見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2021/03/31

新聞記者のデスクノート

 

写真は保安林申請が認められなかった平塚海岸の樹林帯

神奈川新聞の深沢 剛 記者が“デスクノート”に書いています。


 古巣の平塚市で起きた騒動が気掛かりだ。市が進めている開発計画を巡って「多くの市民が計画に賛成している」旨を主張する市に対して、市議会で反対派の議員が「明らかなうそ」とかみついた。市長派が多数を占める議会でその発言が「不適切」と断じられ、その議員は戒告処分に。

 市のアンケートでは「やらせ疑惑」も持ち上がるなどこれまで何度も「市がうそをついているのでは」と会見で問い詰めていた担当記者としては背筋が凍った。地元住民は新たに5000人以上の計画反対の署名を県に提出したが、市と議会が戒告処分を通じて住民や新聞記者をも恫喝しているように感じられる。

(小田原支局・深沢 剛)



◇平塚市議懲罰問題 市長が自ら議長に「不適切発言」指摘

東京新聞3月25日


平塚市議会が「根拠のない不適切な発言」をしたとして松本敏子市議(共産)に懲罰を科した問題で、落合克宏市長は24日の定例記者会見で、片倉章博議長に「あの発言は問題ではないか」と自らが伝えたことを明らかにした。

松本市議は3日にあった本会議の総括質問で、市が海岸沿いで進める公園整備計画を巡り、市が実施した市民アンケートでの計画に好意的な意見より、住民が集めた反対署名の数が多いことから「(市が主張する)賛成多数はうそ」と述べた。片倉議長は、この発言後に市幹部らから「発言が不適切ではないか」と指摘があったと、17日の懲罰決定後に明かしていた。

落合市長は「議会の独自性を否定する意味で議長に言ったわけではない」と釈明した。これまでも議会中の発言で問題があると感じたときに同様に対応してきたとした。

一方で、公園整備計画に賛成する市民が多いかどうかについて「(賛成多数は)私の感じ方だ。市議会で計画を認めてもらっていることが根拠」「手続きを進める中でおおむね肯定的な考えを持っている方が多いと思う」と答えたが、客観的な根拠は示さなかった。


https://www.tokyo-np.co.jp/article/93583?rct=kanagawa


△3月定例市長記者会見 2021年3月24日

質疑内容の要旨


記者:先日の市議会定例会で龍城ケ丘の公園整備計画に関する質問が発端となって懲罰特別委員会が設置される事態となったが、この計画に関して住民の支持がどの程度得られているのか市長の認識は。

市長:この計画を決めて発表してそれから市民の皆さんにご理解をいただくというその都度、説明というか市民の代表である議会の中もそうですし、説明をさせていただいております。

この期間にこれだけのお金がかかるという予算についても説明をさせていただいて、市民の代表である議会の議決をいただいています。私としてはちゃんとした手続きを踏みながら進めてまいったというふうに思っております。この懲罰(特別)委員会におきましては私共がどうこう言う問題ではありません。この事業につきましては、市民の100パーセントとは言いませんけれども、市民の皆さんのご理解をいただきながら進めてきたということを私自身は思っています。


記者:具体的にどの程度支持されているかという感触は。

市長:数的には25万7000人の一人一人にはお聞きしていませんけれども、いろいろな分野のほうからご意見をいただくなかでは、平塚は海がありますがなかなかその海の魅力を活かしきれていないねということや、例えば障がいのある方、そういう方たちがすぐに海辺に親しめるとかですね。そういうことも含めて要望というか思いをその期待を持っている方の声は多くいただいております。すいません、数が何人というのはないのですけれども。


記者:話を聞くだけでは明確な根拠にならないと思うが、おおむね賛成といえる根拠は。

市長:根拠というと数字となるかもしれませんけれども、例えば産業分野ですとか福祉分野ですとか、分野別の方たちのお話を聞くなかでは、逆にここは公園として整備する必要はないよですとかそういう声は直接私のほうには届いておりません。


記者:今の話を聞くと、明確な根拠がないなかでおおむね賛成と言っているように聞こえるが。

市長:これは何度も言うようですけれども、しっかりと計画を練って、その計画もPark-PFIという手法を市民のため、財政のためにもこれは良いという判断をもって進め、議会にお示しをし、なおかつその案についても市民の皆さんからの要望を受けながら、修正するところは修正というか、取り入れるところはしっかりと取り入れてお示しをしているわけです。それをもって根拠がないからこれをやらなくていい、そういう理由付けにはならないと思います。


