嘆かわしい人類
写真:シリアと交差するイラク最北の国境近く Bajid Kandala難民キャンプの外でISISから逃れる家族が野営する。16 August 2014 (Photo: Lynsey Addario / The New York Times)◇ノーム・チョムスキー:ISISと我らが時代truth-out 05 September 2014黄昏が迫るときミネルヴァのフクロウの視界を経験しなければならないと思っていると愉快ではありません、(知恵と武勇の女神)ミネルヴァは今となっては不名誉な終わりに近づいているかもしれない人間の文明の時代を説明する任務を負います。時代は、肥沃な三日月地帯、地中海南東岸のイスラエルからチグリス川、ユーフラテス川の流域を経てペルシャ湾北岸に至る弓状の農耕地帯(古代文明発祥の地)でほぼ1万年前に始まりました。この地域で起こっていることは人類が伝わることができる奥底まで苦しい教訓を提供します。チグリス川とユーフラテス川の地帯は近年、口にするのも恐ろしい惨事の舞台でした。多くのイラク人が13世紀のモンゴル侵略になぞらえた2003年のジョージ・W・ブッシュとトニー・ブレアの正当な理由のない攻撃(侵略)は、さらにもうひとつの致命的打撃でした。抗議して辞任する前にそれを処理していた卓越した外交官、デニス・ハリデー(Denis Halliday)とハンス・ヴォン・スポネック(Hans von Sponeck)によって”集団殺害”と非難されたビル・クリントンによる国連のイラク制裁を生き延びた人たちの多くをそれが殺しました。ハリデーとヴォン・スポネックの唖然とさせるすばらしい報告は好ましくない(求められていない)事実に与えられるいつもの扱いを受けました。米英の侵攻の一つの実にひどい結果はニューヨークタイムズ紙で「イラクとシリアの危機を手引きするビジュアルガイド」と叙述されます。2003年の種々雑多な人間からなる一地域の住民から恨み重なる憎悪に閉じ込められる今日の宗派の飛び地(孤立した群落)へのバグダッドの急進的変化。侵攻によって燃え上がる対立は向こうに広がり今では地域全体を寸断しています。チグリス・ユーフラテス川地域の大部分は、サウジアラビアにその本元があるイスラム過激派の最も極端主義のやり方の残忍なカリカチュア、ISISと自ら宣告するイスラム国の管理を受けます。英インディペンデント紙の中東記者で最も情報を持っているISISのアナリスト、パトリック・コックバーン(Patrick Cockburn)は、ISISを「非常に残酷、多くの点でファシスト組織、非常に宗派心が強い、イスラム、特に彼らの厳格なブランドを信じない者は誰でも殺す」と説明します。コックバーンはまた、ISISの出現に対する西側諸国の反応で矛盾した行為を指摘します。残忍なバシャール・アサド政権、シリアでのグループの主要な敵を徐々にくずすため、ほかのものといっしょにその前進を食い止めるイラクでの活動。一方、レバノンへの厄介者ISISの広がりを阻む大障害はアメリカやその同盟国イスラエルからひどく嫌われる敵、ヒズボラです。そしてさらに状況を複雑にするのは、この大いに対立する地域のほかの国が共有するようにアメリカとイランがいまイスラム国の高まりについてもっともな懸念を共有します。アメリカの支持を受け続ける軍の独裁下でエジプトは最も悲運の時代に陥っています。エジプトの運命は星まわりに文字で表されていませんでした。何世紀ものあいだ、ほかに採りうる道は可能も同然でした。そしてまれにではありません、むごい最高の権力をもつ力がその道をふさぎました。過去数週間の更新された惨事のあと、遠い昔の歴史で教訓的な中心地とみなされるエルサレムから発出することについてコメントするのはあらずもがななのは当然です。80年前、ドイツの哲学者マルティン・ハイデッガーは、東西の野蛮人からギリシャのすばらしい文明を救うことで最良の希望を提供するとしてナチドイツを絶賛しました。今日、ドイツの銀行家は彼らの富と権力の維持に予定される経済体制下でギリシャを押し潰しています。もっともらしい文明の時代の終わりは気候変動に関する政府間パネルによる新たな草案報告、物質界に何が起こっているかについて概して保守的な警告となるもので予示されます。報告は、来たるべき数十年の間、増加している温室効果ガス排出リスクは、「人と生態系にとって痛烈で全面的に広まり逆行できない打撃」と結論を下します。グリーンランド一面の巨大な氷床(内陸氷)の損失が止められないとき、世界は体温(平熱でない熱)に近づいています。南極の氷が溶けるのに加えて、それは海面を上昇させて沿岸の平地はもちろん、主要都市を浸水させる可能性がありました。文明の時代は、1万1000年以上前に始まる完新世の地質学上のエポック(新しい時代のあけぼの)とぴったりと一致します。先のエポック更新世は250万年続きました。ところで科学者は、新しいエポック、人間の活動が物質界にめざましいに影響を与えた時期、Anthropocene(人間中心)紀が約250年前に始まったと示唆します。地質学上のエポックの変化の進度は無視しがたいものです。人間の影響についてひとつの指標は種の絶滅です、さて小惑星が地球にぶつかったのが今から6500万年前でしたので同程度の進度で判断されます。今述べたことが、小さな哺乳動物が繁殖する道を開いた恐竜時代の終わり、そして最終的に現代人の終わりの推定される原因です。現代では、小惑星は人間です、そして生き物の大部分を絶滅に追い込みます。将来の世代への過度の危険を避けるために、知られている燃料備蓄の”甚大な大部分”が海底にそのままにしておかれなければならないことをIPCC報告が再確認します。一方、大手エネルギー企業はこれらの蓄えを搾取することと新しい蓄えを発見することをまったく秘密にしません。IPCC結論の概要の前日、ノースダコタの石油景気の産出物がアジアやヨーロッパに鉄道で出荷することができるため、巨大な中西部の穀物備蓄がだめになっているとニューヨークタイムズ紙が報じました。人間の活動に由来する地球温暖化の最も危ぶまれる結果のひとつが永久凍土層地域を溶かすことです。世界的な気候にとって”致命的結果”になるかもしれないもので、<次の何年もの間、予想したとは言えない>わずかな温度の上昇さえ、次には氷に中に閉じ込められる大量の温室効果ガス放出を引き起こすおそれもある永久凍土層の解凍が突然現れかねないと、科学誌の研究が警告します。アルンダティ・ロイは、“現代の狂気に最もふさわしいメタファー”が世界最高峰の戦場でインドとパキスタンの兵士が殺し合ったSiachen Glacier(氷河)だと申し出ます。その氷河は今は溶けており、無意味な対立で”何千もの交戦中の人間が発生させる大量の空の砲弾、空の燃料ドラム缶、ピッケル、古いブーツ、テント、他のあらゆる類のムダ”をあばいています。そして氷河が溶けたとき、インドとパキスタンは言いようのないほどの災難に直面します。嘆かわしい種(ヒト)。気の毒なフクロウ。© 2014 Noam Chomskyhttp://truth-out.org/opinion/item/26000-owl-of-minervas-view-isis-and-our-times
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