見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2021/03/13

平塚市議会 初の懲罰特別委員会

 


懲罰特別委員会で弁明する松本とし子市議

平塚市議会で前代未聞と思われる懲罰特別委員会が開かれました。

どういう根拠でどのような討議が行われて懲罰動議に至ったのか

3月8日、議会史上初の懲罰特別委員会とやらを傍聴しに行きました。


この委員会の目的は懲罰を決めること。ですが、そもそもこの懲罰特別委員会の設置を決める根拠となったのは地方自治法または市議会会議規則のどの部分だったのか知りたかった。でもこの日の委員会では示されませんでした。

加えて、今回懲罰が該当するとすれば地方自治法第129条か第132条、平塚市議会会議規則第141条のどの部分か、読み上げるよう副委員長が発言したあと、委員長が休憩を宣言し、そのまま次回に持ち越しとなってしまったことがとても不可解に思えました。

他の議員から品位を落とす不適切発言で動議が提出されたと聞きます。そうであるなら、平塚市議会会議規則なり、根拠となる規則の文言がすでに示されていて然るべきです。この懲罰委員会!なんか変ではありませんか?


問題の発言は3月3日本会議での平塚市が推し進めている龍城ケ丘プール跡地と東側の海岸樹林帯を伐採する龍城ケ丘ゾーン整備管理運営事業に関する松本とし子市議(共産党5期)の質問でした。「(市は)賛成多数だと明らかな嘘を押し切った」との発言が不適切だと市長側が削除を求めたのに議会が応じて、公明ひらつか会派の鈴木晴男議員が動議を出し、懲罰特別委員会を設置したものです。

8日の懲罰特別委員会で弁明の機会を与えられた松本市議は「明らかな嘘」発言について、「この言葉以外に思いつかなかった」と自分の思いを述べました。議員の仕事は行政執行者を追及することです。ところが懲罰特別委員会の設置は、追求する議員の発言を不快に感じる市長の声を代弁し、擁護する行為となります。


仮に当てはまるとしたら地方自治法第132条の「無礼の言葉」ですが、無礼な発言の定義は「議員が意見や批判の発表に必要な限度を超えて議員その他の関係者の正常な感情を挑発する言葉」となり、松本議員の発言はこれにあたりません。市長側からの発言削除の求めに応じなかったからといって、懲罰特別委員会の動議の根拠にはなりえません。


フェイスブックに上がっている意見には動議を出した鈴木晴男議員は当初、松本議員が「市が賛成多数と言った」ことは嘘だとして動議を出したとあります。11日の2回目の懲罰特別委員会で松本議員には「戒告」という懲罰が下りました。こうなると、「撤回」を求めたくなります。


都市整備部長は懲罰特別委員会で「賛成多数と言ったことはない」と述べましたが、2020年8月と9月の会見で落合市長は賛成多数と言っています。下記、抜粋です。


記者:議会でも報告された8割以上が賛成だということだが、この400いくつかのアンケートの回答があったなかで、ファクス一括送信で送られた数が228件で、反対意見が1個もなかった。組織的な関与が疑われるようなアンケートで水増しされた賛成意見。この根拠に基づいて8割が賛成という、その論拠というのは果たして正当なのか。


落合市長:私もいろいろなところで、市全体で、いろいろな話を伺っていますが、決して反対の声というのは数的には全体を通すと多くないと思っています。


記者:片やあの数字自体には意味がないと言っていながら、多くの市民が賛同しているというような論拠として数字を出してくるということに整合性がないというか、都合よく数字を出しているのではないかと感じるが、市長はどうか。


落合市長:いえ、そういうことでは。議会でも申し上げましたけれども、賛成多数だというのは、私も各方面からいろいろお話を伺いますので、総合して市民の皆さんのなかでは肯定的な意見が多くありますよという意味で申し上げていることだと思います。......


△平塚市の公園整備 市民の声 賛成意見に「やらせ」は、一番下に貼り付けた東京新聞の記事を読んでください。



▼本会議での松本議員の質問を貼り付けます。一部省略しています。


松本市議の質問:

①自治基本条例との整合性

わたしはこの間、特に龍城ケ丘プール跡地問題にこだわってきました。

なぜなら、平塚市の憲法である自治基本条例がPFI手法によっていとも簡単にあってなきがごとくに扱われているからです。

平塚市では大手会社業者によって住民が望まない大型開発が次々と行われ、そのたびに地域の住民生活に大きな影響を与えてきました。

そうした中、街のルールが必要だとして市民と行政と事業者が一緒になって作り上げたのが自治基本条例です。

自治基本条例には、議会および市の執行機関はまちづくりの担い手としてコミュニティ(自治会などの地域自治組織、市民活動団体など)の自主性および自立性を尊重するとあります。

