検討されてきています。アメリカ人を盗聴するのはアルカイダを含むかどうかだけだとブッシュ大統領は言います。このお二人は"事実ではない"と言います。」
5月のデモクラシーナウ!のインタヴューを通じて、まあまあの標的としてバグダッドのパレスチナホテルを記載した米軍の極秘文書を彼女が見たこともAdrienne Kinneは明らかにしました。ホテルがジャーナリストで占められたとはいえです。2003年、米軍はホテルを砲撃して二人のジャーナリストを殺します。ロイター通信のカメラマンTaras Protsyukと、スペインTV局TelecincoのカメラマンJose Cousoです。砲撃は故意ではなかったに軍は固執してきています。
Adrienne Kinne:「具体的事例のひとつは、私たちがパレスチナホテルに滞在していたジャーナリストを盗聴していたという事実でした。特に、私の部隊の人間がまったくおかまいなしに興奮させられた<衝撃と畏怖>を盛り上げる宣伝の最中で、私たちがバグダッドの標的でありうるもののリストを渡されて、標的であるうるものとしてパレスチナホテルが記載されていたのを私は憶えています。そしてこれを私は明確に憶えています、なぜなら、パレスチナホテルには滞在するジャーナリストたちがいた、そしてこのホテルは標的でありうるものとして記載された、私は担当している上官のところに行きました、そしてこのホテルには安全だと考えて滞在するジャーナリストたちがいますと彼に伝えました、それにもかかわらずこのホテルは将来標的になりうるとして記載された、そしてどういうわけか点と点が結びつけて考えられていない、そして私たちは適任者がこの情況をわかっている努力をしなくていいのか?と、考えを組み立てたからです。そして残念ながら、私たちが集めていたことや報告していた情報について懸念が持ち上がったときと同様に、基本的に分析するのは私の仕事ではなく情報を集めて伝えることが私の仕事だと、そしてどこか高い系列の誰かが私たちがしていることを十分把握していると、私の担当の上官は言いました。」

(以上、デモクラシーナウ!2008年10月10日ヘッドラインより)

◇サラ・ペイリンの極右の仲間と親分離主義者(南北戦争当時の)アラスカ独立党とのつながりについて
マケイン陣営がオバマ上院議員のウェザーアンダーグラウンド(70年代の過激派組織)の元メンバー、ウィリアム・エアーズとのつながりとやらに集中し続けているとき(オバマが8歳の時エアーズはその組織に加わっていたが、最近は国の教育関連の委員会のメンバーだ)、Salon.comの新たな調査が、ペイリン知事の極右とのつながりが当初考えられたよりはるかに親密なものであることに解明の光明を投じます。ジャーナリストのマックス・ブルーメンソールとデイヴィッド・ネイワートは、ペイリンがアラスカ独立党とジョン・バーチ協会の活動家の助力を得ていかに10年以上前ワシラの市長に選ばれたかを詳細に取材します。後にペイリンは、ワシラ市議会の空席に彼らのひとりを任命しようと企てることで彼らの好意(世話)に報いようとしたと、二人は申し立てます。
▲「影のアメリカ」という本によると、いまアメリカの社会と政治を操っている勢力のひとつにこの「ジョン・バーチ協会」があります。1958年、ロバート・ウェルチ(あのグレープジュースなどで有名なウェルチ社の初代会長)が創設した組織は、第二次大戦中、蒋介石支援の諜報活動中に華北で暗殺された米軍の情報将校ジョン・バーチから命名されます。強烈な反共・反ユダヤ主義で、「対外援助廃止」「NATO脱退」「国連反対」を唱えるなど、孤立主義的傾向が強く、彼らの活動に異議を唱える者はすべて国際共産主義者の手先と見なして攻撃・糾弾してきています。アイゼンハワー、トルーマンもその対象でした。

◇マケインの元支援者が「アメリカ社会の最も分裂した分子、憎しみの赤肉を故意にあおる」としてマケイン上院議員を非難する
フランク・シェーファーは「Crazy for God: How I Grew Up as One of the Elect, Helped Found the Religious Right, and Lived to Take All (or Almost All) of It Back」(神に夢中:特権階級のひとりとして成長し、宗教右派の創設を助けた私がなぜそのほぼすべてを撤回して生きるか)を書いたベストセラー作家です。彼は福音伝道者・故フランシス・シェーファーの息子で自分自身を終生の共和党員と考えました。2000年、彼はジョン・マケインに投票しました。そしてマケインは兵役についてのシーファーの初期の本を推薦までしていました。ところが10日金曜日、シーファーはアリゾナ選出の上院議員を激しく非難するマケインに宛てた公開状を発表しました。

◇マケイン支持者はどうしてあんなに怒りまくるのか?
「政治集会の共和党員からTVのトーク番組の共和党議員まで、マケイン・ペイリン支持者らは怒る、非常に怒る。そして彼らはどうも、バラク・オバマを「テロリスト」と呼ぶことから「彼を殺せ」や「彼の頭を差し出してやめろと通告しろ」と大声でどなるまで、なにをやっても彼らの怒りをもっともだと考えるようで、暴力的表現を批判されると傲慢になるようだ」とConsortiumNews.comの編集者、調査報道記者のロバート・パリーは書きます。

(以上、デモクラシーナウ!2008年10月13日)

写真はニューヨークで初のちゃんとした個展をやってるバンクシーのグラフィティ。離婚を認めたマドンナもまたつい先日NYCツアーをやっており、記者に尋ねられて、「I LOVE NY」と答えていた。

やめられない暗殺


◇2年前のロシア女性記者射殺 人権派弁護士、暗殺未遂か

ロシアのプーチン前政権の批判で知られていた女性記者、アンナ・ポリトコフスカヤさんが射殺された事件で、遺族の代理人を務める人権派の女性弁護士がフランスで体調を崩し、乗っていた乗用車内から大量の水銀に似た物質が見つかったことが明らかになった。女性弁護士は毒殺未遂に遭った可能性を示唆しており、ロシアとの関与も含めて憶測を呼んでいる。

女性弁護士は、脱税で投獄された石油大手ユコスのホドルコフスキー元社長の弁護も担当したカリーナ・マスカレンコ(反プーチン派の弁護士として知られるー毎日新聞)。先週、滞在先の仏・ストラスブールで、家族も含めて頭痛や吐き気など水銀中毒のような症状が現れ、12日に乗用車の座席下から水銀のような物質が見つかったという。

症状は軽いが、マスカレンコは14日にロシアのメディアに対し、15日にモスクワで開廷の女性記者殺害事件の予備審問に出廷する予定だったことから、「自分に対する何らかの警告だった」との見方を語った。(彼女は予備審問に欠席を余儀なくされたー毎日新聞)

