見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

December 25, 2007

おっかないのはバルデムかデップか



ローリングストーン誌の映画論評を担当するピーター・トラヴィス氏の
<2007年ベスト&ワーストムーヴィズ>から抜粋ーー。(19 Dec.2007)

No.1 ジョエル&イーサン・コーエンの「No Country for Old Men」
中身がない、華々しさがない。今年のベスト映画で私が最高位を与えるのは並の映画だ。私は形式ばった完ぺきなど期待していない、危ない橋を渡り思い切ってひどい目に遭おうとする一個人の映画作りのパッションと爽快な気分を期待している。私にとって、脚本・監督のジョエル&イーサン・コーエンにコーマック・マッカーシーの小説で殺人コネクションを創り出す手段を与えた、たちすくませる善悪の熟慮、「No Country for Old Men」以上に有意義な創作活力の映画体験はなかった。悪党としてハヴィエル・バルデムは生涯の演技を見せた、そしてトミー・リー・ジョーンズは保安官役で、ジョシュ・ブローリンは泥棒役で。流血の争い、殺しに関する泣きごと(大人らしくふるまえ、私たちの国は暴力の国なんだ)につけいる、対処する人は誰も除外しない結末。同志諸君、私はもっと痛烈な今年の映画を挙げてくれと君たちを刺激しているのだよ。

No.2 ジョー・ライトの「Atonement(えん罪)」
この愛と戦争の物語の名作劇場のうわべの装飾の内側でむきだしの感情があばれる。クリストファー・ハンプトンはイアン・マキューアンの2002年の小説をそのすさまじい挑戦そっくりそのまま完全にスクリーンにもたらす。監督ジョー・ライト(前作は「プライドと偏見」)はキーラ・ナイトレイとジェームズ・マカヴォイに包囲される愛人の申し分のないカップルを発見する。そして秘密とウソの番人として13歳のセルシャ・ローナンから驚いて大口をあける仕打ちを引き出す。

No.3 ショーン・ペンの「Into the Wild」
エミール・ハーシュは実在した人物クリス・マッキャンドレスの役柄にすっかりなりきる。クリスは1992年に自分の限界を試すため地図を持たずにアラスカの原野に入ったエモリー大学院生だ。まるで自分のDNAの一部かのようにこの非凡な実話を語るジョン・クラカワーの本を脚色するのが監督ショーン・ペンなのだ。これはベストに達する一個人の映画製作だ。ペンは彼の主題と限界までがんばる勇気をまっとうする。

No.4 デイヴィッド・クローネンバーグの「Eastern Promises」
前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の勝利に引き続き、クローネンバーグは再びロンドンのロシア人マフィアのこの容赦なく抗しがたい物語から人間の本来の姿というアイデンティティを調査する。ヴィゴ・モーテンセンは道徳のワナに陥ったタトゥーを入れたスパイとして驚くばかりだ。

No.5 ティム・バートンの「Sweeney Todd」
公式に、スティーブン・ソーンダイムのフリート街の悪魔の理髪師についての殺人オペラのティム・バートンの書き替えは、あらゆる点ですばらしい功績だ。特に主役のはらぐろさを演じ彼流に歌うジョニー・デップの離れわざのゆえに。

No.6 リドリー・スコットの「アメリカンギャングスター」
いわゆる「ブラック・スカーフェイス」は、分からず屋の警官(分からず屋で知られるラッセル・クロウが演じる)が彼を警察署に連れて行くまでマフィアのブローカーどもをだしぬいて自分のヘロインを売り歩く70年代の麻薬王、フランク・ルーカス役でデンゼル・ワシントンのキャリアハイとなるものだ。リドリー・スコットはこの元気な物語に大作スタイルとユーモアを埋め込む。今年の100ベストミュージックの上位に登場するJay-Zが、この映画のラップで自信を得るのも無理はない。

No.7 ポール・トーマス・アンダーソンの「There Will Be Blood」
「ガルガンチュアのよう(にとてつもない)」とはひどい苦しみを説くのに相当するこの映画のダニエル・デイ・ルイスの演技を描写する言葉だ。さあ、「ぎょっとさせる」とか火山のように「激しい」とか、近づきすぎるとなんだか危険そうというのを他に試してくれ。脚本家で監督のポール・トーマス・アンダーソンはダニエル・プレインヴュー(ダニエル・ルイス)の物語を語るのにアプトン・シンクレアの「オイル」から少しばかり拝借する。石油で思わぬもうけものをして無知による食い意地の大群とインチキ宗教がアメリカでいかに衝突するか苦しんでやっと学ぶ世紀の変わりめの試掘者だ。プレインヴューの心を強くとらえる若き説教師としてポール・ダノもまたうまくノックアウトを手に入れる。「ブギーナイト」「マグノリア」の監督アンダーソンは、シネマの苛酷なパワーで信頼を回復させる一種の巧みな反逆者だ。彼の映画作りは露骨でリスキー、傷を残すために誇張される。この映画はむごたらしくてあでやかな彼の市民ケーンである。見逃すなんてとても考えられない。

