見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2010/12/01

ジュリアン・アサンジが危ない



◇内部告発サイト「ウィキリークス」は30日、激しいサイバー攻撃を受け、米国と欧州ではサイトにアクセスできない状態が数時間続いたことを明らかにした。

同サイトはアマゾン・ドット・コムの米国拠点のレンタルサーバーサービスを利用して復旧したもよう。

28日に大量の外交外電を公開した同サイトが、ミニブログ「ツイッター」で分散型サービス拒否攻撃(DDoS攻撃)を受けていることを公表したのは30日。DDoSはハッカーの間では一般的な攻撃方法で、サイトの反応が遅くなったり、ダウンしたりする。ウィキリークスは攻撃者を特定していない。

同サイトは28日にも攻撃を受けているが、30日の攻撃はさらに激しいものだったようだ。

シアトルに拠点を置くアマゾンへの問い合わせにはまだ回答がない。ウィキリークスのホスティング(サーバーの貸し出し)にかかわっているスウェーデンのIT企業バーンホフからも30日時点でコメントを得られなかった。

典型的なDDoS攻撃では、不正プログラムによってリモート制御されたコンピュータが、膨大なデータを一斉に送信して攻撃する。そのため通信回路があふれ、サイトはアクセス不能となる。犯人を突き止めることは難しい。

ウィキリークスは30日、毎秒10ギガビットに及ぶDDoS攻撃を仕掛けられたことを明らかにした。米インターネットセキュリティ会社のアーバーネットワークスによると、過去1年間の平均的なDDoS攻撃は、毎秒349メガビット程度。ウィキリークスはこの28倍の速度の攻撃を受けたことになる。

(ウォールストリートジャーナル2010年12月1日)
http://jp.wsj.com/IT/node_154998

写真:11月29日、内部告発サイトのウィキリークスが公開した米外交公電の中には、ロシアを「事実上のマフィア国家」とするなど、各国首脳を酷評する中身もあったことが明らかに。写真は公開された公電を報じる独シュピーゲル誌。ハンブルクで撮影(2010年ロイター /Christian Charisius)

◇民間の内部告発サイトのウィキリークスが公開を始めた米政府の外交公電約25万点の中には、ロシアで最も力を持っ ている政治家は、エネルギー政策からイラン政策までを仕切る「群れのリーダー」的なプーチン首相だとする一方、メドベージェフ大統領は「プーチン・バットマンの(相棒の)ロビン役」と皮肉るなど、各国首脳を酷評する中身もあった。

今回公表された外電では、米外交官らはロシアを「事実上のマフィア国家」と表現。在パリ米大使館発の機密公電には、今年2月8日にゲーツ国防長官が「ロシアの民主主義は消失し、政府は治安部隊が動かす寡頭(かとう)体制」だとし、「メドベージェフ大統領はプーチン首相よりも実利的だが、真 の変化はほとんど見られない」と述べる内容なども含まれている。

2012年の大統領選で再選を目指すオバマ米大統領は、メドベージェフ大統領との信頼構築を通じてロシアとの関係改善を進めようとしているが、今回暴露された文書はそうした努力に冷や水を浴びせる可能性もある。

一方、イタル・タス通信によると、インド訪問中のロシアのラブロフ外相は、今回の機密文書暴露が米ロ関係に悪影響を及ぼすことは望まないと表明。「もちろん面白い読み物だが、実際のところ、われわれは相手国の具体的問題の方を判断材料とし、将来的にもそのアプローチは変えないつもりだ」と している。

また、メドベージェフ大統領の報道官は「興味深いことや、コメントに値することは何もない」と、ウィキリークスの公開文書自体は問題視しない姿勢を示している。

(ロイター通信2010年11月29日)