見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2009/11/27

ミンダナオの犠牲者に記者20人



◇ジャーナリストにとって最も危険な国はフィリピン

国際NGO、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)が25日、CNN番組でジャーナリストにとって最も危険な国は現在、イラクではなく、フィリピンだと指摘した。

フィリピン南部ミンダナオ島では、州知事選をめぐる誘拐殺人事件が発生し、約60人が殺された。犠牲者には記者18人も含まれていた。この事件で、ミンダナオ島マギンダナオ州には、アロヨ大統領が非常事態宣言を発令している。

CPJは、過去8年間に74人のジャーナリストが命を失っているが、1度の事件でこれだけ大人数の記者が殺されたことは例がないと指摘。戦争状態のイラクよりも、フィリピンがジャーナリストにとって危険な場所であると言及した。

(CNN 2009年11月26日)

◇フィリピン南部ミンダナオ島で23日、知事候補の親族ら多数が武装グループに殺害された事件は、26日までに57人の遺体が確認されるなど異様な展開をみせている。対立候補の出馬を嫌う現職知事一族が私兵を使って政敵を排除したとみられる事件からは、40年以上続くイスラム反政府勢力と政府軍の紛争を背景に、「自衛」名目の私兵を抱える一族が反政府勢力に対する中央政府の「盾」として権勢を振るってきた実態が浮かび上がる。

国家警察は、マギンダナオ州知事など州の要職を長年親族で独占してきたアンパトワン一族が、来年5月の知事選に身内から候補者を出した地元有力者マグダダト一族を襲撃したとみて、アンパトワン一族と近い関係にある州警察本部長ら4人を逮捕。襲撃を指揮した疑いで知事選に出馬する予定だった現職知事の兄の身柄を拘束、事情聴取を始めた。

現地情報によると、両者の争いは数十年間も続いており、「出馬を巡る話し合いが決裂した結果、今回の事件が起きた」(地元有力者)。この地域ではイスラム反政府勢力と政府の紛争が40年以上続いており、銃の所持は事実上、野放し状態。敵対する両者とも私兵を抱えていたという。

アンパトワン一族の勢力拡大には、アロヨ政権の後押しもあったとみられている。フィリピン大学イスラム研究所のワディ代表は「イスラム反政府勢力を抑え込むため、歴代政権は同じイスラム教徒の地元有力者を懐柔し、政府の盾として使っていた」と話す。政権はその見返りに、有力者が支配する地域に膨大な政府予算を投入。結果的に有力者の影響力増大に「加担」してきたという。実際、同州の町長の大半はアンパトワン一族で、逮捕された州警察本部の幹部も一族が事実上、任命していた。04年の大統領選では、劣勢だったアロヨ大統領は同州で対立候補の3倍以上の票を獲得した。このため、大統領はアンパトワン 一族に借りがあるとみられている。

・事件概要
ミンダナオ島マギンダナオ州で23日午前、来年5月の州知事選の立候補届け出に向かっていた車列が100人以上の武装グループに襲われた。車列には候補者の妻ら親族のほかジャーナリストも同乗。犠牲者57人のうち、少なくとも20人以上は地元記者とみられている。頭部の損傷が激し く、身元確認に時間がかかっている。

(毎日新聞 2009年11月27日)

◇毎日新聞:共同通信・加盟社と包括提携 新時代の新聞追求

「新しい時代のメディアのあり方を示したい」。毎日新聞社と共同通信社、共同通信社加盟社の3者は26日、編集、事業など包括的な業務提携の合意を受け、東京都内で会見した。インターネットの普及などで厳しい経営環境にある新聞界だが、会見では、全国紙と通信社、地方紙が連携する新しい提携方式の 可能性が示された。

毎日新聞の朝比奈社長はまず、「新聞はより深い内容、分析・解説力がこれまで以上に要求される」と指摘し、「官公庁や企業などの発表記事で共同通信を活用することにより、これまで以上に独自に深みのある取材をすることが可能になる」と述べた。また、現時点で十数社の地方紙と、記事提供を受けることで協議が進んでおり、これによって毎日新聞各地域面の充実を図ることも明らかにした。

経営規模も形態も異なる3者が互いに補完し合い、その余力を得意分野につぎ込むことで、新しい紙面制作につながる効果が期待できる。加盟社を代表して多田会長は「毎日新聞が入ることで、(加盟各社はより特色を出すため)一層、厳しい紙面づくりをしなければならなくなるが歓迎したい。共生の思想で生きていくことが大事だ。日本の新聞界に寄せられた時代の要請だ」と述べた。

また、共同通信の石川社長は「新聞の力、紙面の力というものを再確認、再評価させたい。共通の記事と速報は任せていただいて、各社が経営資源を集中して特徴ある紙面づくりをするお手伝いをしたい」と話した。

・合同で調査報道を--春原昭彦・上智大名誉教授(新聞史)の話

国内ニュースを含めて基本的な記事の配信を受けた新聞社が配信によって合理化できた分を独自の記事に力を入れることは欧米では定着している。 これは本来、新聞社による通信社の利用の在り方だ。その意味で、今回の毎日新聞の共同通信への加盟はニュースの充実が期待できるので、歓迎したい。
 また、地方分権が進めばより一層、地方権力の監視は重要になる。今回の包括的な提携の内容が毎日と共同、地方紙との合同での調査報道にまで広がってほしい。今回の毎日の加盟は、共同にとっても配信記事が日本の代表的な世論であるという、国際的なステータスの向上にも貢献するメリットがあるのではないか。

・独自取材さらに充実--毎日新聞社・朝比奈豊社長

これからの時代の新聞は記事の正確さはもとより、深い内容、解説力がこれまで以上に要求される。読者が求めるのは、政治、経済、国際、社会などさまざまな分野で時代をえぐる独自の取材、報道ではないか。いわば、「脱発表ジャーナリズム」が進むべき道と考える。そうした模索の中で生まれたのが今回の包括提携で、毎日新聞の強みである独自取材をさらに充実させるため、全国の支局ネットワークを堅持したうえで地域の有力新聞社と手を携え、地方版、地 域面の一層の充実を図りたい。
 
・力強い「連合体」形成--共同通信社・石川聡社長

創刊137周年の伝統ある全国紙を加盟社に迎え入れることは、グループとしても日本のメディアにおいても非常に意義深い出来事だ。3者がこの厳しい経営環境下に可能な限り協力し効率的な業務提携を図れば、それぞれの力量と存在感をさらに増すことにつながる。先月の新聞大会では「新聞再構築への挑戦」がテーマとなったが、このような力強い「連合体」を形成することはメディアの新しい方向性を示すことにもなると信じている。
 
(以上、11月27日付毎日新聞記事から抜粋)

写真はミンダナオの一族大量殺戮のニュースが一面を飾る今朝のフィリピン各紙(CNN)