見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2009/07/31

オークステルダム大学



どこだろうとアメリカに行った際には本屋に駆け込んで「HIGH TIMES」を買ったものだ。雑誌の写真は圧倒的だったからで、たとえばウィリアム・バロウズといった、かなりヘンテコなアーティストへの独占インタヴュー記事なんかもあったからだ。
さて、そのマリワナ雑誌ハイタイムズ(HIGH TIMES)が2009年の3月号で創刊400号だと おめでとう!

ところで、「オークステルダム」運動って知ってる?

アメリカオークランドのダウンタウンをオランダのアムステルダムのようなマリワナ解放区にしよう!という運動のことで、まずは、アムスのようなコーヒーショップ(いろいろな銘柄のマリワナ・メニューがあって、価格とにらめっこしながらスティッキーなNo.1選びができるというもの)が開店し、さらにマリワナビジネスを始めたい人のためのオークステルダム大学が開校してマリワナの医学的知識や法律や、ハッパの育て方まで学べることになった。ワオー!

背景には、1996年にカリフォルニア州民の投票で医療用マリワナの合法化が認められたことがある。マリワナには肉体的苦痛や精神的ストレスを緩和するクスリとしての効能があることが知られてきており、やっと、正々堂々とこれを使うことが認められたのだ。ガンやエイズ、鬱病、PTSD、不眠症などの患者は、医師の診断でマリワナ使用許可証を得れば、合法的にマリワナを購入できる。緑内障なんかにも効果があるそうだし、末期の患者にはなにより必要なものかもしれない。

そしてついこのあいだ、7月21日にオークランドの住民投票で8割の人がマリワナへの課税に賛成票を投じた。カリフォルニアの経済破綻を救うのにマリワナ商売をオモテ経済にして課税しようとの議員立法が提出されてもいて、いまこれに大きなスポットライトが当てられているのはご存じの通り。

オークランドとは桁違いの250億ドル(約2兆3700億円)の大赤字を抱えるカリフォルニア州で消費されるマリワナは、合法、非合法を合わせて推定年間2600万オンス。前述のマリワナ合法化・課税法案を提出した民主党の下院議員トム・アミアーノは、マリファナ1オンス(約28グラム)につき50ドル課税すれば、年に13億ドルの税収になり、しかも完全合法化によって犯罪組織による地下に潜った闇市場も一掃できると言っている。ちなみに、オークランド市ではマリワナに1.8%課税することを検討している。

ただし、アメリカ合衆国のマリワナ合法化には道は遠い。連邦法ではあくまでマリワナは違法。カリフォルニア州から正式に営業許可を受けた販売業者でも連邦の麻薬取締局に逮捕されるという事態が生じている。「オークステルダム」でも、それで潰れたヘッドショップが多いらしい。

中毒ゼロが確認されているマリワナの解禁に国が反対を固辞するのは、労働意欲が失せて非生産的になる、バカバカしいことをしたくなくなる、などがあるからではないか。60年代のヒッピーみたいに、できるかぎり自給自足して物欲がなく自然に暮らす国民ばかりになったら国としてそれは大変だろう。武器を花に持ち替えて、争わない人ばかりになるのは、アメリカにはよほど怖いことのはずーー。

◇オークランドの学校はポットクラブのプロ

教育用のカンナビスが5本。充血した目の学生はいない。これまでとは全く違った職業専門学校が開校した。

カリフォルニア州オークランドにあるオークステルダム大学では、カリフォルニアで盛んになりつつある医療カンナビス産業で仕事をしようとしている人たちに高度な教育を提供している。

200ドルの授業料を払い2冊の教科書を別途購入した学生たちは、カンナビスの栽培法や調理法、さらに、どの品種がどの病気に適しているかといったことや連邦政府の目からは違法とみられるこのビジネスの法的問題についても講義を受ける。

学校を設立したのは医療カンナビス販売薬局のオーナーで活動家としても知られるリチャード・リー(45)で、「このアイディアの基本はカンナビス産業をプロの産業に育ててビールやウイスキーを扱っているようなきちんとした産業にすること」 だと述べる。学校は昨年秋にオークランドのダウンタウンの商業地区に開校した。

2日間の週末の基本コースを終了した学生は今までに60人、予約は5月まで満杯状態だ。授業が終了すると学生には自宅で行うテストが渡されて最も成績優秀な人には 「トップスコア」 で卒業したことを示す卒業証書が授与される。

学校の目玉は園芸実習、その前に法律や政治についての講義が行われる。授業では、栽培や起業を計画している人たち、政治活動家ら20人が、2つの法律の講義と特別招聘された教授による歴史の講義を受けていた。

実習室ではオーナーのリー講師が肥料の分量の決め方や専用の照明器具、送風機、エアフィルターなどの設置方法の常識について説明していた。学生たちはここで教わった知識をもとに、愉しみや健康や公共サービス、利益などを求めて、自宅でカンナビス栽培ができるようになる。

学生たちはハッパの収穫方法や一番おいしい芽の部分(バッズ)をきれいに整えるクリッピングについて説明を受けていた。どうしたらダメージを与えないで余分の葉をクリッピングできるかの手ほどきを直接受けられる。また、リー講師は土を使わない水耕栽培の利点をあげて、栄養成分調合済みの肥料を利用するのがベストだと思うと話していた。

ジェフ・サンダース(52)は、2003年以来ずっと医療用カンナビスを購入していたが、わざわざサンフランシスコまで行くのも大変で費用もかさむため、地元サンジョーキンバレーに薬局販売店をオープンしたいと言う。「コミュニティに恩返しすることにもなるし、とてもよいことだと思っている」と。

パトリック・オションネッシー(37)は、以前はカンナビスをたまに使う程度だったが、1年ほど前から慢性の偏頭痛とウツや不安を治療するため毎日使うようになった。だが、薬局販売店では自分の症状に合う品種がよく品切れで手に入らないことがあり、今回授業を受けてみて自分で栽培したほうがいいとますます確信するようになったと言う。

「オークステルダム」 という名前は一種の愛称で、カリフォルニアでは最も早くから医療カンナビス販売店が根付いたオークランドと、カナビスの使用が容認されているオランダのアムステルダムを合わせてそう呼ばれるようになった。

オークステルダムではいっとき15軒以上のクラブとコーヒーショップでカンナビスを販売していたが、数年前に市がライセンスを発行して税金を徴収するようになってから4軒だけになっている。

カリフォルニアは医師のお墨付きをもらう患者が医療カンナビスを使用することが1996年に最初に合法化された州で、以来、10以上の州でも同じような州法が成立している。

カリフォルニアでは特に患者数や販売店の数が多いこともあって、連邦当局の強制捜査もたびたび行われてきている。だが、常に訴追の恐れがつきまとっているにもかかわらず、好みのカンナビスを選んで購入できる販売店やクラブや協同組合は増え続けてきており、支援グループは現在300〜400に達している。

リー校長によれば、販売店の新入り従業員の給料は最低賃金並みだが、ハッパの芽の説明ができて患者の相談にのれる 「バッズ(芽)テンダー」 の場合は年収5万ドルを超え、店長クラスでは10万ドルを下らないと言うことだ。

連邦麻薬局(DEA)サンフランシスコ事務所の捜査官代理マイケル・チャップマンは、当局側もオークステルダム大学のことは承知しているが閉鎖する理由がないと言う。カンナビスについて教えること自体は違法でもなんでもないし、たとえ少量のカンナビスがあったところで、もっと大きな違反行為を対象にしているDEAの対象にはならないと言っている。

(AP通信 25 Feb 2008より抜粋)

写真はオークステルダム大学の校章 サイトはこちらから↓
http://www.cannabis-studyhouse.com/21_medical_practice/36_oakstrdam_university/oakstrdam_university.html

2009/07/30

決闘ビルボード



◇それはニューヨークのタイムズスクエアーにあるアメリカ政府版のチッカー(電光掲示板)で、高さ5フィートのクリムゾン色の文字で反キューバのスローガンを流してはハバナの海岸沿いのメイン通りを呪い倒す。それはワシントンとハバナ間の外交騒動の仕返しの象徴とみられた。

だが、キューバの米国利益代表部のてっぺんにあった電光掲示板に明かりがなくなっている、なお2国間の過去半世紀の反目もまた緩まっている。

キューバ国民に情報を伝えるという意味で「有効」とはみなされなかったので、6月に電光掲示板を消したと国務省のイアン・ケリー報道官は言った。

米国利益代表部の窓25枚の端から端まで取り付けられた表示画面の内容が順次動く電光掲示は、マーティン・ルーサー・キングの「いつの日かこの国が起き上がるとの私には夢がある」やエイブラハム・リンカーンの「他人の承諾なしに他人を取り仕切るほど人は立派ではない」といったアメリカの英雄たちの引用句を流した。

それはまた、キューバの毎日の難題をフィデル・カストロと島の社会主義経済によって率いられるコミュニスト政権のせいにしたニュースと政治的メッセージも流した。たとえば、島の交通機関の災難は、「ある人はメルセデスで走り回り、ある人はロシア製のラダスで走り回る、だが輸送組織網がほぼ誰にでもヒッチハイクすることを余儀なくさせる」といったようなジャブの話題だった。

ブッシュ政権によって2006年に立てられて、検閲を回避する方法として宣伝され、残忍な政権によって抑圧されるキューバ人に希望と自由を提供すると政権が言った掲示は、米国利益代表部を「反革命の本部」と呼んだフィデル・カストロとのプロパガンダ戦争を活気づけた。

電光掲示板を帝国主義者のいじめっ子によるキューバの主権に対する強襲と呼んで、カンカンに怒ったフィデル・カストロは利益代表部を通り過ぎる抗議の大行進100万人のキューバ人を堂々と引っ張っていった。そしていわゆる米国の侵略(正当な理由のない攻撃)の犠牲者の記念となるように米国使節団の駐車場を掘り起こして反米ビルボードと巨大な黒旗138本を立てることで電光掲示板をふさいだ。掲示が下がるまで、ハバナの米国を拠点とする外交官とキューバの外務省とのあいだにどんな接触もないと彼は約束した。

二国家間の結びつきが向上した今年、現在キューバを統治するフィデルの弟ラウル・カストロは、反米ビルボードを下ろした。4月、キューバ系アメリカ人の島への渡航と島の親戚に送る送金額の制限をオバマ大統領が取り除いた。そして今月、米国とキューバの外交官が2003年以降はじめて(6年ぶり)キューバ人の米国への移住に関する会談を再開した。

キューバ人によって立てられた反プロパガンダのせいで、大部分のキューバ人が電光掲示板を読めなかったのを国務省のケリー報道官は認めた。「果たし合い(決闘)ビルボード」は生産的な米国・キューバ関係を促進していなかったとケリーは言った。

アメリカの携帯電話ネットワークと他のコミュニケーションテクノロジーを島にて稼働可能ならしめることが、キューバ国民により情報の自由な流れを可能ならしめるだろうと4月オバマによって施策が披露されたとケリーは言った。

