見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2021/04/20

髪は黒、下着は白

 


◇髪は黒、下着は白:日本の校則をめぐって戦いが再開


写真は、昨年夏に再開された大阪府東大阪の高校の式典

多くの学校で生徒は直毛の黒髪でなければならない(時事通信社)

ワシントンポスト紙 March 14, 2021


日本では「規則が存在するときは従わなければならない」という言い習わしがある。


だが、社会学者や活動家が伝える、日本の学童は直毛で真っ黒な髪をしていなければならないとする、すこぶる強制的な規制ほど無意味で不和を生じさせるむごい規則は確かにない。


それは女子も男子も同様、反抗的な生徒が髪を染めたりパーマをかけたりするのに先手を打って勉強に集中するのを促進させるためにつくられている。しかし、批判者によると、交際を禁じたり生徒への白い下着の着用の要求を含めて他の規則と同様に結果は多くの場合、差別を助長し、個性を押しつぶし、日本の進歩を妨げる柔軟さのない一致を強制する。


規則を変えるための戦いは2月の大阪地裁の判決によって再燃していた。女生徒の髪が黒さが十分ではなかったために高校から追い出されたあとこうむった「精神的苦痛」に対して裁判所が大阪府に約220万円の賠償を命じたのだ。だが裁判所は校則を課す高校の法的権利を議論がましく支持した。


その若い女性の弁護士(Yoshiyuki Hayashi)は、現在21歳の依頼人が大阪府立懐風館高校に入学したとき彼女の幼少期がだいなしにされたとして上訴するつもりであると述べた。二学期に彼女は4日ごとに髪を黒く染めるよう命じられたが、教師らがまだ「黒髪には足りない」と判断したため、授業から締め出されて修学旅行からも除外された。


彼女が髪を黒く染め続けることを拒否したとき、わざわざ登校しなくていいと言われた。その後、両親が学校に戻る方法を交渉しようとしたが、彼女の机が教室から片付けられて他の生徒が彼女の ID番号を譲り受けたことがわかるにとどまる。


「彼女は非常に激しく心理的に打撃を受けた」と弁護士は言った。「ある瞬間、鏡で自分を見たり髪の毛を見るだけで過呼吸を引き起こすほど、ひどいものでした。」


自分のコメントを拒んだ女性はいつも大学に行きたがっていた。「家族は別として、多くの人と交わらない程度まで彼女は人に極度に不信感を覚えるようになった。いまパートタイムの仕事を始めたが、まだもがいている」と弁護士は語った。


判決後の記者会見で校長(Masahiko Takahashi )は、学校は黒髪の方針を変えないが、「もっと気をつける」と述べた。大阪府は裁判所が校則を支持したことについて特に言及したが、女子の名前は学校の名簿から削除されるべきではなかったと述べた。


NHKの報道によると、東京の公立高校のほぼ半数が黒髪でなく直毛でない生徒にはそれが染めたりパーマをかけてない自然の髪であることを証明するための証明書の提出を求めている。そして毎日新聞は大阪でその割合がさらに高いことを見つけ出した。


日本に逃れてきた難民を支援する認定NPO法人難民支援協会(JAR)の広報でニッポン複雑紀行編集部・ライターの野津美由紀(32歳)は、髪が茶色またはカーリーヘアの生徒に対して常に証明書の所持を要求した私立学校に通った。まゆげは生徒たちが描いてないか確かめるために定期的に調べられた、同時にソックスは白で三つ折りにしないといけなかった。


移民や混血の子供にとって、校則は彼らがあるべきところに属していると感じるのをとても難しくしていると彼女は言う。


「学校は、すべての日本人が黒髪の直毛で女の子はある一定のやり方で行動すべきだと何も考えずに想定しています」と彼女は言った。「でも、日本はもはや単一民族の国ではありません。学校は、社会が変化したことや時代遅れの理想を生徒に押し付けていることに気づいていません。これは彼らが多様性について教えるための意向や能力を有していないことを立証します。」


野津美由紀は、彼女の同級生のひとりが校則に従うことにあがいていたため「トラブルメーカー」とレッテル付けられたが名門の東京藝術大学を主席で卒業したと言った。それでもやはり、「抑圧されて創造性を失うたくさんの人がいる」と彼女は述べた。


