Smart ForTwo
リドリー・スコットの映画「プロヴァンスの贈りもの」でラッセル・クロウが悪態をつきながらプロヴァンスの空港から相続したシャトーまで乗っていたのがこれだった。
イギリスが舞台の映画「タロットカード殺人事件」で右ハンドルを呪っていたマジシャンのウッディ・アレンがこれに乗って天国に旅だった。
アメリカ人が死んでも絶対に乗りたがらないクルマがこのちっこいクルマ「スマート」だと思ったのだが。以下、WiredNews Auto Weekからーー。
◇アメリカ人の60年におよぶ小型車嫌いがついに終わりを迎えるかもしれない。
メルセデスの「Smart ForTwo」の米国発売まであとひと月あるが、すでに3万人を超えるアメリカ人が、価格1万1590ドルからというこのちっこいクルマに喜んで手付金を支払っているというのだ。そのため、まだ誰もクルマのキーを受け取っていないにもかかわらず「Smart ForTwo」はすでに完売状態同然になっている。
米国の交通問題を解決する手段としてみれば、サンフランシスコ、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ワシントン、ポートランドといった過密都市にはうってつけだろう。
だが、フェニックス、ヒューストン、アトランタなど、無秩序に広がった市街地が州間ハイウェイとおびただしい数のパーキングで結ばれているような地域では現実的に役立つものかどうか? その答えは時間が経ってみなければわからない。
確実に言えるのは、1リッターエンジンを搭載し、燃費が最大でリッターあたり約19キロというこのクルマは、ガソリン価格が1ガロン(約3.8リットル)あたり3ドルと高騰しているなかで幅広い支持を集めているということだ。
それにまた、住宅市場の低迷と経済の悪化が進むなか、4万ドルもするフル装備のピックアップトラックは不必要でバカげているとさえ考えるアメリカ人が増えている。
ドイツMercedes-Benz社の親会社ダイムラー社は現在ロンドン市と共同で電気走行モデルの「Smart ForTwo」の実地テストを行なう予定で、フランスや米国の都市でも同様のテストを計画している。
はたしてこの人気が米国でいつまで続くかだが、記者のサイフに尋ねれば答えは「イエス」だった。
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