見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2021/08/31

駐アフガン日本大使はどこにいる

 

画像は空港に移転して任務を続けるフランス大使館の様子

(ダヴィッド・マルティノン大使のツイートより)

日本の退避計画は「フランス、アメリカと調整せず 単独敢行」だったと西日本新聞は伝える。

東京新聞(29日朝刊)によると、日本は各国に大きく出遅れ、数百人規模を運ぶ「空前の作戦」(自衛隊幹部)は不発だった。防衛省関係者によると、省内で退避計画の検討が始まったのは首都カブールが陥落した15日前後。17日には大使館の日本人職員全員が英軍機でアフガンを出国した。“現地職員は退避させなくていいのか”との与党からの意見にスガ首相は「ほとんど関心がなかった」(政府関係者)という。


カブールの空港周辺はタリバンの厳しい検問で近づくのも難しく、自国民らを安全に移動させることが各国共通の課題だったとし、「大使館員がいち早く出国した日本と対照的だったのは韓国だ。いったんカタールに避難した大使館員が再び戻って対応した。アフガン人職員や家族ら約400人の移送に成功した」とある。また、米軍は地上を避け、ヘリで直接空港に運ぶ手段も取った。ロシアは市民権を持つアフガン人ら計約360人を軍用機で退避させた。「出国手続きを大使館で済ませ、タリバン兵に警備されたバス4台をタラップまで直接乗り付ける入念さだった」とある。


ところで、80年代に個人でヨーロッパを旅して回っていたとき、スペインに戻らなければならないのに途中でパスポートの期限が切れてしまい困っていた絵描きのカップルとパリで出会った。すこぶる評判は悪かったが、ふたりはパリの日本大使館に助けを求めに行った。「あなたたちのような無謀な旅行者は助けられない」と大使館員は言って、あきれることに「強行突破でもしてみたら」と言い放った。かねがね、日本の大使館はフリーの旅人には手を指しのべようとしないところだとは思っていたが。そうか、こういう外交手腕が問われる世界的な危機においても、仕事を放り出してさっさと逃げ出しちゃうんだな。

ところで、駐アフガン・イギリス大使やフランス大使のことはわかったけれど、駐アフガン日本大使ってどなたなんですか。


アフガンの日本大使館で働いた現地職員、JICAなど国際機関で働く日本人とアフガン人、そしてその家族を残して、日本の大使館員12人全員は17日にイギリスの軍用機でドバイに脱出した。フランスはどうかと言うと、大使館員と軍人は最後の脱出となっている。下記、フランス在住の今井佐緒里さんが伝えている。



◇フランスは今日、自国民とアフガン関係者全員の避難を完了予定。どのように退避を行ったか。日本との違い。

2021年8月27日 今井佐緒里


フランスのジャン・カステックス首相は27日でアフガニスタンからの避難はすべて完了すると、8月26日の朝に述べた。

「フランス人、なんらかの形で軍に貢献したアフガニスタン人と家族、芸術家、ジャーナリスト、約2500人を送還しました」と首相はRTLのインタビューで答えた。「明日27日の夕方からは避難をすることができなくなります」ともいう。

最後の脱出時間は、大使館員と軍人の出発に使われる。

自国民、ならびに退避を希望するアフガニスタン人と外国人関係者、そしてその家族は木曜日の夜、または金曜日まで行われる。

その数時間後、最後まで残って仕事をしていた大使館員と彼らを守っていた軍人が避難して、フランスのアフガニスタンでの退避は終わると、政府筋がAFP通信に語った。

多くのフランス人が7月にすでに退避。

つい先日までフランスの外交官は「26日夕方までには退避は完了する予定だ」と答えていた。それが半日から1日延びたのはテロ情報のせいに違いない。

25日から26日にかけての夜、アメリカ、オーストラリア、イギリスから空港周辺での「非常に高いテロ攻撃」の脅威が報告された。この3カ国は自国民にその場を離れ、さらなる指示を待つように勧告した。

そして25日の朝早くから、フランス軍らはカブール空港のアビーゲートを守っていると在アフガニスタンのダヴィッド・マルティノン仏大使はツイートしていた。

そして実際に26日の夜にテロは起きた。

カブール空港は滑走路をはさんで片側は軍事ゾーン、もう片側は市民ゾーンになっている。爆発は2回起きた。1回は市民ゾーン側にあるアビーゲートの外、もう1回はこのゲートの近くにあるホテル(近辺)である。

テロが起こるとしたらどの場所かまで事前情報は把握していたに違いない。


フランスと日本の行動


それでは、フランスはどのように任務を完遂しようとしていたのか。在アフガニスタンの仏大使、ダヴィッド・マルティノン氏のツイートで大体のことは判明した。以下、日本の行動とともに、時間を追って説明する。

◎8月16日

フランス大使館員が、カブール空港に大使館の仕事を移す。

◎8月17日夜

フランス大使館に避難させていた自国民やアフガニスタン人・外国人関係者とその家族が、仏警察の護衛のもと、車で大挙して大使館を出る。どこに行ったかは不明だが、空港に連れて行った可能性もあるかもしれない。

