見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

July 20, 2009

世界に知らせる人がいない



◇人権団体メモリアル チェチェン活動停止

ロシアの人権団体メモリアルが団体の突出した活動家ナタリア・エステミロワの殺害を受けてチェチェンでの活動を停止してきている。

「たとえいつでも仕事を続ける準備ができていようとも、同僚の命を危険にさらすことはできない」とメモリアルの上級メンバー、アレクサンダー・チェルカソフは言った。

◇メモリアル チェチェン支部オレグ・オルロフ:
彼女を殺したのはチェチェンで起きていることが外に漏れるのを嫌う者たちだ。殺せとカディロフが直接命じたかどうかは知らないが、最近、メモリアルが攻撃された。チェチェンの人権問題代表とやらのヌルジ・ナウハジエフによる攻撃だった。

彼はグローズヌイの支部長を呼んで言った。「メモリアルの活動は政府のお気に召さない。仕方なく君たちをおおやけに非難するしかない、メモリアルの安全を確保する方法はそれしかない」と。

それが間に合わなかった。ナターシャ(エステミロワ)の最後の報告の一つは、アフチムチャーボルゾイ村で人々が誘拐されており、そのうちのひとりがその後公開処刑されたというもの。これが報じられたことにカディロフは怒りを爆発させていた。

エステミロワが殺害された7月15日、「チェチェンにおける戦争犯罪でロシア指導部を告訴する展望」という本のプレゼンテーションが行われた。

http://www.svobodanews.ru/content/article/1777792.html

◇リバティ アンドレイ・バビツキー:
チェチェンでは、生存権、拷問されない権利、誘拐されない権利、銃殺されない権利というものを守り抜かねば生きていられないし、権力や取締機関との関係で用心深さが必要なのにそれをまったくもっていないのがナターシャだった。

グローズヌイで誘拐をできるのはそうたくさんはいない、カディロフの許可なしにそんなことはできない、となるとカディロフの手の者か、ロシアの特務機関かどちらかの仕業でしかない。チェチェンとロシア当局をはっきりわけて考えたことはない。チェチェンはロシアの欠かすことのできない一部をなしており、この二つは一国のなかで行動している。今まで当局は人権活動家には手を出さないでいた。

プーチンはポリトコフスカヤの死について「彼女のジャーナリストとしての活動よりこの死がロシアにもたらした損害のほうがはるかに大きい」と言ったが、あれはまっかなウソだ。チェチェンで起きている犯罪行為の数々が暴かれ、公表されていることによって、ロシアの取締機関は彼らが望んでいるようには動けないでいた。だが、今回の殺害で、そのブレーキがはずされてしまった。 

今回の殺害事件は状況を根本的に変えてしまう。チェチェンで行われている犯罪行為についての最後の情報源だった人権活動家が殺されたのだ。国際社会はこのことに目を向けるべきだ。おそろしい犯罪について伝える者がいなくなる。超えてはならない一線を越えてしまう事件が起きてしまった。

◇ノーヴァヤ・ガゼータ紙 ムラトフ編集長:

ナターシャと最後に会ったのは、マルケーロフ弁護士とバブーロワが殺されたとき、「ナターシャ、チェチェンから逃げろ!とにかく早く!」と言ったとき、彼女はそのことはわかっていると言った。 

わが国には憲法が無効な特別区がある、そこでは何でもありだ。金と成果は 憲法より上にある。ナターシャは国益より人間の命のほうがはるかに大事だと考えていた。私もそう考える。私はチェチェンでの仕事をあきらめた。ノーヴァヤの社員を死なせるわけにはいかない。「ノーヴァヤはチェチェンではもう動かない」と正直に言ったが、残念ながら徹底的にチェチェンと手を切れない。

ナターシャは誠実に当局にも協力していて、チェチェンの反体制派などというのではない。つまりチェチェン当局の随行とともにスタヴロポリ地方に行く用意をしていた。そこで収容所にいるチェチェン人のことを調べるつもりだった。彼女にとって権力者が誰なのかは二の次で、とにかく人間の尊厳を守ろうとしているだけだった。カディロフが協力を要請し、彼女はカディロフと仕事をした。

監獄の状況を視察したのだ。ナターシャは政治活動をしてたのではなく、ひとり一人の具体的な運命を問題にしていた。私たちは殺人犯を見つけられないだろう。民主主義には幾つか段階があって、殺しが許されない段階の地域もあれば、殺しも許される段階の民主主義を体験している地域もあるなどというのはナンセンスだ。 

◇アムネスティインターナショナル発表の国際ニュースより

アムネスティインターナショナルは、北コーカサス地域の問題に取り組む人権活動家であり、アムネスティの長年の友人であったナタリア・エステミロワが本日殺害されたことに、強く非難する。

「ナタリア・エステミロワの殺害は、ロシアおよびチェチェン当局が、加害者に刑罰を与えず免責を続けてきた結果だ」と、アムネスティインターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は述べた。

「ロシア、特に北コーカサスにおける人権侵害をこれ以上無視することはできない。人権のために立ち上がった人びとは保護を必要としている。」

「事件はロシアの市民社会を窒息させようとする企ての一部であり、北コーカサス地域の不安定さを浮き彫りにしている。」

「ナタリア・エステミロワは、いかなるときも他者の人権を守ろうとした、最も勇気ある、素晴らしい女性だった。エステミロワは私たちにとってかけがえのない人であり、友人だった」とアイリーン・カーンは語った。

