見つけた 犬としあわせ

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2009/07/31

オークステルダム大学



どこだろうとアメリカに行った際には本屋に駆け込んで「HIGH TIMES」を買ったものだ。雑誌の写真は圧倒的だったからで、たとえばウィリアム・バロウズといった、かなりヘンテコなアーティストへの独占インタヴュー記事なんかもあったからだ。
さて、そのマリワナ雑誌ハイタイムズ(HIGH TIMES)が2009年の3月号で創刊400号だと おめでとう!

ところで、「オークステルダム」運動って知ってる?

アメリカオークランドのダウンタウンをオランダのアムステルダムのようなマリワナ解放区にしよう!という運動のことで、まずは、アムスのようなコーヒーショップ(いろいろな銘柄のマリワナ・メニューがあって、価格とにらめっこしながらスティッキーなNo.1選びができるというもの)が開店し、さらにマリワナビジネスを始めたい人のためのオークステルダム大学が開校してマリワナの医学的知識や法律や、ハッパの育て方まで学べることになった。ワオー!

背景には、1996年にカリフォルニア州民の投票で医療用マリワナの合法化が認められたことがある。マリワナには肉体的苦痛や精神的ストレスを緩和するクスリとしての効能があることが知られてきており、やっと、正々堂々とこれを使うことが認められたのだ。ガンやエイズ、鬱病、PTSD、不眠症などの患者は、医師の診断でマリワナ使用許可証を得れば、合法的にマリワナを購入できる。緑内障なんかにも効果があるそうだし、末期の患者にはなにより必要なものかもしれない。

そしてついこのあいだ、7月21日にオークランドの住民投票で8割の人がマリワナへの課税に賛成票を投じた。カリフォルニアの経済破綻を救うのにマリワナ商売をオモテ経済にして課税しようとの議員立法が提出されてもいて、いまこれに大きなスポットライトが当てられているのはご存じの通り。

オークランドとは桁違いの250億ドル(約2兆3700億円)の大赤字を抱えるカリフォルニア州で消費されるマリワナは、合法、非合法を合わせて推定年間2600万オンス。前述のマリワナ合法化・課税法案を提出した民主党の下院議員トム・アミアーノは、マリファナ1オンス(約28グラム)につき50ドル課税すれば、年に13億ドルの税収になり、しかも完全合法化によって犯罪組織による地下に潜った闇市場も一掃できると言っている。ちなみに、オークランド市ではマリワナに1.8%課税することを検討している。

ただし、アメリカ合衆国のマリワナ合法化には道は遠い。連邦法ではあくまでマリワナは違法。カリフォルニア州から正式に営業許可を受けた販売業者でも連邦の麻薬取締局に逮捕されるという事態が生じている。「オークステルダム」でも、それで潰れたヘッドショップが多いらしい。

中毒ゼロが確認されているマリワナの解禁に国が反対を固辞するのは、労働意欲が失せて非生産的になる、バカバカしいことをしたくなくなる、などがあるからではないか。60年代のヒッピーみたいに、できるかぎり自給自足して物欲がなく自然に暮らす国民ばかりになったら国としてそれは大変だろう。武器を花に持ち替えて、争わない人ばかりになるのは、アメリカにはよほど怖いことのはずーー。

◇オークランドの学校はポットクラブのプロ

教育用のカンナビスが5本。充血した目の学生はいない。これまでとは全く違った職業専門学校が開校した。

カリフォルニア州オークランドにあるオークステルダム大学では、カリフォルニアで盛んになりつつある医療カンナビス産業で仕事をしようとしている人たちに高度な教育を提供している。

200ドルの授業料を払い2冊の教科書を別途購入した学生たちは、カンナビスの栽培法や調理法、さらに、どの品種がどの病気に適しているかといったことや連邦政府の目からは違法とみられるこのビジネスの法的問題についても講義を受ける。

