見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/08/13

利用しろ、さもなければ失う



北極海にうるさいハエどもが集まりだして、なにやら物騒なことになっています。
地球温暖化のせいで氷が溶けて地下資源を採掘しやすいというのも皮肉なことです。昨年5月、世界の政府機関や科学者らでつくる国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れがある動植物を掲載した「レッドリスト」06年版に、ホッキョクグマを追加しました。こうした生き物が絶滅していく一方で、みにくい人間どもと機材やらなにやら一式がどっと押し寄せて、ますます本来の地球の姿が異様なものに変えられていってます。ここまできてもまだ壊す方に進むとは、個人の利益であれ国益であれ、人間の欲とはなんともまあおそろしい。

ロシアを追え「北極海」資源バトル過熱 カナダが軍事施設建設
カナダのハーパー首相は10日、北極圏に軍事関連施設を新設する方針を明らかにした。北極地方の領土権を改めて主張し、有人潜水艇を使って北極海底に国旗を立てたロシアをけん制するのが狙いだ。米国も北極調査に乗り出す方針で、海底に埋蔵されているとされる石油・ガス、金など地下資源を巡る争奪戦も激化する可能性がある。
大西洋から北米大陸の北岸に沿って太平洋に出る北西航路の周辺に、兵士の訓練施設、軍艦の修理や給油が可能な港を建設する。港は自然環境への影響を調べた後、2010年に着工し15年までのフル稼働を目指す。極地圏のパトロール隊員も2割増員し5000人体制とする計画。
北極海底などを巡る領土権を主張する動きが相次いでいる背景には、資源高に加え、温暖化で探鉱が容易になってきたことがある。北欧諸国も同地域の占有権を主張している。
(日本経済新聞8月13日)

AP通信などによると、カナダ軍は北部ヌナブット準州に属するコーンウォリス島に100人規模の軍事訓練センターを、同準州バフィン島には官民共用の港湾施設を建設する。
3日間にわたり北部を視察していたハーパー首相は最終日の10日、コーンウォリス島を訪れた際、この建設計画を明らかにした。記者団に「北極の主権を守るもっとも大事な原則は"利用しろ、さもなければ失う"ということだ。これで、北極海でのカナダの存在を示すことになった」と述べた。
北極海のロモノソフ海嶺とその周辺はシベリア沿岸から続く大陸棚で、資源の開発権があると主張するロシアの海底調査隊は8月2日、北極点直下の海底に到達、チタン製のロシアの国旗を打ち込んだ。この行為自体で開発権が認められるわけではないが、ロシアは調査で大陸棚と認められるだけのデータが集まったとしている。
北極には、各国の領有権の主張を凍結している南極条約のような取り決めがなく、資源の利用開発は国連海洋法条約のもとで行われ、沿岸から200カイリの排他的経済水域(EEZ)の外でも、国連大陸棚限界委員会(CLCS)に海底が陸地からの延長である「大陸棚」と認められれば開発権が与えられる。ロシアはCLCSに大陸棚の拡張を申請しており、データの提出期限が2009年に迫っている。
ロモノソフ海嶺については、カナダやデンマークも自国の大陸棚であると主張している。ロシアの調査に対抗する形で、デンマークは12日、40人の科学者らで作るチームを送り込み、同海嶺の海底地図を作製する。米国も今月10日、沿岸警備隊の砕氷船を探査のため派遣した。探査チームの科学者は「政治的意図はない」としているが、ロシアのメディアは米国が資源競争に参加しようとしていると報じているという。
北極海の資源争いでは2005年、当時のカナダの国防相がカナダ・エルズミア島とグリーンランド(デンマーク領)の間にあるハンズ島にカナダの国旗を立て、デンマークとの関係が悪化したことがある。
北極海には地球の未発見資源の4分の1があると推定されている。米航空宇宙局(NASA)は北極海を覆う氷が1978年以来の観測史上最小を記録したと報告しており、地球温暖化も「資源争奪戦」の背景にある。
(サンケイ新聞8月13日)

今年3月27日には、この保守党党首のハーパー首相(47歳)は「エネルギー大国となりつつあるカナダは環境への責任も担わなければならない」と語っている。
「いまカナダは石油、ガソリン、ウラン、電力の生産大国になり得る立場にあり、今後もそれは変わらないでしょう」と首相はモントリオールでの環境会議の演説で述べた。さらに「大いなるエネルギーの力には大いなる環境への責任が伴う」と首相はスパイダーマンのセリフをもじって語った。主要工業部門それぞれの温室効果ガスと大気汚染の許容排出基準をめぐる計画をここ数週間内に政府は発表するとのことだ。「国民は今世代、次世代のための環境保護という国家事業に参加する準備ができているでしょうか?私はできていると信じています」と首相は語り、世界で環境の保護と改善にリーダーシップを発揮しなければならないと付け加えた。「カナダは単にエネルギー大国というだけではなく、クリーンエネルギー大国でなければなりません」とし、環境向上を促進しつつ、国民の雇用と生活水準を維持するバランスのとれた政策をとるつもりだと語った。現在アルバータ州とサスカチュワン州で実験中のクリーンエアー技術が成功すれば、カナダは他国へその技術を輸出し「地球上の温室効果ガス排出削減への膨大なる効果」をもたらすことができると首相は語った。

写真は北極海の地図と絶滅の危機にあるホッキョクグマです。北極点を中心にして地球を見るとこうなるんですね。地球は二次元の見慣れた地図の形でとらえると見誤ると思いました。常に球体アースで考えることがだいじなんですね。グーグルアースってやはり時代にあったすぐれもの!