現地に最も隣接した3つの自治会が「海岸樹林帯の伐採はやめてほしい」と計画事業者が決定する前から市に嘆願しているにもかかわらず、市長は聞く耳を持たず、会おうともしませんでした。

にもかかわらず、議会での自治基本条例には違反しないとした答弁は非常に住民を愚弄したものであり、自治基本条例違反そのものです。

龍城ケ丘公園整備はまちづくりの基本ルールを破って行政自ら住民に圧力をかけて進めるつもりなのか伺います。

②Park PFI事業における市民対話マニュアル

平塚市は事業の合意形成が図られていないと自ら認め、Park PFI事業における市民対話マニュアル策定しました。龍城ケ丘公園整備ではこの対話マニュアルで何がどう変わったのか、どの部分で合意形成が図られたのか伺います。

市民意見に偏りのないようサイレントマジョリティの声も聞くとしています。しかし当初から樹林帯の伐採が大きな争点であるにもかかわらず、この問題についてはまったく賛否を問うていません。なぜ市民の意見を聞かなかったか伺います。

特に、Park PFI事業の特性上、事業者選定後に事業内容を大きく変更するような意見は反映できないとしています。つまり、Park PFI手法は平塚市自治基本条例の理念と相容れないものであり、使えないということではないのか。市長は、自治基本条例とPFIのどちらが優先された事業だとお考えか伺います。

③署名の重み

住民の方々は樹林帯の伐採はやめてほしいいと総数8000筆を超える署名を提出しています。自治会長からの決議書も、自治会からの署名も出されました。署名の内容はどこで審議され、どのような結論を導き、その結果を誰に報告したのか。またその会議録はあるのか伺います。

昨年春、平塚市は市民意見募集を行いました。

情報公開で入手した意見募集を議員有志で調べていく中で、わたしたちはヤラセであることを確認しました。

市は、FAX番号も住所氏名が空欄のものも同じ筆跡の用紙が何枚もあることも確認できる立場にあります。しかしFAXによる意見募集の8割が同じFAXから送信されている人もいるのに「問題ない」の一言で済ませています。

いま、愛知県知事のリコール署名の8割が無効とされ、地方自治法違反の疑いで捜査されています。

平塚市はこの不正をそのままにして、「賛成多数」で押し切るのかご見解を伺います。


都市整備部長の回答:

②の「なぜ市民の意見を聞かなかったのか」について。

樹林の伐採については公園として施設設備に必要な箇所にとどめ、できる限り現状の樹林を残すこととしており、当該エリアの適正な管理と事業を両立させうる自然と共存した総合公園としていきます。

③の署名の重みについて。

本事業に対して提出された署名等については市長に報告しています。市長からはプール跡地周辺の夜間の静けさの確保、樹木のさらなる保全、安心安全に子どもたちが利用できるさらなる工夫の3点について指示が出され、詳細な検討を進めているところです。なお、会議録はありません。

次に2点目の「このまま賛成多数で押し切るのか」です。

令和2年3月から5月に実施したアンケート調査は、正式な手続きを経て本市が選定した公園の整備計画をより良いものとするために、計画の最終的なまとめにあたり、市民の関心の傾向や程度など具体的な意見、要望を把握するために行ったものであり、計画の賛否を問うものではありません。


松本議員:

次に市民意見に対する平塚市の偏った考え方についてご質問いたします。

令和元年に行った公募施設等指針案に対する市民からの意見募集がありまして、全体で288件ありました。賛成はわずか33件で反対、不満の意見が255件でした。

昨年、3月から5月に行った市民意見募集は公園の計画地図を掲載してこの中でどこに行ってみたいかといった恣意的な設問を出し、それに対して437件の回答がありました。

平塚市は計画の賛否を問うものではないとしながら、とても行きたい、行きたい、普通(どちらでもない)というところまで足すと84%だと、賛成が多いということを強調しました。84%なら367件です。平塚市に届いた賛成意見は先程の33件と合わせて400件。

8000筆以上の反対の声、地元の複数の自治会長の決議文、その重みを無視して、賛成多数だと明らかな嘘を押し切って、市民が喜ぶ公園ができるでしょうか。


都市整備部長:

ちょっとがっかりしておりますが、「明らかな嘘」とおっしゃいましたですね。


松本議員:

