大事故の徴候を見て見ぬふり
◇軸となる漏れをふさぐ試みより早く、BPはリグ(石油掘削施設)爆発の数時間前に「根本的誤り」を認める
大問題の徴候を警告するにもかかわらず、大石油会社BPは、先月の爆発のすぐ前にメキシコ湾の水中油井による作業を続行したことを認めてきています。遅れにつきまとわれるBPは、大量の掘削泥とセメントを深海の油井に流し込むことで流出する原油を停止する、いわゆる「トップキル」という妙策を試みる今日、ピボット(かなめ)のような日に直面します。処置は流出を悪くさせる危険覚悟でやってみます。装置の弱い箇所が圧迫されて吹き飛ぶかもしれず、真新しい流出を引き起こします。
(デモクラシーナウ!27 May 2010)
◇米メキシコ湾沖での英メジャー(国際石油資本)BPの石油掘削施設爆発に伴う深海からの原油流出事故で、BPは油井に大量の泥に加えセメントを注入して流出を食い止める「トップキル」作業を開始したと明らかにした。この事故では1カ月以上におよび、メキシコ湾沖で何十万バレルもの原油が流出している。
これには、海底に立てた遮断弁である噴出防止装置を通して、掘削泥水を崩壊した油井に流し込む作業が含まれる。BPは現地時間26日午後1時(日本時間27日午前1時)ごろにこの作業を開始し、継続していると発表した。
原油流出の食い止めをめぐっては、このような深海でこれまで実施されたことのないこの作業にかかっている部分が非常に大きい。この作業が成功すれば、BPならびに同社のトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)にとっては転機となり得る。同CEOは今回の原油流出事故でのBPの対応をめぐってやり玉に挙げられている。
一方、今回の作業が失敗に終われば、メキシコ湾海底からの原油流出が、別の坑道を掘って流出を止める「リリーフウェル」掘削作業が完了するまで少なくとも今後数カ月間続く可能性がある。BPには短期間で原油流出を食い止める策が尽きつつあるように見える。
原油流出の食い止め作業は連邦当局者や石油業界全体が大いに注目している。同業界は、米史上でも最悪の原油流出事故の一つとなった今回の事故を受けて、 規制強化に直面している。
(ウォールストリートジャーナル 2010年5月27日)
◇この作業はこれまでに地上の油田で実施されたことはあるが、海底での実施は前例がなく、30〜40%の確率で失敗する可能性があるという。BPは作業の様子を引き続き映像で生中継する予定。
(CNN 2010年5月26日)
◇BP幹部は、トップキルについて今回の事故地点ほどの深海で行ったことはないが、成功の確率は60%あると述べている。しかし、オバマ政権当局者は悲観的で、10%の確率とみている。原油が流出を続ければ、原油除去作業や損害賠償の費用はさらに膨らむことになる。
BPは近年、北海やアラスカ原油の生産減少を受けて、メキシコ湾などの深海や沿岸の油田開発に力を入れており、メキシコ湾では最大の石油会社となっている。
(ウォールストリートジャーナル 2010年5月27日)
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