見つけた 犬としあわせ

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2025/08/20

サッカーファンがガザ連帯の擁護者

 


エジプトで「4つ目のピラミッドと呼ばれた男がいる」と、8月16日の諸岡カリーマさんの本音のコラム『沈黙を破った大スター』は始まる
イングランド・プレミアリーグのリバプールに所属するエジプト代表のフットボール選手、モハメド・サラーのことである
彼は昨シーズンの得点王でもあり、リバプールでも絶大な人気を誇る それなのに、最近、ピッチ外での評判はイマイチだったそう、なぜかといえば、2023年10月以来、ガザについて投稿をほぼ控えていたから
そのモハメド・サラーが沈黙を破って話題を呼んだ 
かつて「パレスチナのペレ」と呼ばれた選手、スレイマン・アル・オベイド(ガザ市生まれの41歳)がガザで援助物資を待つ間に市民を狙ったイスラエルの攻撃で殺害された
けれども、UEFA欧州サッカー連盟の声明には彼が死んだ経緯に関する記載がなかった 
モハメド・サラーは9日、UEFAの投稿を引用して、「彼がどこで、どのように、なぜ殺されたのか教えてくれないのですか」と書いた
この投稿は拡散され、その日の夜までに84万件を超える「いいね」がついた
CNN
によれば、UEFAはその後、おおやけに追加コメントをしていない
諸岡カリーマさんはこう続ける、「イスラエルに甘い欧米のメディアや組織に対する事実上の抗議とも取れる投稿は、大スターのこれまでの沈黙が強いられたものだった可能性を示唆する性格のものでもあった。沈黙を破る著名人は欧米人の中からも続出している。次は実際にイスラエルを止める手段を持つ為政者たちが動く番だ。」
PFA
パレスチナサッカー協会によると、2023年10月以降、選手、監督、審判、コーチ、スタッフなどサッカー関係者325人が殺害された

⌘彼がなぜ、どこで、どのようにして殺されたか説明してくれませんか?
ARAB NEWS 10 Aug 2025
ロンドン:エジプト代表でリバプールFWのモハメド・サラーは、「パレスチナのペレ」と呼ばれたサッカー選手がガザで殺害された際の状況を無視しているとして、UEFAを非難した。
パレスチナサッカー協会によると、元パレスチナ代表のスター選手であるスレイマン・アル・オベイドは水曜日、イスラエル軍がガザ南部で人道支援を待つ人びとに発砲した際に殺害された。
金曜日、欧州サッカー統括団体はX2文の追悼文を掲載した。「パレスチナのペレ、スレイマン・アル・オベイドに別れを告げる。暗黒の時代にあっても数え切れないほどの子どもたちに希望を与えた才能」と。
1万2000件のコメントの中には、「なぜアル・オベイドの死におけるイスラエルの役割を軽視するような賛辞なのか」と疑問を呈するものも多くあった。
AFP
通信によると、ガザ市生まれのアル・オベイドは結婚しており5人の子供がいた。アメリカとイスラエルが支援するガザ人道基金が今年初め、同領土での援助活動を引き継いで以来、援助物資配布地点付近で殺害されたパレスチナ人1300人以上のうちの一人だった。

⌘FIFAはあまりにも長いあいだイスラエルの残虐行為を無視してきた
ARAB NEWS 10 Jun 2025 byラムジー・バルード

世界中のサッカーファンが、FIFAの途切れないイスラエル支援に明確に異議を唱え、パレスチナのためにかつてないほど団結して行動を起こしている。これまでの行動とは異なり、この動員は目に見えて著しくよく調整がはかられており、広く行き渡り、一貫性がある。

スポーツ界の連帯の多くが、グラスゴー・セルティックス、チリのデポルティーボ・パレスチノ、あるいはアラブ系チームのファン層から生まれていた時代ははるか昔に過ぎ去った。今やガザは世界中のスポーツの連帯の紛れもなく中心的存在だ。このことは、特にガザでのイスラエルによるジェノサイド、その上、占領下のパレスチナ全体におけるイスラエルの軍事占領とアパルトヘイトへの世界的な認識を獲得するという点でまず間違いなく最も意味がある。

久しく、主流メディアはパレスチナ支持の旗や横断幕やチャントを無視することに全力を尽くしてきた。スコットランドであれチリであれ、連帯(結束)が許容レベルを超えると、フットボール関係当局は罰金や他のさまざまな懲罰的措置で取り締まった。しかしながら、今日ではこのような戦術は完全に失敗している。

5月31日、インテル・ミラノと対戦したパリ・サンジェルマンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦のスタジアム内外ではパリ・サンジェルマンのサポーターの行動全体がパレスチナに集中させているかのようだった。「Nous sommes tous les enfants de Gaza(わたしたちはみんなガザの子ども)」というチャントがスタジアム内外のいたるところに響き渡った。アクラフ・ハキミが先制点を決めるや、たちまち、「ガザでのジェノサイドを止めろ」と書かれた巨大な横断幕が掲げられた。

