見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

June 18, 2008

人間が原因の地震



◇コロンビア大学「ラモントドハティー地球科学研究所」で地質災害を研究するクリスチャン・クローゼは「人間が原因で地震が発生するのはわかっている、そしてそれはごくありふれたこと」だと話す。イギリスで記録された地震のおよそ25%が人間によって引き起こされたものだと彼は推測する。

「人間が原因の地震」はその大半が震度4に満たない小さな地震だ(日本の震度基準ではなく、ヨーロッパで使われるEMSという12段階の震度基準)。こうした地震は石炭やカリを大量に採掘するといった人間の行為なしには起こらなかった。たとえば、6人の死者を出した2007年のユタ州クランドールキャニオンの炭坑での落盤事故のような、鉱山の天盤が崩壊したときなどにこれは起きた。

だが人間の行為がはるかに大規模な自然の断層の境界で地震を引き起こすこともあり得る。人間には巨大マシーンの力を借りて地球の地殻内の応力パターンを変化させるほど質量を動かすことが可能だからだ。そうなると、百万年地震を起こさなかった断層でも、突然地震を起こすことがある。

オーストラリアで初の死者を出した1989年のニューカッスル地震(マグニチュード5.6、死者13人)がそのようにして起こった地震だとクローゼは主張する。クローゼは「炭鉱の採掘とそれにともなう大量の地下水の喪失がニューカッスルの地下断層に刺激を与えたことで地震は起きた」と述べている(ABCニュースの記事による)。

人為的な地震を引き起こすのに質量を変動させることが効果的だと判明している。ダムだとか、原油やガスの採掘、または鉱物の採掘などで、この種の地震は引き起こされる。

・ダム建設

水は空気より重いため、ダムの谷間に水がたまると水の下の地殻にかかる応力に大きな変化が生じる。たとえば、アメリカの巨大ダム、フーバーダムの周辺ではそのミード湖に放水されて以来、何百と地震が起きている。ダムが原因で起きた地震の例はほかにも多数あり、クローゼの研究によると、人為的な地震の約3分の1が貯水池建設によるものと考えられる。5月12日、中国四川省を襲った大地震(マグニチュード7.9)では、三峡ダムへの貯水が原因ではないかとの懸念が浮上している(PROBE INTERNATIONALの記事)が、これについて今のところ確証は得られていない。

・地中への液体注入

米国陸軍は1961年、ナパームの製造その他で生じる有毒廃棄物を処理する最善の方法は、ロッキー山脈に深さ約3700メートルの井戸を掘って廃液を地球の地殻内に注入することだと考えた。(ロッキーマウンテン兵器工場はナパーム、サリン、VXガスなど大量の軍用化学兵器を製造していたほか、米国最大の化学兵器貯蔵施設でもあり、全米の化学兵器を廃棄する設備として利用された。)

1962年から66年にかけて、陸軍は約6億2500万リットルの有毒廃棄物を地球にあけたこの穴に注いだ。だが残念ながら、この注入作業が原因と見られる地震が周辺地域に頻発し、陸軍は廃棄を停止した(1962年春からおよそ1カ月に数10回から多いときで60回以上の地震が頻発したデンバー地震のこと。当初、廃液注入が原因との見方は否定されたものの、注入を止めると地震は起きなくなった。)

これについて地震学者デイヴ・ウォルニーは、「深い井戸への注入は、その下の岩盤にかかる応力を変化させることになり、どこかの時点でその応力を解放するのに地震が引き起こされる」と説明する。

コロンビア大のクローゼは、二酸化炭素貯留(石炭を燃料とする発電所で回収し圧縮した二酸化炭素を、地下の貯留場所へ注入する方法)もまた地震を引き起こす可能性があり、あらに悪いのは、この場所が人口密集地域に近いことだと懸念を表す。

・大量の石炭採掘

米国では電力の半分以上を石炭でまかなっており、中国ではこの割合がさらに大きい。これはいま現在も、化石燃料を地球からせっせと掘り出している炭鉱が多数存在することを意味している。

2006年だけで、合計61億9500万トンの石炭が採掘された。また、炭鉱では石炭といっしょに水をくみ出すことが多く、場合によると、石炭の何10倍もの水がくみ上げられる。両方合わせると、その地域では大きな質量が変動することになる。

大規模な質量変動はその地域の地震応力を変化させ、それが地震を引き起こす引き金になる。クローゼの研究は、記録に残る「人間が原因の地震」の50%以上が、採掘によるものであることを説明する。

・原油や天然ガスの採取

「人間が原因の地震」のうち、最大の3件(どれもマグニチュード6.8以上)は、ウズベキスタン共和国のガズリ天然ガス田近くで起きている。

ロシアの研究チームが行なった大規模な分析によると、「炭化水素の採取と地震活動との関連性についてはほとんど疑いの余地はないが、厳密にどの程度関連があるかはまだわかっていない。」研究チームは、地殻活動がすでに活発な地域では、原油や天然ガスの採取が強い地震の引き金になる可能性があると警告する。

・世界最大規模の建築物

ある地質学者が2005年、当時世界一の高層ビルだった「台北101」(地上101階、地下5階、高さ508メートルの台北国際金融センター)について、重量70万トン超のこの建築物が、これまで長期間活動を休止していた台湾の断層に地震を起こさせたと主張した。

クローゼはこれには懐疑的だが、建築物が地震の原因になる可能性はゼロではないと述べる。だがそのためには目下建設中の世界一の高層ビル「ブルジュ・ドバイ」をはるかにしのぐ必要がある。

ひょっとすると、「地殻戦争」などというのもありかもしれない。世界一重量のある建物をカリフォルニアの荒野にでもこっそり建設して、ゆっくりと、だが確実にカリフォルニアの危険な断層に負荷をかけていくのだ。

(WIRED SCIENCE 04 June 2008)

写真はアメリカのフーバーダムと、その規模5キロ×7キロメートルのドイツのエルスドルフ炭鉱、いずれもWIRED SCIENCEより

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