見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2009/12/31

パキスタン、イラン、そしてイエメン



◇パキスタン南部シンド州のカラチで28日、イスラム教シーア派最大の年中行事アシュラの行進参列者を狙ったとみられる自爆攻撃が発生した。この攻撃で少なくとも30人が死亡、63人が負傷したと、シンド州の保健相は伝えている。
 
目撃者らによると爆発後は、憤った参列者が救急車に石を投げつけ車両や商店に火をつけたほか、空に向けて銃を撃つなどの騒動に発展した。

レーマン・マリキ内相はこの自爆攻撃について、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」、およびLashkar-i-Jhangvi al Almiというあまり知られていない別のイスラム系武装勢力の犯行によるものとの見方を示している。アフガニスタン国境地帯付近では現在、TTPに対する本格的な掃討作戦が展開されている。

シーア派教徒にとって一年で最も神聖な行事とされるアシュラには、各地で行進が行われるが、カラチの行進はパキスタン国内で最大のものとして知られる。そのためパキスタン当局は警官や民兵など数万人を動員し、宗派間の衝突やシーア派信者を狙った爆弾攻撃などに厳戒態勢で備えていた。

アシュラでは、シーア派教徒が7世紀の殉教者、イマーム・フセインを悼むが、この日カラチでは5万人を超える教徒が街頭にあふれ、黒い衣服を着て行進したり、上半身はだかになって鎖で体をたたいたりナイフで体の表面を斬りつける苦行を実践していた。

パキスタンでは前日夜にも、カシミールの主要なシーア派のモスク前で自爆攻撃が起き、7人が死亡している。

(AFP 2009年12月28日)

◇神聖なアシュラの日にイランの抗議者たちが殺される

イラン軍が反政府抗議に加わる12人を殺害したその日、イラン防衛軍は幾人かの著名な政府批判者らを逮捕してきています。死者には敗れた大統領候補ムサビの甥が含まれます。抗議行動はシーア派イスラム教徒の暦で最も神聖な日のひとつ、アシュラに行われました。アマチュアヴィデオがインターネットにアップロードされて警官と民兵組織バシジが容赦なく抗議の群衆に襲いかかるひどいシーンを見せます。今日早くに警察は元外相のエブラヒム・ヤズディと人権のつわもの、Emadeddin Baghiを拘留しました。

◇ナポリターノ米国土安全保障長官:航空機攻撃がアルカイダに関連づけられるかどうかわからない

イエメンのアルカイダ工作員が彼に爆発物を提供しどうやって爆発させるかを彼に指導したとアブドゥルムタラブ容疑者が捜査官に話したと不特定の当局者らは主張しています、でも日曜日、ジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官はアブドゥルムタラブ容疑者にアルカイダとのつながりがあったかどうか政府は確信がなかったと言いました。
ジャネット・ナポリターノ:「私たちにはわかりません。刑事告訴で公表されてきている十分な証拠のない申し立てはありますが、FBIにはいまその問題があります。それは調査中ですので、私たちは必ず確かめます。私たちが調べているのは、ふるいにかける選別手順が守られたのか、そしてもし守られたのならそのふるいにかける手順は変えられる必要があるかどうかを確かめるため文字通り彼がどうやって飛行機に乗ったかです。」

◇リーバーマン上院議員:「われわれが先制的に行動しないなら、イエメンは明日の戦争になるだろう」

日曜、フォックスニュースに登場する無党派の上院議員ジョセフ・リーバーマンは、失敗した定期航空路線の爆破を考えて、米国は先制的にイエメンを攻撃すべきであると説明しました。
リーバーマン上院議員:「8月、私はイエメンにいました。そして私たちにはあの地に増大する軍隊の駐留があり、私たちは特殊作戦に属する、グリーンベレー、情報機関を必要とします。私たちはそこでサレハ大統領の政府をうまく取り扱っています。私たちの政府の誰かがイエメンの首都で私に言ったこの考えをあなたに残します。イラクは昨日の戦争だった。アフガニスタンは今日の戦争。もし私たちが先制的に行動しないなら、イエメンは明日の戦争になるだろう。」

◇イエメン関連のニュースで、一年前にCIAが反テロリズムの経験を有するトップの現場工作員を数名イエメンに送ったとニューヨークタイムズ紙が報じます。同時に反テロリズムの戦術で最も秘密主義の特殊作戦ゲリラ隊がイエメンの防衛隊を訓練し始めています。

◇イスラエルが東エルサレムに700以上の家を建設

建設を凍結するようにとのパレスチナと国際的な要求にもかかわらず、イスラエルは占領する東エルサレムに700近い家を建設する計画を発表してきています。先月、占領する西岸での新たな入植地の10カ月停止をイスラエルは発表しましたが、イスラエルは占領地東エルサレムに建設を続けるための権利を固守しました。パレスチナ当局のスポークスマンは、「平和の覚悟ができてないのを毎日イスラエル政府は証明する」と言いました。

◇イスラエルが西岸とガザで6人のパレスチナ人を殺す

土曜日、イスラエルは西岸とガザで6人のパレスチナ人を殺害し、一年前のガザ戦争以来イスラエル・パレスチナ紛争でまったくやりきれない日のひとつにします。殺された男性の少なくとも2人は処刑されたのを予備調査が示すと人権グループB’Tselemは言いました。男たちは最近の西岸入植者の死の容疑者だったとイスラエルは主張しました。