ロイター通信によると、同弁護士らは水銀汚染の検査を受けており、現地警察が捜査を開始。警察側も同事件の裁判が絡んでいることを示唆している。

ポリトコフスカヤは、チェチェン紛争の取材などを通してロシア軍による住民虐待の記事などを発表したが、2006年10月、自宅アパート前で射殺された。容疑者3人が逮捕、起訴されたが、実行犯は逃走したままで、背後関係も明らかになっていない。

ロシア批判が絡む事件では、ロシア連邦保安局(FSB)の元中佐のリトビネンコ氏が2006年、ロンドンで放射性物質を投与されて毒殺された。ロシア治安当局の関与も疑われている。
(東京新聞 2008年10月16日)

◇ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイ中心部に5日、ロシアのプーチン首相にあやかった「プーチン大通り」が登場した。同共和国のカドイロフ大統領の命令で、以前からあった「勝利大通り」を改称した。

カドイロフ氏は、プーチン氏のチェチェンにおけるテロとの戦い、経済、社会の復興における功績をたたえるためだと説明。記念式典でのあいさつでは「プーチン氏のためなら死ぬ覚悟がある」とまで述べ、プーチン氏への忠誠を誓った。

04年まで大統領を務めたカドイロフ氏の父もプーチン氏の後押しで当選。昨年のロシア下院選では、プーチン氏率いる「統一ロシア」のチェチェンでの得票率が99%以上と発表されるなど、カドイロフ氏による「プーチン翼賛体制」が築かれている。
(朝日新聞 2008年10月6日)

写真は、これまでに暗殺や不審な死を遂げたロシアのジャーナリストたちの写真をかかげて抗議するモスクワの人たち。中央の写真がアンナ・ポリトコフスカヤです。
ELLE 21 May 2007より

2008/10/13

激怒があばれまわる市民集会


最近のマケイン・ペイリン集会で沸き立つ声にはこわいものがある。フロリダの集会では支持者がマケインに「オバマの首を差し出してやる!」とすごんでいたし、いかにもといった感じの白人女性が、「わたしは怖いんです、だってオバマはアラブ人なんでしょ??」とマケインにすり寄っていた。ルイス議員でなくとも、特にサラ・ペイリンのなにがなんでもオバマをテロリストに重ねようとするレッドネックのたちの悪さに、いい加減に火遊びはやめろ!と言いたくもなる。

◇ジョージア州選出ジョン・ルイス下院議員が土曜日、最近の共和党の集会で感じた反感を人種差別主義者ジョージ・ウォレスのそれになぞらえた彼の批評は誤解されたと言った。

公民権のイコン(キング師を知っている彼は公民権運動の生き残りだった)ルイス下院議員は、批評を慎重に再考すれば「ジョン・マケインもしくはサラ・ペイリンをジョージ・ウォレスになぞらえたのではないことが明らかになるはずだ」と声明を出した。

マケインは、ルイスの前の声明は「ずうずうしくて根拠のない攻撃」だったと言って、バラク・オバマ上院議員に拒絶するよう求めた。

ルイスは前の声明で「マケイン・ペイリン陣営のネガティヴトーンによって深くかき乱された」そして共和党の副大統領候補は「軽々しく危険なことをする」と言った。

「私が目にしていることは、あまりにもアメリカの歴史の別のさんざんな時代について思い起こさせる。マケイン上院議員とペイリン知事は憎しみと分断の種をまいている、そして私たちの政治的講演にこの敵意は必要がない」とルイスは声明で言った。

「別の時代の、そう遠くない過去に、彼もまた大統領候補者になったジョージ・ウォレスという名のアラバマ州知事がいた。ジョージ・ウォレスが爆弾を投げたことは一度もない。彼は一度も銃を発射しなかったが、単に憲法上の権利を行使しようとしていた罪のないアメリカ人への悪意ある攻撃を奨励する風潮と情況を引き起こした。この憎しみの社会的雰囲気のせいで、日曜朝、アラバマ州バーミンガムで教会が爆破されたとき、4人の幼い少女が殺された」とルイスは書いた。

過去にマケインはルイスについて書いており、公民権運動を通じてアラバマ州セルマでの彼の行動を称賛する。マケインは夏の信仰フォーラム中に、ルイスは「彼が大統領として思慮分別で頼りにする3人の男性のひとり」だとまで述べた。

「オバマ上院議員の記録と立場に対する正当な批判が、ジョージ・ウォレス知事、彼の人種差別主義政策や彼が挑発した暴力になぞらえることができるとの考えは容認できないし、この陣営に存在しない。」

「私が常に称賛している男、ジョン・ルイスが、私の人格とアメリカをまともにしようとある種の改革を声援するため私たちの集会にやってきた何千という働き者のアメリカ人の人格にこんなずうずうしい根拠のない攻撃をしたことで私は悲しみに沈む。」

批判を明白にするためルイスは、「毒のある言葉が破壊的ふるまいにつながりかねないことを全アメリカ人に思い出させるものだった」と声明で言った。
(マケイン・ペイリン集会で激怒があばれまわっているのをヴィデオで見ることだ)

「マケイン上院議員が集会で分裂を生じるスピーチをただすため行動を起こしているのを私はうれしく思う。わが国を襲っている緊急の経済問題について、この選挙での市民的談話に戻ることが私たちには必要だと考える。」

ルイスのコメントの結果として、新聞の見出しで強い印象を与えるマケインとペイリン陣営の集会出席者からオバマに向けられる怒りが数日起こった。

ここ数日、怒った支持者たちがオバマに対し強健になるようマケインに要求してきている。

先週の後半、マケインは彼の支持者にオバマに敬意を表するようにしきりと促した。

「私たちは戦いたいし、私は戦うつもりだ。だが私たちは重んじようではないか」と彼は言った。「私はオバマ上院議員と彼の業績を評価する。(ここでブーイング)私は彼に敬意を表するつもりだし、すべての人に敬意を表してもらいたい。(それはないぜ!の声とブーイング)そして私たちはそうだと念を押そう。」
(CNN 2008年10月12日)

◇米ジョージア州選出のジョン・ルイス下院議員は11日、民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員を攻撃する際に国民の間に憎悪と分裂を招きかねない扇動的な表現を使っているとして、共和党大統領候補のジョン・マケイン上院議員と同副大統領候補のサラ・ペイリン、アラスカ州知事を批判する声明を発表した。

公民権運動出身の有力下院議員ルイス氏は政治サイトPolitico.comに発表した声明で「マケイン氏とペイリン氏は、国民に大きな影響を与える公的な立場にあるにもかかわらず危険な火遊びを行っている。彼らが注意を欠けばわれわれ全員がこの火に飲み込まれかねない」と述べた。

ルイス氏は「憎悪と分裂の種をまいている」としてマケイン陣営の手法を批判し、「政治演説に敵意は不要」との考えを示した。

マケイン陣営のオバマ氏攻撃についてルイス氏は、人種隔離政策を掲げてアラバマ州知事に当選し、大統領選にも出馬した故ジョージ・ウォレス氏を連想させるとして不快感をあらわにした。1963年にアラバマ州バーミングハムの黒人信者が集まる教会で爆弾が爆発し少女4人が死亡したのは、ウォレス氏の扇動的な演説が引き金になったとの見方もある。

