見つけた 犬としあわせ

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2010/04/25

鳩山首相はオキナワに行ったか



◇辺野古埋め立ては自然に対する冒涜

24日付の米紙ワシントン・ポストは日米両政府当局者の話として、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に関し岡田克也外相が現行計画を修正した上で、大筋で受け入れる方向だとルース駐日米大使に伝えたと報じた。

同紙は、鳩山政権発足後、不信や混乱が続いていた日米関係にとって好材料となるとの見方を示した。一方、鳩山由紀夫首相は24日、「外相がルース大使と会ったのは事実だが、内容は必ずしも事実でない。政府案を検討している最中で、結論が出ているわけでない」と強調。「辺野古の海に立てば、埋め立てられることは自然に対する冒とくだと大変強く感じる。現行案を受け入れられるという話はあってはならない」と述べ、2006年に日米両政府が合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)を埋め立てる現行計画の受け入れを重ねて否定した。

岡田外相も報道について「極めて遺憾だ。事実ではない」と否定した。

ポスト紙の報道によると、岡田氏は日本時間の23日にルース氏と都内の米大使館で会談。岡田氏はキャンプ・シュワブ沿岸部への滑走路の移設におおむね同意し、滑走路の設計や一部の米海兵隊部隊の関連施設を沖縄から約160キロ離れた別の島に移すことを求めたという。島は鹿児島県・徳之島を指すとみられる。

米当局者は好感を示しつつも「最初の一歩」と強調。来週に詳しい案が日本側から提示されるとした。同紙はワシントンでの12日の非公式会談でオバマ大統領が鳩山首相に「時間切れとなりそうだ」とした上で、あなたを信用できるのか、と強い態度に出たことが方針転換の背景にあると指摘した。(共同通信)

(中国新聞 2010年4月24日)

◇沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府が2006年に合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への現行計画が再び検討の俎上(そじょう)に載せられたことが24日、表面化した。

鳩山政権が7カ月余り否定し、迷走した末の「現行計画回帰」に対し、沖縄の反発が一層強まるのは避けられない。

「あの海が埋め立てられたら、たまったもんじゃない」
鳩山首相は24日午後、視察先の群馬県内で、現行計画や修正案での決着の可能性を記者団に聞かれ、語気を強めて否定した。辺野古の海の埋め立てを伴う現行計画は、「自然に対する冒涜(ぼうとく)」 だとまで踏み込んだ。

だが、政府与党内では、首相が昨年12月に現行計画の見直しを表明した後も、「最後は現行計画の受け入れか、修正しかない」(日米外交筋)との見方がくすぶり続けてきた。

首相が公約した「5月末決着」まで残り約1カ月に迫る中、現行計画への「回帰論」が浮上した背景には、政府が数カ月かけて検討してきた移設案がことごとく暗礁に乗り上げ、「わらにもすがる思い」(防衛省筋)に陥った状況がある。

政府関係者によると、政府内では年明け以降、沖縄県内外の約20カ所について「技術的検証」を行った。自民党の橋本政権下で浮上し、予算や技術的難点の多さから消えた名護市沖合に構造物を浮かべる「メガフロート」案まで技術者を呼んで研究されたという。

メガフロートは、空洞の金属製の箱を組み合わせた浮体構造物で、90年代、日米の沖縄施設・区域特別行動委員会(SACO)などが実用化を検討した。最大の理由は、構造物が撤去可能なうえ、海の生態系への影響が少ないとのふれこみで、沖縄県民の理解を得やすいとの思惑からだった。今回の再浮上も同じ理由だ。

だが、シュワブ沖は波が荒く、防波堤が必要で、「工費は1兆円を超える」(防衛省筋)との見積もりもある。総工費約4000億円とも言われる現行計画を「金がかかりすぎる」と否定してきた政府の主張とは大きくかけ離れる。

