見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2008/05/10

カンヌ2008



61回目となるカンヌ映画祭が今年も5月14日から開幕する。オープニング作品は4月30日コンペティション部門で追加発表された3本のうちの一本、ブラジルのフェルナンド・メイレレス監督の「ブラインドネス」だ。
この映画は住人が次々と視力を失う街を描いたサスペンスで、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローヴァーらが出演している。フェルナンド・メイレレスはアカデミー賞にノミネートされた「シティ・オブ・ゴッド」や「ナイロビの蜂」の監督だし、「コラテラル」や「ゾディアック」で印象的だったマーク・ラファロも変に惹かれる役者なので楽しみである。
他にも見所は多い。計20本のコンペティション部門の出品作品には、クリント・イーストウッドのサスペンス「Changeling」、スティーヴン・ソダーバーグのエルネスト・チェ・ゲバラの人生と彼が生きた時代を描いた「Che」がある。ゲバラの映画は2部構成で上映時間4時間の大作。主演はソダーバーグの2000年のヒット作「トラフィック」にも出演しているベニチオ・デル・トロだ。彼もまた魅力的な役者だ。
そしてコンペ部門にはカンヌ常連のウッディ・アレン作品、スペインを舞台にした「Vicky Cristina Barcelona」も含まれる。出演者はペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、そしてハビエル・バルデムだ。
さらに、エミール・クストリッツァがディエゴ・マラドーナを描いた作品「マラドーナ」を、ジェームズ・トバックがマイク・タイソンを描いた作品を出品する。
おまけに今年のカンヌの審査委員長は俳優のショーン・ペンなのだ。

◇これが「ウンザウンザ・ミュージック」だ!
「アンダーグラウンド」や「黒猫・白猫」などで映画界に衝撃をあたえ、世界3大映画祭を制した異色の映画監督エミール・クストリッツァが率いるバンドがノー・スモーキング・オーケストラ。彼らは旧ユーゴスラビアの共産主義に異議を唱え、警察の検閲などにあいながらも、体制に埋没することなく活動を続けてきた。いまや彼ら独自の音楽「Unza Unza(ウンザウンザ)・ミュージック」を引っさげ、フランス、イタリア、ドイツなどヨーロッパで絶大な人気を誇り、世界90カ国、500を超えるライブで「ミラクル」な大成功をおさめている。ボーカルのドクトル・ネレ・カライチによれば、「ウンザウンザ・ミュージック」とはバルカン諸国を発祥とした四分の二拍子に凝縮された「レゲエ以降に生まれた最も重要な音楽」ということで、独特のアップテンポの2ビートに乗せたジャズ、ラテン、スカ、ハードロック、そしてジプシーミュージックなどのすべてを混ぜ込んだロックサウンド。旧体勢に拳を振り上げ、無秩序に拡大を続けるグローバリゼーションに警鐘を鳴らす、彼らのライブがついに日本にやってくる。
2008年6月26日(木)開場18:00 開演19:00 東京ドームシティ内 JCBホールにて(チケット発売中)

◇ノー・スモーキング・オーケストラ
現リーダーのネレ・カライチが結成したバンド「ザブランイェノ・プシェニェ」から始まった。当時、彼らは音楽界における「新プリミティブ主義」の旗手となる。新プリミティブ主義とは、ポスト・チトー政権体制の時代に誕生した文化における反体制ムーブメントだった。
検閲やらなにやらでどん底状態にあったバンドに映画監督のエミール・クストリッツァが加わるのは1986年、彼が映画「パパは、出張中!」でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した翌年だった。新メンバーとともに3枚目のアルバムを発表、エミール・クストリッツァがその中の一曲のミュージックヴィデオを撮影するが、当時の彼の名声をもってしても、映像はユーゴの国で一度も放映されることはなかった。
1994年、バンドは活動の拠点をベオグラードへ移して「ノー・スモーキング・オーケストラ」と改名する。
メンバー編成は、ボーカル、ギター、アコーデオン、ベース、バイオリン、チューバ、ドラム、サックスの11人。1998年には、エミール・クストリッツア監督の「黒猫・白猫」(ヴェネチア映画祭銀獅子賞受賞)の映画音楽を担当する。
1999年以降、バンド名を正式に「エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラ」とし、定期的に海外ツアーを行って複数のアルバムをレコーディングする。2001年のアルバム「ウンザ・ウンザ・タイム」が世界的に話題を集めて一躍注目を集めることになった。

写真は、エミール・クストリッツァのディエゴ・マラドーナを描いた作品「マラドーナ」の公式サイトよりいただきました。監督とマラドーナ、そしてマラドーナの右腕のタトゥーはチェ・ゲバラです。
写真はクリックすると拡大版で見ることができます。