記者:おおむね賛成という根拠について聞いているが。

市長:肯定的な意見はやはり多いのではないかなと私は感じています。すいません、数字を示せないのが申し訳ないのですけれども。


記者:おおむね賛成だということで計画を進めてきているが、根拠となる説明がなかったので。

市長:根拠はやっぱり基本的には、形を進めるため、予算だてをし、しっかりと説明をし、議会という民主主義の一つのツールの中でしっかりとお認めをいただき、進めているというのが、一番大きな根拠だというふうに思います。


記者:議会が賛成だったからおおむね賛成ということか。

市長:やっぱり議会にこの事業について理解をいただき、議会は市民の皆さんの代表ですから、その方たちが議案についておかしいということであればこれは議案の否決をされるわけですから。でもそうではなくて、何回も修正の部分においても、予算取りについても、その都度賛成多数で可決をされているわけですから。これは逆にこの事業を可決してもらったわけですから、これをやらなくなったら今度はわれわれ(行政)の責任になります。賛成多数、おおむね肯定的という大本の根拠は、やっぱりそこになるのではないかなと思います。


記者:懲罰(特別委員会)の関係は、あくまで議会の話ということだが、もともとの発端が執行部側に向けての発言だったので確認させてほしい。問題になったのは「明らかなうそ」という言い方をしたということだが、これを市長はどう受け止めるか。


市長:あの発言があったときに、前後の文脈もそうですし、その前に例えば「不正な部分もあった」だとかそういう話もありました。それからその前のほかの議員においても、これはちょっと問題かなという発言がありましたので、それは議会側に私のほうから「その発言は問題ではないか」ということで投げかけはさせていただきました。ただ、その先は議会のご判断をいただくことですので、われわれが例えば「懲罰を」とか、一切申しておりませんので、私としては、この発言の流れの中で、断定的に「明らかなうそ」という表現をされましたので、これは問題だな、われわれはうそをついているわけではありませんので、これは問題だなということで提起させていただきました。


記者:そうすると直接市長自身も議長に「あれは問題だ」と指摘をしたということでよろしいか。

市長:私を含めて都市整備部長も答弁の中で「ちょっとがっかりしております」と。われわれは何一つうそをついてやってきたわけではないのに、そういう思いも含めてその発言は問題ではなかったか。それともう一つは、議会側、議長側もあの発言は問題ではないかという認識は持っていられたと思います。


記者:松本議員の考え方として、松本議員なりの根拠というか数字を並べて発言されたと思う。そう考えると、それに対してそういう見方もあるわけだから、議場でやり取りするならよいが、議場を離れたところで、理事者のほうから議会に向けて問題があるのではないかということについて、それは問題はないという考えか。そういう行為自体は。

市長:それは、ちょっと乱暴な言い方ですが、議会の中では何を言ってもよいということですか。


記者:そういうことではない。質疑が終わったあとに、「不適切だ」ということに対しては、全く問題がないのか

市長:議会の立ち位置を否定する、議会自身の活動を否定するというわけではなくて、われわれは法律にのっとり、手順を踏んで説明をし、なおかつ市民の皆さまのいろいろな意見を取り入れながら進めてきたわけで、それをもって「(明らかな)うそ」という表現をされたことが、われわれとしてもこれはちょっと問題ではないかという意味でお伝えしたまででありまして、決して議会の独自性を否定する意味で言ったわけではありません。実はこれまでも、議会の中での発言については、言ってきた経緯はあります。例えば、市は法に違反しているというような表現も、議事録を見ていただければ、そのような表現もされたことがありますので、そういうときも、実は議会側にあの発言は問題ではないかということは伝えてあります。


記者:市長としてはあれは問題のある発言だと認識して、市長自身が議長に対して問題があると言ったことは事実であるということでよいか。

市長:はい。


記者:「明らかなうそ」という「うそ」というのは議会で結構出てくる言葉だ。それなのに実際議場で議長が議事進行しているときに「ちょっとその発言、問題だ」というような指摘はなかったのに、あとから理事者側が注文付けたことによってこのような話が起こり、結果的に懲罰(特別委員会)で戒告(という処分)になった。やっぱり議会の活発で自由な討議を結果的にそういった注文を付けると阻害することになるのではないか。その点はどう考えるか。

