見つけた 犬としあわせ

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2012/05/09

シェールガスと地震の関係



米東部ペンシルベニア州のピッツバーグ空港からクルマを走らせて40分。放牧された牛が草を食うのどかな酪農地帯にタンクローリーがけたたましく走り抜けていく。ここには、そこら中にガス田がある。
"マーセラス・シェール" 全米最大で世界屈指のシェールガス産地の中心部。ニューヨーク州からウェストバージニア州まで地下約2キロに円弧状に広がる軟岩層は約25万平方キロメートル。
高圧の水で岩を割る「水圧破砕」技術が確立された数年前から開発が加速し、ガス井は1100カ所を超えた。三井物産や住友商事といった日本の商社や世界中の資源企業も参画している。
一方、シェールガスをめぐり環境面の論争も高まっている。石炭や石油に比べて温室効果ガスの排出量が少ない半面、マーセラス・シェール周辺の河川や地下水では水圧破砕に伴う重金属が検出されている。
「天然ガスは重要なエネルギーだが次世代に負の遺産を残すべきでない」とNGO"ペンシルベニア環境会議"のジャック・ユービンガー副代表は訴える。(以上、産経ニュースの記事から引用)

その上、採掘で地下に戻された水が地震を誘発するとの報告書が出てくるとなると... シェールガスに喜んでばかりはいられない

◇米中部地域での地震の急増はシェールガス採掘が関係していると米地質調査所(USGS)が報告

水圧破砕法(液体を地中に注入し天然ガスを抽出)の廃液を、岩塩層の下に流し込むための深さ1~4キロメートルの排水井戸に注入することで起こされるとみている。岩の割れ目を通って地下水中に漏れる化学物質も問題視されている。
USGSは昨年8月にオクラホマ州の地震について報告書を提出した。それによると小さな地震が多発したが、ほとんどは水圧破砕の作業が終了して24時間以内に発生した。

2011年11月、英エネルギー会社Cuadrilla Resourcesは、同社がイングランド地方北西部ランカシャー沿岸で行った水圧破砕法による天然ガスの掘削によって幾つか弱い地震が引き起こされた可能性が極めて高いと発表した。同社が委託した外部の専門家チームの調査報告書は、「採掘現場の地質に、操業時に注入された水の圧力が加わるという、珍しい条件が重なったことがこれらの地震の原因」だとしている。

USGSは、米国地震学会の年次大会での報告で、マグニチュード3.0以上の地震が急増していることを明らかにした。2000年までの30年間では米中部地域での地震活動は年平均21回。それが2009年は50回、2010年は87回、2011年は134回と6倍以上になっていた。昨年はコロラド州とオクラホマ州でマグニチュード5を超える観測史上最大級を記録した。こんな急増は火山地域以外では過去にないこと。研究チームは、人為的なものであるのはほぼ確実としている。

地震活動はガスや石油を抽出するプロセスよりも、排水を井戸に流し込んで処分するプロセスで発生する。メンフィス大地震研究情報センターのホールトン研究員によると、地下に戻された水が断層の隙間に入り込んで滑りやすくなり、地震が起きやすくなったと考えられるという。

2011年エネルギー省は水圧破砕の環境影響を調査する委員会を立ち上げて、委員会は天然ガス業界への環境ガイドラインに水圧破砕や廃液注入により起こされる地震に関する調査を求めた。各州では排水井戸に対する新しい規制を検討している。

(引用元:ブログ"化学業界の話題"、朝日新聞4月26日付記事)

◇4月17日、三井物産と三菱商事が米エネルギー大手のセンプラ・エナジー(カリフォルニア州)から液化天然ガス(LNG)を最大800万トン調達することで基本合意したと発表した。  「シェールガス」と呼ばれる新型天然ガスを原料にLNGを生産し早ければ2016年後半から日本に輸入する方向で協議を進める。 三井物産は年内にも米国で権益を持つガス田で採取したシェールガスを設備にパイプラインで送る契約を結ぶ。 日本政府は昨秋から米国にLNGの日本向け輸出を要請しており、官民一体の取り組みが実を結んだ。 
◇政府は日本国内で原発の再稼働が進まない一方で、長期的にも原発への依存度を引き下げていく選択肢を検討している。しかし、太陽光などの再生可能エネルギーの急速な普及は難しく、当面はLNG火力発電への依存度が高まる。
(引用元:産経ニュース)