悪意を利用するカートゥーン
◇射殺チンパンジーはオバマ大統領? 風刺漫画に批判噴出
アメリカのタブロイド紙、ニューヨークポストが18日に掲載した漫画について、公民権運動家から「人種差別を連想させる」との批判が噴出している。
問題の漫画は、警察官2人がチンパンジーを射殺し「ほかの誰かに次の景気対策法案を書いてもらわないといけないな」と話す内容。米コネティカット州でチンパンジーが人を襲って射殺されたニュースが題材になっている。
米国の景気対策法案は17日にオバマ大統領の署名で成立した。
この漫画(http://www.nypost.com/delonas/delonas.htm)について公民権運動家アル・シャープトン氏は「控えめに言っても問題だ。人種差別主義者はアフリカ系米国人をサルになぞらえてきた歴史がある」と指摘した。
ほかの黒人指導者や団体も相次いで非難の声明を発表。黒人支援団体、全米都市連盟(NLU)のマーク・モリアル会長はこの漫画について「無神経で侮辱的」だと述べ、「オバマ大統領と大統領の景気刺激策をなぞらえて、暴力と人種差別を思い起こさせる描写をしたのは受け入れ難い」との声明を発表した。
一方、問題の漫画を描いたショーン・ディロナスはCNNの電話取材に応え、こうした批判を「ばかばかしい」と一蹴。「わたしがオバマ大統領を射殺すべきだと言っていると、本気で思うのか。この漫画にはそんなことは何も見えない」と反論した。
ニューヨークポストの発行人コル・アランも「(漫画は)景気回復を目指す米政府の取り組みを風刺したもので、時事ニュースの単純なパロディだ」と弁明している。
(CNN.co.jp 2009年2月19日)
▲ニューヨークポスト紙はFOXニュース創設者のルパード・マードックの所有物。
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