水を飲む権利
□水、どこの水も、あなたには一滴を飲む資格がある
世界の真水がまもなく危機的に不足すると科学者たちが警告し、企業が先を争ってこれを民営化しようとするとき、ある研究者と活動家らが水は基本的人権とみなされるべきであると述べる。
6月30日に出版されたエッセーで、Public Library of Science Medicineの編集者たちは、「健康に不可欠なきれいな水を入手する権利がおびやかされている」と書く。
知性の首尾一貫した見地からみれば、この考えは検閲を通過する。国連の世界人権宣言の第25条に顔を出す、食糧と同じく水は生命に欠かせない。
今後、不十分な水が世界の病気負担量のほぼ十分の一に責任があって、死亡すべての6%は万人共有の安全な飲み水とよりよい公衆衛生を入手する手段(権利)によって防ぐことができると、WHO世界保健機関は判断する。
もちろん、それを強制するより権利を宣言するほうがずっと簡単だ。飢えを止めるとの国連の誓約にもかかわらず、10億人近くが十分食べられないでいる。そして2015年までに水を失った人の数を半減させるとの国連の約束はサハラ砂漠で雪合戦に遭遇する勝算だ。だが、Public Library of Science Medicineの編集者が指摘するように、水を人権として認めることが、少なくとも水の民営化に対処するための枠組みを提供することになる。
過去20年ずっと、IMF(国際通貨基金)とWTO(世界貿易機関)の助けを借りて、水はたった3社の企業によって支配される5000億ドルの世界産業になってきている。非営利団体Food and Water Watchが出版した報告書によると、それは米国と開発途上国の両方で大きな災難になってきている。
(3社とは、水道施設の設計・建設から運営管理、代金回収、下水処理までを一括して請け負う、フランスの通称「ウォーターバロン:水男爵」ことVeolia Environnementと同じくフランスのSuez 、イギリスのThames Waterのことだ。世界の水道利用者の5%以上が民間の水道を使用しており、その人口は10年で12倍に伸びる。そのうちの半分をフランスの2社が独占する。Veoliaは日本でも子会社を開設しており、報道によるとすでに3件受注してきている。)
昨年出版されたエッセーの中で、水問題の上級顧問Maude Barlowが国連総会の議長に「このモデルは失敗であることを立証してきている」と書いた。「高い水道料金、貧しい人々への供給停止、サービスの低下、約束不履行、そして汚染が、民営化の負の遺産である。」
国連によると、2025年には28億人が基本的ニーズを満たす十分な水がないことになる。
「水への人権アプローチは、潜在する不公正の可能性を認識して最も無防備なものが無視されないことを保証する」と編集者たちは書いた。
(WIRED SCIENCE 30 June 2009)
http://www.wired.com/wiredscience/2009/06/waterright/
セグウェイの発明者ディーン・カーメンがどんな水だろうと飲めるきれいな水に変える浄化マシーンを発明した。汚水も、海水も、毒性の水も、すべてクリーンな飲料水になる、ワォー!
(WIRED SCIENCE 25 March 2008)
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