データ革命
◇内部告発サイト「WikiLeaks」は25日(米国時間)、CIAの内部報告書を公開した。2010年2月に機密扱いで作成された、「米国が"テロリズムの輸出国"として他国から見られた場合(What if Foreigners See the United States as an 'Exporter of Terrorism'?)」というタイトルの思考実験のメモで、作成したのはインテリジェンス・コミュニティにおける「新しい視点」を得るためにブレーンストーミングを行なうCIAの「Red Cell」チームだ。
WikiLeaks創設者のジュリアン・アサンジ氏は8月12日、ロンドンで開かれたある会合にスカイプを使って電話参加し、米国防総省からの全データ返還要請にもかかわらず、アフガニスタン戦争に関するログのうち、残り1万5000件の記録文書を公開する計画を進めていると述べた。WikiLeaksは、米国に情報を提供していたアフガニスタン人の密告者に報復が行なわれないよう、データファイル中の個人名を削除しており、その作業中だという。ニューヨークタイムズ等の新聞は、編集前のデータをすでに得ている。
WikiLeaksの情報公開を米軍が防げばよいという意見もあるが、2008年の事例はそれが非常に難しいことを示している。2008年、サンフランシスコの連邦裁判官はスイスの銀行「Julius Baer Bank and Trust」からの要請を認めてWikiLeaksのドメイン名を凍結しようとした。この裁判所命令は(言論の自由条項に違反する疑いがあるとして)2週間後に取り下げられたが、この命令が続行したとしても、WikiLeaksは生き続けていただろう。
当時、WikiLeaksの支持者と「言論の自由」擁護者は、直接アクセスできるように同サイトのIPアドレスを配信した。同サイトには複数のミラーサイトが作成され、これらは裁判所命令の影響を受けなかった。流出文書のWikiLeaksアーカイブ全体のコピーは、ファイル共有ネットワーク「BitTorrent」を検索できる「The Pirate Bay」を自由に行き交った。
WikiLeaksは今年8月はじめに、「insurance.aes256」というファイル名で1.4GBのファイルを掲載した。ファイルのコンテンツは暗号化されているのでその中身を知ることはできない。だが、そのファイルサイズは7月に公開されたアフガン関連ログの19倍以上で、アフガン関係のデータベース全体と、WikiLeaksが保有していると言われるもっと容量の大きい他の機密データベースを格納するのに十分な大きさだ。(WikiLeaksは、アフガニスタン戦争に関するログだけでなく、米国務省の外交情報等のデータも所有しているとされている。現在拘束されているブラッドリー・マニング特技兵が秘かに米軍のデータウェアハウスから取得したと見られる情報だ。)
WikiLeaksは支持者に対して、この「保険ファイル」をThe Pirate Bayでダウンロードするよう促している。アサンジ氏は8月12日に開催されたロンドンの会合で保険ファイルを復号するためのキーをネット上に流すことで、WikiLeaksはいつでも情報を公開できると述べた。
私たちは、WikiLeaksのこうした取り組みへの支援状況を把握するため、13日にBitTorrentにアクセスした。数分間のダウンロードで、世界中の61の支援拠点からinsurance.aes256ファイルを部分的に入手することができた。支援者は、米国、アイスランド、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパなど世界中いたるところにいる。
なお、アサンジ氏に対して21日、スウェーデンにおいて2人の女性に関する性的暴行容疑で指名手配が行なわれたが、その日のうちに、告発に根拠がなかったとして逮捕状が取り下げられている。アサンジ氏はこれらの告発について、米国からの妨害だと述べている。
(Wikileaksに対しては、昨年12月以来64万ユーロ(80万ドル)の寄付金が寄せられているが、報道によると、そのうち3万ユーロしか使われていない。資金はサーバー運営などに使われており、アサンジ氏や他のスタッフは現在のところ無給とのことだ。)
(記事と写真共に WIRED VISION 26 August 2010)
全文はこちらからお読みください↓
http://wiredvision.jp/news/201008/2010082623.html
・WikiLeaksのグローバルな61の支援拠点を示すグーグルマップは必見
△2010年2月2日CIAレッドセルメモ↓
http://wikileaks.org/wiki/CIA_Red_Cell_Memorandum_on_United_States_%22exporting_terrorism%22,_2_Feb_2010
△データ革命:ウィキリークスがジャーナリズムを変えている↓
http://www.viddler.com/explore/frontlineclub/videos/459/
・アサンジがスカイプで参加したロンドンのミーティング、FRONTLINECLUB
アサンジの写真はクリックすると拡大版で見ることができる
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