写真は、2007年ハバナの米国利益代表ビルの前にてはためくキューバ国旗
(CNN 29 July 2009)

2009/07/28

チェイニー訴追までせっつく



◇男性というのは時々ちょっとせっつく必要があります。私たちは生ゴミを持ち出すのを気づかせなくてはなりません。あるいは学校の子どもを迎えに行くことを。あるいは拷問を調査するため特別検察官を任命することを。エリック・ホルダー司法長官の場合、あなた方のせっつきが功を奏しました!手紙や「あなたの支持を取りつけた」と彼に伝える電話が、オバマ政権の希望に反しても、持ちこたえて拷問を調査するため特別検察官を任命することにざっと目を通し始める勇気を彼に与えてきています。

これはすばらしいニュース!でも、問題があります。ホルダーの調査は拷問計画そのものの設計者ではなく、政権によって決められた適法の限界の度を超した低レベルの尋問者にもっぱら集中させるらしいとのウワサがあります。

もっとせっつく時機に思えます。ディック・チェイニーを含む、拷問にゴーサインを出したトップの連中で始めることと特別検察官を割りあてることで、ホルダー司法長官を激励してせっせと動いてもらうため、下記のサイトをチェックしてください。
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=HscAaORiCa9p2uUEAIAOpTsNwXNVIZYe

チェイニーは法律やモラルを重んじません。あるいはその種の問題に政府のチェック&バランス(行き過ぎを抑えて均衡をとる)を重んじません。先週ちょうど、秘密のスパイ行為作戦について議会から情報をそらすようチェイニーがCIAに命じたことがわかりました。ディック・チェイニーの裏工作の場所の取引について私たちが知れば知るほど、調査してブッシュ政権の犯罪を訴追しなければならない理由は増えます。

(CODEPINK 16 July 2009)

写真は6月4日、オバマがカイロ大学で演説したときのカイロの街中の風景

○中東和平ではイスラエルに入植地を凍結するよう明確に求め、「米国はパレスチナ人が国家を持つとの願望に背を向けない」と説明。2国家共存による解決を訴えた。
際立ったのは、核開発を進めるイランに対する融和的な姿勢だ。断交している両国関係の歴史では「冷戦時代、民主的に選ばれたイラン政権の転覆に米国は役割を果たした」と自国の非にも触れた。そのうえで「多くの問題について前提条件なしに話し合う用意がある」と対話を呼びかけた。
(朝日新聞より引用)

○このカイロ演説は、おそらくオバマ大統領が核廃絶を訴えた4月5日のプラハ演説と並ぶ重要な演説として記録されるでしょう。
オバマ大統領は演説の最初に「私たちはアメリカとイスラム社会の間の緊張に直面している。その緊張は現在の政策論争を超える歴史的な力に根ざしている。イスラム社会と西欧社会の関係は何世紀にも及ぶ共存と協力と同時に宗教戦争の歴史であった。両者の緊張は、多くのイスラム人の権利と機会を否定する植民地主義と、多くのイスラム国家をイスラムの理念に敬意を払うことなく代理国家と扱った冷戦によって助長されてきた。またモダニティとグローバリゼーションによってもたらされた広範な変化によってイスラム人の多くは西欧をイスラムの伝統に敵対するものとみなすようになった」と、両者の間にある緊張の根源の深さを指摘しています。特に連続テロ事件以降、アメリカとイスラム社会の関係は抜き差しならぬ事態にまで発展しています。かつてネオコンの指導者の一人でイラク戦争を支持したフランシス・フクヤマは、ネオコンと袂を別ち、国家再建プランを持たなかったイラク戦争の失敗を認め、さらに「過激なテロリストはイスラム世界の一部に過ぎず、世界中の大多数のイスラム教徒は穏健な人々である」とイスラム社会との和解を説いたことがあります。同様にオバマ大統領も「私はアメリカと世界中のイスラム教徒の間の新しい出発を求めてここにやってきた」と述べています。
(フリージャーナリスト中岡望のサイトより引用)
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=287

2009/07/27

みんなのなかにあるWildThings



スパイク・ジョーンズはどこいった?
と思ったらここにいた!
「Where the Wild Things Are 」全米公開は10月16日
トレイラーを見てください
http://wherethewildthingsare.warnerbros.com/

写真は映画のポスター(公式サイトより)

◇豪メルボルンで7月24日開幕した「メルボルン国際映画祭」のウェブサイトが25日、中国上海のIPアドレスからとみられるハッカー攻撃を受けた。オーストラリアの新聞Age(エイジ)が26日、報じた。

同紙によると、映画祭のサイトが改変され、掲載されていた映画情報が、中国国旗と亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席を批判するスローガンに置き換えられていたという。26日現在、ウェブサイトは通常の状態に戻っている。



・中国人監督が出品辞退



メルボルン国際映画祭では、来月8日にカーディル氏を招いて、オーストラリア人のジェフ・ダニエル監督による同氏のドキュメンタリー映画「テン・コンディションズ・オブ・ラヴ(愛の10条件)」が上映される予定になっている。



この映画をめぐって、ジャ・ジャンクー監督ら中国人監督2人が前週、同映画祭への出品を辞退していた。監督の1人は、中国政府当局者からの求めに応じ辞退を決めたと語っているが、その際に当局からの圧力はなく、自分自身で決断したと強調している。



・関係者に嫌がらせメールも



映画祭組織委員長のリチャード・ムーア氏は、カーディル氏に関する映画の上映を中止するよう、中国当局から圧力があったと批判している。

エイジ紙によると、映画祭関係者のもとには、ムーア氏が映画上映とカーディル氏の招待の中止を拒否したことを罵倒する内容の電子メールが届いたという。ムーア氏は同紙に対し、「非常に不快な言葉が使われていた。明らかに、われわれが中国政府の要請を拒否したことに対する組織的な運動だ」と話した。



ウェブ攻撃については地元警察が捜査を始めており、問題の映画が来月上映される際には、カーディル氏と来場者を守るため警備員を配置するという。

中国政府はカーディル氏を、5日に新疆ウイグル自治区で発生した大規模暴動の首謀者だとして非難している。カーディル氏自身は、関与を否定している。

(AFP 2009年7月27日)

◇追跡の結果、ハッカー攻撃を実行していた1人は、上海の情報技術(IT)専門家であることが判明。専門家は民間人で、映画に抗議するためサイトを攻撃したことを認めた。当局は他の攻撃についても追跡を急いでいるが、別の複数の場所から行われていた可能性が浮上している。(CNNによる)

メルボルン映画祭の公式サイト↓
http://melbfilmfestival.realviewtechnologies.com/?xml=Melbourne_International_Film_Festival

◇メルボルン国際映画祭に公開書簡を提出

メルボルン映画祭とのパートナーシップをイスラエルが自国のプロモーションに利用していることに重大な懸念を感じる「イスラエルの学問芸術的・文化的ボイコットのためのパレスチナキャンペーン(Palestinian Campaign for the Academic and Cultural Boycott of Israel:PACBI)」は、下記のような内容の公開書簡状を7月5日、メルボルン映画祭に提出した。

イスラエルからの資金提供を受けることはイスラエルの実施している占領主義、植民地主義、アパルトヘイトに賛同することと同じです。ガザ攻撃からまだ6ヶ月しか経っていない現在、イスラエルと協力関係を結ぶことは国際法に違反し、パレスチナの人々の人権を侵害することです。また、このことはパレスチナの人々の芸術や文化を冒涜し、映画の芸術性に反し、すべての映画製作者、音楽家、アーティスト、作家、詩人の想いを潰すことと同様です。
(中略)
南アフリカで起こったように、国際的な団結が経済やスポーツ、文化的な場面でボイコットを表明することにより、アパルトヘイト体制を変革させたという過去の事例を踏まえ、パレスチナの人びとがパレスチナの地で自由と平等の権利をつかむまで、イスラエルとパートナーシップを組まないことを願います。

2009/07/26

教科書から「ナクバ」が消える



◇イスラエルがアラビア語の教科書から1948年の「カタストロフィー(大災害)」を削除する
by マッティ・フリードマン(AP通信のライター)

(エルサレム):イスラエル政府はアラブ人学童のための教科書からイスラエル創設についてパレスチナ人が「大災害(破滅)」と呼ぶものの論及を削除するつもりだと水曜、文部大臣が述べた。

パレスチナ人が1948年イスラエルの創設に従事する戦争での彼らの敗北と追放を呼ぶ、アラビア語の大災害の言葉、「ナクバ」の論及は2007年にイスラエルのハト派の文部大臣によって書き入れられた。

そのフレーズは60年経っても異論のあるままでイスラエルで永続する意見の不一致のきざしだ。イスラエルのアラブ人の多くが、ヨルダン川西岸とガザのパレスチナの片割れたちと政治的に行動を共にする。結果として、あるイスラエルのユダヤ人らは国家に対する不信行為でイスラエルのアラブ人を告発する。

ベンジャミン・ネタニヤフと強行路線のリクード党によって率いられるイスラエルの現政権には、忠誠の宣誓を命じるかイスラエルから追い払ってまでもイスラエルのアラブ人を摘発するのに賛成する仲間が含まれる。

「公式のカリキュラムでイスラエル建国の事実をカタストロフィーとして扱う国は世界に他にない」と水曜、ギデオン・ザール文部大臣がイスラエル議会に明言した。

イスラエルのアラブ人議員ハナ・スウェイドは、政府の「ナクバ否認」を非難した。

「イスラエル国家のパレスチナ系アラブ人市民のアイデンティティ(主体性、独自性)と、彼らの記憶、主体性に対する遵守への重大な攻撃だ」と彼はAP通信に明言した。

戦争の間にパレスチナ人に降りかかった個人と国家の悲劇について教師が討論するのは自由であるとザールは言った、だが教科書はその言葉を削除するため改訂されると付け加えた。

この決定はアラブ人学童の3年生の教科書に適用された。ユダヤ人の教科書はこの言葉を取り立てて言わない。

ハト派のサリド元文部大臣はザールの決定は自信のなさを示したと言った。

「シオニズムはすでにいろいろに勝利してきている、もっと自信を持つ余裕がある。私たちは言葉を恐れる必要などない」とサリドは述べた。

1948年戦争は、英国に支配されるパレスチナの領土をユダヤの領土とアラブの領土に分割すると国連が決めた後、新たに建設されるユダヤの国をアラブ諸国が侵略するのを予見した。ユダヤの軍勢が勝利して国連がユダヤ人に割りあてていた分を超えた領土を奪う、その間、国連がパレスチナ人の領土にするつもりで残していたものをエジプトとヨルダンがぶんどった。

70万人以上のパレスチナ人がイスラエルに支配されるエリアから逃れるか追放されたとみなされる。

建国に関する公式のイスラエルの歴史、特に学童のために書かれたものは、典型的にイスラエル軍の武勇に集中させていてパレスチナ人との戦いを巧みに言い抜けてきている。そして言及があったとしても、大規模追放は自発的脱出であるとする。

