見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの、見つけたとき、 それを作品にしたり、思わずなにかの形にして、人に 伝えたくなります。 見つけたとき感じた、しあわせ感覚が、ひとしずくでも 誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

March 03, 2007

公共の福祉の中に美観がある


国の景観法ができたいま、自治体には「景観を守る責務」があります。
今年、100ちかい市町村で景観計画ができる予定で、ほとんどでガイドラインとして高さ規制をうたいます。現実としてツールで規制ができる時代になったということです。
消極的であった東京都でさえも高さ制限に踏み切りましたし、6月議会でどうなるかわからないまでも京都では大々的に市民アンケートをとって48カ所の眺望を守ることになりました。
さてさて、自分ちの前とか影響あるところに、緑と大きな空を奪う高層マンション計画とかが持ち上がるでもなければ、普通、景観を守ると言われてもピンと来ないんでしょうね。
うちのそばで市民の自慢のすばらしい景観(=財産)をぶちこわす、そういう問題が起こって初めて考えるようになりました。
先日、茅ヶ崎の市民団体が主催するまち景まち観講座、「魅力的な景観と高感度なまちづくり」by東大教授 西村幸夫氏の話を聞いてきました。
アメリカではどうなっているのか、という話がおもしろかったのでご紹介します。
アメリカでは:
・1930年代に「景観は規制していいんじゃないか」という合意ができてきた。景観は付加的なものとして、資産価値を守るために景観を守る。財産価値は厳しい規制で守られる。
・1950年代、資産価値とは別に、景観的な価値があるんだと裁判で言われるようになってきた。1957年の最高裁判決、バーマン判決で、「健康のためには景観を守る」、「公共の福祉の中に美観というのがあるんだ」と言って、景観だけで規制ができるようになった。
・1960年代、「悪い景観は公害だ!」となった。
・1970年代には「人権」になった。いいものを守る権利、つまり景観権。
日本ではこの1970年代に日照権が認められることになります。日が当たるということはいいこと、大事なものだ、ということになり、建築法に初めて定められたのです。
・1980年代、「景観は環境の総合指標ではないのか」となる。「景観がいいというのは全体の生活環境がいい」ということではないのか。主観や好みの問題ではなくて、全体のよさを表すものという合意形成ができてくる。
日本の場合、画期的と言われた国立裁判でも景観権は認めていません。景観権は人権と同様、誰にでもあるもの。国立裁判では「法によって守られる景観利益はある」としました。自己規制してみんながルールを守っているから生まれるのが景観利益。全体がこの利益を受けている。これを壊す人はまわりに迷惑を与えている、となります。
では景観とは何なのか?1977年に中村良夫さんがこう言っています。
「人間を取り巻く環境の眺めに他ならない。」
もうひとつ、景観には意図があるという話がおもしろかった。
景観の善し悪しを歴史から見る。土地が持ってるポテンシャルを歴史から、生活空間から学ぼう、生活や生業から景観を読むといったことです。
例として:
上野の山は明治5年に大学病院が建つはずだったのが、オランダ人の医者ボードウィンが公園として残すべきと政府に意見書を提出して病院にならずにすんだ経緯があります。オランダ大使館から贈られた、公園の生みの親であるボードウィンの像は公園内にあるにはあっても、誰の目にも留まらない路の端にあります。周囲にはホームレスのブルーテントが並ぶありさまです。公園の生みの親の像に人を導くような公園デザインにするべきなのです。この像のあるところに路を一本通すとか、そうすればみんなが自然に像を見ることになります。
不忍池は昔の写真を見ると一周することができました。そういう風に作られているのです。いまは動物園の出口にぶつかって半分までしか行けません。そこは分断され、人が見苦しくたまる場所になってしまっています。
また、不忍池を見下ろすようにデザインされた京都清水寺を模したと言われる清水観音堂の欄干からは、江戸の絵を見ると、不忍池の手前に太い幹がくるっと一回転して螺旋を描く見事な松が見えていたことがわかります。
いまそこに松はありませんが、欄干からは桜の木に覆われてしまっていて池も見えない状態です。これでは本来の意図が台無しになっており、いい景観とは言いがたいと西村教授は言います。「桜の木を間引けば、欄干から池が見える意図した景観を保つことができる」「博物館もまた正面の公園の道からはなにも見えない、ここも樹を切ってシンメトリーになっている博物館の正面建物を見えるようにしてはじめてこの景観を作った意図が保たれることになる。なんでも樹を残せばいいということではないはずです」

写真は「先手を打ってイラン戦争をさせない!」というCODEPINKのポスターです。Don't Iraq Iran ! とあります。イランをイラクにするな!ってことでしょうか。

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