見つけた 犬としあわせ

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2012/08/01

ロシアのPussy Riot





ロシアの
ガールルズ・パンクバンド
Pussy Riot

プーチンの厳罰化新法で
収容所に7年の流刑もあり


◇女性パンクバンド裁判が浮き彫りにしたプーチン政権とロシア正教の蜜月

2月、モスクワのロシア正教会の大聖堂に5人の覆面女性が忍び込み外壁の上から演奏したのは、ウラジーミル・プーチン大統領を批判する歌だった。女性ばかりのパンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」の演奏は数分間しか続かなかったが、彼女たちの歌声は今後ロシアに何年も響き渡るだろう。

メンバーのうち3人は3月の大統領選の前に「フーリガン行為」の罪で逮捕され、裁判が開かれないまま4カ月間勾留され続けてきた。7月20日にやっと開始された公判では、裁判官が早々に2013年1月までの勾留延長を認めた。

大統領に再び就任したプーチンは、反政府的な活動に対する取り締まりを厳罰化する新法を成立させた。3人のメンバーには「流刑地」への7年間の収容が求刑されている。

・「厳罰」にかえって支持広がる

しかし、当局が最大限の厳罰を科そうとすることによって、無名だった「プッシー・ライオット」の名は逆に知れ渡った。その結果、世論がプーチン大統領とロシア正教会に不利な方向へと大きく傾く可能性を指摘する声もある。

ロシア独立系調査機関レバダ・センターが今月行った世論調査では、公判を支持する人が36%だったのに対し、批判的に見る人は50%を超え、以前の調査よりも被告らに対する支持が広がっていることを示した。

6月には100人を超えるロシアの俳優や文化人が被告の釈放を求める公開書簡を発表。その中には大統領選でプーチン氏を支持した人々も連なっていた。ロシア国外でも英ミュージシャンのスティングや、米ポップバンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズらがこの問題を取り上げて発言している。

この事件は、大手石油企業だったユコスのミハイル・ホドルコフスキー元社長が反プーチン派を支持した後、横領などで有罪判決を受け、服役している状況と酷似してきた。「ホドルコフスキーの裁判よりも露骨で、大きいかもしれない」と被告の1人の夫は言う。

・プーチン政権とロシア正教会の蜜月時代

この女性パンクバンドをめぐる事件があぶり出したのは、ロシア正教会と政府の緊密な関係だ。「プッシー・ライオット」が歌った歌詞は、聖母マリアに「プーチンを追い出して」と願い、教会はプーチンではなく神を信じるべきだと皮肉った内容だった。

ロシア正教会の最高位、キリル総主教は、大規模な野外ミサを開いて事件を大きく取り上げ、バンドの女性たちが聖なる場を汚したと非難した。一方で検察当局は、起訴状で「冒とく的行為」や「正教徒に対する深い霊的な傷」といった宗教的な言語を用いた。

政治工学センターのアナリスト、アレクセイ・マカルキン氏は、次のように批判する。「教会は完全に政府に寄り添う姿勢を鮮明にした。反政府派と対立する立場にあると自認し、抗議行動は社会への脅威だと表明したのだ。政府は恩義さえ感じているだろう。」

ロシア非営利組織「ソバ情報分析センター」のアレクサンデル・ベルコフスキー所長は「ある意味、政府が教会を利用している」のだと説明する。ロシア正教会は広大な支持を集めることができる。前年11月、ギリシャからモスクワに聖遺物がやって来た際には300万人が集まり、5キロの列ができた。

・教会にはマイナス、でもプーチン氏には影響なし?

だが、最終的に正教会は敗者になるだろうとヴェルコフスキー氏は述べる。「この事件は正教会にとってマイナスになる。深く入り込んだことは、キリル総主教の大きな失敗だ。」マカルキン氏もこの事件が「教育を受けた人、現代的な人たちを教会から遠ざけている」と指摘する。

けれども、「プッシー・ライオット裁判」はプーチン大統領個人にはそれほど悪影響はもたらしていないともマカルキン氏は言う。というのもプーチン氏の支持者は、厳罰を積極的に支持しているか、単純に関心を持っていないかのどちらかだからだ。

「プッシー・ライオット」は以前、厳重警備の赤の広場でも政治的な抗議ソングを歌ったことがあるが、その時は罰金を科されただけだった。

(引用元:AFP 2012年7月30日)
http://www.afpbb.com/article/politics/2892465/9311539