近年、幾人かのイスラエル人歴史家が、多くのパレスチナ人が自発的に逃れたとはいえ、他の多くが戦いが猛威をふるったとき自分の家から追い立てられたとはっきり主張する本を出版してきている。

パレスチナ人は生き残った難民と400万人以上の子孫をイスラエルの元々の故国に帰還させる権利を要求する。

イスラエルは、難民は賠償金を受け取って今住むところかパレスチナの領土に再定住すべきだと言って、この要求を拒絶する。

イスラエル内にとどまるアラブ人はイスラエルの人口730万人の約20%を構成する。

(マーキュリーニュース 22 July 2009)

写真は、2009年7月22日水曜日、ハマスのサマーキャンプに出席するパレスチナ人の子どもたちが、ガザ地区北部ジェバリヤの破壊された家屋の瓦礫の上に立ちながら、イスラエルのガザ封鎖に抗議する。
戦闘的なハマスが2007年6月にガザで権力を握って以降、イスラエルと隣国エジプトがガザに封鎖を続けさせている。
(AP Photo/Khalil Hamra)

http://www.mercurynews.com/breakingnews/ci_12889908?nclick_check=1&forced=true

2009/07/25

ラテンアメリカのチキータバナナ



「グアテマラのアルベンズ大統領からセラヤ大統領まで:ラテンアメリカのチキータバナナ」
最近この記事を書いたジャーナリストにデモクラシーナウ!のエイミー・グッドマンがインタヴューしています。
まもなく、これの翻訳を配信したメルマガのページにアップします。
右サイドにあるメールマガジン「凸NewsFanzine凸」からお読み下さい。

2009/07/23

もちろん黒人だから疑う



◇米マサチューセッツ州で、自宅ドアが壊れて開かなかったためドアを壊して自宅に入ったハーバード大の黒人教授、ヘンリー・ルイス・ゲイツ(58)を誤って逮捕したことについて、ケンブリッジ市警は21日、同教授に謝罪した。

ケンブリッジ市警は、ゲイツ教授を送検しない方針を発表。ケンブリッジ市警とゲイツ教授は共同記者会見を開き、「2009年7月16日に起きた事件を遺憾で不幸なことだと考えている」と述べた。

「この事件は、ゲイツ教授の人格と名声やケンブリッジ市警を傷つけるものとしてみられるべきではない。当事者はこの事件について、一連の不運な状況の結果であるとの見解で一致している」(ケンブリッジ市警とゲイツ教授の共同声明)

この事件について、ゲイツ教授は人種差別だとして警察当局を激しく非難していた。

ゲイツ教授は、アフリカンアメリカンスタディーズ(アフリカ系米国人研究)を代表する専門家。1997年に米タイム誌で、米国で最も影響力のある25人に選出されたこともある。警察は、「大声を出すなど騒々しかったため」治安紊乱(びんらん)行為で逮捕したと説明していた。

7月16日の警察の報告書によると、自宅ドアを壊そうとしているゲイツ教授と同教授の黒人運転手をみかけた通行人の女性が、警察に通報した。警察が到着した時、ゲイツ教授は自宅に入り、ドアの故障について自宅の管理事務所に電話をかけていた。

ゲイツ教授は、警官に自宅であることを説明し、ハーバード大の身分証明書や運転免許証を提示したが、警官は家の外に出るよう指示。外に出たところで手錠をかけられ逮捕された。その後釈放まで4時間にわたって拘束されていた。

逮捕された際、ゲイツ教授は現場で「これがアメリカで黒人の身に起きていることだ」と語ったとされる。

(AFP通信 2009年7月22日 )

◇インターネット上に掲載された教授のインタビューによると、今月16日に出張先から自宅に戻ったところ、ドアが開かず、運転手と2人でこじ開けようとしたが失敗。結局、裏口から入った。
その直後に警官が自宅を訪れ、住居侵入の疑いで教授を尋問。教授は身分証明書を示したが聞き入れられず、警官に暴言を吐き治安を乱したとの疑いで逮捕された。
米紙が伝えた警察の報告書によると、教授は警官に「黒人だから疑うのか」などと食ってかかったという。教授は人種差別批判の言動は認めながらも「暴言」の事実は否定。「警官は私が黒人だから住居侵入犯と思い込んだに違いない」と指摘している。
(共同通信 2009年7月22日)

写真はインド、インドと中国の広域で暗闇に突入する今世紀最長の皆既日食をアジアの人々が体験した。(BBC NEWS 22 July 2009)
インドでは太陽が黒くなるのは不吉、なので人々は川に入って身を清めるそうだ

2009/07/21

世界に知らせる人がいない



◇人権団体メモリアル チェチェン活動停止

ロシアの人権団体メモリアルが団体の突出した活動家ナタリア・エステミロワの殺害を受けてチェチェンでの活動を停止してきている。

「たとえいつでも仕事を続ける準備ができていようとも、同僚の命を危険にさらすことはできない」とメモリアルの上級メンバー、アレクサンダー・チェルカソフは言った。

◇メモリアル チェチェン支部オレグ・オルロフ:
彼女を殺したのはチェチェンで起きていることが外に漏れるのを嫌う者たちだ。殺せとカディロフが直接命じたかどうかは知らないが、最近、メモリアルが攻撃された。チェチェンの人権問題代表とやらのヌルジ・ナウハジエフによる攻撃だった。

彼はグローズヌイの支部長を呼んで言った。「メモリアルの活動は政府のお気に召さない。仕方なく君たちをおおやけに非難するしかない、メモリアルの安全を確保する方法はそれしかない」と。

それが間に合わなかった。ナターシャ(エステミロワ)の最後の報告の一つは、アフチムチャーボルゾイ村で人々が誘拐されており、そのうちのひとりがその後公開処刑されたというもの。これが報じられたことにカディロフは怒りを爆発させていた。

エステミロワが殺害された7月15日、「チェチェンにおける戦争犯罪でロシア指導部を告訴する展望」という本のプレゼンテーションが行われた。

http://www.svobodanews.ru/content/article/1777792.html

◇リバティ アンドレイ・バビツキー:
チェチェンでは、生存権、拷問されない権利、誘拐されない権利、銃殺されない権利というものを守り抜かねば生きていられないし、権力や取締機関との関係で用心深さが必要なのにそれをまったくもっていないのがナターシャだった。

グローズヌイで誘拐をできるのはそうたくさんはいない、カディロフの許可なしにそんなことはできない、となるとカディロフの手の者か、ロシアの特務機関かどちらかの仕業でしかない。チェチェンとロシア当局をはっきりわけて考えたことはない。チェチェンはロシアの欠かすことのできない一部をなしており、この二つは一国のなかで行動している。今まで当局は人権活動家には手を出さないでいた。

プーチンはポリトコフスカヤの死について「彼女のジャーナリストとしての活動よりこの死がロシアにもたらした損害のほうがはるかに大きい」と言ったが、あれはまっかなウソだ。チェチェンで起きている犯罪行為の数々が暴かれ、公表されていることによって、ロシアの取締機関は彼らが望んでいるようには動けないでいた。だが、今回の殺害で、そのブレーキがはずされてしまった。 

今回の殺害事件は状況を根本的に変えてしまう。チェチェンで行われている犯罪行為についての最後の情報源だった人権活動家が殺されたのだ。国際社会はこのことに目を向けるべきだ。おそろしい犯罪について伝える者がいなくなる。超えてはならない一線を越えてしまう事件が起きてしまった。

◇ノーヴァヤ・ガゼータ紙 ムラトフ編集長:

ナターシャと最後に会ったのは、マルケーロフ弁護士とバブーロワが殺されたとき、「ナターシャ、チェチェンから逃げろ!とにかく早く!」と言ったとき、彼女はそのことはわかっていると言った。 

わが国には憲法が無効な特別区がある、そこでは何でもありだ。金と成果は 憲法より上にある。ナターシャは国益より人間の命のほうがはるかに大事だと考えていた。私もそう考える。私はチェチェンでの仕事をあきらめた。ノーヴァヤの社員を死なせるわけにはいかない。「ノーヴァヤはチェチェンではもう動かない」と正直に言ったが、残念ながら徹底的にチェチェンと手を切れない。

ナターシャは誠実に当局にも協力していて、チェチェンの反体制派などというのではない。つまりチェチェン当局の随行とともにスタヴロポリ地方に行く用意をしていた。そこで収容所にいるチェチェン人のことを調べるつもりだった。彼女にとって権力者が誰なのかは二の次で、とにかく人間の尊厳を守ろうとしているだけだった。カディロフが協力を要請し、彼女はカディロフと仕事をした。

監獄の状況を視察したのだ。ナターシャは政治活動をしてたのではなく、ひとり一人の具体的な運命を問題にしていた。私たちは殺人犯を見つけられないだろう。民主主義には幾つか段階があって、殺しが許されない段階の地域もあれば、殺しも許される段階の民主主義を体験している地域もあるなどというのはナンセンスだ。 

◇アムネスティインターナショナル発表の国際ニュースより

アムネスティインターナショナルは、北コーカサス地域の問題に取り組む人権活動家であり、アムネスティの長年の友人であったナタリア・エステミロワが本日殺害されたことに、強く非難する。

「ナタリア・エステミロワの殺害は、ロシアおよびチェチェン当局が、加害者に刑罰を与えず免責を続けてきた結果だ」と、アムネスティインターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は述べた。

「ロシア、特に北コーカサスにおける人権侵害をこれ以上無視することはできない。人権のために立ち上がった人びとは保護を必要としている。」

「事件はロシアの市民社会を窒息させようとする企ての一部であり、北コーカサス地域の不安定さを浮き彫りにしている。」

「ナタリア・エステミロワは、いかなるときも他者の人権を守ろうとした、最も勇気ある、素晴らしい女性だった。エステミロワは私たちにとってかけがえのない人であり、友人だった」とアイリーン・カーンは語った。

チェチェンのグロズヌイで活動するロシアのNGO「メモリアル」の中心的活動家のひとりだったナタリア・エステミロワは、現地時間の15日午前8時半に誘拐された。彼女は白いクルマ(VAZ-2107)の中に引きずり込まれ、クルマはどこかに走り去った。目撃者によると、ナタリア・エステミロワは誘拐されたとき叫び声をあげていた。

ナタリア・エステミロワは2000年に第2次チェチェン紛争が始まって以来、拷問や虐待、国際法違反の殺害、強制失踪など、北コーカサスの人権侵害を記録し続けるという重要な仕事を行ってきた。またエステミロワは、国内避難民となった人びとや社会的弱者に対して献身的な支援を行ってきた。これまでのところ犯行声明は出されていないが、同僚たちは、彼女が人権擁護活動を理由に殺されたと考えている。