◎8月22日

フランスへの移送が、最低でも2回報告されている。

◎8月23日

フランス軍が、アメリカ軍と共に、カブールのEU代表部(大使館に相当)のスタッフや家族の退避を担当。

▲日本は防衛大臣が在外邦人等の輸送を命令

◎8月25日

カブール空港のアビーゲートで、フランス軍と仏大使館を警護する警官たちが退避しようと集まっているアフガニスタン人を朝6時から助けていると報告。テロに気をつけろという情報がもたらされる。

▲日本はC2輸送機1機がカブール空港に到着。退避を希望する人が空港にいればイスラマバードまで輸送する予定だった。

しかし、彼らは自力で空港に到着しなくてはならず、到着できないため、25日は輸送は行われなかった。

また、この日の夜には、C130輸送機2機が隣国パキスタンのイスラマバードに到着した。そのまま待機していると思われる。

◎8月26日

夜、アビーゲートと近くのホテル(近辺)で、テロが起きる。

◎8月27日

フランス、予定より半日から1日遅れて、全員避難、任務終了の予定。


日本が助けるべき人たちは、いま


情報が錯綜しているが、日本大使館で働く12人の日本人は、すでに17日英国機でアラブ首長国連邦のドバイに脱出しているという。残っている日本人は、国際機関で働く「若干名」ということだ。

今問題になっているのは、この「若干名」に加えて、大使館と国際協力機構(JICA)の現地アフガニスタン人スタッフのこと。その家族も含めると計数百人規模とのことだ。

でも、退避を希望するスタッフらは自力で空港まで移動する必要があり、実際に空港までたどりつけるかが課題となっているのだ。


成功した韓国、そして第2弾の国連


日本は初めてだから仕方がないと思うのだろうか。

しかし、韓国は韓国政府に協力して働いていた現地人とその家族391人を無事にカブールから脱出させることに成功した。

韓国の報道によると、22日に米国政府は友好国に「バスモデル」というものを提案した。米国が取引しているアフガニスタンのバス会社に協力者を乗せて、米軍とタリバンが一緒に守っている検問所を通過させようというものだ。

この米政府の提案が日本になされなかったとは考えにくい。

27日夜、NHK情報で「日本人やアフガニスタン人スタッフらを乗せたバスが26日に空港に向かったが、爆発が見えて引き返した」との報道があった。これは米政府が提案した「バスモデル」に思える。

なぜ韓国と異なり、このように遅くなったのか。テロの警戒情報は25日からあり、欧米ではメディアにより26日には一般人ですら知り得た情報なのに、なぜ26日に空港に向かったのか。日本政府に遅れた理由の説明を求めたい。

さらに、カステックス仏首相によると、「他のヨーロッパ諸国や国際社会、特にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協力して管理する第2段階があり、これは将来アフガニスタンを離れる難民のことです」とのことである。


付録として、フランスがどのように任務を完遂しようとしているか、フランスの在アフガニスタン大使、ダヴィッド・マルティノンのツイートを引用して報告したい。


8月19日のツイート:

「アフガニスタンの友人たちへ:フランス大使館は空港に移転しました。外交団は数日前にワジール・アクバル・ハーンの敷地を出ました。したがって、そこではビザの手続きはできません。あなたの安全のために、すぐにそこから退避してください」

この内容は、英語とペルシャ語で発信された(ペルシャ語を解するアフガン人は多い)。

「おとといの夜(17日)、フランス警察が護衛して、カブールの安全地帯のフランス大使館から、保護を提供されていたフランス人、アフガニスタン人、外国人の家族を脱出させました。大使館の外交・領事団が彼らの面倒を空港で見続け、彼らは退避します」(続々と車が出てくる映像)


8月22日のツイート:

「01:30にカブール空港を離陸。空港に入ることができた163人のアフガンの友人たちは避難しました。さらに他の69人が04:30に続いて避難します。フランス大使館は、アフガニスタンの自由の戦士たちを守るための任務を続けています」


8月23日のツイート:

「今朝、フランスの特殊部隊が、アメリカ軍と連携して、カブールの欧州連合(EU)代表部のスタッフ260人を空港内に入れることができました。搭乗前にフランス大使館の待機ゾーンに迎えられました。ブラボー、EU」


8月25日のツイート:

「今朝のアビー・ゲート。フランス大使館の警察官(RAIDオペレーターと外交官の警備員)と、特殊空挺部隊ナンバー10の軍人が、アフガニスタン人の避難を続けようとして、朝6時から現地にいます」


8月26日のツイート:

「私たちのすべてのアフガニスタンの友人たちへ:空港のゲート付近にいる方は、大至急離れて、安全を確保してください。2回目の爆発の可能性もあります」とフランス語で発信。


8月26日から27日に日付が変わるころのツイート:

「犠牲者に思いをはせます。私たちの近しい人たちへ:今日、フランスの兵士、警官、外交官はだれもアビー・ゲートで働いていませんでした」。爆発があったものの、無事を報告。


https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20210827-00255196


BBCによると、イギリスの駐アフガニスタン大使、サー・ローリー・ブリストウは29日午前、イギリス人を乗せてアフガニスタンを離れる最後の便のひとつで帰国した。イギリス政府は28日、アフガニスタンからの退避支援作戦を終え、英軍をはじめ全ての英政府関係者もアフガニスタンから出国したことを明らかにした。


https://www.bbc.com/japanese/58380729