見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2020/12/04

マラドーナに祝杯を!


ディエゴ・マラドーナはサッカーの世界的な崇拝の的であるのはもちろん、世界中の貧しくて抑圧された人々のチャンピオンでもあった。


11月25日、60歳で亡くなったマラドーナはパレスチナからナポリまで、特にラテンアメリカの人々に代わって発言した。


◇ディエゴ・マラドーナ:全世界にわたる発展途上国の同志

サッカーボールの天才と同じだけ、体制と戦い発言権のない人々の代弁者になりたいという意欲のせいで彼は記憶されるだろう。

The Nation  NOVEMBER 25, 2020 

by Dave Zirin


世界は今日、アルゼンチン出身のサッカーの神であり革命家のディエゴ・マラドーナの死を悼む。そのプレーはあらゆる流儀の詩と散文に影響を与えた。マラドーナの能力について最も優れた記述は故エドゥアルド・ガレアーノのもので、彼は著書「Soccer in Sun and Shadow」でマラドーナについて書いていた。


マラドーナが60歳という若さで急性心不全で亡くなることは様々な理由であらかじめ運命を定められているように見える。彼は心臓に確実に巨大なストレスをかけたコカインとかなりの体重変動という、過剰と麻薬常用癖の生活を送っていた。彼はまた常に帝国主義に立ち向かう情熱的で反抗的な強さの生活を送っていた。常にラテンアメリカと全世界にわたる発展途上国の自決権のために公然と戦い、常にブエノスアイレスのVilla Fiorito barrioでの彼自身の幼少期の教育という極度の貧困と類似した状況で育つ子どもたちを代弁し、弁護する。彼は8人兄弟の5番目で水道も電気もなしに暮らし、そのことを一瞬たりとも忘れることはなかった。彼の心臓は単に彼の胸には大きすぎただけかもしれない。


マラドーナは生涯を通じて決して容易ではなかった政治的立場を取った。カトリック教徒の彼は法王ヨハネパウロ2世と会い、あとでマスコミに次のように語った。「俺はバチカンにいて、このまったく金色の天井を見た、あとで法王が教会は貧しい子どもの幸福な暮らし向きについて心配していると言うのを聞いた。ならば、アミーゴ、あの天井を売ってなにかしてくれ!」


彼は1995年に次のように言い、非常に長いあいだプロのサッカー選手の組合を結成しようとした。「もっと有名な選手の助けを必要とする多くの選手との連帯を示す方法として組合というアイディアが浮かんだ... 彼らが戦いたいと望まない限り、俺たちは誰かと戦うつもりはない。」


マラドーナは常に抑圧された人々の立場、ことさらパレスチナの人々の立場に賛成した。2018年、「心の奥底では俺はパレスチナ人だ」と言って彼らが忘れられていないことに念を押した。彼はガザに対するイスラエルの暴力によるすさまじい脅しの批判者だった、そして2015年AFCアジアカップの間、パレスチナ代表チームのコーチをするという噂まであった。


マラドーナはフィデル・カストロとチェ・ゲバラの刺青を入れていた。そしてゲバラのことをヒーローと呼び自分自身をゲバラにたとえた。マラドーナはキューバの医療システムが自分の命を救ったと信じた。彼がキューバに到着したとき、麻薬中毒と危険なほど肥満だった、ただし、まだ次世代の相手と対戦できるように見えることがわかってくる。彼はベネズエラのウゴ・チャベス大統領を支援した。当時チャベスはベネズエラの貧困層に収入と教育を再配分するという急進的な計画に着手していた。彼はブッシュ政権とイラク戦争の確固たる反対者で、ブッシュを戦争犯罪人として非難するTシャツを着ていた。かつて彼は次のように言った、「アメリカ合衆国から来るすべてのものを憎む。俺はそれを全力で憎む。」その感情が彼をこの国のブーツに制せられて生きる何十億もの人々のヒーロにした。


多くの人がきっとピッチでのマラドーナの腕前について書くだろう。彼の伝説的なワールドカップの試合、彼のイングランド戦での「神の手」のゴール、「足に縫い付けられた」ボールでフィールドの距離を走り抜ける彼の能力。また他には彼の苦痛のもと、彼の苦悩、彼の害悪の源のことを長々と書くだろう。だが、ちょっと時間をとって、容赦ない不公平によって定義を下された世界でなんとか生き残ろうとしているすべての人の同志であり、友人、熱烈な支持者であるディエゴ・マラドーナに祝杯をあげよう。今日、多くの人がマラドーナは「神の手」のなかでくつろぎを得て永眠していると書いている。わたしは彼が天使を組織するのに懸命に働いていると信じたい。

Diego Maradona: ¡Presente!


https://www.thenation.com/article/society/diego-maradona/

Dave Zirin is the sports editor of The Nation and the author of Game Over: How Politics Has Turned the Sports World Upside Down.