ナタリア・エステミロワの活動は国内外で認められており、欧州議会のロベール・シューマン賞(2005年)、スウェーデン議会のライト・ライブリフッド賞(2004年。もう一つのノーベル平和賞と呼ばれている)、そして第1回アンナ・ポリトコフスカヤ賞(2007年)など、数多くの賞を受賞してきた。

ナタリア・エステミロワの殺害は、ロシアで活動する人権擁護活動家が危険にさらされている状況にさらなる注目を集めた。今回の事件は、今年初めに人権派弁護士のスタニスラフ・マルケロフとジャーナリストのアナスタシア・バブローワが暗殺されたことに続くものである。両者はいずれも06年に殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの親しい友人だった。

○背景情報
今年4月、ロシア当局はチェチェンにおける「対テロ作戦」の終了を発表した。しかし北コーカサスではここ数カ月の間、地域内の緊張が高まっていく兆候がある中で、社会的に著名な人物の殺害が多数あった。
今月初めに発表された報告書『法なき支配:北コーカサスにおける人権侵害』の中でアムネスティ・インターナショナルは、継続している人権侵害について完全な説明責任を果たすよう呼びかけた。それこそがチェチェンと北コーカサスに真の安定をもたらし地域の平和を回復する唯一の道である。

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=684

◇ロシア当局は、ナタリア・エステミロワ氏の殺害の責任を追及すべき 

ヒューマンライツウォッチ(HRW)の常務理事ケネス・ロス:
ロシア当局は、一刻も早くこの事件を非難し、エステミロワ氏の殺害者を法の裁きにかけるべきである。チェチェンでの深刻な人権侵害を明らかにする人びと全てに、危険が及んでいる。ロシア政府は、このような殺害に終止符を打ち、責任がある者を起訴するべきだ。

エステミロワは、過去10年以上にわたり、チェチェンでの人権侵害の調査と責任の追及を最前線で行ってきた。彼女の活動は、ラムザン・カディロフ大統領をはじめ、チェチェン当局からの批判の対象となってきた。カディロフ政権の関係機関は、虐殺、拷問、失踪など、さまざまな人権侵害を繰り返し犯した容疑をかけられているにも関わらず、国内ではごく僅かな事件の責任追及しか行われていない。欧州人権裁判所は、今日までの100件以上の判決において、チェチェンでの深刻な人権侵害の責任がロシア政府にあるとし、これらの事件に対する責任追及の欠如を非難してきた。

HRWは、ドミトリー・メドベージェフ・ロシア大統領に対し、エステミロワの殺害事件について、独立した透明性のある包括的な捜査を行うよう求めた。さらに、チェチェンではこのような事件が不処罰とされることが多く、現地当局による効果的な捜査は期待できない。信憑性を確保するため、初期段階の捜査は現地警察ではなく、ロシア当局の最高レベルで行うべきであると述べた。

メドベージェフ大統領の報道官は、大統領はこの事件に対し怒りを示しており、全面的な捜査を行うよう命じたと述べた。

「エステミロワは、生涯正義のために戦った。彼女に敬意を示すには、殺害者を見つけ、裁判にかけることが必要だ」とケネス・ロスは述べた。「彼女の殺害の責任の追及は、チェチェンでの虐待や不処罰の悪循環を断ち切るきっかけとなるだろう。」

チェチェンではこの数週間、暴力的な事件が増加しており、中には超法規的な処刑、懲罰的な家屋の焼き討ち、拉致、恣意的な拘禁などの人権侵害も含まれている。エステミロワは、HRWと共に、これらの事件を調査していた。

チェチェンでは、頻繁に拉致事件が発生している。過去数年間に、拉致や強制失踪の数は大幅に減少しているものの、いまだ政府批判者と見られる人びとや彼らの家族の拉致は続いている。

エステミロワ氏の殺害は、特にチェチェンで起きている人権侵害の責任を追求する弁護士に対しての相次ぐ攻撃や殺害の最も最近の事件である。今年1月、カディロフ大統領から拷問を受けたと主張していたチェチェン人Umar Israilovが、亡命先のウィーンで白昼堂々と射殺された。この事件から1週間も経たないうちに、著名な人権弁護士で、チェチェンでの人権侵害の被害者の弁護をしていたスタニスラフ・マルケロフが、モスクワで記者会見を終えた直後に射殺された。一緒にいたジャーナリスト、アナスタシア・バブロワも殺害された。これらの事件で逮捕された人はまだいない。

最もよく知られている調査報道の記者だったアンナ・ポリトコフスカヤの殺害では、今年6月25日、上訴法廷はこの事件で殺人容疑をかけられていた4人の無罪判決を覆し、新たな裁判を要請した。

15 July 2009 HRW
http://www.hrw.org/ja/news/2009/07/15-0

写真はチェチェンの彼女の村の葬儀でのナタリアのママ(右のハンカチを持った女性)と娘(黒いスカーフ)

2009/07/20

ジャイアントジェリーフィッシュ



◇巨大クラゲ

沿岸の村に計り知れない混乱を引き起こし、絶滅と人類の不幸の余波を後に残す、巨大クラゲが日本海に押しかけた。

写真は、2005年10月日本の北の沖合でノムラのクラゲにダイバーがセンサーを取り付けるところ。

すごいSF映画って感じ。だが、そうではない。

巨大クラゲは本物で、日本の漁師にとってそれは悪夢だ。

ノムラのクラゲと呼ばれるかなりの海洋生物は、直径6フィート、重さ450ポンド以上にもなり得る。クラゲの源は黄海や中国の海域で生じたと科学者らは考える。2005年から3年をかけて海洋の潮流がそれらを日本海に移動させている。

アラバマのドーファン(フランス皇太子の称号)アイランド海洋研究所の海洋生物学者、モンティ・ウイリアムズは、海洋の潮流によって移動するときクラゲは桁外れの大きさにまで成長すると言った。クラゲは群れて一カ所にとどまり、北方へ流されるとき、漁師の網にひっかかると彼は言った。

巨大クラゲは、世界中に存在する約200種の沿岸のクラゲあるいは大クラゲのひとつである。だが、ノムラのクラゲはその桁外れの大きさのために突出する。

「個々にまったくのサイズでは、なかなか壮観なクラゲである」とウイリアムズは言った。

おそらく科学者には壮観でも、過去にこれらの巨大な生き物の破壊的習性を経験してきている日本海沿岸の村には危険だ。彼らは2005年と2007年に巨大クラゲに侵害されていたし、最近、巨大クラゲが日本海で見つけられてきているので、もしかすると今年の夏の有害な群れかもしれない、新たなものを用意してきている。

クラゲは漁師の網を破壊する。網に閉じ込められ、引きちぎって穴をあけて水あげをだいなしにする。

漁師は何百キロも伸びる高価な迷路のような網をよく使う。巨大クラゲの群れがその網を引きちぎったとき、結果は甚大な被害をもたらしている。

「漁師の共同体とこの漁師の村が網を所有する」とウイリアムズは言った。「この網が徹底的にやられた場合、コミュニティ全体にとって実際に甚大な経済的被害がある。」

先の攻撃が日本に漁師のための警戒態勢をしかるべき所にすぐ置かせているのはよいニュースだ。大漁の水あげを逃すリスクはまだあるものの、少なくとも巨大クラゲの侵略から高価な網を救うことはできる。

近年なぜノムラのクラゲの群れが日本海にたどり着いたかは明確ではない。ある人たちは、魚の乱獲とか汚染、海洋温度の上昇が、発達がポリプ段階の生物のノムラのクラゲを食い物にするある種の魚を激減させてきているのかもしれないと思い巡らしてきている。しかしながら、誰にも確かではないと、ウイリアムズは言った。

(CNN.com.jp 19 July 2009)

2009/07/19

やりたい放題のカディロフ



写真は、エステミロワの殺害で関与を否定するチェチェン共和国カディロフ大統領
(BBC NEWS 18 July 2009 「異なる意見を言わせないようにするチェチェン」より)

◇チェチェン大統領が勢力拡大 隣国イングーシで警戒感

ロシア南部・北カフカス地方で治安の悪化に乗じ、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ大統領が勢力を拡大している。チェチェン独立派武装勢力を武力で封じ込め、今度は隣のイングーシ共和国で対テロ作戦を展開するカディロフ氏に「イングーシをのみ込もうとしている」との警戒感が広がっている。

イングーシのエフクロフ大統領が6月22日に自爆テロに遭い瀕死の重傷を負って以来、カディロフ氏はチェチェン内務省部隊を率いてイングーシに越境し、武装勢力掃討作戦を指揮。今月14日までに武装勢力約20人を殺害した。

メドベージェフ・ロシア大統領は事件直後にカディロフ氏と会談し、チェチェンで成功した武装勢力掃討が「継続されるべきだ」と指示した。「北カフカスの治安権限を任せたようなもの」(ロシアメディア)と指摘される。

カディロフ氏は「ロシア大統領の命令があれば他の共和国の治安も回復してみせる」と野心を隠さない。ロシアのメディアでは、エフクロフ氏の暗殺未遂の背後に、同氏の排除を狙ったカディロフ氏がいるとの説も指摘されている。
(モスクワ共同通信 2009年7月18日)

◇CIA秘密計画を調査へ 米下院委、共和党は反発

米下院情報特別委員会は17日、国際テロ組織アルカイダ指導部の暗殺計画など、ブッシュ前政権下で中央情報局(CIA)が議会に秘密で行った対テロ作戦の妥当性について、調査を開始すると発表した。議会少数派の共和党は反発しており、前政権の対テロ政策をめぐる与野党対立が激化する可能性が高まった。

テロ容疑者の過酷な尋問などCIAの行為について、オバマ大統領は責任追及に消極的。だがホルダー司法長官は捜査開始を検討中とされる。

同委員会のレイズ委員長(民主党)は「公正で徹底的な調査」を行うと述べたが、共和党からは「党派主義に基づいた政治劇だ」との批判が上がっている。

米メディアによると、CIAは2001年9月の米中枢同時テロ後、当時のブッシュ大統領の命令で、アルカイダ幹部の暗殺を任務とする特別チームを立ち上げた。チェイニー副大統領の指示で議会には秘密とされた。

パネッタCIA長官は先月、計画の存在を知り中止を命令した。

(共同通信 2009年7月18日)

2009/07/17

混乱させて侵略する作戦



◇イスラエルの軍艦がスエズ運河を通り抜ける
写真は2008年5月5日地中海のイスラエル潜水艦

イスラエル海軍がイランに対し「メッセージを送っている」と伝えられる

地中海と紅海とのあいだ、スエズ運河を2隻のイスラエル軍艦がらくらく通っていると、イスラエルとエジプト当局は言う。

イスラエルメディアは、2隻のザール級ミサイル潜水艇の通過をイランへの「メッセージ」として説明した。

イランの核計画はイランが否定する核兵器開発を意図したものとイスラエルは考える。

イスラエル潜水艦は6月にいつも運河に行き、7月5日に戻るとイスラエル当局者らは言う。

2隻の船の展開はイスラエル海軍の「紅海周辺での最近の活動」に関連づけられるとイスラエル当局者は述べた。

イスラエルの大型船は定期的に運河を利用するが、最近の動きはめったになくイスラエル人によって公表されてきていると記者らは言う。

イスラエル全国安全保障研究協会(sraeli Institute for National Security Studies)のシュロモ・ブロムは、「ニュースは、イスラエルがイランに到達する能力があるとイランにシグナルを送る目的でリークされたらしいと私は考えます」と言った。

