見つけた 犬としあわせ

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2015/07/04

最後のローデシア人

◇アメリカは右翼テロを無視するのか?911以降、ジハード(聖戦)主義者より白人過激派によってもっと多くの人が殺害される

数千の人が教会大虐殺で犠牲になったクレメンタ・ピンクニー師をあがめるためにサウスカロライナ州議会議事堂に向かって進むとき、911以降アメリカで白人至上主義者と他の非イスラム狂信者がイスラム過激派よりはるかに多くの人を殺害したことを新たな調査が見つけ出します。情報収集センター”ニューアメリカ”によると、911以降アメリカでジハード主義者の暴力によるおどしで26人が殺害されます、だが右翼組織による攻撃では48人が殺されます。イスラム教徒のコミュニティにあてつけたオバマ政権による猛集中にもかかわらず、2001年9月11日以降、非イスラム教徒が19件のテロ攻撃を実行したのに、イスラム教徒に原因があったのはわずか7件でした。私たちはお二人のゲスト、ニューヨーク大学法科大学院ブレンナン司法センター特別研究員で国内対テロを専門とする元FBI捜査官マイク・ジャーマンと、1995年4月19日のオクラホマシティ連邦ビル爆破事件でお嬢さんが亡くなったバド・ウェルチをお迎えします。

NERMEEN SHAIKH:911以降、白人至上主義者と他の非イスラム教徒の狂信者が、イスラム過激派のほぼ2倍近くを殺害してきているのを新たな調査が見つけ出したとき、この9人が犠牲となる銃乱射が起こります。

エイミー・グッドマン:調査結果についてもっと話すために、ニューヨーク大学法科大学院ブレンナン司法センター特別研究員のマイク・ジャーマンに加わってもらいます。彼は1988年から2004年まで国内対テロを専門とするFBI捜査官として力を尽くしました。彼は「テロリストのように考える:元FBI秘密(おとり)捜査官の洞察(Thinking Like a Terrorist: Insights of a Former FBI Undercover Agent.)」の著者です。

さらに、オクラホマシティで私たちと一緒のバド・ウェルチ、彼のお嬢さんは白人至上主義者の犠牲者です。ジュリー・マリー・ウェルチは、ティモシー・マクベイによって爆破された1995年4月19日のオクラホマシティ連邦ビル爆破事件で殺されました、マクベイは2001年に処刑されています。

マイク・ジャーマン、少なくとも政府の一般説明における性癖と焦点が明かされる、全く大多数を驚かせるかもしれないことについてお話しください。

マイク・ジャーマン:さて、意外に思わせていることが2つあると思います。1つは、それらの重大事発生についてメディア報道が欠けているにもかかわらず、この極右過激派からの脅威は長い間ここにあって継続する不屈の脅威であるということです。

2つ目はその数が非常に流動的だということです。異なる組織が異なる重大事の発生とみなされます。それゆえ、たとえばウエストポイントのコンバッティング・テロリズムセンターは2012年に極右暴力の結果としてはるかに高い死亡数があったと報告を発表しました。特定の規範に基づく厳密な記録を握っている政府よりむしろ私たちには独自の規範の下で数をまとめる民間の組織があるのでこの脅威の本質や範囲について明晰な理解ができません。

NERMEEN SHAIKH:ところで、先週のチャールストンでの大量殺戮に続くジェームズ・コミーFBI長官によって行われる説明を見たいと思います。金曜、ボルチモアの記者会見で話すコミーは、この大量殺戮は憎悪犯罪として調査されるが、”テロリズム”の用語は除外されると述べました。

ジェームズ・コミー:法律の下でテロリズムと定義を下す常のために、私はテロとしません。テロリズムは一般多数または一般市民に影響を及ぼそうと試みるために行うかまたは実行すると言っておどす暴力行為。それゆえ、もっと政治的な行為です。さらにこれまで私が承知していることに基づき、私はそれを政治的な行為とみなしません。

NERMEEN SHAIKH:ディラン・ルーフの声明書が提出された前日、金曜のそれがジェームズ・コミーの話しでした。アメリカでイスラム教徒またはイスラム過激派と白人至上主義者の暴力によるおどしを比較するとき、あなたがFBIの方法論で酷評することに照らして特にコミーが述べたことについて話してもらえますか?