市民の意見で賛成が多数というのは何を根拠にして言っているのか、わたしはもう一度伺いたいと思います。

これまで長い年月をかけて市民と築き上げてきた市民の声を大切にするこの平塚市の民主主義がこのPFI手法によってガタガタと崩れ落ちていくという危機感を持っています。市民の反対を押し切ってこんなまちづくりを進めていいのでしょうか。

しっかりと市民の方に顔を向けて市民の喜ぶ仕事をすべきだと思いますが、ご見解を伺います。


落合市長:

議員がご指摘されたことは、わたしは市民の皆さんに向かってしっかりと説明もしておりますし、決して非難される部分ではないというふうに思っております。

自治基本条例を盾にですね、いろいろ言われますけど、いろいろな対話も含め、いろいろなところでですねご意見も伺いながら、しかしですよ、しかし全部のご意見を我々がその計画に入れ込むとか、これは難しいわけですから、反映できる、それから平塚市全体にとっていいものはなにか、そういうものを全部勘案しながら今回の進め方をしている。

またPark PFIをですね、進めたということは民営の魅力を出してもらうことができる。財政的にもですね、この手法を取り入れたということは大変貢献があるものだなというふうに思っています。

議員が指摘されるのはですね、一方的な考えのもとで一方的な批判をされておりますけれども、わたしは市民全体をやっぱり考えて取り組んでいるこの事業であるということをもう一回ですねご説明申し上げたいというふうに思います。


◇タウンニュースの記事より

平塚市議会は3月8日、同市議会史上初となる懲罰特別委員会を開いた。松本敏子議員(共産党・当選5回)の3日の本会議総括質問の発言が問題視されたもの。松本議員は龍城ケ丘公園整備を進める平塚市に対して「明らかなうそを押し切って進めようとしている」と発言。市側が議会に発言の削除などを求めたため、議会は議会運営委員会で対応を協議。平塚市議会で初めて懲罰特別委員会が設置された。委員は議運と同じ。

8日の委員会では平塚市から都市整備部長と松本市議を招致し状況を確認した。委員会は「議会の質問中にうそと発言したことが品位に欠けるなど問題」として松本議員に発言修正の意志を確認したが、松本議員は応じなかった。11日に2回目の委員会が開かれる。委員会を傍聴しようと市民が多数つめかけ整理券を発行する事態となった。

https://www.townnews.co.jp/0605/2021/03/11/565328.html


△松本市議のコメントより

平塚市は、非難を回避するためにうまく言葉を操っているのがよくわかります。

今回の私に対する市の言い分は「市は、賛成者多数とは言っていない」ということ。「嘘」に対する反応ではなく「賛成多数」が「不適当」だと。

昨年12月議会で同僚の石田議員の質問「市民アンケートの結果を見て多くの市民は賛成しているとしていますが、その根拠をお示しください」という質問に対し、「多くの市民が賛成としているその根拠は、です。(略)令和2年3月31日から5月31日の期間に公園計画に対する市民意見募集を行いました。意見募集において、公園が出来上がったら行きたいかという設問を設けたところ、行きたいという回答が多数寄せられたことから、多くの方が事業に肯定的な考えであると捉えています」と、賛成の根拠を自ら語っているではありませんか。


◇平塚市の公園整備 賛成意見に「やらせ」指摘 一括送信に疑義

2020年8月27日

平塚市の龍城ケ丘プール跡地を含む海岸沿いの公園整備計画を巡り、見直しを求める市議有志は26日に記者会見を開き、市が公開した市民意見の結果にはファクスで一括して大量に送られてきた回答が含まれているとして、客観性や有効性に疑いがあるとの見方を示した。

市は3~5月、計画に対する意見を募集し、437人から回答があった。江口友子市議らは情報公開請求により、同じファクスで10~50人分がまとめて送られた回答が228人分あったのを確認。この中で「公園ができたら行きたいですか」との問いに「とても行きたい」「行きたい」という回答が計157人分あった。江口市議は「組織的なやらせ投稿と推察される」と指摘した。

樹林帯の伐採を含む計画を巡っては地元住民らが防災面などで懸念する声を上げており、これまでに計画の見直しを求め、8000筆以上の署名を落合克宏市長宛てに提出している。江口市議は「市長は安心安全を求める住民の声に向き合っていただきたい」と語った。

落合市長はこの日の定例会見で「担当課がチェックしていると聞いている。素直に数は信用したい」と述べた。市担当課は、同一ファクスからまとめて送られていた事実があったのを認めた上で「住所と名前を書いてもらっており、一人一人の意見と考えている」と説明した。


https://www.tokyo-np.co.jp/article/51382