首相や関係閣僚の言動からは、現行計画の修正について十分な調整を行った痕跡はうかがえない。

23日、ルース駐日米大使に直接、現行計画の大筋を受け入れる意向があると伝えたとされる岡田外相は、昨年末から現行計画容認派に転じており、首相と十分すり合わせたのかどうかを疑問視する向きもある。北沢防衛相は徳之島へのヘリ部隊移設に前向きだったが、反対論が強まる中、「現行計画支持」に宗旨替えしたの見方もある。防衛相は24日、長野市内での記者会見で、「(現行計画の)どこまでが修正かというのがある。中身をしっかり聞かなきゃね」と述べ、政府内で詳細が検討されていない様子をうかがわせた。

仮に日本側が現行計画に戻る決断をしたとしても、残り1カ月で、米側と修正を終えるのは困難だ。さらに、米側が条件の一つとしている「沖縄の同意」を再び取り戻すのは、今や不可能となっている。米側が外相の提案を「第一歩」と見ている、と米紙ワシントン・ポストが伝えているのはそのせいだとみられる。

(読売新聞 2010年4月25日)

◇アリゾナ州知事ジャン・ブリュワー知事は23日、米国で最も厳格とされる新移民法案に署名した。この法案は警察に不法滞在か否かの判断を義務付けており、犯罪捜査に際し人種差別を助長するとの批判がある一方、不法移民の厳格な取り締まりが可能になると評価する声もある。

また同知事は、地元警察に対し、人種による差別を行わずに同法を執行する方法に関する追加訓練を義務付ける命令を出した。

新法に対しては、同州の大半の警察官が人種を考慮せずに法的身分を調査するための十分な訓練を受けておらず、人種差別につながるとの批判があった。知事命令はこうした批判に対応したものだ。

新移民法の下では、同州に住む移民は外国人登録証を常時携帯することが義務付けられる。また警察官も、不法滞在が疑われる場合には職務質問することが義務付けられる。従来は、別の犯罪が疑われる場合にしか不法滞在か否かの確認ができなかった。また同法は、不法滞在者を日雇い労働者として雇った者や不法入国と知りながら米国に輸送した者にも適用される。

オバマ大統領はアリゾナ州の新移民法について「的外れ」と批判した。大統領は24人の軍人の帰化式典で次のように語った。

「連邦政府レベルで責任ある行動を取らないと、他の者が無責任な行動を取ってしまう。その一例が最近のアリゾナ州の動きだ。同州の新移民法は、私たちが米国民として大切にしている基本的な公平の概念、さらに治安の維持に不可欠な警察とコミュニティとの間の信頼関係を損ないかねない。」

(CNN 2010年2月24日)

◇米アリ ゾナ州、不法移民摘発の州法成立 逮捕容認で反発も
 
オバマ大統領は23日朝、州法成立に先立って「公平性を台無しにする。見当違いの努力だ」と法案を批判。ブリュワー州知事(共和党)に拒否権発動を促した。大統領による州政治への「異例の介入」(米紙ニューヨーク・タイムズ)だったが、知事は数時間後に署名、移民法は成立した。

アリゾナ州では国境を接するメキシコからの不法移民が問題になっているため、ヒスパニック(中南米系)が標的になる懸念が出ている。人種による差別待遇を禁じた公民権法に抵触する恐れもあり、ホワイトハウス当局者は司法省に判断を求めることを検討すると語った。

アリゾナ州法を巡る問題はオバマ政権の政策と、中間選挙に影響が広がる可能性がある。オバマ大統領は不法移民対策を大統領選で公約したものの見送ってきた。合法的な滞在資格を与えることで納税義務などを課し、管理強化につなげることが政策の柱だったが、不景気のなかでは米国人の失業増を招きかねないとの判断があったためだ。

ブリュワー知事は「国の無策」が問題とオバマ政権を批判。中間選挙ではヒスパニック票の動向が大きなカギを握る。

(日本経済新聞 2010年4月24日)

写真はアリゾナ州法成立に反対する、ほとんどがヒスパニック系アメリカ人のデモ
「私たちは人間」とある。