チェチェンのグロズヌイで活動するロシアのNGO「メモリアル」の中心的活動家のひとりだったナタリア・エステミロワは、現地時間の15日午前8時半に誘拐された。彼女は白いクルマ(VAZ-2107)の中に引きずり込まれ、クルマはどこかに走り去った。目撃者によると、ナタリア・エステミロワは誘拐されたとき叫び声をあげていた。

ナタリア・エステミロワは2000年に第2次チェチェン紛争が始まって以来、拷問や虐待、国際法違反の殺害、強制失踪など、北コーカサスの人権侵害を記録し続けるという重要な仕事を行ってきた。またエステミロワは、国内避難民となった人びとや社会的弱者に対して献身的な支援を行ってきた。これまでのところ犯行声明は出されていないが、同僚たちは、彼女が人権擁護活動を理由に殺されたと考えている。

ナタリア・エステミロワの活動は国内外で認められており、欧州議会のロベール・シューマン賞(2005年)、スウェーデン議会のライト・ライブリフッド賞(2004年。もう一つのノーベル平和賞と呼ばれている)、そして第1回アンナ・ポリトコフスカヤ賞(2007年)など、数多くの賞を受賞してきた。

ナタリア・エステミロワの殺害は、ロシアで活動する人権擁護活動家が危険にさらされている状況にさらなる注目を集めた。今回の事件は、今年初めに人権派弁護士のスタニスラフ・マルケロフとジャーナリストのアナスタシア・バブローワが暗殺されたことに続くものである。両者はいずれも06年に殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの親しい友人だった。

○背景情報
今年4月、ロシア当局はチェチェンにおける「対テロ作戦」の終了を発表した。しかし北コーカサスではここ数カ月の間、地域内の緊張が高まっていく兆候がある中で、社会的に著名な人物の殺害が多数あった。
今月初めに発表された報告書『法なき支配:北コーカサスにおける人権侵害』の中でアムネスティ・インターナショナルは、継続している人権侵害について完全な説明責任を果たすよう呼びかけた。それこそがチェチェンと北コーカサスに真の安定をもたらし地域の平和を回復する唯一の道である。

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=684

◇ロシア当局は、ナタリア・エステミロワ氏の殺害の責任を追及すべき 

ヒューマンライツウォッチ(HRW)の常務理事ケネス・ロス:
ロシア当局は、一刻も早くこの事件を非難し、エステミロワ氏の殺害者を法の裁きにかけるべきである。チェチェンでの深刻な人権侵害を明らかにする人びと全てに、危険が及んでいる。ロシア政府は、このような殺害に終止符を打ち、責任がある者を起訴するべきだ。

エステミロワは、過去10年以上にわたり、チェチェンでの人権侵害の調査と責任の追及を最前線で行ってきた。彼女の活動は、ラムザン・カディロフ大統領をはじめ、チェチェン当局からの批判の対象となってきた。カディロフ政権の関係機関は、虐殺、拷問、失踪など、さまざまな人権侵害を繰り返し犯した容疑をかけられているにも関わらず、国内ではごく僅かな事件の責任追及しか行われていない。欧州人権裁判所は、今日までの100件以上の判決において、チェチェンでの深刻な人権侵害の責任がロシア政府にあるとし、これらの事件に対する責任追及の欠如を非難してきた。

HRWは、ドミトリー・メドベージェフ・ロシア大統領に対し、エステミロワの殺害事件について、独立した透明性のある包括的な捜査を行うよう求めた。さらに、チェチェンではこのような事件が不処罰とされることが多く、現地当局による効果的な捜査は期待できない。信憑性を確保するため、初期段階の捜査は現地警察ではなく、ロシア当局の最高レベルで行うべきであると述べた。

メドベージェフ大統領の報道官は、大統領はこの事件に対し怒りを示しており、全面的な捜査を行うよう命じたと述べた。

「エステミロワは、生涯正義のために戦った。彼女に敬意を示すには、殺害者を見つけ、裁判にかけることが必要だ」とケネス・ロスは述べた。「彼女の殺害の責任の追及は、チェチェンでの虐待や不処罰の悪循環を断ち切るきっかけとなるだろう。」

チェチェンではこの数週間、暴力的な事件が増加しており、中には超法規的な処刑、懲罰的な家屋の焼き討ち、拉致、恣意的な拘禁などの人権侵害も含まれている。エステミロワは、HRWと共に、これらの事件を調査していた。

チェチェンでは、頻繁に拉致事件が発生している。過去数年間に、拉致や強制失踪の数は大幅に減少しているものの、いまだ政府批判者と見られる人びとや彼らの家族の拉致は続いている。

エステミロワ氏の殺害は、特にチェチェンで起きている人権侵害の責任を追求する弁護士に対しての相次ぐ攻撃や殺害の最も最近の事件である。今年1月、カディロフ大統領から拷問を受けたと主張していたチェチェン人Umar Israilovが、亡命先のウィーンで白昼堂々と射殺された。この事件から1週間も経たないうちに、著名な人権弁護士で、チェチェンでの人権侵害の被害者の弁護をしていたスタニスラフ・マルケロフが、モスクワで記者会見を終えた直後に射殺された。一緒にいたジャーナリスト、アナスタシア・バブロワも殺害された。これらの事件で逮捕された人はまだいない。

最もよく知られている調査報道の記者だったアンナ・ポリトコフスカヤの殺害では、今年6月25日、上訴法廷はこの事件で殺人容疑をかけられていた4人の無罪判決を覆し、新たな裁判を要請した。

15 July 2009 HRW
http://www.hrw.org/ja/news/2009/07/15-0

写真はチェチェンの彼女の村の葬儀でのナタリアのママ(右のハンカチを持った女性)と娘(黒いスカーフ)

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