No.8 シドニー・ルメットの「Before the Devil Knows You're Dead」
「怒れる12人の男たち」「未知への飛行」から、「狼たちの午後」そして「評決」と、名作の半世紀間シドニー・ルメット83歳を巧みに避けてきたアカデミーの割り当ては、家族の機能不全へのこの長い旅を正しく見抜くことで彼に向けられるべきだ。フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークによってとびきり上等に演じられる兄弟が親の宝石店の犠牲者なき強盗を計画するとき、事態は爆発的に悪くなる。ルメットはケリー・マスターソンによる一流の脚本をわがモノとし、それをまくしたて続ける。

No.9 トッド・ヘインズの「I'm Not There」
実験映画は死んだと思うかい?あらゆる伝記映画のルールを打ち砕くこの伝記映画で、疲れ知らずに革新的なトッド・ヘインズがボブ・ディランの人生と時代の変換でやることを見るとき、また考えることになるだろう。今のところ、まったくもってまぶしいケイト・ブランシエットなど、6人のまぶしい俳優がディランを演じるのはよく承知している。でも、2回あるいは3回「I'm Not There」を見ることで、もっと意味深長な非常におもしろいことが見えてくるのを期待せよ。

No.10 「Knocked Up and Juno」「Knocked Up」の監督はジャド・アパトウ「Juno」の監督はジェイソン・ライトマン

◇最悪の反戦映画:「レンディション」
◇最悪のつまらんバカな下っぱ映画に与えられるマイケル・ベイ賞:マイケル・ベイは「トランスフォーマーズ」のせいでそれを得たも同然だった。彼が激しくゆさぶったようには誰もばかげた仕事をしていない。だが、たんまり儲かる精算のせいでいかに能力が低減するものか明らかにする例証として私は「パイレーツオブカリビアン:ワールドエンド」に同調するつもりだよ。

◇全米映画俳優組合賞 「Into the Wild」が最多ノミネート(CNN 2007年12月23日)
今年で14回目を迎える全米映画俳優組合(SAG)賞のノミネートが20日発表され、悲劇的結末を迎える青年の彷徨を描いた「Into the Wild」(ショーン・ペン監督)が、主演男優賞(エミール・ハーシュ)と助演男優賞(ハル・ホルブルック)、助演女優賞(キャサリン・キーナー)、キャスト賞の最多4部門にノミネートされた。
主演男優賞候補はハーシュのほか、ジョージ・クルーニー(Michael Clayton)とダニエル・デイ・ルイス(There Will Be Blood)、ライアン・ゴズリング(Lars And The Real Girl)、ヴィゴ・モーテンセン(Eastern Promises)。
主演女優賞には、ケイト・ブランシェット(エリザベス:ゴールデン・エイジ)、ジュリー・クリスティ(Away From Her)、マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ 愛の讃歌)、アンジェリーナ・ジョリー(マイティ・ハート 愛と絆)、エレン・ペイジ(Juno)の5人がノミネート。ブランシェットは、ボブ・ディランの生まれ変わりを演じた「I’m Not There」で助演女優賞のノミネートも獲得した。
助演男優賞にはホルブルックのほか、ケイシー・アフレック(ジェシー・ジェームズの暗殺)とハビエル・バルデム(ノーカントリー)、トミー・リー・ジョーンズ(ノーカントリー)、トム・ウィルキンソン(Michael Clayton)が候補に挙げられた。
助演女優賞はキーナーやブランシェットと併せて、ルビー・ディー(アメリカン・ギャングスター)、エイミー・ライアン(Gone Baby Gone)、ティルダ・スウィントン(Michael Clayton)がノミネートされた。
授賞式は来年1月27日に開催され、TNTなどでライブ中継される。

写真は「Sweeney Todd」のジョニー・デップと「I'm Not There」のケイト・ブランシエット

0 Comments:

Post a Comment

<< Home