軍・最高裁・議会が大統領を追放
◇大統領のプラン、2期目に立候補できるように憲法を改正するための国民投票をめぐる権力闘争の後、ホンジュラスの軍隊がマヌエル・セラヤ大統領官邸を急襲して彼を追い出した。(写真:BBC NEWS 29 June 2009)
◇ホンジュラスでクーデター
中米ホンジュラスで28日未明、国軍がセラヤ大統領を国外追放するクーデターが発生した。
セラヤ氏は大統領機でコスタリカの首都サンホセに到着。同地で会見し、国際社会に対して支持を訴えた。その日のうちにコスタリカのアリアス大統領とともに、ニカラグアでの中米統合機構(SICA)の首脳会議に向かった。
(日本経済新聞 2009年6月29日)
◇中米ホンジュラスでホセ・マヌエル・セラヤ大統領(56)が28日朝、首都テグシガルバで同軍に拘束され中米コスタリカに追放された。事実上のクーデターとみられる。
セラヤ大統領は同国が憲法で定められた大統領任期4年の改正を図るため、憲法改正の投票を同日に行うことになっていた。国民投票日の同日、軍に拘束され首都テグシガルパ郊外の空軍基地に連行され、その後セラヤ大統領はコスタリカのサンホセに移送されたとロイターが報じた。セラヤ大統領はサンホセ国際空港で記者会見し政治的陰謀と非難、自分はまだホンジュラスの大統領だと主張した。
ホンジュラスでは大統領の再選が禁止されていたが、セラヤ大統領は憲法を改正し再選を目指した。それに対して軍や裁判所が反対を表明し政治的な対立が続いていた。国民投票については野党だけでなく与党からも強い非難の声が上がっていた。最高裁や選管当局は違法と認定していたが大統領は強行突破を図ろうとしていた。
首都テグシガルパでは大統領支持者が抗議行動を起こしデモを行っているが、警察は催涙ガスなどで鎮圧を図っている。セラヤ大統領は当初保守として当選していたがその後、公民投票で憲法を改正して再選を可能にしたベネズエラのチャベス大統領ら中南米の左派勢力と関係を強めていた。セラヤ大統領の盟友でもあるベネズエラのチャベス大統領は、自国軍に警戒態勢をとらせていることを表明した。
(IBTimes 2009年6月29日)
◇大統領は中南米向けスペイン語放送局テレスルに対し、「発砲すると脅され、寝間着のまま飛行機に乗せられた。軍がわたしを裏切った」などと言明。自分は今も大統領だと主張し、国民に対して非暴力と対話による平和的な事態収拾を呼び掛けた。
現地からの報道では、大統領の連行後、軍兵士が装甲車や戦車で大統領官邸を包囲。空軍機が首都上空を旋回しているという。ロイター通信によると、テグシガルパ中心部で抗議行動をしていたデモ隊に警察が催涙ガスを発射するなど、各地で緊張が高まっている。
(時事通信 2009年6月29日)
◇中米ホンジュラスで28日、大統領再選を可能にする憲法改正をめぐって軍や国会と対立していたセラヤ大統領が国外へ追放され、国会はミチェレッティ議長を暫定大統領に任命した。セラヤ氏は移送先のコスタリカで、執務の続行を表明している。
国会では同日、セラヤ氏が書いたとされる辞表が読み上げられ、大統領の解任が可決された。
一方、セラヤ氏はコスタリカでCNNとのインタビューに応じ、辞表は書いていないと主張。中米諸国の首脳会議に出席するため、予定通りニカラグアへ向かうと述べた。同氏は28日朝、武装した兵士らによって自宅から「拉致」され、強制的に出国させられたとしている。さらに、ロダス外相も軍に拘束されたと話している。
ミチェレッティ氏は同日夜、「無期限の」外出禁止令を発令したと述べた。国会議事堂周辺にはセラヤ氏の支持者らが集まって抗議しているが、大きな混乱には至っていない。
セラヤ政権と友好関係にあるベネズエラやボリビアは、同氏の追放を非難する声明を発表。オバマ米大統領は「深い懸念」を表明し、「外部からの干渉を受けることなく、対話によって平和的に解決されなければならない」と強調した。
セラヤ氏は、大統領の再選を禁止する憲法の改正を目指し、制憲議会開催の是非を問う国民投票を28日に計画していた。最高裁は国民投票を違法と判断し、軍と議会もこれに同調。投票を強行しようとするセラヤ氏との間で、先週から緊張が高まっていた。
(CNN 29 June 2009)
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