このような前例のない連帯の行為は、1960年代半ばに始まった南アフリカの人種差別政策に対するスポーツ・ボイコットに匹敵する。これらのボイコットは、アパルトヘイトに関する議論を解放し、人種差別政策についての議論を学術的な場から街頭へと移行させる上で重要な役割を果たした。

上記は事実とはいえ、2つの事例は必ずしも比較できるものではない。アパルトヘイトに関してはグローバル・サウス(南半球)の政府の努力のおかげで、ボイコットは主に制度的なレベルで始まり、徐々に国民の大きな支持を獲得した。しかしながら、パレスチナの場合、FIFAのような機関側の完全なるモラル破壊があるところ、サッカーファンが連帯の擁護者として働いている。

FIFAは、イスラエルのスポーツ機関内での露骨な人種差別やパレスチナのスポーツにもたらしている直接的な悪影響にもかかわらず、イスラエルに対していまだどのような措置も講じていない。いつものお決まりの言い訳は、「スポーツと政治はごっちゃにしない 」というスローガンだ。だが、その通りだとして、ロシアのウクライナ侵攻のあとで、なぜFIFAは境界を取り払い、この2つをいっしょにしたのだろうか?

戦争開始後ただちに国際社会の代表としてものを言っているとされている西側諸国はロシアに対し、数百、最終的には数千に及ぶ制裁を課し始めた。ロシアはスポーツを含む、あらゆる分野で孤立を余儀なくされた。FIFAも即座にこれに加わり、ロシア代表チームをFIFAの競技から締め出した。

パレスチナの場合、それはイスラエルによるガザでのジェノサイドよりずっと前から始まっていたにもかかわらず、偽善は際限がない。多くの場合、アラブ、イスラム、グローバル・サウスに支えられ、イスラエルにアパルトヘイトと軍事占領の責任を問おうとするパレスチナの試みは、ことごとく失敗に終わってきた。毎回、同じ返答しか返ってこない。

2017年10月のFIFAの声明はその良い例だ。これは、イスラエルの占領問題とFIFAによるイスラエルへの責任追求の必要性について国際的団体が繰り返し調査を要請したことを受けてFIFAイスラエル・パレスチナ監視委員会が最終報告書を発表した際の声明だった。

返答は断固としたものだった。「現行の事態は… フットボールとはまったく関係がない」 それは例外的な複雑さと繊細さに属すもので、「FIFAのような非政府組織によって一方的に変えられるものではない。」ヨルダン川西岸地区の最終的な地位は権限のある国際法機関がその責任を負うべきこと。報告書は、「FIFA… 政治的な問題に関して中立を保たなければならない」と結論づけ、「イスラエルに対していかなる制裁も課さない」、そして「この問題は終了を宣言する」と付け加えた。

それ以来、どれほど変わってきているか。例えば、2018年7月、イスラエルはいわゆる国民国家法とやらに基づき、イスラエルはユダヤ人のみのための国だと宣言した。2020年7月、連立政権はヨルダン川西岸地区の占領地域の併合を認める取決めに合意した。そして2023年10月7日以降、イスラエルはガザでジェノサイドを犯してきている。

今回の非難の言葉はパレスチナ人やその同盟国のものではない。ガザにおけるイスラエルの恐ろしい侵害行為を積極的に調査している国際機関の言葉である。

FIFAは依然として問題は「複雑」かつ「デリケート」すぎると主張するかもしれないが、戦争が始まって最初の14ヶ月間に700人以上のパレスチナ人選手が殺害され、約270のスポーツ施設が破壊されたという事実をどうやって無視できるのだろうか?

ここで、FIFAの行動や怠惰に左右されない資質、パレスチナ人の粘り強さについていくらか言っておかなければならない。パレスチナ代表チームはますます力をつけてきている、そしてさらに印象的なのは、ガザのパレスチナの子どもたちが廃墟となった街の中でもボールを蹴るための場所をなんとか作り出し、かくしてジェノサイドの恐怖から喜びの束の間の瞬間をうまく手に入れていることだ。

FIFAはパレスチナを失望させ続けているが、スポーツファンはこの道徳的茶番に加担することを拒否している。最終的には、パレスチナ人の粘り強さと、彼らの正当な大義への連帯の高まりが、単にパレスチナのため、あるいはスポーツの未来のためだけでなく、組織自体の存在意義のためにも、FIFAに行動を起こさせることになるだろう。

⇧ラムジー・バルード:ジャーナリストであり作家、『パレスチナ・クロニクル』の編集者。6冊の著書がある。最新刊はイラン・パペとの共編著『Our Vision for Liberation:携わったパレスチナの指導者、知識人が語る』、他の著書に「My Father was a Freedom Fighter」、「The Last Earth 」などがある。イスラムと世界問題センター(Center for Islam and Global Affairs)の非常勤上級研究員。
https://www.arabnews.jp/article/opinion/article_150636/


イタリア代表にとって決定的に重要な2026ワールドカップ予選のイスラエル戦を前に、イタリア・コーチ協会は、ガザでの戦争によってイスラエルを国際試合から出場停止にするよう迫る正式な書簡を出した。