核問題でイランに対し軍事行動をとる可能性を排除しないとイスラエルは繰り返し言ってきている。

エジプトに対して好戦的意図がないことになっている軍艦には運河を利用する権利があるとエジプトの外務大臣Ahmad Aboul GheitはBBCに語った。

(BBC NEWS 15 July 2009)

マリワナ販売解禁の議員立法



◇財政上の非常事態を宣言しているアメリカ・カリフォルニア州で、税収を増やす策として、大麻を合法化すれば、およそ14億ドル、日本円で1300億円の増収につながるという試算結果を税務当局がまとめ、今後、激しい論議を呼びそうです。

カリフォルニア州は、景気悪化による税収の落ち込みから財政赤字が深刻になり、シュワルツェネッガー知事は財政上の非常事態を宣言しています。こうしたなか、州の税務当局は、15日、大麻の売買を州法で認めることにすれば、特別税や売上税などで13億8200万ドル、日本円で1300億円規模の増収につながるという試算結果をまとめました。

この試算は、一部の議員が提出した大麻の売買を解禁するよう求めた法案の審議に向けて行われ、審議はこの秋から本格化する予定です。

大麻について、アメリカの連邦法は、医療用などの目的を除いて、所持することも使用することも原則として禁止しています。その一方で、厳格な取り締まりは行われてこなかったのが実情で、ことし2月には、北京オリンピックで金メダル8個を獲得したアメリカ競泳のフェルプス選手が、大麻の吸引を認めたことが問題となるなど、若者を中心に大麻の使用が広がっているとみられています。

法案が実際に成立するかどうかは、各方面から反対が予想されるうえ、連邦法との整合性の問題が残されており、まったくの白紙の状態ですが、財政難のあまり、大麻にまで収入源を見いだそうとする姿勢は激しい論議を呼びそうです。

(NHKニュース 2009年7月16日)
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014315161000.html#

◇大麻の市販解禁を提案=全米初、財政難でカリフォルニア州議員

税収不足から深刻な財政難にあえぐ米カリフォルニア州で25日までに、乾燥大麻(マリフアナ)の一般向け販売を解禁し、1オンス(約28グラム)当たり50ドル(約4500円)の売上税を課す議員立法が議会に提案された。

州議会事務局によると、医療目的の大麻使用はすでに同州やネバダ州、アリゾナ州などで合法化済みだが、市販解禁案は全米初という。

提案者のアミアーノ議員(民主党)は、同州内の医療目的の大麻生産額は年間140億ドル(約1兆2600億円)に上ると指摘、「一般向けに解禁すれば年10億ドルの税収をもたらし、闇取引(地下に潜ること)もなくなる」と持論を展開した。 

(時事通信社  2009年2月26日)

写真は7月16日付LA Timesより

2009/07/16

ひどい人権侵害 終わってない



◇ロシア:チェチェン人の女性人権活動家殺害される

タス通信などによると、ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイで15日、女性人権活動家のナタリア・エステミロワ(タチアーナ・エステミローヴァ)さんが誘拐され、同日夕、隣接するイングーシ共和国の森林で遺体で発見された。チェチェン共和国内務省の当局者はロイター通信に「頭部に2カ所の傷があり、殺害されたのは明白だ」と語った。

エステミロワさんはグロズヌイ出身のチェチェン人。ロシアの人権団体「メモリアル」のチェチェン共和国支部長として、現地で人権侵害の調査活動にあたっていた。06年にモスクワで暗殺された女性ジャーナリストで、ロシアのプーチン政権に対する批判で知られたアンナ・ポリトコフスカヤさんとともに活動していたこともある。

チェチェン共和国では、プーチン前大統領の支持を得たカディロフ大統領が強権体制を敷き、チェチェン当局やロシア軍による人権侵害の例が多く報告されているほか、市民や警察官、要人の殺害が相次いでいる。

(毎日新聞 2009年7月16日)

◇ヒューマンライツ・ウォッチのロシア事務局ディレクター代理で、タチアーナと何度も仕事をして
いるタチアーナ・ロクシーナは、この事件の犯人がカディロフ傀儡政権だと見ている

ロシアの人権団体「メモリアル」の職員であり、ノーヴァヤ・ガゼータの記者である、ナタリア・エステミロワが水曜日の朝、グローズヌイで誘拐・殺害された。

遺体が発見されたのはイングーシのナズラン地区ガジーユルタで7月15日の夕方。この日の朝、彼女は消息不明となっていた。

「メモリアル」のアレクサンドル・チェルカソフによると以下のとおり。

 「いくつもの会見を予定していたのに、彼女はどこにも現れず連絡もとれなくなった。彼女の家に行くと、ナターシャが拘束され、車に放り込まれ運び去られたという目撃者たちがいた。そのときナターシャは”誘拐される”と叫んでいたという。家の入り口から 車までは彼女の誘拐の手引きとおぼしき女性が付き添っていた」

 ナターシャはコーカサスでのメモリアル代表のひとり、彼女の仕事に対して、チェチェン政府は幾度となく不満を表明していた。彼女は2007年にアンナ・ポリトコフスカヤ賞を受賞している。彼女はチェチェンだけでなく全ロシア規模で有名な社会運動家であり、彼女の身に何か起きれば、それはロシア全体の恥だとメモリアルの職員は言う。

 以前にメモリアルのオレグ・オルロフが誘拐された時は、暴行されたあと山の中に捨てられていた。脅しだった。ヒューマンライツ・ウオッチのタチアーナ・ロクシナいわく、「チェチェンでナターシャといっしょに仕事をして戻ったばかりだが、チェチェンでは見せしめの死刑や放火が行われている。彼女は第二次チェチェン戦争のとき、拷問、超法規的処刑、誘拐というもっとも恐ろしい犯罪を記録し続けてきた主要な人たちのひとり。現在でもチェチェンで仕事を続け、カディロフ支配下の取締機関がどんな犯罪行為を行っているかを語っている数少ない人物のひとり。国際組織が得る一次情報は彼女によるもの」という。

(Убита Наталья Эстемирова:チェチェンニュースNo.299 より転載)
http://www.svobodanews.ru/content/article/1777495.html

写真は暗殺されたタチアーナ

2009/07/13

暴かれるチェイニーの隠蔽命令



◇前副大統領の指示認める=対テロ戦隠ぺい

ブッシュ前米政権下、極秘の対テロ作戦がチェイニー副大統領(当時)の指示で議会に知らされていなかったとの疑惑をめぐり、上院情報特別委員会のファインスタイン委員長は12日のFOXテレビの番組で、パネッタ中央情報局(CIA)長官から6月24日に議会側に対し、極秘作戦の存在とチェイニー氏の隠ぺい指示を認める説明があったことを確認した。
これに関連して民主党のダービン上院院内幹事は12日のテレビ番組で、議会に通告しなかったのは「違法」とし、調査が必要との考えを表明。上院司法委員会のレーヒー委員長も別のテレビ番組で「副大統領といえども、法を超えられない」と指摘し、隠ぺい疑惑の真偽を知りたいと述べた。

(時事通信 2009年7月13日)

◇CIAの情報隠ぺいに関与していたとされるチェイニー氏

米中央情報局(CIA)はブッシュ前政権当時、当時のチェイニー副大統領からの直接指示で、テロ対策に関する機密情報を議会から隠ぺいしていた。チェイニー氏が隠ぺいに関与していたことは先日、パネッタCIA長官から上下両院の情報委員会に明らかにされたという。消息筋が11日、匿名を条件にCNNに語った。

この件を最初に伝えたのは、米紙ニューヨーク・タイムズだった。チェイニー氏のコメントは得られていない。また、CIAのギミグリアーノ報道官は、議員対象の機密ブリーフィングについて語ることは慣例ではないとしたうえで「CIAの部署がパネッタ長官にこの問題を提起した際、議会と共有するべきだとの勧告があった。これは長官の見解と同じだったので、長官はすみやかに徹底して行動した」と述べた。

パネッタ長官が先日、テロ対策に関する議員向けブリーフィングを行っていたことは8日に判明。下院民主党議員7人が同長官に宛てた先月26日付の書簡によると、同長官はCIAが2001年以来情報を隠ぺいし、議会を欺いていたと証言したという。隠ぺいされていた情報の具体的内容などは、書簡で述べられていない。

消息筋によると、このテロ対策は2001年9月11日の同時多発テロ直後から始まった。対策は断続的で、一度も全面実施されたことはなかったものの、状況次第で使用可能な特別手段として確保されていた。パネッタ長官はこの対策を終了させたという。

( CNN.co.jp 2009年7月12日)

目下、12日付NY Times 紙の記事を翻訳中
写真は、すっかり顔面がゆがんできているチェイニー

2009/07/11

カンダハルの野獣



◇今週、メディアがそのスポットライトをひとりのセレブの死に向けるとき、あまりにも多くの他の根深い損失が報告されないでいます。特にアフガニスタンとパキスタンのアメリカの無人偵察機の攻撃によって殺されたあの一般市民のことです。
2006年以来、無人機の攻撃が少なくとも14人のアルカイダ指導者たちと、およそ700人の一般市民を殺してきており、罪のない犠牲者と目標とされる敵の比率は50対1です。ニュースがこれを報道してないので、私たち自身がメディアになる必要があります。
メディアの編集者らに手紙を書きませんか?

