見つけた 犬としあわせ

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2010/05/20

不自然な墜落



◇ポーランド専用機墜落事故 操縦席に部外者と調査委

ポーランドのカチンスキ大統領夫妻ら96人が犠牲になった同国政府専用機墜落事故の原因を調べている国際事故調査委員会は19日、モスクワで記者会見し、事故当時、操縦席に乗務員ではない部外者2人がいたことが確認されたとの中間報告を発表した。

部外者の存在が事故に与えた直接の影響は不明だが、調査委幹部は「重要な意味を持つ」と述べ、専用機に乗っていた政府関係者の言動が操縦士に影響を与えた可能性を示唆した。

事故を起こした専用機は4月10日、悪天候の中、ロシア西部スモレンスクの空港に着陸しようとして失敗。大統領らは第2次大戦中にポーランド軍将校ら多数が旧ソ連に虐殺された「カチンの森」事件から70年の追悼行事に出席する予定だった。ロシア側は、別の空港への着陸を求めたが聞き入れられなかったと説明している。

(共同通信 2010年5月20日)

◇調査委のアレクセイ・モロゾフ技術小委員長は、管制官が霧のため空港の視程は400メートルしかないと2度にわたり警告したにもかかわらず、パイロットが着陸を強行したと述べた。

また、政府専用機の乗員は墜落の16分前、当日先に目的地の空港に着陸していたポーランド空軍のYak-40小型ジェット機の乗員から、空港周辺の視程が400メートルしかないという連絡を受けていた。さらに墜落の4分前、Yak-40から視程は200メートルとの連絡が入った。

・操縦席に乗員以外の声、テロの可能性は排除

また事故調査委員会のタチアナ・アノディナ委員長によると、数週間かけてブラックボックスのデータを分析した結果、録音されていた声から、乗員以外の人物が少なくとも2人、操縦席にいたことが確認されたという。

アノディナ委員長は1人の声の主が特定されたと述べたが、それが誰なのかは明らかにしなかった。ポーランド通信は調査委員会に近い筋の話として、その声の主はAndrzej Blasik空軍司令官だったと報じた。

ポーランドから調査委員会に参加しているエドムンド・クリフ氏は、乗員以外の複数の人物が操縦室にいたのは墜落前の16~20分前だったことを明らかにし、「個人的にはこのことが事故の決定的な原因だったとは思わないが、この点は徹底的な調査によってのみ明らかになるだろう」と述べた。

アノディナ委員長はまた、テロや機器類の故障が墜落の原因ではなかったことを技術小委員会が確認したと述べたが、その詳しい根拠は示さなかった。事故から5週間以上が過ぎたが、明確な事故原因はいまだ明らかにされていない。

(AFP 2010年5月19日)

写真は墜落したポーランド政府専用機(BBC NEWS)