学校を設立したのは医療カンナビス販売薬局のオーナーで活動家としても知られるリチャード・リー(45)で、「このアイディアの基本はカンナビス産業をプロの産業に育ててビールやウイスキーを扱っているようなきちんとした産業にすること」 だと述べる。学校は昨年秋にオークランドのダウンタウンの商業地区に開校した。

2日間の週末の基本コースを終了した学生は今までに60人、予約は5月まで満杯状態だ。授業が終了すると学生には自宅で行うテストが渡されて最も成績優秀な人には 「トップスコア」 で卒業したことを示す卒業証書が授与される。

学校の目玉は園芸実習、その前に法律や政治についての講義が行われる。授業では、栽培や起業を計画している人たち、政治活動家ら20人が、2つの法律の講義と特別招聘された教授による歴史の講義を受けていた。

実習室ではオーナーのリー講師が肥料の分量の決め方や専用の照明器具、送風機、エアフィルターなどの設置方法の常識について説明していた。学生たちはここで教わった知識をもとに、愉しみや健康や公共サービス、利益などを求めて、自宅でカンナビス栽培ができるようになる。

学生たちはハッパの収穫方法や一番おいしい芽の部分(バッズ)をきれいに整えるクリッピングについて説明を受けていた。どうしたらダメージを与えないで余分の葉をクリッピングできるかの手ほどきを直接受けられる。また、リー講師は土を使わない水耕栽培の利点をあげて、栄養成分調合済みの肥料を利用するのがベストだと思うと話していた。

ジェフ・サンダース(52)は、2003年以来ずっと医療用カンナビスを購入していたが、わざわざサンフランシスコまで行くのも大変で費用もかさむため、地元サンジョーキンバレーに薬局販売店をオープンしたいと言う。「コミュニティに恩返しすることにもなるし、とてもよいことだと思っている」と。

パトリック・オションネッシー(37)は、以前はカンナビスをたまに使う程度だったが、1年ほど前から慢性の偏頭痛とウツや不安を治療するため毎日使うようになった。だが、薬局販売店では自分の症状に合う品種がよく品切れで手に入らないことがあり、今回授業を受けてみて自分で栽培したほうがいいとますます確信するようになったと言う。

「オークステルダム」 という名前は一種の愛称で、カリフォルニアでは最も早くから医療カンナビス販売店が根付いたオークランドと、カナビスの使用が容認されているオランダのアムステルダムを合わせてそう呼ばれるようになった。

オークステルダムではいっとき15軒以上のクラブとコーヒーショップでカンナビスを販売していたが、数年前に市がライセンスを発行して税金を徴収するようになってから4軒だけになっている。

カリフォルニアは医師のお墨付きをもらう患者が医療カンナビスを使用することが1996年に最初に合法化された州で、以来、10以上の州でも同じような州法が成立している。

カリフォルニアでは特に患者数や販売店の数が多いこともあって、連邦当局の強制捜査もたびたび行われてきている。だが、常に訴追の恐れがつきまとっているにもかかわらず、好みのカンナビスを選んで購入できる販売店やクラブや協同組合は増え続けてきており、支援グループは現在300〜400に達している。

リー校長によれば、販売店の新入り従業員の給料は最低賃金並みだが、ハッパの芽の説明ができて患者の相談にのれる 「バッズ(芽)テンダー」 の場合は年収5万ドルを超え、店長クラスでは10万ドルを下らないと言うことだ。

連邦麻薬局(DEA)サンフランシスコ事務所の捜査官代理マイケル・チャップマンは、当局側もオークステルダム大学のことは承知しているが閉鎖する理由がないと言う。カンナビスについて教えること自体は違法でもなんでもないし、たとえ少量のカンナビスがあったところで、もっと大きな違反行為を対象にしているDEAの対象にはならないと言っている。

(AP通信 25 Feb 2008より抜粋)

写真はオークステルダム大学の校章 サイトはこちらから↓
http://www.cannabis-studyhouse.com/21_medical_practice/36_oakstrdam_university/oakstrdam_university.html