見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/05/24

クラスター弾全面禁止の圧力


◇不発弾が市民を殺傷しているクラスター爆弾について福田康夫首相が23日「もう一歩踏み込んだ対応が必要」と述べたことについて、2008年中の禁止条約締結を目指す軍縮交渉「オスロ・プロセス」に参加する各国代表団や非政府組織(NGO)は「大きな前進」と歓迎した。一方、30日に予定される条約採択までに日本が方針転換を決められるか不安視する声も出ている。
オスロ・プロセスは現在、アイルランドのダブリンで最終会議を開いている。参加している英政府代表団の一人は、ブラウン英首相が21日に英軍保有のクラスター爆弾の「見直し」を指示したことに言及し、「福田首相がブラウン首相と同じような立場を打ち出してくれたことは心強い」と話した。
また、交渉をリードするノルウェーのコングスタッド外務省国連局副局長は「日本が、西側主要国と足並みをそろえるということなら、とても前向きな動きだ」と歓迎。赤十字国際委員会のハービー軍備管理部長は「具体的にどうなるのか不明な点も残るが、ブラウン首相に続いて福田首相も動きを見せたことには勇気づけられる」と評価した。
会議では現在、禁止対象の定義をめぐって▽全面禁止を求める途上国グループ▽不発率が極めて低く、数も少ない「最新型」は例外にと主張する独仏やノルウェーなど先進国グループ▽最新型に加え、それより不発率が高い「改良型」も例外にと主張する日本、フィンランドなど4~5カ国、という構図ができている。交渉は「最新型」だけを例外とする方向でまとまりつつあり、議長国アイルランドは来週半ばまでに最終案を固める考えだ。
NGOの連合体「クラスター爆弾連合」のコーディネーター、トーマス・ナッシュ氏は「日本と同じスタンスの国は、もうほとんど残っていない。日本政府の動きは歓迎したいが、条約案確定までには残り数日しかない。それまでに結論が出るのだろうか」と、不安の表情も浮かべた。
(毎日新聞 2008年5月23日)

◇ストップクラスター:日本の声(4)民主党幹事長 鳩山由紀夫
政府は外交、安全保障問題で常に米国を意識し過ぎている。インド洋やイラクへの自衛隊派遣も米国との関係で行われた。クラスター爆弾でも日本の保有を議論する以前に、米国への配慮から全面禁止に踏み切れない。早く全面禁止に向けてかじを切り、世界をリードしてほしい。
正確性のあるクラスター爆弾は認め、不発率の高いクラスター爆弾は規制する議論がある。しかし、ある外務省職員は「良い悪いを分ける基準はない」と話した。そもそも人を殺傷する攻撃型兵器であり、「いいクラスター爆弾」などない。
超党派のクラスター爆弾禁止推進議員連盟が動き出したが、全国会議員の1割にも満たず、パワーアップが必要だ。国会決議のような何らかのメッセージが求められる。
(毎日新聞 2008年5月23日)

◇クラスター爆弾禁止条約作りを目指す「オスロ・プロセス」に参加する国際人権団体「ヒューマンライツウオッチ」(HRW)は22日、「米政府が同盟国に働きかけて、条約に<抜け穴>を作ろうとしている」と批判する声明を発表した。米国はクラスター爆弾を軍事的に有効だと重視している。HRWは開催中のダブリン国際会議で、「米国の圧力を受けたとみられる国々が、共同作戦への支障の恐れを過剰に強調している」と猛反発している。
(毎日新聞 2008年5月23日)
 
◇ブラウン英首相は21日、英軍が実戦配備しているクラスター爆弾についての「見直し」を国防省に指示した。2008年中の禁止条約作りをめざす軍縮交渉「オスロプロセス」がアイルランドのダブリンで大詰めの交渉を行っており、このタイミングでの「見直し」は全廃への方針転換を示唆するものだ。交渉で、全面禁止に抵抗を続ける日本の孤立はさらに深まりそうだ。
首相は、禁止条約締結へ向けて「精力的な交渉」を行うよう代表団に指示、「英軍が配備しているクラスター爆弾が民間人に危害を与えないか見直す」よう国防省に求めた。
英国は昨年3月、不発率の高い「旧型」を即時使用禁止にしており、今回の指示は残る「改良型」などが対象。会議の進展次第で、使用禁止や廃棄を認める用意があることを示唆したとみられる。
オスロプロセスに参加する独仏など主要国やノルウェーは、子爆弾それぞれが目標を識別して爆破し、不発弾が極めて少ない「最新型」を除いて禁止する方向で足並みをそろえつつある。外交筋は「最新型を例外にしても、全体の95%以上が禁止対象になる」と話しており、事実上「全面禁止」に近い案だ。
(毎日新聞 2008年5月22日)

◇スティーブン・マル米国務次官補代行(政治・軍事担当)は21日の記者会見で、不発弾による民間人被害が問題視されているクラスター弾の禁止は「不可能」と断言し、アイルランドのダブリンで開かれている有志国による国際会議「オスロ・プロセス」での議論をけん制した。
同プロセスには米国や中国、ロシアといったクラスター弾の主要製造・使用国は参加していない。マル次官補代行は、同プロセスがクラスター弾禁止で合意しても「結局のところ詐欺になる」と実効性を疑問視した。
マル次官補代行はクラスター弾が「米国防戦略上、重要な位置を占めている」と使用禁止は受け入れられないと強調。一方で「現実的で、効果的な方法での問題解決を目指す」と述べ、不発率を低くする技術開発や、使用時のルール作りに主眼を置くべきだと主張した。
(共同通信 2008年5月22日)

