見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

January 09, 2008

21世紀の国家のかたち



国連暫定統治下にあるセルビア・コソボ自治州の議会(定数120)は1月9日、昨年11月の議会選挙で第1党になったコソボ民主党(37議席)のハシム・サチ党首(39)を首班とする新内閣を賛成85票で承認、新内閣が発足した。
サチ新首相は議会で演説し「今年の早い段階でコソボを独立国家とする準備を進めている」と述べ、欧米の支持の下で「われわれの夢と権利を間もなく実現する」と訴えた。
ロイター通信によるとサチ新首相は議会終了後、記者団に「数週間以内に独立を宣言する」などと述べた。
(中日新聞2008年1月10日)
以下はBPnetの経営コンサルタント 大前 研一のコラムから抜粋ーー。

◇コソボに見る21世紀の国家の形 by大前 研一(2008年1月9日)
2007年12月中旬、欧州のEU外相理事会でコソボ問題が話し合われた。コソボ問題とは、言うまでもなくセルビアにあるコソボ自治州独立の問題だ。EUの多くの国では、コソボ自治州を独立させてやろうという考えである。
英国、ドイツ、フランス、イタリアなどは、「交渉は行き詰まった」と言い、EU単独でも独立容認を検討する考えでいる。
それに対して、もう一方の当事者であるセルビアは、当然ながら独立には反対で、「戦争も辞さず」という姿勢を崩していない。ロシアもまた、独立に反対の立場である。
バルカン半島に位置するセルビアは、むかしはユーゴスラビアと呼ばれていた。
ユーゴスラビアでは、多くの民族や宗教が混在していた。そのため共和国ごと、地域ごとにいろいろな顔を持っていて、国内の紛争も絶えなかった。その結果、 90年代に入ってから独立が相次ぐ。91年スロベニア、93年マケドニア、95年クロアチア、同じく95年ボスニア・ヘルツェゴビナ、06年モンテネグロという具合で、残されたセルビアも独立宣言をし、現在に至っている。つまり、現状でさえも旧ユーゴスラビアから7つの独立国が誕生した状態ではあるが、そのほかにコソボも独立させてしまおう、というのがEUの考え方である。
・スロベニアの成功が刺激に
なぜこんなことができるかというと、大きく分けて二つの理由がある。一つはスロベニアの独立が成功したことである。人口200万人しかいないスロベニア(首都リュブリャナ)は独立したあとにハイパーインフレなどの苦渋を味わったが、ユーゴ北部の工業地帯でもあったために貿易は黒字に転じ、経済政策もしっかりしたものになって、いち早くEUに加盟し、続いて通貨もユーロに切り替えてしまった。いまでは新興EU加盟国の優等生といわれている。
つまり、もしEUに入れる可能性があるなら、そして「やがてはユーロ」ということになるのであれば、国の大きさは関係ない。ルクセンブルグなどは人口も46万人と小さいが、EUの有力メンバーである。また今ではEUのほかにもEEA(欧州経済領域)というものがあり、アイスランド(人口30万人)やリヒテンシュタインなどはEUに入ることは拒否しているが、経済的にはいろいろと互恵関係を結ぶということも可能になってきている。特に人口3万4000人しかいないリヒテンシュタインはスイスの拒否しているEEAには加盟しながら、通貨はスイスフランである。
だから、むかしのように一定の大きさでないと国が経営できないという観念、そして最大公約数を取ることに伴うさまざまな(人種的、宗教的、政治的)妥協などするくらいだったら、まとまりのいい小単位で独立し、経済政策を充実させて外資を呼び込み、その勢いでEUに加盟しようというゴール(着地点)が見えるのである。これが一種の安堵感となり、いまこうした小国が煩わしい歴史的きづなを断って独立、という選択肢につながっているのである。
新しいEU加盟国であるブルガリアやルーマニアを見ていても世界中からカネが流れ込み、いまでは不動産を筆頭に相当なバブル経済となっている。これらの国は賃金が月300~500ドルくらいのレベルであるから、裕福なEUメンバーの10分の1以下である。にもかかわらず、ソフィアやブカレストには1億円のマンションが次々に建てられている。ブルガリアはこの1月1日から所得税を10%のフラットタックスにしてしまった。多くの旧共産圏諸国(ロシア、バルト3国、カザフスタンなど)がそうであるように、フラットタックスにすると地下経済が地上に出てくるし、金持ちには多くの可処分所得が残り消費・景気が盛り上がる。
クロアチアはその風光明媚な海岸と情緒溢れる都市(ドブロブニク、スプリット、シュベニック、オパチア、ロブニなど)から欧州でも有数の観光地になってきているし、英国人などの老後の住まいとしても古い家屋が飛ぶように売れている。その南隣のモンテネグロも独立するやいなやロシアからの投資が殺到し、いまではリゾート開発などをロシアの金持ち企業が行う、という盛況である。
同じことは伝統的にロシアの金持ちが資金隠しに使ってきたキプロスでも起きている。キプロスはかって1974年にトルコとギリシャの支配する地域が互いに母国を巻き込んで戦争をし、84年には北キプロス・トルコ共和国が宣言されるなど紛争の絶えない地域であったが、今では74万人の人口の85%を占める南部のギリシャ語地区はEUのメンバーとなり、今年1月1日からマルタとともにユーロ通貨に参加した。観光、経済ともに好調である。
・独立しても差し障りはない
コソボがなぜ今独立か、という問題を考えるときに、伝統的なセルビアとの問題、宗教対立、などの延長で考えるよりも、EUという大きな機構が経済的なセーフティネットとして機能し始めている、と考えることが重要である。小国であっても「独立して経営していける」という事例が次々に周辺諸国、しかも、ひとむかし前の連邦形成国、あるいは紛争地で実証されていることが大きい。
ちなみにコソボはこうした小国の一つではあるが、人口は200万人くらいになると推計されており(独立を恐れるセルビアが正確な統計データを公表していないため推計しか分からない)、そのうち90%がアルバニア系であるといわれている。セルビア政府の統計では66%ということであるが、これは今から40年くらい前の数字であるといわれている。コソボの独立運動をしてきた人々は、独立後に隣のアルバニア(人口300万人)と合体してアドリア海へのアクセスを確保し、人口500万人というバルカンでは大国として生きていこう、と考えている人も少なくない。
旧ユーゴの連邦を形成していた共和国や自治州がなぜ独立を指向するのか、という理由の2番目は、「独立したい」という必要条件ではなく、独立してもあまり差し障りがないという十分条件側である。
・ボーダレス化と世界の余剰資金
一方、もともと経済植民地みたいな所は地場企業もないので、外資に積極的に入ってきてもらい自由気ままにやってもらうという、まさに規制緩和を超えた、規制撤廃、という大胆な政策がとれるということである。
モンテネグロ、マケドニア、そして(独立すれば)コソボもそうした政策を推し進めるであろう。コソボは欧州では数少ないイスラム圏となるはずであるから、中近東のオイルマネー、イスラム金融を狙った政策を次々と打ち出すであろう。EUに入ればトルコのEU加盟の試金石ともなる。
ロシアがコソボ独立に反対する理由はまさにこうした小国の独立が自分たちの抱えるチェチェンや南オセチアの問題と二重写しになるからである。ましてやコソボの独立が成功したら、ロシアのイスラム地域を勢い付かせる、との危惧があるのは想像に難くない。またルーマニアやブルガリアのような貧しい旧共産国がEUメンバーとして生まれ変われば、ベラルーシ、(西部)ウクライナ、グルジアでもEU加盟の動きが加速するであろう。
そうしたさまざまな国のさまざまな思いが錯綜するのがまさに欧州の火薬庫と呼ばれたバルカンである。しかし第一次世界大戦のころと決定的に違っているのは、国民国家という概念が薄くなり、経済はボーダレス化したことである。紛争で疲弊したところにひとたび平和が訪れると世界中から一斉にカネが流れ込むという新しい状況である。第二次大戦後の復興には米国のガリオワ・エロアという資金の流れが必要だった。いまは凹んだところを虎視眈々と狙っている余剰資金が世界中に6000兆円もある。コソボ=平和=独立=新しい制度設計、という情報だけでグローバルな資金は流れ込むのである。その大きな安全装置がEUやユーロである。
・人々が求めるものと新しい国家の形
この新しい流れに、アジアや米国はいまだ気づいていない。19世紀的な国民国家の概念や、自由と民主主義という理念で他国を支配することはできない。
結局人々が求めているのは「豊かな生活+安全+安心」である。コソボのアルバニア人が見ているのは10年前の紛争当時とは様変わりで、民族の自立とかセルビアの呪縛からの解放、ましてやイスラムの大義、などではない。旧ユーゴスラビアの共和国が次々と調子よくグローバル経済に飛び込んでゆく。新しく作られた税制や国家運営のシステムが面白いように受け容れられ、世界から企業や資金が押し寄せる。その先にはEUへの加盟、ユーロ通貨の採用、などが見えている。現にスロベニアはそうなったし、クロアチアやモンテネグロもEU加盟の審査過程に入っている。
つまり、今回のコソボ独立の背景にあるのは民族自立という表だった理由よりも「グローバル経済の恩恵を受けたいという願望」ではないか、というのがわたしの観察である。
そうなると、国家という19世紀の概念にしがみついているセルビアやロシア、つまりコソボ独立反対派は何をしているのか、ということになる。彼らもまたEUに負けない新しい概念を提供して勝負しない限り、カネと労力の浪費を続けるだけ、というわたしの予想もまた同時に付け加えておきたい。

