見つけた 犬としあわせ

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2025/09/04

パレスチナの同僚には大きな借りがある

 


⌘わたしが、もはやロイターの仕事仲間ではいられない理由
 
August 26, 2025 by Valerie Zink 

編集者注記:ヴァレリー・ジンクは8月25日、彼女自身のソーシャルメディア上で以下の声明を伝えた。

わたしは過去8年間、ロイター通信の通信員として働いてきました。草原地帯の記事を取材するわたしの写真はニューヨークタイムズ紙、アルジャジーラ、そして北米、アジア、ヨーロッパ、その他、世界中の系列媒体により掲載されてきました。ガザでの245人のジャーナリストの計画的暗殺を正当化し、それを可能にした役割を考慮すれば、現時点でロイターとの関係を維持することは不可能になります。パレスチナの同僚たちには少なくともこれほどの大きな恩義を受けてきているし、なおさら借りがあります。

8月10日、イスラエルがガザ市のアルジャジーラの仲間全員と一緒にアナス・アル・シャリフを殺害したとき、ロイターはアル・シャリフがハマス工作員だったとのイスラエルのまったく根拠のない主張を掲載することを選びました。それはロイターのような表現媒体が忠実に繰り返し、誇張してきた無数のウソのひとつです。イスラエルのプロパガンダを永久に伝えようとするロイターのやる気は、イスラエルのジェノサイドから自分のところの記者の命を助けてきていません。今朝ナセル病院への新たな攻撃で殺害された20人の中にはロイターのカメラマン、ホッサム・アル・マスリを含む、さらに5人のジャーナリストがいました。それはいわゆる「ダブルタップ」攻撃でした。イスラエルは学校や病院のような民間の標的を爆撃し、医療従事者や救助隊、ジャーナリストが駆けつけるのを待ちます、そうして(今回は10分後)再び攻撃するのです。

西側メディアは、これができる状況を作り出したことに直接の責があります。
Drop Site Newsのジェレミー・スケイヒルは言っています、「ニューヨークタイムズからワシントンポスト、AP通信からロイターまで、すべての主要メディアはイスラエルのプロパガンダ用ベルトコンベアとして機能しており、戦争犯罪から好ましくない部分を削除し、犠牲者から人間性を奪い、同僚や彼らの真実と倫理的な報道への積極的関与と言われているものを見捨ててきた」と。

西側メディアは、少しでも信憑性があるかどうか決定づけることなしにイスラエルの集団殺害的な捏造を繰り返すことで、ジャーナリズムの最も基本的な責任を故意に放棄し、ひとつの小さな飛地(ガザ)でわずか2年の間に、第一次大戦、第二次大戦、そして朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、ユーゴスラビア戦争、ウクライナ戦争を合わせたよりも多くのジャーナリストの殺害を可能にしました。全住民を飢えさせ、その子どもたちをずたずたにし、生きたまま焼き殺したことは言うまでもありません。


アナス・アル・シャリフの記事がロイター通信にピューリッツァー賞をもたらしたという事実は、イスラエル占領軍がハマスやイスラム聖戦の戦闘員だと疑うジャーナリストの「暗殺リスト」に彼の名を載せたとき、彼らにアル・シャリフを守ることを強要しませんでした。彼がますますひどくなる飢餓について行った報道を受けてイスラエル軍報道官が彼を暗殺する意図を鮮明にする動画を投稿したあと、彼が国際メディアに守ってくれるよう懇願したとき、彼を守るよう彼らに強要しませんでした。数週間後に彼が追跡され、殺されたとき、彼の死について公正に報じることを彼らに強要しませんでした。


過去8年を通してロイターにあてた仕事をわたしは価値あるものと考えます。けれども今、まったく深い恥ずかしさといらだちをもって、この記者証を身につけるなんてことはわたしには考えられません。史上最も勇敢で最も好ましい、ガザのジャーナリストたちの勇気と犠牲に名誉を与え出すことが一体何を意味するのかわたしにはわかりませんが、その考えの立場でもってなんであれわたしが提供しなければならない貢献に向けて進んでいきます。

 

ヴァレリー・ジンク(Valerie Zink)はカナダ、レジャイナ出身のフォトジャーナリスト、ドキュメンタリー作家、そしてコミュニティ組織者。彼女は第二次インティファーダの間にパレスチナ連帯運動の活動家になり、ヨルダン川西岸とガザで医療従事者として取り組んだ。

https://nbmediacoop.org/2025/08/26/why-i-can-no-longer-work-with-reuters/