このところマケイン氏が演説でオバマ氏に言及すると聴衆から「テロリスト」「嘘つき」などといった叫び声が上がるようになっていた。フロリダのある選挙集会では「やつを殺せ!」という声さえ上がった。

このような状況を憂慮しマケイン氏は10日、支持者に冷静になるよう求めていた。

オバマ陣営の広報担当、ビル・バートン氏は、オバマ氏は、マケイン氏の演説内容とウォレス氏が掲げた政策に関係があるとは思っていないとしながらも、「マケイン陣営がオバマ氏攻撃の際に用いた憎悪に満ちた表現をルイス氏が非難するのは妥当なことだ。マケイン氏自身もそのような表現を厳しく断罪している」と述べた。
(AFP 2008年10月12日)

写真は民主党のジョン・ルイス下院議員

2008/10/12

バンクシーのペットショップ



◇不在者投票用紙の名前「バラク・オバマ」が「バラク・オサマ」に
米大統領選でニューヨーク州レンセラー郡の一部の有権者に送付された不在者投票用紙に、民主党候補のバラク・オバマ上院議員の名前が「バラク・オサマ」と印刷されるミスがあったことが分かった。AP通信が10日報じた。
多数回、刷り直した中で起きた誤植だったらしい。
「オサマ」は、国際テロ組織アルカイダの最高指導者で、2001年9月の米同時多発テロの首謀者であるオサマ・ビンラディン容疑者のオサマと同じスペルとなっていた。
同郡の選挙管理委員会は発送の際にこの間違いに気付き、「バラク・オサマ」と書かれた残りの投票用紙を廃棄。ミスがあった用紙をすでに受け取っていた300人には正しい用紙を送り直した。
オバマ陣営の報道担当は今回の騒動について、「間違いが直されて喜ばしい。二度は起きないと思う」と述べている。
(CNN 2008年10月11日)

◇イギリスのグラフィティアーティスト、バンクシーがニューヨークで彼の初めての公式の展覧会を開いている。

ニセのペットショップのなかに陳列されるのは、瞬きしながらTVを見つめるロボ・モンキーや金魚鉢の中で泳ぐフィッシュ・フィンガーズ(指の魚)といった作品だ。

バンクシーのフェイク・ペットショップは、「私たちの動物との関係と、工場で飼育することに対する倫理性と持続性」に異議を唱えようと意図する。

マンハッタンにあるヴィレッジペットストアとチャコールグリルでの展覧会の目玉は、いそがしくケチャップソースに頭をひたす脚つきチキンナゲットだ。

真珠のネックレスをしているニセのウサギやケージでヘッドフォーンをしてTVに釘付けになっているロボ・モンキー、羽を全部もがれたカゴの鳥もまた目を引くものだ。

「ニューヨーカーはアートはどうでもよくてペットに関心を持つ。だからボクは代わりにペットを出品している。」とバンクシーは言った。

バンクシーのアニメーションで動くみたいなホットドッグは、「ふたつのホットドッグが性行為をしているのを見るのはみじめでまずい」と人々から苦情を誘発してきていると彼は言った。

「彼の悪ふざけ屋的な全作品の多くがそうであるように、バンクシーの声明は控えめに受け取るべきだ。だが、コミカルをねらう描写に心を傾注するショーでないとは言わない。」とニューヨークタイムズ紙は言った。

▲最初の写真は「Chicken nuggets」、2枚目は毛をむしられたカゴの鳥
BBCのヘザー・アレクサンダーが案内するバンクシーのNYショーはここで体験できます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7662627.stm

バンクシーの最大級の展覧会のひとつがロンドンの鉄道のトンネルを占拠してきています。これも以下で体験できます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/7380785.stm

バンクシーについてはこちらからどうぞ。
http://www.banksy.co.uk/menu.html

2008/10/11

なめるなよ、ジョン・マケイン


◇マケイン陣営は、バンドやマネージャーやレーベルの許可を求めずに遊説中にフーファイターズの傑作「My Hero」を使ってきている。これに応えて、バンドは大ウソをやめろとマケインに命じた。フーファイターズの声明にはこうある。

「マケイン陣営がアーティストから承認または許可を得るどんな挑戦もせずに歌を使っているのはこれが初めてではない。アメリカ国民を代弁すると主張する人が、何度も何度も繰り返し創造性と知的所有権にこれっぽっちも敬意を示そうとしないのにカンカンに怒っている。一番悲しいのは、「My Hero」が平凡な男とその意外な可能性を祝って書かれたということだ。オレたちに無断でよしとされてオリジナルの歌詞の感情を悪用する仕方で使われたのが、歌の価値を低下させる。マケイン陣営が正しいことをしてオレたちの歌を使うのをよすのを期待する、一般にアーティストの許可を求めようとするのを願うよ!」
なめるなよ、ジョニー!

(ローリングストーン 2008年10月8日)

写真は、1968年のローリングストーン誌の表紙、ビートルズの映画「イエローサブマリン」ですね。

アフガンらせん降下、イラク元のもくあみ


◇ウォール街ではコードピンクが抗議行動
ウォール街では抗議が続いています。今週初めにコードピンクのメンバーがニューヨーク証券取引所の外でデモをしました。
Dana Balicki:「事実上、この2週間通して企業救済に異議を申し立てます。ウォール街にもっとほしい、ヘンリー・ポールソン財務長官とブッシュ政権にもっとほしい数十億ドルに異議を申し立てます。そして全額が企業救済にあてはまることから、現に私たちの社会を安定させ、実際にアメリカ経済に強さをもたらす、私たちの社会プログラム、社会の問題にあてはまる金を減じる事態になるのを明確に理解します。」

◇ロバート・フィスク:極秘の処刑をイラクが遂行する
イラクからのニュースでは、ロンドンのインディペンデント紙のジャーナリスト、ロバート・フィスクが、アルマリキ政府が管理する刑務所で極秘の処刑が遂行されているのをあばいています。カジミヤーのサダム・フセインの昔の諜報本部でいま絞首刑が規則正しく実行されています。多くの反政府運動集団(反乱者)を含め、何百人と、刑務所内処刑室で極秘に処刑されてきているとフィスクは伝えます。

◇アメリカの情報分析:イラクの宗派間の緊張がさらなる暴力を解き放つ
もうひとつ別のイラクのニュースで、未解決のイラクの民族と宗派間の緊張が暴力の新たな高まりを解き放ちかねないと、ほぼ完ぺきなハイレベルのアメリカの情報分析が警告すると、McClatchy Newspapersが報じます。もしかすると、この一年を通して達成した改善を完全に変えるかもしれません。