マイク・ジャーマン:もちろん。ではディラン・ルーフがジャケットにローデシア国旗よりもISISの旗のほうを付けていたら起こっていた異なる反応を推測していいでしょう。そして白人至上主義者の活動について多くを知っていてその中で諜報活動をさせられシンボルを知り標的を知る私のような者にとって、多くのアフリカン・メソジスト・エピスコパル教会同様に、エマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会は黒人コミュニティの精神的中心というにとどまりません。ご存じのようにそれは政治的中心、社会的中心です、だからそれが標的にされる犯行はFBIの定義である一般住民を威嚇したり力で抑えたりしようと思う暴力行為に適合します。そして政治的目的は明らかです。特に選ばれた犠牲者のひとりは州議会議員でした。それゆえ、ともかくもこれが政治的ではなかったという認識はFBIのテロの見方について多くを語っていると思います。

エイミー・グッドマン:あなたはジェームズ・コミーの説明に憤慨しましたか?つまりその、彼のコメントは私たちがこの声明書を知る前日でした。

ですが「黒人だからお前を殺すつもりだ」と彼が言ったあの時点で私たちにはわかっていました。床に横たわる女性に彼が、黒人コミュニティのその他の人びとを恐怖に陥れていることを「他のみんなに知らせてもらいたいからお前を殺すつもりはない」と言ったのを、私たちは知っていました。

彼はあの場ですべてを説明しました。司法省はテロリストかどうか熟考していると言いましたが、FBI長官のコミーが都合よく現れました、そして声明書以後でも言明を撤回していません。

マイク・ジャーマン:珍しいことです。つまり通常の調査では証拠が提示されるまで待つということです。証拠を調査する時間があるずっと以前に証拠について主張をしません。それゆえ、驚くべきです。ですが、もう一度言うけど、体制に異議を申し立てるためや政府の方針に異議を申し立てるために暴力のおどしを使っているとすれば、少数派コミュニティを動揺させるまたは現状の体制に勢いをつける面で暴力のおどしを使っているよりずっと危険だとの政府が抱く判断を映しだすと私は思います。たとえば、フーバー時代のFBIが法の執行者ではなく現状の保護者と自らのことをみなしていたことに教会委員会は答を見いだしました。そしてその判断はこの行為は政治的ではなかったとの言明に映しだされるようです。

マイク・ジャーマン:毎年、ざっと6000件から7000件の憎悪犯罪があると書いている年次報告書をFBIは発表します。2013年に発表される最後のデータは約6000件でした。しかし司法省の一部でもある全米司法協会が異なる方法論を用いて考察し、1年で19万件までの憎悪犯罪を捜し出しました。まあ、その格差は不可解です、しかし確かにFBIの方法論が脅威の範囲を提示しないことを示します。

エイミー・グッドマン:では、この公然と深刻にみなされない、またはあるとみなされる多数の事例について話しましょう。あなたは秘密のおとり捜査官になります。あなたが何をしていたか説明してください。

マイク・ジャーマン:いかにも私は1992年になんらかの武器契約(商取引)に従事している証拠のあるネオナチ・グループに潜り込んで捜査するよう頼まれました。それで密告者が私を紹介することで調査が始まって、最初から最後まで私の関わりはおよそ14カ月続きました。

エイミー・グッドマン:FBIおとり捜査官として。

マイク・ジャーマン:おとり捜査官として、ロサンジェルスのAME(アフリカン・メソジスト・エピスコパル)教会を含め、武器密売、爆発物製造、爆発物使用、それ以上に爆破する陰謀について多数の実例の正体を割り出しました。それで調査終了後に私たちは裁判を経験しました。裁判にかけられたのは合計8人か10人そこいらだったと思います。そしてついに私はFBIの国内テロ部隊と名づけて「これらの集団の仕事の仕方について私が身につけたすべてを説明できるように、いつ私たちは任務完了後の情報臨取で上申する情報を受け取るつもりか?」と言いました。すると彼らは、それは必要としない、この問題を十分理解したと考えると述べました。

エイミー・グッドマン:それはいつでしたか?

マイク・ジャーマン:これは1993年の裁判後、1994年でした。それでオクラホマシティ爆破の後、私は反政府グループのおとり捜査に戻りました。先の調査で用いたのと同じ方法論を用いて、また同じだけ間違いをしなかったので短い期間にグループ内の同じ犯罪行為の正体を割り出すことができました。裁判後、再び私は国内テロ部隊を求めました、すると彼らは私に質問して情報を求めたくないと私に告げました。確かに問題の一部はFBIが知る情報を取り込んで記録しないことです。911の聴聞会の間にサンディ・ベルガーが、FBIの問題は知らないことではない、知ってることをわかってないことだと述べたと思います。そして確かに、これらの調査の間に捜査官が身につけた情報を取り込んで記録する努力はありません。そして今日まで、FBIの国内テロ部隊は一度も私と面接していません。

エイミー・グッドマン:バド・ウェルチにこの会話に入ってもらいたいと思います。1994年に白人至上主義者のグループでおとり捜査をする、質問して情報を求めることを彼らに尋ねたこと、それをしたいと思わないと彼らが言ったこと、そして1995年に反政府の白人至上主義者で反イスラム教徒のティモシー・マクベイのオクラホマシティ爆破が起こります。マイク・ジャーマンの話しを聞いてあなたの感情は?