市長:これまで、記者の皆さんも見ていてお分かりかと思いますが、それは一つの手法かもしれませんけれども、そういう言葉を並べて、最終的に印象操作のようなことも、実はいろいろな事業についてもされてきているところもありますので、私はやっぱりその言葉に対して、それは議会の中での議論ですからそれは尊重しますが、その言葉に対して責任をもって臨んでもらわなければいけない。私も議会人でありましたので、発言をするからには、ちゃんと責任をもって発言をするべきだし、それがもし問題であれば指摘をさせていただかなくてはいけないのではないかと思っています。何度も言いますが議会の独自性を打ち消すとかは決して考えていません。ただ議員として、議会人としてちゃんと責任をもってその言葉を発して、言い方は悪いですが行政側を批判していけばその人が評価されるというのはちょっと違うのではないかと思います。決して仕組みを壊すために言ったわけではなくて、その言葉に対しておかしいのではないか。今までも何回もありましたけれども、その都度それを取り上げて、「これは問題だ」とするのはどうか。それからもう一つ、今回につきましては、その前に「市は不正」で、なおかつ「明らかなうそ」というようなお話がありましたので、これはやはりわれわれとしては大変問題があるというふうに判断させていただきました。


記者:そうだとすれば、議会に注文を付けるのではなくて賛成多数だということを証明すればいいと思う。

市長:なかなか数字的には難しい問題で、だからこそ何回も申し上げますが結果として市民の代表である議会の中でしっかりとお示しをし、それで賛成というか方向性をいただいているわけですので、われわれとしてはその提案・可決、そういったものに沿ってこの事業を進めていくべきものだと判断しています。


記者:見直しを求める署名8000筆とか、反対の意見に対しては具体的な根拠となるものがあるが、一方で賛成を支持するという声が多いという根拠は今の話の中では明確になっていないという中で、本当に賛成多数だと言い切れるのか。

市長:ですから、市民の代表が集まっている議会の中でちゃんとお示しをし、方向性を決めた。われわれがそれに沿ってしっかりと進めていくというのがこの事業を進める大きな根拠になると思います。


記者:賛成多数の根拠が明確でない以上、賛成多数だとは言い切れない。つまり、賛成多数という認識を改める必要があるのでは。

賛成多数ということについて改める考えはないのか。


市長:(さまざまな意見を)取り入れますし、そういう進め方の中で、反対をされる慎重派の方が市民の半分以上いるということを確認するすべはないわけですよね。そうするとやっぱり今までの市のほうの丁寧な進め方も含めて、この事業については、進めていく事業であるというふうに判断をしています。


記者:反対多数と言い切れる根拠がないと言ったが、だからといって賛成多数といえるわけではない。議員の発言に対して、責任をもってほしいと言っていたが、それは市長自身にも言えるのではないか。

市長:賛成多数という、その数値を表すだけの根拠としては、繰り返しになりますが、議会にお示しをし、理解をいただく中で進めていくと、これがやはり一番大きな根拠になるのではないかなと思います。


記者:個人的には、議会で議決されたからといって住民の多数が賛成とはならないと思う。繰り返しになるが根拠がない。にもかかわらず賛成多数だと言ってきたことに関して、認識を改める必要はないのか。根拠がないのに賛成多数と言い切れるのか。

市長:決して反対だとか慎重と言う人たちを無視しているわけではなくて、そういう方もいて、こういうご意見をいただいています、例えばあそこの樹林帯をこういうふうにして総合公園をつくるということに関しては、反対ではありませんという前文がおおむねついておりますので、そういう方たちも含めると、全ての市民のうち多くの皆さんが、否定的であるという判断には至らないと思います。


記者:賛成多数とも反対多数ともいえないと思う。ただ、地元の住民が納得しないで事業を進めるというのはすごくいい事業であったとしても不幸なことだと思う。いくら市が説明しても地元の住民たちはまだ納得していないのが現実で、それで議会の議決を得ているとして進めていくのは将来に禍根を残すと思うがどう考えるか

市長:やはり事業を進めるに当たって、地元の皆さんも、中には、やってほしいという声もありますし、それから慎重・反対というご意見もありますので、そういったものを全てお聞きしながら、着地点としてしっかりと、だからこそ、3つの指示を出したり、そういうことも致しました。だから、おっしゃるように市民の皆さん、住民の皆さん、地域の皆さんには、そういうことを丁寧に説明して、ご理解していただく進め方しかないのかな、と思います。