◇アメリカの報告:アフガニスタンは「らせん降下」にある
アフガニスタンは「らせん降下」にあり、タリバンの影響力の高まりを食い止めることでアフガン政府の能力に重大な疑念を与えると結論づけるアメリカ情報機関による短い報告をニューヨークタイムズ紙が伝えました。また、アフガニスタン軍と治安部隊が無能なところでタリバンと戦うため、ブッシュ政権がアフガニスタンの部族民兵に必要な武器を準備することを考慮に入れるとタイムズは報じます。

◇エメット・ティル未解決公民権犯罪条例にブッシュが署名
ブッシュ大統領がエメット・ティル未解決公民権犯罪条例に署名しています。条例は、公民権の時代から未解決の殺人を審問するため、司法省に年間1000万ドル与えます。この条例は、伝えられるところでは、白人女性に「口笛を吹いた」後、1955年ミシシッピーでぶち負かされて殺された14歳のアフリカ系アメリカ人の少年、エメット・ティルから命名されます。

(以上、デモクラシーナウ!2008年10月9日ヘッドラインより)

▲エメット・ティルの名はディランの歌やカニエ・ウェストのラップでご存じの方もいるでしょう。シカゴという都会からたまたまミシシッピーに遊びに来たあか抜けた少年。顔が何倍にもふくれあがり、片眼がえぐられ、鼻がそぎ落とされ、あごが砕かれ、ペニスが切り落とされた、エメット少年の遺体は、全米に知って欲しいとの思いから母親が4日間公開にしました。ここにその写真を載せるつもりでしたが、あまりにもむごすぎる。それで、人殺しの2人、口笛を吹かれた女性の夫とその相棒の写真にしました。彼らは無罪になり、一日だって拘束されていません。2人ともすでに他界しています。アメリカで、もしかして「黒人が大統領になるかもしれない」というのはやはりすごい!ことです。

2008/10/10

CDSは大量破壊兵器


日本はいつまでアメリカ財務省が発行する国債を買い続けるのか。国民が知らないところで、他に承知でどんな損を押しつけられているのか。

◇中国は逃げた。そして三菱UFJは両政府の圧力で9000億円を出資させられたーー。
9月23日、三菱UFJが米モーガンスタンリーに9000億円出資、20%の最大株主に。そして、野村ホールディングス が倒産したリーマンブラザースのアジアと太平洋部門を引き継ぐ。

◇ロシアのトップは世界の構造をどう見ているかーー。
「世界の構造を一言でいえば、末期ガンに冒された王様を杖が支えている状態だ」
「王様とは、覇権国家だが世界一の債務国アメリカ。それを支えるのが日本の資金力」
「王様(アメリカ)から杖(日本)を取れば、アメリカは破産し、世界恐慌になるので、そんなことは望まないが、
でもなぜ日本は、そのようなパワーを持ちながら、アメリカのいいなりになっているのか?これがどうしてもわからない。」

◇6600兆円の「CDS爆弾」が破裂したらアメリカ経済は吹っ飛ぶ!
アメリカのGDPは1500兆円しかないからだ。
(クローズアップ現代)

◇「CDS」ウォール街を破滅させたモンスター
金融危機の元凶はJPモルガンが生み出したモンスター、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の無節操な濫用だ
by マシュー・フィリップス(NewsWeek誌の記者)
それは、米金融業界の大物たちの週末の儀式だった。太陽がいっぱいのリゾートで日頃のストレスを吹き飛ばし、世界の支配者としての成功を盛大に祝う。ヨットパーティーにビキニ姿のモデルたち、1本千ドルのシャンパンなどをイメージすればいい。
なかでも、94年にJPモルガンのバンカーたちがフロリダのボカラトンリゾート&クラブで過ごした週末は、ウォール街の伝説になっている。騒々しいパーティーもあったが、それだけではない。彼らはピンク色の壁のスペイン風リゾートで週末の大半を会議室に引きこもり、銀行業の歴史と同じだけ古い問題の解決に取り組んだ。誰かにお金を貸したとき、それが返ってこないリスクをいかに軽減するかというものだ。
当時、JPモルガンの資産は企業向けや外国政府向けの数百億ドルの貸し出しで膨らんでいた。問題は、連邦法の定めで、それらの融資の貸し倒れリスクに備える準備金として巨額の自己資本を積まなければならないことだった。利益を生まない金である。
バンカーたちが思いついたのは、ある種の保険商品だ。貸し倒れた場合の元利金の支払いを第三者に保証してもらい、代わりに銀行は保険料を払う。そうすればJPモルガンはリスクをバランスシートから切り離し、準備金を商売に回すことができる。
この仕組みが「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」で、デリバティブ(金融派生商品)の一種だ。CDSのアイディア自体は2、3年前からあったが、大きな取引をしたのはJPモルガンが最初だった。同社は90年代半ばに「スワップデスク」を設置、CDSの市場を作るためにマサチューセッツ工科大学(MIT)やケンブリッジ大学から若い数学者や科学者を雇い入れた。
数年後には、安定的な収益を確保しながらリスクを回避する手段として、CDSは最もホットな金融商品になった。「(原子爆弾開発のための)マンハッタン計画にかかわった人たちの話も聞いたことがあるが」と、当時JPモルガンの専務取締役をしていたマーク・ブリッケルは言う。「あのときボカラトンに集まったわれわれにも、何か大変なものの創造に立ち会っているという実感があった」
だが、40年代当時のロバート・オッペンハイマーや部下の核物理学者たちがそうだったように、ブリッケルと同僚たちも、自分たちが開発しているのがモンスターだとは気づかなかった。今日、経済がよろめきウォール街が廃墟と化したのは、彼らが14年前に解き放ったモンスターに大きな責任がある。
・金融業界が作った「大量破壊兵器」
アメリカ最大の保険会社アメリカンインターナショナルグループ(AIG)は、投資銀行や保険会社に対して保証していた140億ドルにのぼるCDSの支払いに行き詰まり、納税者の金で救済された。この1年間の金融システム危機の原因の多くは、元をたどればCDSに行き着く。その市場は62兆ドルに達していた。ニューヨーク証券取引所に上場する全株式の時価総額の4倍近い額だ。
著名投資家のウォーレン・バフェット(マケイン、オバマ両候補とも政権では彼を起用したいと述べた)がCDSを「金融版の大量破壊兵器」と呼んだのには理由がある。CDSは企業対企業の相対取引で契約されるため、政府の規制は及ばず、取引報告を集約する場所もないので、本当の市場価値を知ることができない。
その結果、数十億ドルもの不透明な「暗黒物質」が金融市場の頭上に垂れ込めることになった。CDSはならず者国家の核兵器のように世界中に拡散し、今は注意深く秘匿されている。多くの金融機関のバランスシートを吹き飛ばすのも時間の問題だ。
CDSのいちばん初期の取引の一つは、97年12月にJPモルガンが行った。同社はフォードやウォルマートなど大企業向けに実行した300件、計97億ドルにのぼる融資を調べ、最も貸し倒れリスクの高い上位10%を特定。それを投資家に売却した。
これを可能にしたのは、MITを出てJPモルガンのスワップデスクで働いていた当時25歳のテリ・デュホンだ。この部門は後に世界的な大銀行の幹部を多く輩出し、「モルガン・マフィア」として知られるようになる。「銀行が信用リスクを資産から切り離し、保険会社や年金に肩代わりさせることに成功した」と、今はロンドンでデリバティブのコンサルティング業を営むデュホンは言う。
まもなくCDSは、リスクの高い中南米やロシアなど新興市場への投資も怖くなくなる保険として使われ始めた。01〜02年にエンロンやワールドコムが粉飾決算の挙げ句に巨額債務をかかえて倒産すると、企業の内部崩壊に対する自己防衛の必要性も再認識され、CDSはうってつけのツールになった。2000年に1000億ドルだった市場規模は、04年には6.4兆ドルになった。
そして住宅ブームがやって来る。FRB(米連邦準備理事会)が利下げを繰り返し、アメリカ人が歴史的なペースで住宅を買いはじめると、住宅ローン債権を担保にした証券化商品は新たな有望投資先になった。銀行やヘッジファンド、年金などあらゆる金融機関がこれを購入し、彼らの多くがその債務不履行に備えてやはりCDSを購入した。
「一連の仕組みはきわめて魅力的で、ネコもしゃくしも利用した。その結果、CDSの市場は巨大化した」と、かつてシティグループのクレジット・スワップ部門を率いたロアン・ダグラスは言う。
AIGのような会社の取り扱い商品はすぐに火災保険だけではなくなった。彼らはCDSを売ることで住宅ローンの保証もはじめた。AIGが政府に救済されたときまでに、同社のCDS保証残高は4400億ドルに達していた。
債券の場合、一つが債務不履行になると、連鎖反応で他の債券も債務不履行に陥る確率が高まる。投資家は臆病になって資金を引き揚げ、市場はパニックに陥り、銀行は貸し渋りに走る。
そして住宅ローンの証券化商品が債務不履行に陥りはじめると、AIGは何十億ドルもの元利金を補償しなければならなくなった。AIGにそんな資金がないことは、たちまち明らかになった。
政府が介入してAIGを救済したのは、AIGがCDS市場のいわば最後のとりでだったからだ。銀行やヘッジファンドはCDSの売り買い両方を行い、どちらか一方で損をしてももう一方で得をするポジションだったのに対し、AIGは保証を提供する一方だった。もしAIGが債務不履行に陥れば、AIGからCDS を買っていたすべての金融機関が損失を被り、信用危機に陥っていただろう。
CDSは乱用されたが、それでも有効なツールであることに変わりはなく、葬り去ってはならないとスタンフォード大学ビジネススクールのダレル・ダッフィ教授(金融論)は言う。
「仮にCSDを法律で禁じても、金融技術者がすぐに新手法を編み出して規制をかいくぐるだろう」
(ニューズウィーク日本版 2008年10月1日)