◇イスラエル軍のクラスター爆弾、停戦後も200人死傷
国際人権団体「ヒューマンライツウオッチ」(HRW、本部ニューヨーク)は、イスラエル軍が2006年夏、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘で使用したクラスター爆弾についての調査報告書を発表した。停戦後もレバノン南部に残された不発弾の爆発により民間人約200人が死傷したと指摘、クラスター爆弾使用は国際人道法違反と批判している。
クラスター爆弾は空中で子爆弾が多数分散し、戦闘後も不発弾による被害が絶えない。報告書は、クラスター爆弾禁止条約について討議する国際会議が18日からニュージーランドで始まったのに合わせて発表された。
報告書によると、2006年7〜8月の約1カ月の戦闘期間中、イスラエル軍は460万発の子爆弾を含むクラスター爆弾を使用。大半は停戦が確実になった戦闘最終盤の3日間に集中的に使われたと指摘している。
調査した在ベイルートHRWのナディム・フーリー氏によると、イスラエルとの国境に近いレバノン南部では、残された不発弾が風雨の影響で爆発したり、爆弾に誤って触れた子どもたちが被害にあったりするケースが続出。停戦後、今年1月までに20人以上が死亡、約180人が負傷した。不発弾の除去は進んでおらず、主産業の農業ができないため、地域経済にも打撃を与えている。
また、レバノン南部スールに事務所を構える国連地雷除去センターのファラン報道官によると、不発のクラスター爆弾はレバノン南部ほぼ全域で発見され、その数は「285カ所」にのぼる。「毎日、新たに30カ所で発見されている」と述べた。
イスラエル軍は、ヒズボラのロケット発射拠点を攻撃するためのクラスター爆弾の使用であり、国際法違反ではないと主張している。
(2008年2月19日)

◇日本の自衛隊も持っているクラスター弾
ペルーの首都リマで23日から開かれたクラスター弾禁止条約の制定を目指す国際会議に参加するため現地入りした米国のノーベル平和賞受賞者ジョディ・ウィリアムズさんが21日、共同通信など外国メディアと会見し、日本が条約参加への態度を保留していることについて「悲しむべきことだ」と失望感を表明した。
彼女は、日本の姿勢が「小泉前首相と安倍現首相の対米関係重視の姿勢や、憲法9条改正の動きの反映ではないか」と分析。地雷問題に熱心だった日本の国会もクラスター弾規制に関しては取り組みが鈍いと指摘した。
不発弾問題に関しては、非戦闘員が被害を被りやすいなどの面で非人道的であるとして、ノルウェーが呼びかけたクラスター爆弾禁止に関する国際会議で 2007年2月23日、クラスター爆弾に対し2008年までに使用・製造・移動・備蓄の禁止と同型爆弾の廃棄や使用された爆弾の撤去や被害者のケアを目指す「オスロ宣言」が採択された。なお同宣言に対し日本・ポーランド・ルーマニアは参加49ヶ国中で3国のみ宣言に加わらない意向を示している。
(2007年5月23日)

◇フランスNPO主催の国際映画祭 テーマは「地雷とクラスター爆弾」
ドキュメンタリー中心の映画祭「シネマベリテ国際ランデブー」が今秋、モナコとパリであった。主催は仏NPO法人インスティテュート・シネマベリテ。ジョエル・ソーラー代表は「映画が次々消費される今こそ興行網に乗りにくい作品を世に伝えたい」と話す。
ソーラー氏によれば、社会問題をえぐる映画はフランスも発表の場が少ない。モナコは、カロリーヌ王女に手紙で映画祭支援を頼み、会場提供などで助力を得たという。
映画祭の主題は「地雷とクラスター爆弾」。地雷被害にあったチェチェンの子どもの記録映画、カンボジアに消えたカメラマンの一ノ瀬泰造さんを描いた「TAIZO」など約50本を上映。地雷廃絶運動でノーベル平和賞を受けたジョディ・ウィリアムズさんも駆けつけた。
ソーラー氏はイラクの故フセイン元大統領の記録映画「アンクル・サダム」で各地の映画祭で受賞。獲得資金などでパリの中華料理店だった物件を買い、50席の上映施設も作った。上映機材は日本ビクターの提供だ。
映画祭はスポンサー提供の宝飾品などを競売し26万7000ユーロ集めた。ソーラー氏は「主題を変えて毎年やる。例えば<水>も一案。ぜひ日本からも出品を」。日本企業の支援を期待し、日本語サイトも始めた。
(朝日新聞 2007年12月3日)

この、かっこいい!写真は、ヴァニティフェア誌の特集記事「RFK」よりーー。
1968年、遊説中の民主党大統領候補ボビー・ケネディとその一行です。これだけでアメリカ60年代後半の空気が伝わってきます。ボビーの結末を考えると、2008年民主党候補指名が固まりつつあることで、こちらもとてもスマートで、スタイルのよいゴージャスなカップルだけに、不安がよぎります。先日、まるで暗殺をあおるかのような共和党元大統領候補者の全米ライフル協会会員に向けた演説もありました。