3万人のインディオがハイウェイを行く
◇コロンビア先住民1万人以上がウリべ政権への抗議デモ行進を開始
1万人以上のコロンビア先住民が、アルバロ・ウリべ大統領への抗議のデモ行進を始めました。参加者たちは先住民居住域の軍事化、アメリカ・コロンビア間の自由貿易協定、そしてウリべ政権が先住民社会と結んだ様々な協定の履行を怠っていることに抗議しています。
(デモクラシーナウ!2008年10月24日)
◇コロンビアのアルバロ・ウリベ大統領と大規模なインディオの抗議運動のリーダーたちが日曜、カリ市で会うつもりである。今週、抗議者らはコロンビア、ヴィラリカのパンアメリカンハイウェイを行進する。
木曜の晩、大統領は抗議のリーダーのひとり、ダニエル・ピナクエと電話で話をして、「包括的で建設的」な会話を期待すると述べたとコロンビア政府は伝えた。
数万人規模のインディオたちが、もっと土地を、もっとましな教育と医療ケアを、彼らの先祖の土地を企業が侵略することから保護してと要求して、コロンビア南西の山脈から200万人の都市カリまでデモ行進している。
コロンビアの130万人のインディオは4000万の国民のなかでも最も力を失い最も貧乏になった人たちと同列に考える。
デモが10月10日に始まって以降、抗議者と警官隊が衝突してきている。少なくとも4人のデモ参加者が殺されて130人が負傷してきているとインディオのリーダーたちは言った。彼らは政府の治安部隊がデモ隊をねらって銃撃すると非難してきている。
当局者らはこの申し立てを否定してきており、治安部隊めがけて石を投げつけ、火炎ビンや手製爆薬を投げるインディオがいると言った。主に暴動鎮圧隊(機動隊)の70人の治安部隊の隊員がケガをしたと政府は言った。
当局者らはまた、群衆の怒りをかきたてるために仲間のデモ参加者を撃っているインディオがいると言った。
最初のうちそのような言いがかりを否定した後、治安部隊は発射していないとの政府の誓約にもかかわらず、水曜日ウリベは先週警察がインディオに発射していたのを認めた。
10月16日、コロンビア南西部のラマリア・インディオ(政府指定)保留地にいる警察の姿を示すヴィデオテープをCNNが入手して放送した後、記者会見でウリベは「警察は発射した」と言った。
発射したパトロール隊員は爆薬で攻撃されたとウリベは言った。監督官は彼が発射したのを知らなかったと大統領は述べた。
殺されたインディオらは、警察の銃弾ではなく彼らの爆薬の結果として死んだのだとウリベは言った。
「これはレジスタンス運動です」と抗議者のロドリゴ・キーラは言った。「私たちはウリベ大統領の政策に同意しません、他のグループもまた同じ感情を抱いています。それで私たちの仲間に加わっているわけです。」
デモ行進者たちは南米の主要な交易ルート、パンアメリカンハイウェイをくねりつつ進んできている。彼らは時折、海を渡って持ち込まれた病気、奴隷制や戦争の結果として南米と中米の全域で多くのインディオが死んだとき、スペイン征服の時(10月12日はコロンブスのアメリカ大陸発見の日というか、搾取の始まり)にさかのぼる伝統的なインディオの歌を奏でる。
「私たちの権利を要求する闘争で、私たちは強固な同盟を創り出さなければならないと考える」とインディオのリーダー、アイダ・キルクエは言った。
コロンビアの暴動鎮圧部隊の隊員は、「火炎ビン、火薬(手製爆薬)、ナタで闘っているのでインディオは最悪だ」と言った。
コロンビア政府によると、ウリベとピナクエとの5分の電話で、今週末に双方が「兄弟の間柄のつもりで」話すべきだと大統領は述べた。
(CNN.com 24 October 2008)
◇「混乱ばかりを伝えるのではなく、なぜ私たちが立ち上がっているかを伝えていく必要があります。まず、コロンビアでは、虐殺、民族虐殺が進行しています。内戦や麻薬対策という名目の農薬空中散布、医薬品と食料品の遮断、先住民追放などにより、現在18の民族ですでにその数500人を下回り、消滅の危機にあります。コロンビア政府が憲法を守らず、これらの民族虐殺を止めるのに適切な対応をとらないなかで、国内的にも国際的にも憂慮される情況にあります。
また命に関して言えば、先住民ばかりか、内戦で脅かされているすべての国民のために運動しています。