写真のイラストはローリングストーン誌から、「カール・ローヴが戻ってきた」という記事には、「ジョン・マケインは2000年の大統領指名争いで彼を中傷したと同じ恐怖を売る商人に自分の陣営を明け渡してきている」とあります。(9 October 2008)

2008/10/09

タリバンには勝てない


◇「タリバンには勝てない」
5日付の英日曜紙サンデータイムズは、駐アフガニスタン英軍最高司令官がイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘で、軍事的な勝利を期待すべきではないとの悲観的観測を示したと報じた。インタビューに応じた駐留英軍のカールトンスミス准将は「この戦いには勝てない」と述べ、英国民に期待値を下げるよう訴えた。
同准将は、アフガンでの戦闘は「アフガン軍が対応できるレベルまで(タリバンの力を)弱めるのが目的」と強調。英国民は「決定的な軍事的勝利」を期待すべきではないと呼び掛けた。
一方、「タリバンが交渉の席に着く用意があるというなら、それこそが戦闘終結に向けた前進だ」と指摘し、タリバンとの交渉の可能性を探るべきだと主張した。
(時事通信 2008年10月5日)

◇駐アフガン英軍部隊は現在、南部ヘルマンド州を中心に約8000人が展開。
2001年の駐留開始以降、英兵の死者数は100人を超えている。英サンデータイムズ紙によると、ヘルマンド州知事は「英軍が展開しているのに、タリバンは州の半分以上の地域を支配している」と指摘した。
(毎日新聞 2008年10月6日)

◇金融危機で「米国は社会主義になる」
南米ベネズエラの反米左派、チャベス大統領は、金融危機に直面する米国が「いずれ社会主義になるだろう」との考えを示した。AP通信などが報じた。
米ブッシュ政権が7000億ドル(約75兆円)の公的資金投入で金融機関を救済しようとしている「国家介入」について、チャベス大統領は2日、「(ソ連の)レーニン政権と同じ方策だ」と皮肉ったうえで、「これは人民を救済するものではなく、金持ちと沈没しそうな銀行を救済するためのものだ」と米政府を批判した。
チャベス大統領は、人類を救う唯一の道は社会主義だとして、「米国はいつの日か社会主義に向かう。このことに私は少しの疑問も抱いていない」と述べた。

写真はニュージャージーでの4日のショーのマドンナです、ため息がでちゃうほどかっこいいー!

オバマを「あれ」と呼ぶマケイン



◇ナッシュビルの討論会でマケインがオバマのことを「That One(あれ)」と呼ぶ
ことによるとエネルギーに関する討議が、マケインがオバマを「あれ」と呼んだこの夜の最も重要な瞬間を導いたかもしれません。
マケイン上院議員:「上院の議員席にあったエネルギー法案は石油会社が欲しがる何十億ドルものうまいものをどっさり負担させるものだった、そしてそれはブッシュとチェイニーによって後援された。おわかりですか、誰がその法案に賛成票を投じたか?おわかりにならないかもしれない。"あれ"ですよ。誰が反対したかおわかりですか?私ですよ。」
(デモクラシーナウ!2008年10月8日ヘッドライン)

◇米株式市場の先行きに対する投資家の不安心理を示す指標として知られるシカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)が8日、欧米中央銀行による協調利下げにもかかわらず、世界同時株安が続いたことを背景に、前日終値比7%高の57.53で終了、3日連続で終値ベースの高い数値を更新した。
株式市場の取引時間中に一時59.06まで上伸、6日に記録した史上最高値58.24を上回った。
同指数は通常、投資家が市場の先行きに悲観的になった場合に上昇するため、「恐怖心指数」とも呼ばれている。
(時事通信 2008年10月9日)

