餓死するマゼランペンギン
◇南米で厳しい寒波 20人死亡
日本は本格的な夏を迎えていますが、南半球の南米は厳しい冬の寒波に見舞われていて、少なくとも20人が寒さで死亡したほか、めったに雪が降らない地域でも記録的な大雪となり、市民生活に影響が出ています。
南半球にある南米大陸には、偏西風の影響で南極からの冷たい空気が大量に流れ込み、先週から厳しい寒波に見舞われています。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは、先週、7月の平均の最低気温より8度ほど低い氷点下1度5分を記録し、路上で生活していたホームレスなど20人余りが死亡しました。このほか、パラグアイやボリビアでも死者が報告されています。また、めったに雪が降らないボリビア中部などでは記録的な大雪が降り、車が路上で立往生するなど、交通機関がまひして、市民生活にも大きな影響が出ています。こうしたなか、大西洋に面するブラジル・サンパウロ州の海岸では、およそ530羽のマゼランペンギンの死がいが見つかりました。生物学者が詳しく調べたところ、ペンギンの胃の中は空っぽの状態でした。マゼランペンギンはこの時期、南米大陸の南端から、温かい水温を求めてブラジル沿岸などに北上しますが、専門家は、潮流の変化や寒波による水温の低下によって、エサとなるカタクチイワシなどの魚が大幅に減り、ペンギンが餓死した可能性もあると指摘しています。
(NHKニュース 2010年7月21日)
◇ペンギンの死骸、大量に漂着
サンパウロ時事:ブラジル南東部サンパウロ州の海岸に20日までに、南米大陸の南部に生息するマゼランペンギンやウミガメなどの死骸(しがい)が大量に漂着した。原因は不明だが、大半が餓死しているため、寒波や気候変動によるとみられる海水温の低下で、食料となる魚が減少したことが影響しているもようだ。
報道によると、死骸で打ち上げられたのはマゼランペンギン530羽、イルカ5頭、 ウミガメ3頭など。マゼランペンギンはこの時期、アルゼンチン沖から餌を求めて北上するが、例年より低い海水温や強い海流で魚が減り、疲弊して餓死した可能性が強い。乱獲に起因する恐れもあるという。
(時時ドットコム 2010年7月21日)
写真はブラジル南東部サンパウロ州の海岸に打ち上げられたペンギンの死骸(AP)
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