極秘の非合法活動の記録
米中央情報局(CIA)は26日、1950ー70年代の海外要人暗殺計画や幻覚作用を起こすLSDなどの民間人投与試験、ジャーナリストの電話盗聴など極秘の非合法活動の詳細をまとめた報告書を公開した。
なかでも際立っているのが、キューバのカストロ国家評議会議長の暗殺計画。60年8月、CIAに雇われた米連邦捜査局(FBI)の元捜査官ロバート・マヒューがギャングのジョニー・ロッセリに接近。カストロ議長暗殺の報酬に15万ドルを提示されたロッセリはマヒューに「サム・ゴールド」と「ジョー」を紹介した。
この2人は、捜査当局が追っていた最重要指名手配者リストの十指に入るギャング。シカゴのアル・カポネの後継者モモ・ジアンカナとサントス・トラフィカントで、CIAから毒薬を6錠渡された2人は、数カ月かけて人を使いカストロ議長の食べ物に毒薬を混入させようとしたが失敗した。
この計画は61年4月、米国に支援された亡命キューバ人兵士らがカストロ政権転覆を図ってキューバに侵攻した「ピッグズ湾事件」の後、取りやめになったが、その後も、カストロ議長に対し別の暗殺が企てられたという。
(東京新聞2007年6月27日)
公開された「家族の宝石」と呼ばれる約700ページの文書は、73年ウォーターゲート事件へのCIAの関与に怒った当時のシュレジンガー長官が違法の可能性のある活動をまとめるよう指示して作成させたものだった。
25日付の共産党機関紙グランマに寄稿したカストロ国家評議会議長が「ブッシュ大統領はインチキをして他の候補から大統領の座を奪う前から私を殺害する計画を立てていた」と非難した。カストロに言わせれば、彼は約650の暗殺計画から逃れるという「世界記録」の保持者だそうだ。
ブッシュの海外要人暗殺計画のリストにはベネズエラのチャベス大統領もいるに違いない。
ベネズエラのチャベス大統領は26日から7月3日まで、イラン、ロシア、ベラルーシの3カ国を訪問する。いずれも米国との関係がぎくしゃくしている国で、チャベス大統領は、ロシアから潜水艦、ベラルーシから防空システムを購入するかもしれないと、米国の神経を逆なでするような発言をしている。
チャベス大統領はこれら諸国との関係を深めており、米国とその対立国との間に一段と深くくさびを打ち込む狙いがありそうだ。大統領は24日の軍事パレードに軍服姿で臨み、「抵抗戦争は、われわれが帝国主義戦争を打ち破っている武器である」と述べるとともに、「われわれは冷戦に続いて、とりわけ米国で同時テロが起きた2001年9月11日以降、新たなタイプの世界戦争に突入した」と檄(げき)を飛ばした。
またチャベス大統領は、今回のベラルーシ訪問で、200ー300キロの射程を持つ防空システムの購入について最後の仕上げをしたいと述べた。ブッシュ米大統領は今月になって、ベラルーシの民主化の障害になっているとして、ルカシェンコ同国大統領らに対する制裁措置を延長している。ブッシュ大統領はルカシェンコ政権を人権侵害でも非難している。
(AFP=時事2007年6月25日)
写真は、6月14日にカストロと6時間会談した際のチャベス大統領
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