見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/04/20

選挙で支持されたハマスは外せない



◇パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの幹部が、米大統領選で民主党の候補者指名を争うバラク・オバマ上院議員の支持を表明し、オバマ陣営が困惑を深めている。
保守派などはこれまで、オバマ氏のミドルネームが「フセイン」であることなどを理由に、同氏をイスラム過激派と結びつけるなどの中傷を展開しており、想定外の「ラブコール」は波紋を広げる可能性がある。
問題の支持表明は、パレスチナ自治区ガザ地区を支配する「ハマス政府」のハニヤ首相の首席政治担当補佐官、アフマド・ユセフ氏が今月13日、米WABCラジオに語ったもの。同氏は、「我々はオバマ氏が好きだ。彼に当選してほしい」とし、オバマ氏を故ケネディ大統領になぞらえ、「オバマ氏は、米国が(他国を)支配したり尊大に振る舞ったりせずに国際社会を率いることができるようにするための構想力を持っている」と持ち上げた。
これに対しオバマ氏は14日以降、「ハマスは無実の市民を多数殺害しているテロ組織だ」と演説などで繰り返し強調し、ハマスと距離を置く姿勢を打ち出している。
(読売新聞2008年4月19日)

◇中東歴訪中のカーター元米大統領は18日、シリアの首都ダマスカスで、イスラム過激派ハマスの政治部門最高指導者メシャール氏と会談した。米国やイスラエルがテロ組織とみなすハマスとの接触に反対するなか、対話の重要性を訴えるカーター氏が異例の会談を強行した。
会談内容は明らかにされていないが、シリア情報筋によると、06年にハマスが拉致したイスラエル兵の解放などについて協議したとみられる。17日にも訪問先のカイロでハマス幹部2人と会談し、イスラエルへのロケット弾攻撃などをやめるよう促していた。
17日のカイロでの講演では、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの住民が、境界封鎖でひどい栄養失調状態に置かれているのは、イスラエルによる「残虐な犯罪」と指摘。「和平合意実現には、06年のパレスチナ議会選挙で勝利したハマスを関与させなくてはならない」とも語り、ハマスの孤立化を進める米国やイスラエルに政策転換を求めた。
カーター氏は78年にイスラエルとエジプトの和平合意を仲介するなど、中東和平に関心が高い。13日からの中東歴訪を前にメシャール氏との会談を公言。イスラエルではオルメルト首相らに会談を拒否されるなど、冷遇を受けた。
(朝日新聞2008年4月19日)

写真は、ハマスに会う前にシリアの大統領と会ったジミー・カーターと、ガザで殺された15人のパレスチナ人犠牲者のひとり、ファデール・シャナの写真を掲げてイスラエルの攻撃に抗議する市民たち。シャナは銃の代わりにカメラを持って問題を提出し主張した。イスラエル当局は、パレスチナ人の犠牲者の大部分はジャーナリストではなく「戦闘員」だとあくまでも突き放す。