惑星的なヴォイス
ロバート・メイプルソープ、トム・バーレン、そしてまたサム・シェパードといった伝説的なアーティストと深いつながりのある、パンクの女王とも呼ばれたパティ・スミスが、ニューヨーク、ベルリンを拠点とするオーディオビジュアル・アーティスト集団、Soundwalk Collective(サウンドウォークコレクティヴ)と一緒に東京で発表した最新のプロジェクト「コレスポンデンス(往復書簡)」を体験してきました
Soundwalk Collectiveとはポンピドーセンターなど世界的な美術館で10年以上にわたり一緒に制作した作品を発表してきています
壁5面(8チャンネル)に展開する映像とパティ・スミスのポエトリーリーディングを体験する前に、手前ブースに4台並べられたターンテーブルで彼女のヴォイスと収集したオーディオをヘッドフォンで体験することをすすめます
彼女のヴォイスの力量は以前ポエトリーリーディングで体験済みだったけれど
一番左のターンテーブル(「チェルノブイリの子どもたち」A面)からパティ・スミスのヴォイスが聞こえてくるなり、たちまち臓腑に響く迫力感に満たされ、しばらく時間が止まりました
できたら、一番左のターンテーブルから聴いてみてください
順番待ちが長くないことを祈ります
また「パゾリーニ」という映像インスタレーションでは、アベル・フェラーラのパゾリーニの死の真相を暴こうとした映画「パゾリーニ」(日本未公開)の映像が流れます まだ若かった頃のウィレム・デフォーが主役です
これは、東京都現代美術館で6月29日までやっています
ローリングストーン誌によると、パティ・スミスは今年、彼女のデビューアルバム「Horses」50周年を記念するツアーを発表
今年後半にアメリカ、イギリス、ヨーロッパを訪れ、代表作であるアルバムを全曲公演する予定だとか
2016年にパティ・スミスはヴェルヴェットアンダーグラウンドのニコに捧げる、不吉な‘FEARFULLY IN DANGER’を披露している
娘のジェシー・パリス・スミスとSoundwalk Collectiveを特別出演させるこの曲はアルバム'Killer Road'に収録される
下記は、ローリングストーンの記事AUGUST 12, 2016より
パティ・スミス、娘のジェシー・パリス・スミス、そして三人組ユニット、Soundwalk Collectiveはヴェルヴェットアンダーグラウンドのシンガー、ニコの歌と詩を再解釈したコラボレーションアルバム'Killer Road'の新作ビデオを発表した。心から離れない‘FEARFULLY IN DANGER’のビデオはSoundwalk Collectiveがドイツで観客のためにライブを演じた際に撮影された。
「このビデオは2014年10月にベルリン・フォルクスビューネで行われた'Killer Road'コンサートに由来するわたしたちがアルバムを作ることにつながった一連のコンサートの一部」とSoundwalk Collectiveのシモーネ・メルリはローリングストーン誌に語る。「フィールドレコーディング、ポエトリー、アコースティックと電子音楽など、マルチの媒体を組み合わせたユニークな作品。この音楽作品はパティがニコの原文を即興で解釈する余地を与えるために創作された。わたしたちは強烈だけどデリケートな空間にあなたがたを引き込むための、ある種の音の渦を生み出す演奏を手に入れたかった。」
ジェシー・パリス・スミスは語っている。「母が歌いだしたのは、まったくの無意識的で計画性はなかった、音と言葉に身を任せ、わたしたちのサウンドを基礎にニコの言葉を彼女自身の解釈に基づいて演じていた。」
歌詞をアレンジしたパティ・スミスはニコの最後のアルバム“Camera Obscura”のために録音されたニコの歌詞をあちこち移動するとき、歌う、話しかける、囁く、を巧みに織り交ぜながら感動的に歌う。
'Killer Road'はニコに捧げるアルバムで、またその心から離れないサウンドスケープを通してニコの最後の瞬間に触れてみる。ニコは1988年にスペインのイビサ島で自転車に乗っている間に心臓発作に見舞われた。彼女は発見され、病院に搬送される、だがしかしその日の夕刻に亡くなった。
https://www.rollingstone.com/music/music-news/watch-patti-smith-perform-foreboding-nico-tribute-fearfully-in-danger-249579/
画像はヴェルヴェットのルー・リードと一緒にいる70年代のパティ・スミス
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