◇経営が悪化している米ゼネラル・モーターズ(GM)が、ミシガン州デトロイト中心部にある本社ビルを含むビル群の売却を検討していることが7日、わかった。米メディアが報じた。
資金繰りに苦しむGMはデトロイトの警察と消防の年金基金に対し、本社ビルを担保に5億ドル(約500億円)を借り入れる方針で、週内に融資を申し入れる予定だ。この交渉が不調に終わった場合、ビルの売却を検討しているという。
(読売新聞 2008年10月8日)

◇これまで「ビッグスリー」と呼ばれてきたGM、フォード、クライスラーの米自動車大手3社について、米メディアは最近、「デトロイトスリー」と呼び始めた。
米市場の新車販売台数で、GMの首位の座はトヨタに脅かされている。フォードは3位、クライスラーはホンダに抜かれて5位に甘んじる状態が続く。
新しい呼称には、「デトロイト地区のローカルメーカーに凋落(ちょうらく)した」との皮肉が込められている。
( 読売新聞 2008年9月15日)

写真はオバマを大統領に!と訴えるブルース・スプリングスティーン、「オレはオバマじゃないが、ベストを尽くす」
そして10月4日に始まったマドンナのニューヨークシティツアー、この日はニュージャージでした。

2008/10/06

アメリカの企業救済dumbest法案


◇デニス・クシニッチ下院議員:ウォール街企業救済法案は「これまで見てきたなかでも最もおろか(dumbest)」
下院の企業救済法案の採決で反対票を投じたデニス・クシニッチ下院議員は、財務長官に「勝者と敗者を選ぶ」権限を与える代わりに、もっと賢明なアプローチは抵当流れに直面するマイホーム所有者を直接助けることであるべきとフォックスニュースに語った。

◇倒産したリーマンブラザーズのCEOリチャード・ファルドと米財務省の長官ヘンリー<フォックス>ポールソンは、どちらがウォール街でもうけたか?
おそらく、ポールソン財務長官だ。ポールソンは、ゴールドマンサックスのCEOだった7年間で、総額1億4000万ドル(約147億5862万円)の給与を受け取った。さらに、2006年6月に財務省入りが決まると、政府倫理規定に従って保有していた同社の株323万株を売却。当時の評価額でおよそ4億8500万ドル相当(約511億6320万円)を手にした。(米ABC)
リーマンブラザーズのCEOリチャード・ファルドは、1993年から2007年の間におよそ5億ドル(約526億円)の給与を受け取った。ちなみに2007年度の報酬額は4500万ドル(約47億4860万円)。(ニューヨークタイムズ紙)

◇国際通貨基金(IMF)は2日、「世界経済見通し」の分析部分を公表した。過去の金融混乱と経済の関係について考察し、米国経済が急激に悪化する可能性が極めて強いと結論付けた。
IMFは過去30年間、先進17カ国で発生した銀行、証券、為替市場での113の金融混乱の事例を調査。その結果、米国が現在直面する金融危機は「最も深刻な事例の一つ」で、対象国のほぼすべてに波及していることが分かった。
(時事通信 2008年10月2日)

リーマンブラザーズ倒産の影響は日本では具体的にどういう形であらわれるのか、以下、ある証券会社のプロの意見からカットアップーー。

◇158年の歴史をもつ米大手投資銀行リーマンブラザースの倒産は、世界の資本市場に大きな衝撃を与えた。同じ米大手証券会社に勤める身として、まったく他人事には感じられなかった。9月17日付日経は、日本の金融機関のリーマン向け投融資合計は4400億円に達し、うち担保や損失回避のための取引で補えない部分は2300億円以上に達すると報じた。
9月末中間決算を控えて、リーマン関連損失から銀行の業績予想の下方修正が相次いでいる。新生銀行は9月中間期の純利益を従来予想の280億円の黒字から150億円の赤字予想に下方修正した。みずほ信託も210億円の黒字予想を90億円の黒字予想に下方修正した。
事業会社でもリーマン向け債権保有企業は債務不履行で損失を被る。レオパレス21は16億円のリーマン向け債権を、テレビ朝日はリーマン向けの仕組み債10億円を、保有していると明らかにした。
リーマンが発行した残高1950億円のサムライ債(無担保の円建て外債)は、過去最大の債務不履行になる見込みで、保有している金融機関や個人は損失を被ることになる。債券市場で投資家の信用リスク懸念が高まった結果、普通社債やサムライ債の予定通りの発行ができなくなり、発行延期や減額が相次ぎ、企業の資金調達に影響した。
リーマン倒産は民間企業だけでなく、国家財政へも悪影響を与えた。リーマンが落札した国債の代金2885億円が22日の期日までに払い込まれず、国の歳入計画に影響した。
(メリルリンチ日本証券 ストラテジスト)

◇今回の一連の金融不安に関わるできごとで最も印象的だったのは、アメリカの投資銀行と呼ばれた会社が「消えるか」、「銀行になるか」に至ったことだ。
4位のリーマンブラザーズは破綻し、3位のメリルリンチはバンクオブアメリカに買収され、2位と1位のモルガンスタンレーとゴールドマンサックスは銀行持ち株会社になり、FRBの監督下に入った。このことは、短中期的な影響(2、3年程度)と、長期的な影響を持っていそうに思える。
投資銀行のビジネスモデルは簡単に言うと、市場から資金を調達してリスクのある資産に積極的に投資するという、レバレッジを掛けたリスク投資だったが、今回、信用力が低下するとファンディングコスト(資金調達コスト)が上昇すると共に、最悪の場合は資金繰りが困難に陥るという弱点を露呈した。
「投資銀行」(証券会社)が「銀行」になると、自己資本比率の規制など、銀行としての各種の規制が適用されるようになるので、これまでのような高いレバレッジのリスク資産投資が行えなくなるはずだ。
彼らのレバレッジが低下すると共に、ヘッジファンドのレバレッジに対しても金融機関が厳しくなっているので、今後、経済全体でリスク資産への投資に伴うレバレッジの縮小が起こる公算が大きい。これはアメリカ経済にとどまらず、日本を含む世界の経済にも影響する可能性が大きく、株式、不動産といったリスクのある資産に対するプライシングが大きく変わる可能性を秘めている。
投資銀行のビジネスモデルのもう一つの弱点は、大きな成功報酬の下では常にリスクが拡大する傾向があり、時にはリスクを取る個人の行動を制御しきれないということだった。(業務に専門性があると経営者や監督当局をだますことが可能だし、監督すべき立場の経営者自身が成功報酬の下ではハイリスクを指向することが合理的である。)
彼らの嗜好は変わらない。彼らは遠からぬ将来に、また新たな投資の種を見つけてバブルを起こすのではないだろうか。たとえば環境への投資や炭素ガスの排出権などは価値があいまいで可能性が大きく、「エコバブル」は次の有力な候補と考えられる。
(経済評論家)

