重大な死とそうでない死
◇まったく問題な死とそうでない死とがあるイスラエル人とパレスチナ人の殺害の不釣り合いな報道MEDIA LENS 02 July 2014イスラエル人の死はパレスチナ人の死よりずっと重要。これが長い間、中東に関する欧米ニュースメディアの報道の顕著な特徴だった。3人の十代のイスラエル人の残忍な殺害に割かれる全体に通じる最近の報道がこの不変の事実を強調する。チャンネル4のアレックス・トムソンは、「妙な観察だがイギリスのメディアは”1人のイスラエル人の命は1000人のパレスチナ人の命の価値に匹敵する”とのパレスチナの主張どおりになる」と、めったにない不同意のかすかな光を提供した。例えばBBCニュースといった一流の放送局はヘッドライン(主な項目)に振り当てて報道を最後まで拡大した、そしてイスラエルの悲嘆に暮れる親族との悲痛なインタビューを算入する。ガーディアン紙は9時間以上のあいだ葬儀を生中継した。ところで、イスラエルによるテロの犠牲者のパレスチナ人にいったいいつこんなことがあったか?生中継を先に立って案内するガーディアン紙のジャーナリストに、「ガーディアンのパレスチナ人犠牲者の葬儀と(死者に対する)賛辞のことばのライブツイートをどういうわけかボクは見落としたのか?」と読者が挑んだ。「ネタニヤフ:イスラエルと敵とのあいだの広くて深い溝」、「十代のイスラエル人の葬儀に数千人が集まる」、「十代のイスラエル人の死の後の悲しみと怒り」、「十代の子が消えた道」と表題を付けるニュース記事といっしょに、イスラエルがどのように深い悲しみのなか団結するかを説明するニュース記事とビデオニュース報道の長いリストがBBCのウェブサイトに出現した。このすべてが、なにかおっそろしいことが起こったという事実へのブロードキャスターの感情移入を強硬にそして正確に表した。けれども、BBCはいったいいつ十代のパレスチナ人の死についてこのレベルの懸念を表明したか?一貫した感情移入の偏りには、世間に向けてイスラエル人に人間性を与えてパレスチナ人から人間性を奪うことで効果があるために問題は重大だ。人間の苦しみにとって現実の結果のゆえに、これはメディア・プロパガンダの極めて致命的なやり方である。殺害は「イスラエルに心の底まで衝撃を与えた」とガーディアン紙の社説は書き留めた。欧米の指導者らもまた、確かに多くの場合かろうじて不平のつぶやきで通り抜けるパレスチナ人の死に対する反応と対照をなす懸念のほとばしり、一致団結を表明した。しかし、ガーディアンの全編集者が言わなければならなかったのはまさにこのことだ。過去13年の間に平均して3日おきに一人のパレスチナ人の子がイスラエルによって殺害されているという抜けている忌むべき事実である。2000年9月の第2次インティファーダの勃発以降、1523人のパレスチナの子どもがイスラエル駐留軍によって殺害されてきている。同じ期間に129人のイスラエルの子どもが殺されてきた。このように殺されるパレスチナ人の子どもの比率はイスラエルの子どもの10倍以上。欧米メディアの報道からあなたがこのことを少しも知らないのも無理はない。過去数日においてさえ、十代の子たちを捜す大規模なイスラエルの軍事作戦を報じる際に、過程で「殺害された未成年者の数を含む5人のパレスチナ人」に示されるのはほんの微々たるうなずきだけだ。3人の十代のイスラエル人が死体で発見された悲劇のあとで企業ジャーナリズムは、「罪のない若者に対するこの非常識なテロ行為」とのオバマ大統領の糾弾にヘッドラインの目を向けた。かなりの数の報道が、下記のように述べたデイヴィッド・キャメロン首相の衝撃を受ける反応に割りあてられた。「これは十代の若者に対してなされたぞっとするような許しがたいテロ行為でした。責任者を法に照らして処断しようと努めるとき、イギリスはイスラエルに賛成します。」ところで、オバマもまたキャメロンも、いったいいつこの激しいやり方でイスラエルによるパレスチナ人の青年や子どもの殺害を非難したか?5月にイスラエル治安部隊によって射殺された2人のパレスチナ人青年、17歳のNadim Nuwaraと16歳のMuhammad Abu al-Thahirについて報道の欠如を観察することで、私たちはメディアの扱いに関してイスラエル人とパレスチナ人の死について相違を、そして欧米指導者の沈黙を、簡単に見つけることができる。BBCは殺害を完全に無視したわけではなかった。だが、死は真実が強硬に疑いをさしはさまれたあいまいなできごととして述べられた。「先週の抗議でイスラエル治安部隊によって射殺された2人の十代のパレスチナ人を明らかにすると言うヴィデオを人権団体が発表した。」(私たちの強調)BBCの報道はすぐにイスラエルの見解に率直な印象を与えることになった:「だが、イスラエル軍は、ヴィデオは編集されており、事件の”強暴性”を詳細に記録していないと言っている。」「(軍は)また、実弾が少年に向かって発射されたとの主張を疑った。」数日後、イスラエル軍は殺害を捕らえたCCTVカメラの撤去を命じた。防犯カメラは近くの木工店を経営するFakher Sayedのものだった。そしてBBCニュースや残りの企業メディアからこれに対する関心は?私たちが教えられる限りでは、ゼロである。一つ残らず殺害など非業の死は悲劇である。だが、イスラエル人とパレスチナ人の死に割かれる不釣り合いな報道は深く根ざしたイスラエルひいきの偏りを示す。なぜそのように度を超えるのか?強力なイスラエルロビーとイスラエルに強く味方する緊密に結びついた米英の財界の実力者グループによってメディアに行使される激しい圧力のために。BBCのある匿名の上級編集員がかつてことばで表したように、「われわれはイスラエル人からの電話をびくびくして待つ。」http://www.medialens.org/index.php?option=com_content&view=article&id=770:some-deaths-really-matter-the-disproportionate-coverage-of-israeli-and-palestinian-killings&catid=52:alerts-2014&Itemid=245
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