ボリビアはインディオの国
◇ボリビア:貧と富の対決色強まる
南米ボリビアで10日、モラレス大統領や各県知事の信任を問う国民投票が行われた。大統領は出身母体の先住民族を中心に高い支持率を誇り、事前の世論調査では信任が確実視される。だが、貧しい先住民の権利拡大を希求する大統領に、裕福な東部などの地方は鋭く反発。対立をいとわぬ双方の強硬姿勢も重なり、同国は深刻な分裂状態に陥っている。
大統領は、長く搾取と困窮にあえいだ先住民に「平等と正義」をもたらすべく、大土地所有制限など先住民に配慮した憲法改正を目指しており、信任投票が「変革と民主主義を深める」と主張。職を賭す潔さと民意の後押しを演出し、悲願の改憲へと弾みを付けたい思惑だ。
(時事通信 2008年8月10日)
◇ボリビアは天然資源が豊かなサンタクルス県など南東部と、アンデス山脈地方などの貧しい地域の間に大きな経済格差がある。モラレス大統領は富の再配分を図るため中央集権強化を目指しているが、サンタクルス県などが反発。同県などは自治権拡大を要求し、一部住民は「独立」さえ主張した。大統領は、自身の政策の正当性を問うため国民投票実施を提案した。信任投票の対象は正副大統領と8県知事。世論調査では正副大統領は信任される見通しだ。
(毎日新聞 2008年8月10日)
◇独立記念祭はラパスで行う
大統領及び州知事の信任を問う国民投票を10日に控えたボリビア国内は、与野党間にらみ合いで緊迫した空気に包まれている。
モラレス大統領は6日、独立183周年記念祭典を挙行したが、野党勢の強い首都スクレをさけ、ラパス市に会場を移動しての挙行。
大統領は演説の中で、国の改革に反対のグループがいる。独立を提唱する同グループは独裁政権時代から勢力を維持している、と非難した。
同日午後、野党の制するサンタクルース州を訪問したが、デモ隊が街路をふさぎ、会場となるスタジアムを取り巻き気勢をあげていた。大統領はやむなくベニ州のトリニダード市に向かったが空港を反対派が包囲しており、搭乗機は着陸もできずラパス市にもどった。
野党側はスクレ市で盛大な独立記念祝典を開催し、チュキサカ州のクエラル州知事が出席した。前任者が辞任したのち、さる6月に就任したばかりの同州知事は今回の州知事信任投票を免れる。
(サンパウロ新聞 2008年8月8日)
写真は投票するインディオたち。1980年代に南米ボリビアにひと月ほど滞在しましたが、ボリビアという国の印象は圧倒的にラパス。旅行者にとっては臼状の街の上の方に暮らすインディオが行き交うインディオの国でした。サンタクルースは全然違う街。平たい土地と、インディオにはひとりも出会わない退屈な白人の街でした。天然資源に恵まれたリッチな州は貧乏な州の貧乏な人たちにその収益が使われるのをいやがる。ボリビアという国全体のことは考えない。でもボリビアがサンタクルースだけなら、誰が行くでしょう。
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