▲写真はペロシのオフィス内のコードピンカーたち。
2008年10月3日、コードピンクがナンシー・ペロシ下院議長の執務室に、切迫したスケジュールにもかかわらず何千人もが支持する「マイケル・ムーアの救済案」を届けました。残念ながら、下院はメインストリートに寝返ってウォールストリートを救済しましたが、戦いはここで終わったわけではありません。ヘンリー<フォックス>ポールソンを駆逐するのにご支援を!
「マイケル・ムーアの救済案」は近日中にメールマガジンでお届けします。他にも訳出している方がいるので検索することをおすすめします。

2008/10/04

鶏小屋をガードするキツネはいらない


修正金融法案が成立してしまいましたーー。
米下院本会議は3日、上院を通過した修正金融安定化法案を賛成263、反対171の賛成多数で可決、ブッシュ大統領の署名を経て成立した。(時事通信2008年10月4日)

◇こんなのは見たことなかった!議会の交換台とウェブサイトが怒れる市民によってオーバーロードしてシステムがまったく機能しないままだ。包囲された職員らが電話をかける人に対して「はい、あなたが企業救済に反対なのを理解しました」と言ってるのを聞かずに議会官庁には入れない。

あなた方は、この国を激しく揺さぶっている大衆蜂起、右派と左派、ブルーステイツ(2000年大統領選でゴアを選んだリベラル州)とレッドステイツ(ブッシュに投票した保守州)を一致団結させる蜂起のいわば一部だ。私たちは静まるわけにはいかない!

金曜日は最もきわどい日だ。あなた方の下院議員のオフィスにどうかいますぐ電話をかけてくれ。多数の議員が浮き足だって乱れはじめている。彼らはウォール街とホワイトハウスと党の指導部によって、8500億ドル!(修正案には銀行の破綻に備えた預金保険を2009年末までの時限措置として1人当たり25万ドルと2.5倍に拡充する条項を追加)の代償が含まれるこの法案に賛成票を投じろとけしかけられている。ただノーと言えと彼らに伝えよう。休み時間と選挙運動(下院は全員改選)を忘れて、マイホーム所有者に本当の救済を提供し、私たちの社会に生気を回復させ、ウォール街にその強欲としくじりのツケを払わせる、有効な法案ができるまで議会にとどまるよう伝えよう。

私たちはワシントンDCでのあなた方のノンストップの行動の要求を支援してきた。大統領候補からホンモノの指導力を要求するため、私たちはマケインとオバマのオフィスでダイ・インをやった。昨夜の上院での投票後、私たちは上院議員たちを侮辱した。ホワイトハウスと財務省の正面で抗議をした。ポールソン財務長官とバーナンキ議長の審問のあいだ私たちはデモをした。

勢いを維持しよう。いますぐ電話をかけよう。電話をじゃんじゃんかけてシステムを動かなくさせておこう。この一度だけは、きっとワシントンに私たちの声を聞かせよう!

◇ウォール街のための企業救済はいらない!
ヘンリー・ポールソンは出て行け!鶏小屋をガードするキツネはいらない!

14カ月のあいだ、私たちの経済がゆっくり燃えているのに、ヘンリー王(ポールソン財務長官)は時を空費した。そうして突然、多額の政治献金をする特権に浴することのできる金持ち、彼のウォール街のお友達をただちにひも付きでない(付帯条件の付かない)私たちの金7000億ドルでもって救済しないと巨大なメルトダウンになると私たちに告げた。

ヘンリー王は、カジノ経済で7億ドル以上の個人資産を蓄積した完全なウォール街のインサイダーだ。ゴールドマンサックスのCEOとして、あなた方がいま耳にする、今となってはほとんど価値のない、あのヘンテコな金融商品で彼は何十億ドルも生み出したのだ。これは実際なんとばかげたことか、彼が手助けして作り出したクズを買い占めるためにいま彼は私たちの税金7000億ドルを使いたがっている!

みじめに職務を怠ったこの泥棒男爵が、私たちの経済と税金を通して前例のない空前の権力を握ってよいものか? 断じてノー!

国民の景気の谷で、彼のウォール街のお友達のなかの誰が腹一杯むさぼり食うのか、彼が選り好みしてよいものか? 断じてノー!

▲コードピンクでは、ヘンリー<フォックス>ポールソンに退場を命じる請願の署名活動を行っています。これを支持する方は下記から署名をどうぞ! 写真は署名サイトのイラスト
http://salsa.democracyinaction.org/o/424/petition.jsp?petition_KEY=1414
(CODEPINK 02 October 2008)

Eストリートからオバマ支持


◇アメリカ大統領選の投票日までわずか一カ月足らず、民主党員のためになる3回以上の公演でブルース・スプリングスティーンが選挙の結果を左右する州にバラク・オバマ支持を訴えている。まずは今週10月4日土曜日、野外の大会でのアコースティック・セッションのためブルースはフィラデルフィアに移動する。その後、翌5日にはオハイオ州立大学キャンパスでプレイするためオハイオ州コロンバスに向かう。そうして6日月曜、東部ミシガン大学でのパフォーマンスで彼の波瀾万丈の接戦州放浪の旅を結ぶつもりだ。全3回のコンサートのチケットは各エリアにある「チェンジ(変化)」のための選対事務所かオバマのウェブサイトのいづれかを訪れることで手にすることができる。今週末、デトロイトとマイアミであるジェイZのオバマを激励するコンサートのように、ブルースの公演はまだ登録を済ませてない有権者の可能性のある人に有権者登録のデッドラインが10月6日なのを思い起こさせるものだ。今週末のパフォーマンスに加えて、先に発表された通り、スプリングスティーンは10月16日、ニューヨークシティのハマースタインボールルームでのオバマ慈善コンサートでビリー・ジョエルの仲間に加わる。
(ローリングストーン誌 02 October 2008)

◇親愛なる友人とファンへ
大部分の君たちのように、オレはずっと選挙キャンペーンに関心を示してきており、今ではオレの立場がどこに位置するかわかるほど十分に理解し耳で聞き取ってきている。オレの意見ではオバマ上院議員が先頭に立ちその他を押しわけて進む。

彼には、オレたちの次期大統領になる人格の深みと思慮深さと回復力がある。過去35年間、オレのミュージックのなかで思い描いてきた「アメリカ」、微妙で複雑な問題に取り組むのをいとわない市民のいる寛大な国、集団的な運命と結集し集積した精神の可能性に興味がある国、に彼は訴える。「誰も君にうるさく要求しないし、誰も他から援助を受けないで独りで生きていかない」ところ。

ちょうど今、批判者らが彼のコメントとある人間関係を誇張することでオバマ上院議員の名誉をおとしめようと躍起になっている。これらの件が何らかの議論にふさわしいとはいえ、彼のすばらしい本「Dreams of My Father」のなかでとても詳しく描かれる、戦争と平和、経済的そして人種的正義を求める闘い、オレたちの憲法を再確認すること、環境の保護と質を高めること、といった現実の問題を議論することからオレらをそらすために彼らは頻繁に文脈とその男性のライフとヴィジョンの枠組みについて口ぎたなく言ってきている。

