見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2021/08/17

パティ・スミスの M Train

 


今朝はベルベットの“Sunday Morning”を聴いて
ルー・リードがこの世を去った瞬間についてローリー・アンダーソンが語っていたことに思いを馳せました

「彼は日曜の朝、木立を見つめつつ、ミュージシャンの手を宙で動かし太極拳の有名な21形式を行いながら、息を引き取りました」

「ルー・リードはファイターだった」とも

ついこのあいだヘブンに旅立ったわたしの友人も気合の入った「ファイター」でした 
仕事もそうだけど、遊び方がしゃれていた…


下記は、そんな朝に目についた記事です


◇パティ・スミスの特に好きなもの

伝説のミュージシャンであり作家である彼女がいくつか寵愛するものについて話します


ウォールストリートジャーナル Aug. 1, 2016 by Patti Smith


「それはポラロイド・ランド250。ハリケーン・サンディの直前にロッカウェイビーチで同類のカメラをなくしたの。わたしは60年代から断続的に写真を撮ってきているけど、夫が亡くなった後、1990年代半ばにいっそう多くの写真を撮り始めた。左端に1927年マーティン・パーラーギターがある。わたしたちのバンドで数年間演奏した詩人のオリバー・レイからもらったものよ。1967年、わたしの21歳の誕生日にロバート・メイプルソープがタンバリンを作ってくれた。山羊の革をピンと伸ばしリボンを結んで山羊座のシンボルを入れ墨してある。リボンは色あせているけど、今でもとてもしっかりしている。手描きの木箱の上でくつろぎを得ている。木箱はね、娘が亡き父との結婚30年の記念日にわたしにくれたもの。わたしは留めておくものを替えるの。ちょうど今は他のものにまじってロバートの鉛筆削りや夫のギターカポ、小さな川石などがある。老眼鏡はわたしにとってとても貴重よ、本はわたしの人生の中心で、メガネなしには読むことができなかった!これはÉtienne Carjatが撮影したシャルル・ボードレールの珍しい名刺代わりの写真(carte-de-visite)、わたしがパリで買ったの。わたしの朗読またはレクチャーの報酬の一部または全部をなにかを買うことに費やすのが好き。父の誕生日のためにロンドンのチャールズ・ディケンズの家で磁器のコーヒーカップを買った。父はイギリス人だったので大事にしてくれた。それは死ぬまで彼のコーヒーカップだったのよ。鉛筆はスペインに住んでいるわたしの友人からの贈り物です。鉛筆は作家の最も謙虚な道具。わたしは最初ぜんぶ手書き文字で書くの。この本はジェームズ・ジョイスが緑色のインクでサインしたフィネガンズ・ウェイクの初版よ。ほとんど読めないけどオブジェクトとしてそれは美しい。真ん中のチェーンは1978年の誕生日にわたしが兄のトッドにあげたIDブレスレット。トッドはね、巡業中のわたしのツアーマネージャーだった。わたしたちには ‘Because the Night’のヒットソングがあって、祝うべきすべてを象徴するために彼にそれを買った。これら全部がそれぞれ記憶のすべて。どれもみな誰かのことを物語る。」


パティ・スミスの回想録“M Train”は、8月23日にペーパーバックで出版される。


https://www.wsj.com/articles/patti-smiths-favorite-things-1470069472


△日本では2020年11月24日に河出書房新社から「Mトレイン」として翻訳本が出版されている。現在、オンライン書店で購入可能。

ニューヨークのパンクシーンでデビューした彼女は“パンクの女王”として知られており、写真家メイプルソープとの出会いと別れ、カウンターカルチャーの天才たち、Wバロウズ、ギンズバーグとの交流を描いた初のエッセイ「ジャスト・キッズ」(2012年12月発売)は全米図書賞ノンフィクション部門を受賞している。