今週はまた、私たちを欺いてヴェトナム戦争に陥れた戦争犯罪人、ロバート・マクナマラの死にも遭遇しました。後に彼は私たちの軍を巻き込む計画を立案して指揮することを悔やみました、でも、結果として残された深い苦しみを癒すものではありません。アフガニスタンでの7人のさらなる米兵の死は、戦争というムダな試みとそのおそろしい犠牲を強調し続けます。アフガニスタンとパキスタンは今はオバマの戦争です、いつか彼が悔やみそうな戦争です。ヴェトナムのように、それは間違っています。

ペトレイアス将軍の元顧問のデイヴィッド・キルカレンを含める将軍と他の軍当局者らが、米国の無人機の使用に対し反対意見を述べてきています。「無人機は過激派の周囲の全住民を一体化する怒りの感情のもとであり、過激派の高騰へと導く」と、キルカレンは下院軍事委員会の前で述べました。それでもなお、アメリカ国務省は攻撃を否定し続け、私たちの税金をそれにつぎ込み続けます!
将軍たちやCIA、他の人たちが、無人機やあの地域の安定化について言っていることをもっと読んでください。↓
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=eUqXt2wwiknvDw2%2FbkQa0GGtzRp61T1p

平和運動での私たちの兄弟姉妹の何名かは、無人機を止めるため言葉ではなくてカラダを危険にさらしています。無人機を地上に引きとどめるため!7月13日、コードピンクは高名な神父ルイス・ヴィタールを含める他の活動家たちと組んでいます。そして無人機が遠隔操作で操縦されるインディアン・スプリングス近くのクリーチ空軍基地のゲートで、徹夜の祈りヴィジルをやります。

もうひとつ、私たちの次のガザへの旅にいっしょに加わってください。↓
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=qUfAuJ5JJfu6mNDsX8LY7mGtzRp61T1p

(CODEPINK 10 July 2009)

◇タリバーン標的に2度のミサイル攻撃、米軍無人機か 多数死亡

パキスタン情報機関当局者は24日、北西部にありアフガニスタンと国境を接する政府直轄部族地域の南ワジリスタン地区で23日、2回のミサイル攻撃があり、タリバーン司令官3人を含む武装勢力構成員少なくとも55人が死亡したと述べた。米軍の無人武装偵察機が撃ち込んだとみられる。

タリバーン側は、攻撃で45人が死亡、5人が自組織のメンバーで、残りは一般住民と反論している。

最初のミサイル攻撃は3発で、同地域の村落にあるタリバーンの訓練施設を標的にし、2人が死亡、複数が負傷した。司令官1人が殺害されたとみられる。この死傷者のための弔いが開かれている場所に2度目の攻撃が加えられたという。

南ワジリスタン地区は、「パキスタン・タリバーン運動」を率いるベトゥラ・メスード司令官の勢力圏だが、葬儀には同運動の構成員多数が出席していたという。司令官は参加していなかったとされる。

CNNのまとめによると、部族地域やパキスタン北西辺境州での無人機によるミサイル攻撃はこれで今年15件以上で、昨年比で激増。米軍は部族地域などがアフガンへの越境攻撃の拠点となっていると主張している。無人機の越境ミサイル攻撃は昨年秋から加速し、ゲーツ米国防長官は先に、米軍の関与を認めていた。

これまでの死亡者は数百人規模とされ、民間人の犠牲者も多く、パキスタン国民の反発も強い。同国政府は主権侵害として攻撃停止を求めているが、内密には承認しているとの情報もある。

タリバーン系の組織は今年に入り北西辺境州内でも存在感を強め、パキスタン軍は4月下旬から掃討作戦を強化し、一定の成果を挙げた。同軍は部族地域への作戦拡大の準備を進めている。

(CNN.co.jp 2009年6月24日)

◇アフガニスタンでまた未確認の無人航空機が目撃される

アフガニスタンで米軍の秘密兵器とみられる未確認の無人航空機(UAV)らしきものが飛行している模様が撮影されて注目を集めている。

映像を公開したのは仏航空専門誌「Air & Cosmos」で、機体の特徴はこれまでに公開された無人航空機のどれにも当てはまらないことから、正体は不明だとしているが、同誌が公開した画像を分析した英航空専門誌「Aviation Week」では、先月、アフガニスタンの米軍基地で駐機している模様が目撃された機体と同一のものではないかとも述べている。

英航空専門誌「Shephard」は先月、アフガニスタンの米軍基地にこれまで存在が確認されたことのないナゾの無人航空機が駐機している模様が目撃されたとしてそのイラストを公開していた。

欧米の航空アナリストの間では、今、このナゾの無人航空機を「Beast of Kandahar(カンダハルの野獣)」と呼び、正体探しの努力が続けられている。

(technobahn japan 2009年5月22日)

写真は最新のアメリカの無人機 アメリカが製造するのは無人機ばかりとのこと
Photo Courtesy Air & Cosmos

アフリカ合衆国



◇アフリカ連合(AU)のサミットが6月25日からガーナの首都アクラで開かれるのを前にして、アフリカ大陸の統一政府建設をめぐる議論が展開されている。

「国連ミレニアムキャンペーン」のタジュディーン・アブドゥル・ラヒーム副代表は、今月はじめにナイロビで行われた集まりにおいて、「これはもはや、アフリカ統合が正しいかどうかの論争ではなくて、どの程度、どのくらい早くそれを達成するかの論争だ」と発言した。アブドゥル・ラヒーム氏は、アフリカ諸国の貿易の低迷、人間開発の程度の低さなどによって、アフリカは当然にも統一政府を必要とすると考えている。

AUは、2006年に発表した報告書「アフリカ連合政府:アフリカ合衆国に向けて」において、2015年までの統一に向けた3段階を示している。第1段階では、統一政府が特に責任を負うことになる分野を特定し、資金調達の方法を決め、市民に対して宣伝を行う。第2段階では、アフリカ合衆国の憲法を起草し、アフリカ中央銀行を設立する。そして、第3段階では、憲法を採択し、アフリカ政府のポストをめぐる選挙が各地で行われる。

しかしながら、アフリカ政府構想に関してはいくつかの疑問があがっている。

ひとつは、2015年という期限は短すぎるのではないか。もうひとつは既存の仕組み、2004年に作られた汎アフリカ議会(PAP)、をもっと活用する必要があるのではないかという意見だ。

また、「各国主権を奪われることになる」「市民参加の機会が十分与えられていない」といった民主主義の観点からの批判もある。

(IPS 2009年6月14日 byジョイス・ムラマ)

◇アフリカ連合総会開催

ガーナの首都アクラで、第9回アフリカ連合(AU)首脳会議が、7月1日~3日にわたり行われた。モロッコを除くアフリカ52の独立国と西サハラの計53の国と地域から首脳級の代表らが出席した。

会議では、ダルフール問題、ソマリア問題、人権問題、児童および貧困問題が話し合われたが、議論の中心となったのは、「アフリカ合衆国」建設に関することだった。アフリカ合衆国構想は、もとはガーナの初代大統領エンクルマが提案したものである。リビアのカダフィ大佐は、アフリカ合衆国の早期建設を主張し、「連立政府や200万人からなる軍隊を組み、統一した貨幣やパスポートを発行して、強くて大きなアフリカ合衆国を建設する」といった案を提唱した。

一方、ナイジェリアのヤラドゥア大統領は、国内の経済発展、インフラ整備、エイズなどの問題を優先的に解決すべきだと主張。また、ザンビアのシカタナ外相や、南ア共のズマ外相も、準備はまだできていないと、やや消極的な意見を述べた。

(31 July 2007)

☆クワメ・エンクルマ(1909-1972)の戦い〜アフリカ合衆国を夢見た男〜
パンアフリカ会議を設立
会議人民党を結成(1949)選挙で第1党となる(1951) 
アフリカに最初の独立国ガーナ国が誕生 初代大統領となる(1957)
全アフリカ人民会議を開催(1958)
アフリカを統一国家とするアフリカ合衆国構想が謳われる
コンゴ動乱後エチオピアの介入でハイレ・セラシエがアフリカ統一機構設立
軍と警察のクーデターで失脚(1966)ギニアで亡命生活を送る
ルーマニアのブカレストで病死あるいは暗殺説も(1972.4.27)

2009/07/10

水を飲む権利



□水、どこの水も、あなたには一滴を飲む資格がある

世界の真水がまもなく危機的に不足すると科学者たちが警告し、企業が先を争ってこれを民営化しようとするとき、ある研究者と活動家らが水は基本的人権とみなされるべきであると述べる。

6月30日に出版されたエッセーで、Public Library of Science Medicineの編集者たちは、「健康に不可欠なきれいな水を入手する権利がおびやかされている」と書く。

知性の首尾一貫した見地からみれば、この考えは検閲を通過する。国連の世界人権宣言の第25条に顔を出す、食糧と同じく水は生命に欠かせない。

今後、不十分な水が世界の病気負担量のほぼ十分の一に責任があって、死亡すべての6%は万人共有の安全な飲み水とよりよい公衆衛生を入手する手段(権利)によって防ぐことができると、WHO世界保健機関は判断する。

もちろん、それを強制するより権利を宣言するほうがずっと簡単だ。飢えを止めるとの国連の誓約にもかかわらず、10億人近くが十分食べられないでいる。そして2015年までに水を失った人の数を半減させるとの国連の約束はサハラ砂漠で雪合戦に遭遇する勝算だ。だが、Public Library of Science Medicineの編集者が指摘するように、水を人権として認めることが、少なくとも水の民営化に対処するための枠組みを提供することになる。

過去20年ずっと、IMF(国際通貨基金)とWTO(世界貿易機関)の助けを借りて、水はたった3社の企業によって支配される5000億ドルの世界産業になってきている。非営利団体Food and Water Watchが出版した報告書によると、それは米国と開発途上国の両方で大きな災難になってきている。
(3社とは、水道施設の設計・建設から運営管理、代金回収、下水処理までを一括して請け負う、フランスの通称「ウォーターバロン:水男爵」ことVeolia Environnementと同じくフランスのSuez 、イギリスのThames Waterのことだ。世界の水道利用者の5%以上が民間の水道を使用しており、その人口は10年で12倍に伸びる。そのうちの半分をフランスの2社が独占する。Veoliaは日本でも子会社を開設しており、報道によるとすでに3件受注してきている。)

昨年出版されたエッセーの中で、水問題の上級顧問Maude Barlowが国連総会の議長に「このモデルは失敗であることを立証してきている」と書いた。「高い水道料金、貧しい人々への供給停止、サービスの低下、約束不履行、そして汚染が、民営化の負の遺産である。」

国連によると、2025年には28億人が基本的ニーズを満たす十分な水がないことになる。

「水への人権アプローチは、潜在する不公正の可能性を認識して最も無防備なものが無視されないことを保証する」と編集者たちは書いた。

(WIRED SCIENCE 30 June 2009)
http://www.wired.com/wiredscience/2009/06/waterright/

セグウェイの発明者ディーン・カーメンがどんな水だろうと飲めるきれいな水に変える浄化マシーンを発明した。汚水も、海水も、毒性の水も、すべてクリーンな飲料水になる、ワォー!
(WIRED SCIENCE 25 March 2008)