バド・ウェルチ:そうね、私の感情は非常に単純です。ティム・マクベイとテリー・ニコルズは砂漠の嵐作戦から戻りました、帰国したとき二人はPTSDを患っていて病気でした、そして政府は二人が受けなければならなかったきちんとした治療を受けさせることを怠ったということでしょう。従って私たちはテロリストに関係している政府の異なる部門のあの種の失敗を経験します。そしてアメリカに国内産のテロリストがいると認めるにあたり連邦政府はしばしば気が進まないんだと思います。それがマクベイとニコラスの真相だったと思います、そしてそれが現在ジュリーが亡くなっている理由です。わかりにくいですが、あんなわかりにくくする必要はないんです。

NERMEEN SHAIKH:2012年8月の別の事件、6人が殺害されたウイスコンシン州のシーク教寺院の大量虐殺に戻りたいと思います。2012年8月、当番組は国家安全保障省の元上級アナリスト、ダリル・ジョンソンと話しをしました。2009年、彼は極右過激派グループの脅威に注意を促してなりゆきで政治的な憤りのあらしを誘発しました。経済不安を組み合わせる初のアフリカ系アメリカ人大統領の選任は極右暴力の出現を活気づけかねないとその報告書は警告しました。番組で以下のように話してジョンソンは彼の研究調査から付随的な結果を詳細に説明しました。

ダリル・ジョンソン:私の雇い主、国家安全保障省が実のところ部隊を締めつけて私たちが行っていた価値ある仕事のすべてを止めるなんてことを私は決して予想しませんでした、そうでしょう。この報告(そして私の本の詳細な語り)は結局は私のチームが国中いたるところにたくさん善いことをしてきたことになります。私たちが法執行機関、情報当局から非常に多くの称賛を受けた国内テロとの戦いで私たちが行っていた偉業とはこのことです。それから政治的な反発の代わりに国家安全保障省は私たちの仕事のすべてを止めて、させる予定であった訓練や状況説明のすべてを止めるばかりか、部隊を解散して私たちを局内の別の部門に再配置することを決定しました、そのうえ私たちの情況をますます難しくしました。彼らは私たちがしていた仕事を中止するのみならず、起こっていた攻撃の幾つかの責任は私たちにあると責めようとしました。

NERMEEN SHAIKH:今述べたことはダリル・ジョンソンが2012年8月に当番組で話したことです。「国内憎悪の的にイスラム教徒のテロ集団の勢いと戦略を注ぐ」と見出しを付けた水曜のニューヨークタイムズの記事にダリル・ジョンソンはこう書いています、以下、引用。「国内テロは私たちが事実を伝える勇気がない国家安全保障の脅威です。過激派と彼らを暴力に駆りたてる過激な動向の両方の数は警戒心を抱かせるほど急上昇しており、また合同して生じている。それにもかかわらず、政府のほとんどすべてのレベルでの結果を顧みない無視を通してイスラム教に関連づけられない国内テロが診断お断りかまたはそれに取り組むつもりのないガンになっている。」マイク・ジャーマン、これに返答してもらえますか?

マイク・ジャーマン:もちろんです。2つの問題があると思います。ひとつは極右、極右攻撃の死者の数が他のどんなグループより高いのに毎年降りかかる1万4000件の殺人と比べてまだ相対的に少ない。それゆえ、私たちは情況においてこれを抑えておく必要があります。

エイミー・グッドマン:そしてその上で、銃による暴力のおどしについて話さなければなりませんが、今日は時間がありません。

マイク・ジャーマン:まさにその通り。そして2つ目はそれが極右の暴力かイスラム教徒のテロかどうかにかかわらず、テロの検討に問題があります。

エイミー・グッドマン:撤回せよとの抗議があって、彼らはその検討を無効にすることを余儀なくさせられませんでしたか?

