チャン・イーモウのエクストラヴァガンザ
◇北京五輪の馬術競技が開催されている香港郊外の会場で9日午前、チベットの旗を掲げようとした女子大生が治安当局者4、5人に排除される騒ぎがあった。カナダの旗の下にチベットの旗を隠して持ち込んでいた。逮捕はされていない。
馬術競技の組織委員会によると、女子大生は今年5月、香港での聖火リレー走行でも抗議活動をしていた。チベット支援の活動家ともみられる。9日の行動を受け、女子大生は今後、馬術競技会場への立ち入りを禁じられた。
組織委は、同競技実施に当たり、競技に参加しない国などの旗の掲揚を禁じていた。また、政治宣伝などの垂れ幕、衣類やアクセサリーの利用も禁止した。
地元テレビは、馬術競技会場で「民主主義と人権は五輪より重要だ」との字句が書かれたTシャツを着ていた男性が会場に入る前、脱ぐよう求められる場面を放映した。
また、会場近くでは人権擁護、民主化を主張するグループが死刑制度廃止を中国政府に求める垂れ幕を掲げた。
(CNN 2008年8月9日)
◇論争を忘れさせる4時間の豪華ショー
・至難
暑くてむしむしする夜だった、観客はショーの間中ずっと扇子であおぎながら着席した。
ほとんどまったく同じ服を着た中国共産党のボスたちは着用したままだったとはいえ、多くの首脳らがジャケットを脱いだ。
開会式のセレモニーを指揮した中国の最も有名な映画監督チャン・イーモウは、「名誉だが、至難」なチャレンジだったと述べる。
「こんな巨大なチームと一緒に仕事したことは一度もない」と彼は式典のパンフレットの序文で述べた。
主なエンターテイメントは、中国人が5000年までさかのぼると言う、中国の長い歴史の栄光の局面をそれぞれ反映する一連の場面から成る。
光と音とダンスのエクストラヴァガンザ(豪華絢爛なショー)で、火薬、コンパス、紙といった中国の有名な発明品をほめたたえた。
それはまた、哲学者孔子(儒教の創始者)やアメリカを発見したとある人たちが考える明の王朝の探検家Zheng Heといった、最も有名な中国人たちに名誉を与えてもいた。
だが、2人の宇宙飛行士は別として、現代の中国に関するものはたいしてなかった。ことによると、わずかな時間に濃縮するにはあまりにも歴史がありすぎて、余地がなかっただけかもしれない。
・抗議はなし
主催者らは9万1000人収容のスタジアムを満席にするのを果たしたと言うが、奇妙にも、ナショナルスタジアム(鳥の巣)のところどころには空席の小さなかたまりがあった。
中国当局がテロリストの標的になるのを恐れて、オリンピックの開始で警備は見たところきつく思われた。
スタジアムの正面全体を青と白のTシャツを着た男性警備員が占拠したが、目立つ抗議はなかった。
エンターテイメントの後は、選手入場のときだった。
中国選手団に観客からここ一番の大歓声が起こったのは意外ではないが、観客はまた他の中国の競争相手にも支援を送った。
1997年に英国から中国に返還されたのに独立した選手団として競技する香港は大拍手を受けた。
しかし台湾の実情は、中国が自分の国とみなす自治の島。議論のわかれる島の身分のゆえに、台湾は「チャイニーズ台北」としてオリンピックで競技するのを余儀なくされる。
(BBC NEWS 09 August 2008)
写真は、開会式のみごとなショーからと、オリンピックとシンクロする、ロシアの戦闘機がターゲットにするグルジアから、どちらもAP通信より
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