そして先住民の権利が、石油開発や鉱山開発など、多国籍企業の活動によって脅かされていることがあります。先住民の協議の権利を侵害し、生存を脅かしています。また先住民の権利を侵害するような関連法が制定されようとしています。農村開発法や森林法が自由貿易を推し進めるため、制定されようとしています。
また、40万人以上の土地を持たない先住民の問題に対して、政府の真摯な対応を求めています。
危機にある18の民族の存続を確実にする計画の策定とそのための予算措置、そして心安らかな平和が必要です。政府と、すべての准軍事組織に対し、政治的な解決の道をとることを要求します。武力紛争が民族の消滅、コミュニティの消滅をひきおこしています。
また、先住民運動を犯罪とみなすのを拒否します。私たちが運動を展開するたびに、政府はゲリラが浸透しているといい、犯罪者とみなそうとします。ですが私たち先住民組織は、当初から武装グループを拒絶し、武力紛争に対し、独立した立場を要求してきています。私たちはいかなる形の戦争にも同意していません。
人々が平和を求めている時、政府は力で蹴散らそうとします。人々を追い払うことはできても、問題は解決できません。ウリベ政権下の6年に1240人の先住民が暗殺されています。99人という政府の報告は大きな誤りです。2003年のカンコアモ族の虐殺だけでも、153人の命が失われています。
今年だけで57人の先住民が暗殺され、カウカではこの一カ月に20人、1週間に7人の先住民が暗殺されています。けれど、私たちがこうした弾圧に反対する運動を展開すると、さらなる弾圧で応えてきます。
これ以上の犠牲者が出ないことを願うとともに、政府が私たちの要求に応じることを求めます。
(Razones de Minga de la Movilizacion Indigenas Nacional)
◇コロンビア国内に広がる先住民のデモに対する支持
エルリベラル紙の報道によると、国内の数千人の女性がカリに向かう先住民デモ隊に合流するとのことである。
デモへの参加は、先住民女性への連帯と擁護、過酷な状況に置かれている農民やアフリカ系住民の女性たちへの連帯、そして人権擁護のために活動しているリーダーの命を守るためだと伝えている。
さらに、先住民の運動について、それにすべての抗議について、政府がテロリスト呼ばわりすることへの抗議であり、その証拠を公にするためだと語っている。
他に、公務員組合などが木曜日から全国でストライキに入るとのことだ。
(23 October 2008)
◇CNNが警察が抗議行動に対して銃撃を加えている様子を撮影したビデオを公開
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/10/22/colombia.shooting.video/
index.html#cnnSTCText
◇コロンビア政府の対応に反発が広がる
欧州議会の議員がコロンビアの先住民運動への抑圧について声明を発表
10月12日から着手する先住民のデモや組合運動にに対する政府の抑圧に抗議した。102の先住民のうち消滅の危機にある18の民族の存続と、先住民の自治区の権利、自治権の尊重を求める運動を正統なものであると評価し、コロンビア政府に対して軍隊による抑圧の早急な中止を要求すると共に、3名の欧州市民の理由なき追放を受け入れがたいとする声明を発表した。さらにコロンビアにおいて社会運動を抑圧するため、常にテロリズムに対するの戦いとの口実が使われることにも強く非難している。
◇不当な強制退去処分への抗議
コロンビアでは、今回の事件とそれ以前から海外の人権擁護団体のメンバーなどに対し圧力が高まっており、今月2日にドイツ人1人、14日にはフランス人2人が強制退去させられた。彼らは人権組織のメンバーもしくは現地情況を記録するためコロンビアを訪れていた。
◇10月18日、コロンビアのウリベ大統領はこの件に関して、「外国人が入国規定を破り、テロリストに混じり、先住民の抗議を利用している」、「こうした外国人は退去でなく監獄に入れるべきだ、暴力をそそのかしている張本人」、「真実をねじ曲げている」などと非難した。
(以上、開発と権利のための行動センターのサイトのニュースより抜粋)
写真は今週パンアメリカンハイウェイをくねくねと行進していく抗議者のデモ。このハイウェイは中南米をチープに旅するバックパッカーにはおなじみのルートです。
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