問題を明確にする同志社大学の法学教授(Kayoko Oshima)は、かなりの学生が「感情的に傷つき、自尊心を失った」、そして規則に従わない順応しない人たちは日本社会にふさわしくないという根底にある精神に同化する同級生によっていじめられ、孤立する可能性があると言う。


「日本では、誰かが突出して目立つとき標的にされたりいじめられたりするという頭に焼き付いたイメージがあります」と彼女は言った。「それで人々は目立たないことを学びます。そして若者はこれを生き残る手段と悟ります。教師は個性について話しますが、それでも人々の独自性は打ち砕かれます。」


日本企業では、特に会議で、そして特に女性の場合、発言するのが怖いという雰囲気をよく引き起こすと同志社大の教授や野津は言った。


学校ではそれは髪の毛の色にとどまらない。長崎市では238の公立学校のほぼ60%が生徒に白い下着の着用を求めているとNHKは報じた。ある生徒が、体育の授業で着替えるときに教師が生徒の下着を定期的に調べると局のキャスターに教える。


福岡では弁護士協会によって調べた69校のうち57校に下着の色について校則があったと朝日新聞は報じた。伝えるところによれば、中には校則を破った場合、生徒に下着を脱ぐように求めた学校もある。


けれども、変化への圧力は高まっている。


クラスの男子とデートすることで校則を破ったあと、「自発的に退学する」よう求めることで権力を濫用したとして若い日本人女性が東京の高校に対して訴訟を起こした。彼女は卒業までわずか数ヶ月だったが、中退を強いられたと感じたとJAPAN TODAYは報じた。

https://japantoday.com/category/national/girl-sues-tokyo-high-school-that-made-her-drop-out-for-breaking-no-dating-rule


2018年に大阪が最初に裁判ざたになったとき、ストップいじめ!ナビ副代表の須永祐慈は憤慨のあまり「極端な校則をやめろ」キャンペーンを開始する手助けをして政府に行動を起こすことを求める請願に6万人の署名を集めた。


校則は必然的に伴う区別(差別待遇)だけでなくセクシャル・ハラスメントにもつながる可能性があると彼は述べている。厳格な同一基準に一致する方針は貧しい両親に経済的負担を負わせる。子どもたちに全部の教科書を家に持ち帰ることを要求する校則は再び問題を引き起こす可能性がある。そして防寒着やスカーフを禁じる校則もまた子供の健康を傷つける可能性がある。中には自殺に追いやられる子供たちがいるかもしれないと彼は述べる。


「校則のために子どもたち自身が誰もが同様に守る必要があるという対等の立場の圧力をかける、そしてこれは強迫観念のように成人期まで続きます」と彼は言った。


「子どもたちの自尊心は急激に落ち込んでおり、場合によっては自尊心が打ちのめされて生きる意欲を失っています」と彼は言った。


https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-hair-school-rules/2021/03/13/7a15b59e-7b5e-11eb-8c5e-32e47b42b51b_story.html



△朝日新聞より

茶髪を黒く染めるよう繰り返し指導され、精神的苦痛を受けたとして大阪府立高校の元女子生徒(21)が府を相手取り、慰謝料など約220万円を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は黒染め指導によって生徒が不登校となった後、学級名簿に名前を載せなかった学校側の行為などを「著しく相当性を欠く」と指摘して違法と認定し、府側に33万円の賠償を命じた。

判決によると、生徒は2015年4月に入学。同校の「パーマ・染色・脱色・エクステは禁止する」との校則があり、教諭らは生徒に対し、黒く染めるように繰り返し指導。「黒染めが不十分だ」として授業への出席や修学旅行への参加を認めないこともあり、それによって生徒は不登校になった。

判決は、不登校になった生徒が3年生に進級した際、学校側が教室に生徒の席を置かなかったり、学級名簿に名前を載せなかったりした行為について「生徒は意気消沈し、教員らに不信感を募らせ、卒業まで高校に行けない状態が続いた」などと指摘。「生徒に与える心理的打撃を考慮せず、著しく相当性を欠く」などとして、不登校のきっかけとなった頭髪指導に違法性がないことを考慮しても学校側の裁量を逸脱して違法だとした。

https://www.asahi.com/articles/ASP2J4F36P2JPTIL00N.html