記者:東西の樹林帯を残して、プール跡地だけの開発をするだけなら、多くの方の賛成を得られるように思うがどうか

市長:あそこを総合公園として、しっかりと魅力を付けて、来ていただく、楽しんでいただくためには、どうしても両側の樹林帯を安全対策を含めて、しっかりと整備をしていく必要があるということで、これまで主張させていただいたわけですので、その点も含めて、また、地域の方々にはご理解をいただけるような説明をしていく必要があるのかなと感じています。


記者:先ほど、公園自体には賛成の方も多いと言っていたが、計画全体で見れば、樹林帯を伐採することも計画に含まれているので、それは計画に対して賛成しているとは言えないのではないか。

市長:解釈の違いだと思いますけれど、いろいろ要望書が出てくる中で、「この公園整備については反対ではありません。しかしながら樹林帯を伐採するのはどうかと思います」という要望が見受けられますので、樹林帯をどういうふうに、例えば安心安全対策を施した上で活用できるとか、そういう着地点をしっかりお示しすれば、それは公園を整備すること、樹林を活用すること、それについては何ら遜色はないと思います。


記者:計画そのものについて聞いているわけではなく、賛成多数と言う市長の発言に関して聞いているのだが。いまだに根拠が明確ではない。

市長:私の発言で根拠がないとずっと言われましても、これは議会にお示しをさせていただいて、そして了承をいただいて、なおかつ市民の皆さんの声もお聞きをしながら進める、その進め方の中でご理解をしていただくしかないのかなと思います。


記者:根拠がないことは認めないのか。

市長:私が半数以上賛成と話をしたという根拠は、私の感じ方でしかありません


記者:「議会の独立性を阻害することは考えていない」「発言するからには責任をもって発言すべき」と言うが、当然、発言した議員の方は根拠を示して責任をもって発言していると思うが、議会の独立性を損ねるわけではないと言いながら指摘をするのは、言っていることに矛盾があるのではないか。うそという見方があるということを議員は発言しているけれど、それは一つの見方だし、議員が根拠を示して言っているわけだから、それは尊重するべきで、議会の独立性を侵さないと言うのであれば、それはその発言として一つの判断する材料としてとどめるべきで、議長の側に「問題ではないか」と市長ご自身が投げかけをしたということは矛盾するのではないか。


市長:議会を混乱させるためにこういうことを言ったのではなくて、発言の前、今までも松本市議の(昨年)9月のときの賛成反対の中での議会制民主主義についての発言など、いくつかの要素が重なってまいりましたので、なおかつ、今回の「明らかなうそ」の前にも「市は不正な部分もあり」みたいなこともおっしゃっていましたので、そうではありませんということで、私はこれは問題ではないかなと投げかけをさせていただきました。決して混乱させるために言ったのではなく、発言に対して「これはちょっとどうでしょうか」という意味での投げかけをさせていただいたと私自身は認識しています。


記者:議会の申し入れというのは法的根拠があるのか

市長室長:申し入れはしておりません。私は議場で市長の後ろに座っておりましたが、質疑終了後、議長が市長の近くに来て、どちらからかははっきり覚えておりませんが、あの発言は問題ではないかとお二人が話されたということであって、何かをしてくださいとか申し入れをしたという事実はございません。

市長:質疑終了後に議長が私のところに参りました。繰り返しになりますが、流れの中で都市整備部長が話をして、議長が参ったときに、すみません、正式な申し入れではないんです。(行政側に反問権がない中で)あの発言は問題ではないかなと議長に私は話しました。議長があれは議会の認識として、議場の中であの発言は問題であろうというようなニュアンスのことをおっしゃって、もし正式な申し入れをするならば、今お話がありましたように、決まりごとにのっとってちゃんとしなければいけないのかということも聞きました。そうしたら、それは必要ないと。その先の判断については議会が考えることだからと議長がおっしゃいましたので、そこまでです。


記者:市長、それは申し入れをしたんですよ。これだけの物事に公的機関が動いて市長が市長としての立場で第三者機関の議会に申し入れをしたと皆が取りますよ。

市長:私のほうから発したことは確かですので。

記者:われわれとしては申し入れをしたと捉えさせていただきます。