写真は、嘆きのイラク人母の姿。WHO世界保健機関は1月9日、2003年3月のイラク戦争開戦後のイラク人の死者数が2006年6月までに、15万1000人に上ったとの推計を発表した。
ただしCNNでは見られないニュースを集めた独立系メディアICHの報告によれば、米軍のイラク侵略以降イラク人犠牲者の数は116万4650人、米軍の死者数は3921人となっている。
次の写真はニューハンプシャー州予備選で勝ったヒラリー。「劇的なカムバック」(CNN TV)などと、米メディアは、ニューハンプシャー州予備選を制し、起死回生の勝利をつかんだ民主党のクリントンと共和党のマケイン両上院議員の勝因分析に躍起になっている。
ワシントンポスト紙は、「ヒラリー・クリントンの勝利は民主党の争いがこの先も驚きに満ちていることを思い知らせた」と指摘。クリントン氏が支持者の前で涙を浮かべた瞬間を「キャンペーンの最後の数時間に繰り返し放映され、候補者がめったに見せなかった一面を露呈させた」と述べたほか、ウォールストリートジャーナル紙も冷徹な印象の彼女を「人間らしく見せた」と、クリントン氏の「涙」に注目した。
今後、15日のミシガン州、19日ネバダ州、26日サウスカロライナ州、29日フロリダ州の各予備選をへて、2月5日のメガチューズデーまで熱い選挙戦が繰り広げられそうだ。

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