アメリカの企業救済dumbest法案
◇デニス・クシニッチ下院議員:ウォール街企業救済法案は「これまで見てきたなかでも最もおろか(dumbest)」
下院の企業救済法案の採決で反対票を投じたデニス・クシニッチ下院議員は、財務長官に「勝者と敗者を選ぶ」権限を与える代わりに、もっと賢明なアプローチは抵当流れに直面するマイホーム所有者を直接助けることであるべきとフォックスニュースに語った。
◇倒産したリーマンブラザーズのCEOリチャード・ファルドと米財務省の長官ヘンリー<フォックス>ポールソンは、どちらがウォール街でもうけたか?
おそらく、ポールソン財務長官だ。ポールソンは、ゴールドマンサックスのCEOだった7年間で、総額1億4000万ドル(約147億5862万円)の給与を受け取った。さらに、2006年6月に財務省入りが決まると、政府倫理規定に従って保有していた同社の株323万株を売却。当時の評価額でおよそ4億8500万ドル相当(約511億6320万円)を手にした。(米ABC)
リーマンブラザーズのCEOリチャード・ファルドは、1993年から2007年の間におよそ5億ドル(約526億円)の給与を受け取った。ちなみに2007年度の報酬額は4500万ドル(約47億4860万円)。(ニューヨークタイムズ紙)
◇国際通貨基金(IMF)は2日、「世界経済見通し」の分析部分を公表した。過去の金融混乱と経済の関係について考察し、米国経済が急激に悪化する可能性が極めて強いと結論付けた。
IMFは過去30年間、先進17カ国で発生した銀行、証券、為替市場での113の金融混乱の事例を調査。その結果、米国が現在直面する金融危機は「最も深刻な事例の一つ」で、対象国のほぼすべてに波及していることが分かった。
(時事通信 2008年10月2日)
リーマンブラザーズ倒産の影響は日本では具体的にどういう形であらわれるのか、以下、ある証券会社のプロの意見からカットアップーー。
◇158年の歴史をもつ米大手投資銀行リーマンブラザースの倒産は、世界の資本市場に大きな衝撃を与えた。同じ米大手証券会社に勤める身として、まったく他人事には感じられなかった。9月17日付日経は、日本の金融機関のリーマン向け投融資合計は4400億円に達し、うち担保や損失回避のための取引で補えない部分は2300億円以上に達すると報じた。
9月末中間決算を控えて、リーマン関連損失から銀行の業績予想の下方修正が相次いでいる。新生銀行は9月中間期の純利益を従来予想の280億円の黒字から150億円の赤字予想に下方修正した。みずほ信託も210億円の黒字予想を90億円の黒字予想に下方修正した。
事業会社でもリーマン向け債権保有企業は債務不履行で損失を被る。レオパレス21は16億円のリーマン向け債権を、テレビ朝日はリーマン向けの仕組み債10億円を、保有していると明らかにした。
リーマンが発行した残高1950億円のサムライ債(無担保の円建て外債)は、過去最大の債務不履行になる見込みで、保有している金融機関や個人は損失を被ることになる。債券市場で投資家の信用リスク懸念が高まった結果、普通社債やサムライ債の予定通りの発行ができなくなり、発行延期や減額が相次ぎ、企業の資金調達に影響した。
リーマン倒産は民間企業だけでなく、国家財政へも悪影響を与えた。リーマンが落札した国債の代金2885億円が22日の期日までに払い込まれず、国の歳入計画に影響した。
(メリルリンチ日本証券 ストラテジスト)
◇今回の一連の金融不安に関わるできごとで最も印象的だったのは、アメリカの投資銀行と呼ばれた会社が「消えるか」、「銀行になるか」に至ったことだ。
4位のリーマンブラザーズは破綻し、3位のメリルリンチはバンクオブアメリカに買収され、2位と1位のモルガンスタンレーとゴールドマンサックスは銀行持ち株会社になり、FRBの監督下に入った。このことは、短中期的な影響(2、3年程度)と、長期的な影響を持っていそうに思える。
投資銀行のビジネスモデルは簡単に言うと、市場から資金を調達してリスクのある資産に積極的に投資するという、レバレッジを掛けたリスク投資だったが、今回、信用力が低下するとファンディングコスト(資金調達コスト)が上昇すると共に、最悪の場合は資金繰りが困難に陥るという弱点を露呈した。
「投資銀行」(証券会社)が「銀行」になると、自己資本比率の規制など、銀行としての各種の規制が適用されるようになるので、これまでのような高いレバレッジのリスク資産投資が行えなくなるはずだ。
彼らのレバレッジが低下すると共に、ヘッジファンドのレバレッジに対しても金融機関が厳しくなっているので、今後、経済全体でリスク資産への投資に伴うレバレッジの縮小が起こる公算が大きい。これはアメリカ経済にとどまらず、日本を含む世界の経済にも影響する可能性が大きく、株式、不動産といったリスクのある資産に対するプライシングが大きく変わる可能性を秘めている。
投資銀行のビジネスモデルのもう一つの弱点は、大きな成功報酬の下では常にリスクが拡大する傾向があり、時にはリスクを取る個人の行動を制御しきれないということだった。(業務に専門性があると経営者や監督当局をだますことが可能だし、監督すべき立場の経営者自身が成功報酬の下ではハイリスクを指向することが合理的である。)
彼らの嗜好は変わらない。彼らは遠からぬ将来に、また新たな投資の種を見つけてバブルを起こすのではないだろうか。たとえば環境への投資や炭素ガスの排出権などは価値があいまいで可能性が大きく、「エコバブル」は次の有力な候補と考えられる。
(経済評論家)
▲写真はペロシのオフィス内のコードピンカーたち。
2008年10月3日、コードピンクがナンシー・ペロシ下院議長の執務室に、切迫したスケジュールにもかかわらず何千人もが支持する「マイケル・ムーアの救済案」を届けました。残念ながら、下院はメインストリートに寝返ってウォールストリートを救済しましたが、戦いはここで終わったわけではありません。ヘンリー<フォックス>ポールソンを駆逐するのにご支援を!
「マイケル・ムーアの救済案」は近日中にメールマガジンでお届けします。他にも訳出している方がいるので検索することをおすすめします。
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