ドバイがイスラエルに挑む
◇アラブ首長国連邦のドバイでパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス幹部が暗殺された事件で、国際刑事警察機構(インターポール)は18日、容疑者11人を国際手配した。
一方、ドバイ警察当局は、イスラエルの対情報機関モサドの関与が確認されれば、モサド長官を逮捕すべきだと発言。犯行グループに偽造旅券を使用された英国、アイルランド、フランス、ドイツの各政府は、説明を求めてイスラエルへの圧力を強めている。
・欧州の偽造旅券使用、外交問題に発展
事件は、ハマスの軍事部門の創設者の1人、マフムード・マブフーフ司令官の遺体がドバイのホテルの部屋で1月20日に見つかったもの。ドバイ警察が容疑者として公開した英国人6人、アイルランド人3人、ドイツ人とフランス人各1人の計11人の旅券は、偽造だったことが判明している。
四カ国の政府は18日、各国駐在のイスラエル大使を召還し事件に関する説明を求めた。
デービッド・ミリバンド英外相は、事件解決に向けてイスラエル側に「全面的な」協力を要求。アイルランドのミホル・マーティン外相は、偽造旅券の使用は「非常に深刻な問題」だとみなしていると述べ、イスラエル大使と「率直な」会談を行ったことを明らかにした。「率直な」という表現は外交上、怒りを表明する符丁とされる。
・「モサド長官逮捕を」とドバイ警察
いずれの政府も直接的にイスラエルを非難していないが、モサドは過去にも暗殺に偽造旅券を使用したことがあり、四カ国とイスラエルとの外交関係は緊張が高まっている。
一方のドバイ警察幹部は18日、地元テレビの取材に対し、容疑者のうち7人がイスラエルに何年も住んでいた事実が確認されたことを明らかにし、モサドが暗殺に関与している可能性がほぼ確実になったと発言。「モサドの関与が証明されれば、インターポールはモサドのダガン長官の赤手配書(国際逮捕手配書)を出すべきだ」と述べた。
(AFP 2010年2月19日)
◇パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの幹部マフムード・アル・マブーフ氏が1月20日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで殺害された事件で、UAE当局は、容疑者11人中の5人が使用していたとみられる米国の銀行が発行したクレジットカードを調査している。関係筋が明らかにした。
ドバイ警察のタミン所長は18日、地元英字紙に対し、「これまでの捜査から、モサドが事件の背後にいたのは、100%ではないとしても99%確実だ」と述べた。同紙の電子版が報じた。ドバイ警察は15日に、女性1人を含む11人の写真と旅券を公開、英国の旅券保持者が6人で、アイルランドが3人、 さらにドイツ、フランスが各1人だったことを明らかにした。
旅券の公開を受け本人が特定されたが、旅券の写真とはまったく似ておらず、11人の旅券は偽造である可能性が濃厚となった。このため、英、アイルランド、フランスの各国政府はそれぞれ、イスラエル大使を呼んで説明を求めた。ミリバンド英外相は、この事件で英国民の旅券が不正利用された可能性に関する調査に十分協力するようイスラエルに要求すると言明した。イスラエル当局者は、長年の同国の慣行に従って、イスラエル政府が事件に関与したかどうか肯定も否定もしていない。
(ウォールストリートジャーナル 2010年2月19日)
写真はインターポールが指名手配した11人(BBC)。他のニュースでは他にもうひとり女性がいたとして公開された映像で指摘(CNN)。
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