教科書から「ナクバ」が消える
◇イスラエルがアラビア語の教科書から1948年の「カタストロフィー(大災害)」を削除する
by マッティ・フリードマン(AP通信のライター)
(エルサレム):イスラエル政府はアラブ人学童のための教科書からイスラエル創設についてパレスチナ人が「大災害(破滅)」と呼ぶものの論及を削除するつもりだと水曜、文部大臣が述べた。
パレスチナ人が1948年イスラエルの創設に従事する戦争での彼らの敗北と追放を呼ぶ、アラビア語の大災害の言葉、「ナクバ」の論及は2007年にイスラエルのハト派の文部大臣によって書き入れられた。
そのフレーズは60年経っても異論のあるままでイスラエルで永続する意見の不一致のきざしだ。イスラエルのアラブ人の多くが、ヨルダン川西岸とガザのパレスチナの片割れたちと政治的に行動を共にする。結果として、あるイスラエルのユダヤ人らは国家に対する不信行為でイスラエルのアラブ人を告発する。
ベンジャミン・ネタニヤフと強行路線のリクード党によって率いられるイスラエルの現政権には、忠誠の宣誓を命じるかイスラエルから追い払ってまでもイスラエルのアラブ人を摘発するのに賛成する仲間が含まれる。
「公式のカリキュラムでイスラエル建国の事実をカタストロフィーとして扱う国は世界に他にない」と水曜、ギデオン・ザール文部大臣がイスラエル議会に明言した。
イスラエルのアラブ人議員ハナ・スウェイドは、政府の「ナクバ否認」を非難した。
「イスラエル国家のパレスチナ系アラブ人市民のアイデンティティ(主体性、独自性)と、彼らの記憶、主体性に対する遵守への重大な攻撃だ」と彼はAP通信に明言した。
戦争の間にパレスチナ人に降りかかった個人と国家の悲劇について教師が討論するのは自由であるとザールは言った、だが教科書はその言葉を削除するため改訂されると付け加えた。
この決定はアラブ人学童の3年生の教科書に適用された。ユダヤ人の教科書はこの言葉を取り立てて言わない。
ハト派のサリド元文部大臣はザールの決定は自信のなさを示したと言った。
「シオニズムはすでにいろいろに勝利してきている、もっと自信を持つ余裕がある。私たちは言葉を恐れる必要などない」とサリドは述べた。
1948年戦争は、英国に支配されるパレスチナの領土をユダヤの領土とアラブの領土に分割すると国連が決めた後、新たに建設されるユダヤの国をアラブ諸国が侵略するのを予見した。ユダヤの軍勢が勝利して国連がユダヤ人に割りあてていた分を超えた領土を奪う、その間、国連がパレスチナ人の領土にするつもりで残していたものをエジプトとヨルダンがぶんどった。
70万人以上のパレスチナ人がイスラエルに支配されるエリアから逃れるか追放されたとみなされる。
建国に関する公式のイスラエルの歴史、特に学童のために書かれたものは、典型的にイスラエル軍の武勇に集中させていてパレスチナ人との戦いを巧みに言い抜けてきている。そして言及があったとしても、大規模追放は自発的脱出であるとする。
近年、幾人かのイスラエル人歴史家が、多くのパレスチナ人が自発的に逃れたとはいえ、他の多くが戦いが猛威をふるったとき自分の家から追い立てられたとはっきり主張する本を出版してきている。
パレスチナ人は生き残った難民と400万人以上の子孫をイスラエルの元々の故国に帰還させる権利を要求する。
イスラエルは、難民は賠償金を受け取って今住むところかパレスチナの領土に再定住すべきだと言って、この要求を拒絶する。
イスラエル内にとどまるアラブ人はイスラエルの人口730万人の約20%を構成する。
(マーキュリーニュース 22 July 2009)
写真は、2009年7月22日水曜日、ハマスのサマーキャンプに出席するパレスチナ人の子どもたちが、ガザ地区北部ジェバリヤの破壊された家屋の瓦礫の上に立ちながら、イスラエルのガザ封鎖に抗議する。
戦闘的なハマスが2007年6月にガザで権力を握って以降、イスラエルと隣国エジプトがガザに封鎖を続けさせている。
(AP Photo/Khalil Hamra)
http://www.mercurynews.com/breakingnews/ci_12889908?nclick_check=1&forced=true
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