パキスタンがぐらつく
◇生身の人間の攻撃によってパキスタンがぐらつく
パキスタンの治安部隊に対する一連の銃と爆弾攻撃は約40人を殺してきている
(BBC 15 October 2009)
◇警察施設4カ所に同時攻撃、40人死亡
10月15日、パキスタン東部パンジャブ州のラホールなどで、武装グループが警察施設4カ所を同時攻撃し、計40人が死亡した。武装勢力による自爆攻撃がこの11日間で明らかに激しさを増してきている。
警察によると、ラホール市内で襲撃されたのは3カ所で、連邦捜査局(FIA)支部、同市郊外ベディアンの特殊部隊訓練校、同マナワンにある警察学校の3施設。グループはあわせて20人以上で、女性が含まれていたという情報もある。うち10人はすでに当局に射殺されたか、自爆して死亡した。
ラホール市警署長によると、FIA支部では襲撃グループの1人と警備要員6人が、マナワンでは襲撃グループの4人と警官9人、身元不明の1人の計14人が死亡。べディアンのグループ5人には、10代が少なくとも1人含まれており、軍が制圧するまで4時間立てこもり、最後は射殺されるか自爆した。
パンジャブ州政府の法相によると、ラホールで警官14人、民間人5人、武装グループ9人の計28人が死亡したという。
ラホールのFIA支部は2008年8月にも攻撃され、その際には16人が死亡した。マナワンの施設も3月30日にも襲撃され、8人が死亡した。
さらに北西部コハートでは、警察署が自動車による自爆攻撃を受け、警官3人を含む11人が死亡した。その後コハートに近いペシャワルで、政府職員の住宅の建物で爆発物を積んだ自動車が爆発し、子ども1人が死亡した。
ペシャワルでは9日、混雑した市場で自爆攻撃が発生し、少なくとも民間人52人が死亡したばかり。翌10日には首都イスラマバード近郊にあるパキスタン軍司令部を武装集団が襲撃して1日中立てこもり、最終的には特殊部隊が人質を39人解放したが、23人が死亡した。
アフガニスタンと国境を接し、米国の「テロとの戦い」の同盟国でもあるパキスタンでは10月5日以降、アフガニスタン旧勢力のイスラム原理主義組織タリバンに関連する勢力によるものとみられる攻撃で、160人以上が死亡している。
北西辺境州ではなく、パキスタンの政治的中心地であるパンジャブ州で武装グループによる攻撃が相次いでいることから、治安部隊のぜい弱性が浮き彫りになっている。レーマン・マリク内相は「彼らはゲリラ戦を仕掛けてきている。最初に彼らが活発だったのは北西辺境州だったが、パンジャブに標的を移している。(攻撃しているのは)パキスタンの安定を乱すために雇われたテロリストたちだ」と語った。
(AFP 2009年10月15日)
写真は13日付BBC NEWSより
コブラ戦闘ヘリ、大砲、戦車、F16戦闘機などパキスタン軍にはフルレンジの近代的兵器がある
・写真はクリックすると拡大版で見ることができます
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home