道に迷ったサイモン



□犬の居場所を捜し当てようとの試み、家族の尿

写真はいなくなった犬、サイモン
サイモンは臆病でとても「近づきやすい犬とは言えない」とのこと

自宅近くの通りに家族の尿の臭いの跡を残しておくことで行方不明の犬をなんとか呼び戻そうとした家族が、市議会によって批判されてきている。

7月4日、ブリストル、クリフトンのバルテス一家のペット、10歳のラブラドール犬、サイモンがいなくなった。

サイモンが戻れなくなったとき、呼び戻すのに一家は異端の手法を選んだ。

ブリストル市議会のスポークスマンはこう言った。「環境志向の健全な観点から、私たちはこれが適した考えだとはみなしません。」

ルイス・バルテス43歳は、臭いの跡を手伝ってまくのに家族全員が金と時間を提供してきたと言った。

一家にあてつける批判を承知していたが、彼らはサイモンを連れ戻すためならなんだってするつもりだったと彼女は言った。

・非常に薄められた尿

「動揺する人々がいますが、私は感情的にへとへとになりすぎでそれについて考えられません」と彼女は言った。「気をもんでいます、ほんとうに。」

「通りで誰もがおしっこしたら、うんざりしてむかつく、そうじゃないですか?でも、それは非常に薄められたものなんです。」

ジョナサン・バルテス44歳、妻ルイス、ヘンリー15歳とクララ13歳の子どもたち。一家は、なにがなんでもサイモンを取り戻すのに必死だと言った。

猟犬の嗅覚の手がかりという考えは、行方不明の犬の飼い主に助言の品揃えを提供するウェブサイトから得たものだとバルテス夫人は言った。

「そんなことするなんて気が狂ってると感じました、でも私は自暴自棄の処置にかられました。」

「まったく普通の方法なのは明らかです。ほんのちょっとボトルに入れて、あとは水をいっぱいにつぎ足すだけです。」

「強いニオイのする食べ物を置きます、犬は食べ物に向かって行って(尿の)手がかりをキャッチします。一度やりさえすればいいことです。私たちは2つの臭いの跡を残しました。」

・飼い主の手がかり

一家は「行方不明」のポスターを掲示しており、生まれつき臆病でとても近づきやすいとは言えないサイモンの目撃となりうる情報を幾つか受け取ってきている。

だが、計画がうまくいくことに、近くの獣医は少しも楽観的ではなかった。

ブリストルの獣医イアン・ウイルスは、「おもしろい考えだとは思うが、それに効果があったとしたら、私は愉快に不意をつかれることでしょう。」と言った。

「犬が家からわきにそれて迷ったとき、犬がまずまずだったとき、犬はたいていさすらって戻るものです。」

「もし犬が飼い主の手がかりの後をつけるつもりなら、ジャンパーのような、飼い主が着たものの後をつけるでしょう。失禁問題があるのを除いては。」

当局が家族に対して措置を講ずるのはありそうもないことだと、ブリストル市議会のスポークスマンは言った。

(BBC 09 July 2009)

2009/07/06

ホンジュラスのピノチェレッティ



□ホンジュラスの空港で激突

テグシガルパ空港でホンジュラス軍が追放されたマヌエル・セラヤ大統領の支持者らを追い散らそうとするとき、少なくとも一人が殺されてきている。

セラヤ氏の飛行機はワシントンから到着したあと、暫定当局が着陸は許可されないと主張するので、首都上空を旋回してきている。

代わりに彼らは飛行機をエルサルバドルへ別ルートで向かわせようとしている。

ちょうど一週間前の彼の追放以来、大統領官邸に戻るとのセラヤ氏の要求を地域全体の指導者らが支持してきている。

彼は機内でのTVインタヴューで挑戦的なメッセージを発してきている。

「私は国民によって選ばれた軍の指揮官です、そして私は着陸して私の同胞と抱き合うのに問題ないように空港を開けよとの命令に従うことを軍隊に求める」と、彼が言ったものとしてAP通信社によって引用された。

「そこに到着してキリスト受難の十字架を掲げられるように、キリストの血で祝福された、私には十分な精神力がある。」

彼の飛行機にはミゲル・デスコト国連総会議長と数人のジャーナリストが同乗している。

アルゼンチン、エクアドル、パラグアイの大統領と米州機構(OAS)のインスルサ事務総長が、セラヤと同時にワシントンを離れ、重大ごとの発生を監視するためエルサルバドルに行く。

ホンジュラスの暫定政権は隣国ニカラグアから国境へ向かう軍隊を非難してきているが、ニカラグアはこれを否定する。

「禁止」

繰り返し石を投げつける人もいる数千人のセラヤ支持者に、暴動鎮圧用装備の軍が催涙ガスを発射した。数千人はなんとか防衛手段の非常線を突破した。

現場のAP通信のカメラマンは、人々がなんとかして防衛手段の非常線を破ろうとしたとき、空港内からの発砲によって男性が頭を撃たれていたと言った。

通信社の写真が群衆のなかのふたつの遺体を示す、どちらも死んでいると言われる。

セラヤ氏がワシントンを発つ何時間か前、ホンジュラスの暫定外務大臣エンリケ・オーテスは、追放された大統領は「なにが来ても」帰国を許可されることはないと言った。

セラヤ氏の解任は国際社会によって非難されてきている。

土曜日、OASがホンジュラスの資格停止を発表。キューバがソ連と同盟関係になった1962年にキューバが資格停止になって以来、米州機構がそのような対策を講じるのは初めてのことである。

セラヤ氏がワシントンを発ったとき、暫定政権はOASとは「誠実に」対話してきたと言った。

ホンジュラス自体はどうも、放逐された指導者の支持者と、彼を一掃した当局を支持する人々とのあいだで分裂しているようだ。

どちらの側もここ数日間抗議を行ってきている、だが、デモはたいてい平和のままである。

富裕な実業家のセラヤ氏は左翼の政治家でベネズエラのウゴ・チャベス大統領の支持者だ。

最高裁と議会の多数派を含める、彼の敵対者は、彼が統治を延ばそうと努めていると非難する。

憲法制定議会を召集することで、現行の大統領任期の一期制限を取り除いていたかもしれなかった手段、国民投票を彼は行いたかった。

(BBC NEWS 05 July 2009)
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/americas/8135358.stm

□ホンジュラスの首都テグシガルパのトンコンティン国際空港で5日、軍事クーデターで国外追放されたホセ・マヌエル・セラヤ氏の帰国を前に、当局側と抗議デモ参加者が衝突し、軍兵士の発砲で2人が死亡、2人が負傷した。

警察幹部はAFPに対し、「2人が死亡、2人が負傷した。警察側は発砲していない。抗議デモ参加者が滑走路に進入しようとしたため、軍が発砲した」と語った。

現場にいたカタールの衛星放送アルジャジーラのカメラマンによると、死者のうち1人は10代の少年だという。もう1人については、抗議デモ参加者は10代の少女だとしている。

現場にいたAFP記者によると、軍兵士は発砲する直前、滑走路に進入しようとした棒などで武装した抗議デモ参加者を催涙ガスを使って解散させようとしていた。

この日はセラヤ氏の帰国を目前に控え、空港周辺には約3万人が集まっていた。

(AFP 2009年7月6日)

□From:ホンジュラス 民主主義成熟の機に

ホンジュラスを訪れたのは89年の学生時代以来である。当時、周辺のグアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアでは内戦が続いていた。ホンジュラスは親米・右翼政権で、米国に支援されたニカラグアの右翼ゲリラ「コントラ」の拠点にもなっていた。

首都テグシガルパの貧困地区は、じめじめした道路に生ごみがあふれ、悪臭が漂っていた。そこから歩いて橋を渡れば、きれいなオフィス街。すさまじい貧富の格差が当時の強い記憶として残っている。居心地が悪くて数日で出国した。

20年ぶりのテグシガルパはずっと発展していた。格差は厳然として存在するのだが、昔のような悪臭には遭遇していない。何より印象が変わったのは、クーデター騒ぎの非常時にもかかわらず、人々がとても親切にしてくれることである。

国外追放されたセラヤ大統領を支持するクーデター抗議集会の場所をおそるおそる聞くと、兵士も警官も気さくに教えてくれた。わざわざ通りまで出て、タクシーを探してくれたおじさん。日本円で50円ほどのかき氷を無理やりおごろうとする青年。おせっかいぶりに苦笑してしまうほどだ。

冷戦下も内戦は起きず、政治的立場を問わず平和志向が強いと言われる国民が、クーデターに巻き込まれたのは不幸なことだ。左傾化したセラヤ氏を追い出した暫定政権は「クーデターではない。合法だ」と主張する。しかし、軍は大統領を連行し、裁判もせず、パジャマ姿のまま国外に追い出した。国際社会が非難するのは当然だ。

驚いたのは米国がすぐにクーデターを非難したことだ。中南米右派の軍事クーデターの歴史には必ずと言っていいほど、米国の影があった。チリの軍事独裁者として左翼活動家を弾圧し、3000人以上の死者・行方不明者を出したピノチェト将軍の73年のクーデターを米国が支援したことは、象徴的な史実である。

最近では、反米姿勢で知られるベネズエラのチャベス大統領追い落としを狙った02年4月のクーデター未遂事件がある。当時のブッシュ米政権は軍の一部が擁立した暫定大統領を早々に承認したのだが、チャベス氏は48時間後に復活し、米国は大恥をかいた。

この苦い教訓もオバマ政権の対応に影響したのかもしれない。オバマ大統領はホンジュラス暫定政権を承認せず、中南米諸国と足並みをそろえているが、過去の歴史を考えれば、隔世の感がある。これが「チェンジ」というものなのか。

今回のケースは親米派であれ、クーデターという手法では米国の支持は得られないという前例になったと言えるだろう。混乱の行方は見えないが、中南米の民主主義成熟の機会になるかもしれない。

ミチェレッティ暫定大統領は悪名高いピノチェト将軍にちなみ、「ピノチェレッティ」と呼ばれている。こんな不名誉な称号を与えられる指導者は、これが最後であってほしい。

(毎日新聞 2009年7月6日 by 庭田学)

2009/07/02

ボクの望みは眠れること



■マイケル・ジャクソンが「ひどく」鎮静剤を求めたと、栄養学者は言う

先週50歳の突然死に先立つ数カ月、マイケル・ジャクソンはDiprivanとかPropofolと呼ばれる強力な静脈注射の鎮静剤を入れることに「頑として揺るがなかった」と、スターを処置した看護師で栄養学者のシェリリン・リーがAP通信に語った。そして彼が死ぬちょうど4日前、ジャクソンの助手のひとりがリーに絶望的な呼び出しを行って、ジャクソンが非常に具合が悪いと知らせた。「身体の片側が熱くて、燃えるよう、そして片側は冷たい」と、背後でジャクソンが言うのをリーは偶然聞いた。彼女は病院に急ぐよう彼に助言した、「誰かが中枢神経系に打撃を加えるなにかを彼に与えていた」と仮定して。

Diprivanのような鎮静剤のやりすぎは呼吸停止を引き起こしかねない、そしてついに不規則な鼓動と心拍停止にいたる体内における二酸化炭素の増大をもたらすと、麻酔専門医がAP通信に伝える。リーが呼び出された6月21日にジャクソンは病院に行かなかった、しかしながら、ロサンジェルスの自宅で意識不明に陥りCPRに反応しない後、6月25日UCLA医療センターに急いで連れていかれた。「彼は日曜に面倒なことになっていて泣きわめいていた。」とリーはAP通信に話す。

