マンデラがテロ監視リストの大恥
◇米上院がテロ監視リストからマンデラを取り除く法案を可決
妨げのない米国への旅を排除していた潜在的テロリストのリストからアパルトヘイト政策を終わらせるのに尽力した南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラを取り除くための法案を木曜、米上院が可決した。
上院での立法措置の共同発起人であるジョン・ケリー上院議員(民主党)は金曜、上院の決定を称賛した。
「今年夏の彼の90歳の誕生日の返礼に、ネルソン・マンデラは、人間の気高さと弾圧をものともしない勇気のゆえに、世界で最も影響力のある発言のひとりとしてもう一度名誉を与えられる。彼をわが政府のテロ監視リストに含めることで、この偉大な指導者の名誉をおとしめるという大恥をついに取り除くことすれすれに(あとはブッシュのサインのみ)米国は進んだ」とケリーは言った。
金曜日、マンデラは90歳になった。
南アフリカの白人アパルトヘイト(人種隔離政策)政権に反対して、今から何十年も前に現政権であるアフリカ民族会議(ANC)と共に着手した活動のせいで活動家は監視リストに載せられた。1990年に釈放されるまで、マンデラは27年間刑務所に閉じこめられた。初めて南アフリカの黒人が投票できた1994年に彼は南アフリカの大統領になった。
マンデラの名がいまだに監視リストにあることが、「決まり悪い思いをさせる」と最近コンドリーザ・ライス国務長官は言った。彼をリストから除外する法案はいまブッシュ大統領のデスクに進む。
「ネルソン・マンデラは、南アフリカの歴史の暗黒時代において自由と民主主義で指針となる人として力を尽くした。彼と他のANCのメンバーに押しつけた不名誉な入国規制を取り除くことで彼の投獄と犠牲的行為に名誉を与えることになる立法措置をついによく可決したと私は満足だ」と上院の法案の共同発起人ボブ・コーカー上院議員(共和党)は言った。「私たちが今日行っているのは、正しいことでまさにやるべきことなのだ。」
(the raw story 27 June 2008 by Nick Juliano)
◇南アフリカ初の黒人大統領で、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ氏らへの入国規制を解除するとともに、同氏を「テロリスト」と位置付ける情報を米政府のデータベースから抹消するよう定める法案が27日、米議会を通過し、ブッシュ大統領に送られた。
マンデラ氏は白人支配下の南アで、アフリカ民族会議(ANC)議長としてアパルトヘイト打倒に尽力した。だが、ANCは南ア国内で1990年2月まで「テロ組織」として非合法化されていたため、米政府はANC指導者たちの入国を規制、これまで解除措置が取られていなかった。
このため、米下院のバーマン外交委員長(民主党)が4月、今回の法案を提出。5月に下院で可決されたのに続き、上院でも27日、全会一致で承認された。
(共同通信 2008年5月28日)
◇マンデラ氏、ジンバブエ情勢で初発言 ムガベ大統領を非難
大統領選の決選投票を前に、ムガベ政権が野党勢力の弾圧を強めているジンバブエ情勢について、ノーベル平和賞受賞者である南アフリカのネルソン・マンデラ前大統領は25日、「ジンバブエの指導者の悲劇的過ち」だとコメントした。同氏がジンバブエ情勢について公の場で語ったのは初めて。
マンデラ氏はロンドンで開かれた90歳の誕生日記念の夕食会で、スーダン西部のダルフール危機とともに、南アの隣国であるジンバブエの混迷を憂慮していることを明らかにしたうえで、慎重に言葉を選びながら、ジンバブエのムガベ大統領を暗に非難した。
マンデラ氏は、ムベキ南ア大統領がジンバブエ情勢改善に向けた仲介を主導している点を踏まえ、この問題についての発言をこれまで控えていたもよう。夕食会にはブラウン英首相や、クリントン前米大統領らが出席していた。
大統領退任後も大きな影響力を持ち、尊敬を集めているマンデラ氏の発言は、アフリカを代表する指導者を自称するムガベ大統領にとって大きな打撃とみられている。また、ムベキ大統領の仲介能力について各国が厳しい目を向け始めているため、今回のマンデラ氏のコメントは大きな反響を呼ぶと予想される。
(CNN 2008年6月26日)
写真は彼の90歳の誕生日を祝う、ロンドン、ハイドパークでのギグでステージに上るネルソン・マンデラ氏。会場にはマンデラの囚人番号だった46664に合わせた数(実際には50000人以上)が詰めかけた。写真のウィル・スミス、アニー・レノックスの他に、エイミー・ワインハウス、クィーンなどがギグで歌った。
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