◇イスラエルの活動家たちがガザ侵攻の一周年にねらいをつける

日曜、多数のイスラエル平和活動家らがイスラエルのガザ襲撃一周年に注目するため、ガザとの境界に近いイスラエル南部でデモを行いました。
イスラエル平和活動家Hadar Geyevski:「ガザ戦争から一年、私たちはここに来ました、ガザの市民1400人が死んだ戦争で、イスラエルの軍隊によって殺されました。私たちは進行中のガザ包囲に抗議するためここに来ました。それは非常に長いあいだ続いてきています。イスラエルはガザへの入口を支配します。イスラエルは管理します。いつどこで、どれくらいの食べ物がガザに行くかを決めます。」

◇エジプトがガザ・フリーダムマーチ(自由行進)の道を開く活動家たちを拘禁する

その地域からの他のニュースでは、エジプトの防衛隊がガザ・フリーダムマーチに加わるつもりでいた多数の国際的活動家たちを引き留めています。行進のオーガナイザーによると、ガザに向けて発つ準備をしたとき、エジプトの防衛隊がカイロのホテルの30人の活動家グループを引き留めて彼らを自宅軟禁に置きました。別の8人のグループは日曜日にバスターミナルで引き留められました。エジプトはこれまでイスラエルのガザ封鎖を終わらせるためにエジプトの国境を超える許可を与えるのをどの行進者にも拒否してきています。エジプトはまた150台の援助トラックがエジプトに入るのを許可するのも拒んでいます。そのトラックはガザの人びとのための人道支援で占められているとViva Palestinaのグループは言いました。

◇中国の反体制作家に懲役11年の実刑

中国の人民法院(地裁)は主要な中国人反体制作家に懲役11年の実刑を言い渡しました。劉暁波(Liu Xiaobo)は「国家政権転覆扇動罪」で有罪を宣告されました。中国で集会、表現、宗教の自由を求めた「Charter 08(08憲章)」という請願を共同で草稿した後、この人権活動家で学者は逮捕されました。「正義のグロテスクなパロディ」と呼んでヒューマンライツウォッチは劉の有罪判決を非難しました。劉はこれより前に1989年の天安門広場に加わったために21カ月獄中で過ごしました。その間、社会的秩序に対する脅威と認められるものへの先制攻撃をトップの中国警察当局者が命令してきています。今日もっと早くに発表されたスピーチで人民安全保障副大臣Yang Huanningは、中国当局が「彼らを予測し、先手を打って防止し、発見する」ことにより、敵を抑制するための骨折りを促進しなければならないと言いました。彼はまた中国警官隊に「国内と国外で敵対的な勢力を攻撃する」よう促しました。

(以上、デモクラシーナウ!28 December 2009 ヘッドラインより)

◇「08憲章」は、中国人学者や作家など303人の連名で、2008年12月9日にインターネット上で発表された。文書日付は12月10日で、国連の人権宣言60周年に合わせたとされている。

同憲章は、「中国で個人の経済の自由と社会的権利も部分的に回復した」と評価する一方で、憲法に盛りこまれた「人権の尊重と保障」などは「紙の上にとどまっている状態」と批判。○民主的立法と司法の独立など三権分立 ○民意反映の最高機関である人権委員会の設立 ○公職選挙制の採用 ○戸籍制度改革による都市と農村の差別撤廃 ○結社・集会・言論・宗教の自由 ○財産保護、創業の自由と行政による業界独占の撤廃ーーなどを求めた。

発表当初から、相当数の署名者が身柄を拘束されたとされる。劉暁波氏は起草者とされ逮捕された。判決が言い渡された後、劉氏は妻を通じて上告の意思を明らかにした。

米国国務省は同事件について「劉暁波氏は平和的手段で政治上の理念を表明した。処罰は中国が自ら署名した国際人権規約に違反する」との声明を発表した。

中国政府・外交部の姜瑜報道官は「一部の外国大使館員が、中国の司法と内政に粗暴にも干渉している。中国政府は強い不満を表明する。関連国家は中国の司法と人権を尊重し、中国への内部干渉をやめてほしい」と述べた。

(Searchina NEWS 2009年12月25日)

◇エルサルバドルでまた反採掘活動家が殺される

エルサルバドルで一週間に二度も著名な反採掘活動家が暗殺されてきています。土曜日、32歳のドラ・アリシア・レチノス・ソルトが自宅ちかくで射殺されました。彼女の子どものひとりもまた射撃で負傷しました。ソルトは、バンクーバーを拠点とするパシフィック・リム・マイニングカンパニーが所有する金鉱の再開に反対するキャンペーンを行っているCabañas環境委員会の活動メンバーでした。先週、このCabañas環境委員会の副議長のラミロ・リヴェラ・ゴメスもまた射殺されました。エルサルバドルでは今年もっと早くに、もうひとり、反採掘活動家のマルセロ・リヴェラが殺害されました。

◇メキシコの人権活動家エスター・チャベス73歳が死去

メキシコでは人権活動家のエスター・チャベスが73歳で亡くなっています。彼女は国境の街シウダードフアレスの何千という暴力の犠牲者の女性たちを助けました。劇作家イヴ・エンスラーがチャベスについて言いました、「フアレスの女性にとって彼女は文字通り世界を変えました、そしてレイプ、失踪、捨てられた女性と少女を世界中の人の目に留めさせました。」

(以上、デモクラシーナウ!28 December 2009 ヘッドラインより)

写真は28日のカラチの爆発現場