7月13日ロンドンのO2アリーナで始まるカムバックコンサートのために彼の「This Is It!」の一連の急速なダンスステップのリハーサルをしたとき、ジャクソンはひどい不眠症を経験していたとリーは言う。彼の子どもたちの軽症の風邪をヴィタミン剤で治療した1月、リーは初めてスーパースターに会った。ジャクソンが睡眠障害を報告して、彼の夜間の習性をモニターするためリーが一晩外泊したとき、彼が眠ったままでいられないのを立証した。サウンドシステムから流れるクラシック音楽とベッドに置かれたコンピュータのドナルド・ダックでジャクソンは寝た。3時間眠っただけで目ざめるとジャクソンは、「ボクの望みは眠れるってことだけ。8時間眠れるようになりたい。翌日気分がよくなるのはわかっている。」と言った。

「彼はクスリからハイになるとか気分よくなることを期待していなかった、鎮静剤を飲まされていた」とリーはAPに語った。「麻薬を常用していた人ではなかった。睡眠を取るため、休息を取るため、必死で助けを求めていた人でした。」クスリは危険である、「唯一の問題は、あなたがクスリを服用するつもりでいるのと、気づくつもりがないこと」だと、ジャクソンに助言したとリーは言う。だが、ジャクソンは以前にクスリを経験してきたと言って、それを処理した医師を名指しするのを拒んだ。

ジャクソンの処方薬の濫用とかに関する問題が、先週の彼の死以降、新聞のページを埋めてきている。毒物学検査が4週間から8週間で正式に報告されるまでは死因は確定されないと初期段階の検死結果が発表されたとき、検死官当局は「彼が処方薬を服用していたのは承知している」と言った。

今日、TMZ(エンターテイメントニュースサイト)が、ジャクソンの自宅の警察の捜査令状が規制薬物と注射針を明細に記したこと、そしてLAPD(ロス市警)もまたジャクソンに出していたかもしれない処方箋に関して歌手の前の一回限りの皮膚科医アーノルド・クレインに尋問しようと努めていると報じた(皮膚科医はUsウィークリーがジャクソンの子どものうち2人の子の父親として名指しした人物)。ジャクソンファミリーの元弁護士ブライアン・オクスマンもまたUsウィークリーに語った。「いわば私の監察で気づいたことで、それらの投薬の使用を彼に許すのを決して容認されてはならない人びと、彼の付き人、広報担当マネージャーなど、彼に手段を与えていた人々による処方箋の濫用があったと彼らに警告しました。」

(RollingStone ROCK&ROLL DAILY 30 June 2009)

▲写真はマイケルが死ぬ2日前の6月23日に撮られた!
どれほどリハーサルが行われたかわかる?(BBC NEWS 30 June 2009)

2009/07/01

イスラエル フリーガザの船を攻撃



■緊急事態:ガザに対する人道支援をイスラエルが攻撃
オンラインペティションはここ↓
http://www.iacenter.org/palestine/gazashippetition
シンシア・マッキニー下院議員、スピリットオブヒューマニティ、すべての支援スタッフと食糧供給品の解放をいま要求してください!

昨夜、イスラエル占領軍がガザ解放運動ボート、SPIRIT OF HUMANITY号を襲って船に乗り込み、ノーベル賞受賞者マイリード・マグワイアとアメリカ元下院議員シンシア・マッキニーを含める、11カ国出身21人の人権活動の働き手を誘拐しました。乗客とクルーは力づくでイスラエルに向かって引きずられています。

人道支援食糧物資の押収と人権活動スタッフの誘拐は、国際法の下の犯罪、海賊行為です。ボートが攻撃されたとき、イスラエル水域ではなかったし、ガザへの人権使命を帯びていました。国際的領海での非武装船に対するイスラエルの前もって計画した故意の攻撃は、明確な国際法違反です。

アメリカ政府と企業メディアは、シンシア・マッキニーとパレスチナの人びとへの人種差別のせいで、この顛末を大々的に無視するか、葬り去ってきています。言葉を聞きただして公にするのは私たちの義務です。

昨日発表された国際赤十字委員会の報告によると、ガザに住むパレスチナ人たちは「絶望に閉じ込められ」ます。イスラエルの12月・1月の大虐殺の間、早期に家を破壊された数千人のガザ住民は、ほぼ45億ドル支援の誓約にもかかわらず、避難所なしのままでいます、というのもイスラエルがセメントや他の建築資材をガザ地区に与えるのを拒むからです。報告はまた、イスラエルの医療品妨害のため、病院がその患者のニーズを満たすのに苦労してどうにかやっていることにも注目します。

この非武装船に対するイスラエル占領軍によるテロ行為は、ガザの人びととの連帯を示すことから人々を脅して追い払う明確な試みです。私たちはいま行動を取らなければなりません!
以下は、あなたにできる手助けの方法:

1)オンラインの請願に署名する
http://www.iacenter.org/palestine/gazashippetition

2)この話を公にする
Eメールで広める、Facebook & Myspaceに掲示する等。

3)街頭デモ ガザの人びとの連帯表明とイスラエル占領軍に誘拐された全員の釈放を要求する
ニューヨークでは7月1日水曜日午後4時〜6時、場所:イスラエルミッション(43rd St. & 2nd Ave.) これにいっしょに参加してください。

4) ガザへの支援キャラバン隊を支援する!
現在のプロジェクト:<Free Gaza>http://freegaza.org/
<Viva Palestina>http://www.vivapalestina-us.org/
7月4日アメリカを出発する予定、英国のジョージ・ギャロウェイとベトナム戦争の退役軍人ロン・コヴィックが先頭に立って率いるキャラバン隊にはアメリカからの数百人が含まれる。

5)メディアに電話
・The New York Times:212-556-5272・Los Angeles Times:800-252-9141・Boston Herald:617-426-3000・Chicago Tribune:800-874-2863 他に地元の新聞、ラジオ局、TVニュース番組等。

<請願>
ただちにSPIRIT OF HUMANITY号と船の乗客全員を解放し、ガザへの人道主義の使命を前進させてください!ガザ包囲をいま終わらせてください!

イスラエル軍の行動に私は憤激します。ガザ解放運動のボート、SPIRIT OF HUMANITY号を攻撃して船に乗り込み、11カ国出身の21名の人権活動スタッフを誘拐する、その中にはノーベル賞受賞者マイリード・マグワイアとアメリカの元下院議員シンシア・マッキニーが含まれます、そして乗客と乗組員を力づくでイスラエルに向かって引きずっています。さらに私はイスラエルがおもちゃやオリーブの樹と同様、船から数トンの医薬品を押収していることに憤激します。

私は、船、乗客、乗組員がただちに解放され、ガザに人道主義の援助をもたらすための使命を続けさせることを要求します。

アメリカの元下院議員で2008年大統領候補としてシンシア・マッキニーは言いました、「これはとんでもない国際法違反です。私たちのボートはイスラエル水域にはありません、そして私たちはガザ地区への人権使命を帯びていました。オバマ大統領が人道主義と再建の支給物を入れるようにとイスラエルに言ったところでした。そして私たちはまさにそれをしようとしたのです。私たちが旅路を続けられるように私たちの釈放を要求するよう私たちは国際社会に求めています。」

6月29日に発表された国際赤十字委員会の報告によると、ガザに住むパレスチナ人たちは「絶望に閉じ込められ」ます。イスラエルの12月・1月の大虐殺の間、早期に家を破壊された数千人のガザ住民は、ほぼ45億ドル支援の誓約にもかかわらず、避難所なしのままでいます、というのもイスラエルがセメントや他の建築資材をガザ地区に与えるのを拒むからです。報告はまた、イスラエルの医療品妨害のため、病院がその患者のニーズを満たすのに苦労してどうにかやっていることにも注目します。

「私たちが運んでいた援助は、ガザの人びとには希望のシンボルです。海のルートが彼らのために開かれて、”キャストリード作戦”の猛攻の最中に破壊された学校、病院、何千ものわが家を再建し出すため自分たちの材料を輸送できるとの希望です。私たちの任務は、彼らに味方して援助するので彼らはひとりではないとの、ガザの人びとへのジェスチャーです」と、仲間の乗客、北アイルランドでの仕事でノーベル平和賞を受賞したマイリード・マグワイアは言いました。

国際法違反に抗議して船と下記に列記される誘拐された人たちの解放を手に入れるため、そして人道支援とSpirit of Humanity号や英国議会議員ジョージ・ギャロウェイとベトナム戦争の退役軍人ロン・コヴィックによって率いられ米国からの数百人が含まれる、来るべき人道主義の援助使命Viva Palestinaのような使命のガザへのアクセスの達成を確実にするため、ただちに手段を講じるようオバマ政権に要求します。Viva Palestinaの使命はガザをめざして7月14日ニューヨークシティを出発する予定です。

私はさらに、ガザの残忍な包囲、封鎖、占領をただちに止めるため手段を講じるよう、オバマ政権に要求します。

以下の人権活動スタッフと乗組員全員をいま釈放してください。

・バーレーンのKhalad Abdelkader(バーレーンのイスラム慈善協会を代表するエンジニア)
・ヨルダンのOthman Abufalah(アルジャジーラTVの一員として世界的に有名なジャーナリスト)
・バーレーンのKhaled Al-Shenoo(バーレーン大学の講師)
・イエメンのMansour Al-Abi(アルジャジーラTVの一員のカメラマン)
・バーレーンのFatima Al-Attawi(バーレーン出身の救助員で地域社会活動家)
・バーレーンのJuhaina Alqaed(ジャーナリストで人権活動家)
・米国のHuwaida Arraf(ガザ解放運動の議長でこの船旅の代表団共同コーディネーター)
・英国のIshmahil Blagrove(ジャマイカ生まれのジャーナリスト、ドキュメンタリー映画作家、Rice & Peas映画制作会社の創設者。彼のドキュメンタリー作品は社会的正義を求める国際的な苦闘に焦点をあてる。)
・バーレーンのKaltham Ghloom(地域社会活動家)
・アイルランドのDerek Graham(電子技師、ガザ解放のオーガナイザー、Spirit of Humanity号の一等航海士)
・英国のAlex Harrison(英国出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼女はガザに来ている。)
・英国のDenis Healey(Spirit of Humanity号の船長。これは彼のガザへの5回目の航海になる。)
・英国のFathi Jaouadi(イギリス人ジャーナリスト、ガザ解放のオーガナイザー、この船旅の代表団共同コーディネーター)
・アイルランドのMairead Maguire(ノーベル賞受賞者で有名な平和活動家)
・パレスチナ・イスラエルのLubna Masarwa(パレスチナ人人権活動家でガザ解放のオーガナイザー)
・スコットランドのTheresa McDermott(スコットランド出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼女はガザに来ている。)
・米国のCynthia McKinney(元下院議員で大統領候補はもちろん、人権と社会的正義問題のずばずばものを言う擁護者。)
・英国のAdnan Mormesh(英国出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼はガザに来ている。)
・デンマークのAdam Qvist(デンマーク出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼はガザに来ている。)
・米国のAdam Shapiro(アメリカ人ドキュメンタリー映画作家で人権活動家)
・米国のKathy Sheetz(看護師で映画作家、人権をモニタリングするためガザに来ている。)

(International Action Center 30 Jun 2009)