過去8年を通して受けた大変なダメージの後、アメリカ大再生計画が着手される必要がある。この計画をリードするのと、アメリカ人として倫理の決意の復活とオレら自身の復活を有する21世紀にオレたちをリードするのに、オバマ上院議員はベストな候補者だと信じる。

ここEストリートからオレたちは大統領にオバマを支持することを誇りとする。

Bruce Springsteen
(ローリングストーン誌 10 April 2008)

◇公式の情報。10月13日、ペンシルバニア州でのバラク・オバマの資金調達のための催しでグレイトフルデッドが演奏するということ。ボブ・ウィアー、ビル・クローツマン、フィル・レッシュ、ミッキー・ハートらがいるバンドは、来週もっと激しく争う激戦州のひとつの演奏を準備するため、リードギターにウォーレン・ヘインズをともなってリハーサルする計画でいる。オバマのヴォランティアのフィル・レッシュの息子がギグを手配した。「彼ら全員がその演奏にすっかりのめりこんでいる」とジェリー・ガルシアの友人は言った。
(ローリングストーン誌 05 September 2008)

2008/10/02

ミッキー・ロークが還ってきた




ウェブ版LA Times のTHE ENVELOPE(エンターテイメント)では早くも本年度映画のオスカー予測をしている。USAトゥデイやエンタメウィークリーなど7人の選者によるゴールドダービーでは、全員が主演男優賞に「レスラー」のミッキー・ロークをあげている。他に6人が、「ミルク(ハーヴェイ・ミルク)」のショーン・ペンと「Frost/Nixon」のフランク・ランジェラをあげた。
今年ベネチア国際映画祭は、独立系の小さな映画、ダーレン・アロノフスキー監督の「レスラー」を最高賞の金獅子賞に選んだ。以下、LA Times からーー。

◇ミッキー・ロークのキャリアは過去20年間の驚くべき変容を経験してきている。
彼は将来有望な若いボクサーから時代の反逆児映画スター(忘れられない「ランブルフィッシュ」のバイクボーイ)へと進み、ダメなプロボクサーからハリウッドの過去の人へと進んだ。
そしてまだその変容は終わってない。ミッキー・ロークは「レスラー」で立ち直っている、生涯の役割、盛りを過ぎたレスラー、ランディ<牡羊座>ロビンソンで元気になっている。
ベネチア映画祭での最高の演技の名誉とトロント映画祭でのべたぼめを含め、目下のロークは彼のキャリア最高のレヴューに浴していい気持ちでいる。オスカーのうわさが、すでに耳を聾するばかりだ。
「これはあらゆる意味で本当にひどくつらい断腸の思いのパフォーマンスを有する映画のためである。そして私が断腸の思いと言うときはいつでもミッキー・ロークを意味します」とベネチア映画祭の審査委員長ヴィム・ヴェンダーズは宣言した。
ヴァラエティ誌のトッド・マッカーシーはロークの「ただちに偶像視される銀幕の名演技のなかに位置を占める、人を駆りたて、ユーモラスで、深く心を動かされるポートレート」について書く。
だが、人目を引く変容をこうむることだけが彼のキャリアではない。脚光を浴びるのに戻されて、メディアの関心や世間の詮索、ミッキー・ロークの顔はいったいどうした?の疑問に目を留めさせている。
だが、俳優になる前にアマチュアボクサーだったロークが、1991年に俳優業をやめてフルタイムでリングに立ち寄りプロのボクサーになったのを、多くが思い出さないかもしれない。タイトルを一度も手にしないまま1994年にリングを去ったとはいえ、そのスポーツでのきずあとがロークに残された。彼は顔をしたたかなぐることに耐えてきたので、骨折した頬の骨、裂けた舌、つぶれた鼻が残った。肋骨、指関節、つま先が折れたのは言うまでもなくだ。
過去10年以上ロークは数回手術をしたようだ。ボクシングのダメージを修復するための手術、その修復を治療する手術、ひょっとしたら純粋に見かけ上の手術と。結果はちっとも自然でない。「オレはある種の医者のところに行った。万事違って見せるだろうと信じた。」と認める言葉を彼はSalon.comで引用している。
ハリウッドシーンに突然現れたとき、ロークは圧倒的にハンサムだった。
「1941」で映画デビュー、「ダイナー」「ランブルフィッシュ」「ポープ・オブ・グリニッジヴィレッジ」の後をうけ、「白いドレスの女」でセックスシンボルとして全米で注目される。彼の最もハレンチな役は、後に奇妙にもロークのことを「人間灰皿」と呼ぶことになるキム・ベイジンガーとの「ナインハーフ(1986)」だった。彼はまた「エンジェルハート」でも身を落とし、1987年の「バーフライ」では酔いどれ詩人チャールズ・ブコウスキーをなんとか愛らしい人物にしてみせた。
皮肉にも1989年の映画「ジョニーハンサム」では、まるでオリジナルのミッキー・ロークみたいなハンサム男に整形で変えられるおぞましい顔をした男を演じるため、俳優は厚いメークをした。今日、彼の人生はどうやら逆に演じられるその映画のようじゃないか。
俳優業から去ったときの彼のようにはまったく見えない1994年にロークは俳優業に戻った。彼はあれこれちょい役を演じた。だが、「レスラー」前の最も忘れられない役柄はロバート・ロドリゲスの2005年の映画「シンシティ」だった。マーヴを演じるため、ロークの顔は黄金のハートを持つグラフィックノベルのへぼボクサーに似せるラテックスのグロテスクな層で厚く塗られた。
ラテックスなしで、それはまさしく「レスラー」のなかでも異彩を放つものだ。
(Los Angeles Times by Elizabeth Snead)

最初の写真は、1994年仲良しのトゥーパック・シャクールと、短いプロボクシングの割りあて仕事の後、ミッキー・ロークは俳優業に戻っていた。彼は80年代の最もカリスマ的で有望な俳優のひとりと考えられていた。
2枚目の写真は、1990年代半ばニューヨークのジョニー・デップのバースデーパーティで 、当時デップはケイト・モスと付き合っていて、ミッキー・ロークは仲違いしたガールフレンドのカレル・オーティスとよりを戻そうとしていた。どちらも気まぐれな関係は続かない運命だった。ありがたいことに、ロークのほんの二次的なバンバン(強打のスリル)も続かない運命だった。
最後の写真は、トロント映画祭で「レスラー」で娘役を演じる共演者のエヴァン・レイチェル・ウッドとカメラの前でなれ合って見せる。ウッドはまだマリリン・マンソンと付き合っている。ベネチア映画祭でミッキー・ロークは羨望の主演男優賞を勝ち得た。すっかり進歩して元気になったミッキー・ローク。久しく待望されている。
(WireImage.com)