マイク・ジャーマン:はいそうです。特定の考えを抱くことと狂暴になることに単純なその時々の関係を組み立てるので、私は同様にその検討を批判しました。そしてテロを犯す人々の実際の経験によって立証できる検討を見るときはいつでも、単純な関係などありません。イデオロギー(特定文化・集団・個人の考え方)は必然でもなければそれで十分でもありません、それなしで暴力を犯すたくさんの人がいて、それが唯一のものではありません。行動に移さないこれらのグループに加わる何千もの多数がこのイデオロギーを心に抱きます。そして、多くの人々に衝撃を与える憎むべき見方を抱いていても実のところ多くの人が暴力に反対なことを、おとり捜査の仕事から私は知っていました。従って、政府の監視によって抑えられることなく、人々は彼らの意見を言い表せないといけません、そして政府はイデオロギーよりもむしろ暴力を研究する必要があります。

(略)

マイク・ジャーマン:FBI捜査官として学ぶ最初のことは、証拠不足は証拠でないということ。そして不幸にして非常に多くの人々が理解が曖昧なので見過ごされてしまうのを経験してきています。テロによる死のことごとくが悲劇です、そして政府はそれを理解する必要があります。それで、私たちが検分したかった決定的なことは、現在国内テロに当てられているテロ対策作戦で使われるやりすぎと悪用です。

エイミー・グッドマン:ディラン・ストーム・ルーフは何者か、なんと彼の一部だったあの旗の重要性、非常に長いあいだ人々が戦うこの歴史のマジックモーメント、あなたの最後のコメントは?たとえば、旗を降ろすことは長いこと社会的行動主義の基盤だったので、実はこうしているのは特定の知事ではありません。ですが、旗はこのイデオロギーに不可欠な部分です。

マイク・ジャーマン:全くそのとおり。そしてこの憎むべき人種差別的イデオロギーを持つ人々に旗が助力を与えることに注意を向けるべきです。それゆえ、たとえあなた方がそれを代表しないと思っても、旗が揚がっているのを見るとき、彼らははるかに多くの人が彼らの思想を支持してそれについてほんとにもっと声をたてないと考えます、そして革命を始めようと彼らがまさにこの暴力行為を行うとすれば、それが彼らに慰安をもたらします。そして、そういうわけで暴力行為を通して人種戦争について語ったり人種戦争を誘発するのを聞きます、彼らの後ろにはこの暗黙の支持があると彼らが思うからです。ディランが南部連盟のルーフ(天井、最高部)を片づけるかもしれないことが起こりうると思いますか?

マイク・ジャーマン:おもしろい言い方ですね。この問題を顧みるのに、そしてこれがどうやって社会に悪影響を及ぼし私たちを前進させないかを認めるのに、このような悲劇的事件を引き合いに出すのは悲しいです。今どうなっているかを知ることはけっこうですが、それはまったく問題の一部にすぎません。本当に政府には、イデオロギーよりもむしろ暴力に集中してテロがどのようにめぐらされるか事実の通りに理解しようと努めてもらわないといけません、それで彼らは実際に危害を引き起こしている人々に厳密に導かれる措置を展開することができるはずなんです。

http://www.democracynow.org/2015/6/25/does_us_ignore_right_wing_terror

△サウスカロライナ州チャールストンの教会で9人が殺害された銃乱射事件で18日に逮捕されたディラン・ルーフ容疑者(21)はフェイスブックの自己紹介にアパルトヘイト(人種隔離)時代の南アフリカの国旗と白人支配下で人種隔離政策が続いた旧ローデシア(現ジンバブエ)の国旗を縫い付けたジャケット姿の写真を載せていた。

同容疑者のフェイスブックは18日夜までに閉鎖された。

地元警察や米メディアによると、ルーフ容疑者は17日午後8時頃、1人で教会に来て聖書の勉強会に加わった。しばらくして、「やらなくちゃならない」と言いながら乱射を開始。男性の一人がやめるよう嘆願すると「おまえたちは我々の女性をレイプし、国を乗っ取ろうとしている」と発言したという。「私は黒人を撃ちに来た」と言ったとの証言もあるという。

http://www.asahi.com/articles/ASH6M26M2H6MUHBI00J.html

△大手報道機関ではなく、一般のブロガー(それとは別にオンラインメディアのMashable)がリバースサーチで見つけたディラン・ルーフのウェブサイトには、数十点におよぶ彼の自撮り写真と彼の考えを綴った声明文がアップされていた。
そのサイトはすでに閲覧不能になっているが、「最後のローデシア人」という名称で、彼の「白人優越」の思想をはっきりと示している。
「東洋人は尊敬している。だって人種差別主義者だから」というのがあり、人種差別主義の強い東アジア人を尊敬し、日本のある映画が気に入っていたことなどが書かれているとのことだ。
www.alternet.org
いやはや、この人に気に入られる日本の映画ってなんだろ、怖いな