見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2011/07/24

寛容な社会を憎悪


労働党(ノルウェー与党)集会が開催されるウトヤ島で警察官のふりをして呼び集めた少年少女に向かって銃を乱射した恐怖のキリスト教原理主義者は犯行前にYouTubeに動画と声明を出していた
またこの不寛容男は、日本や韓国を反移民、非多文化社会の模範のように讃えていたという

◇アンネシュ・ブレイビク32歳は攻撃前に長いマニフェストと彼が実行しようとしていた攻撃を記述するビデオをインターネット上に公開。ビデオと文書の両方は明らかに7月22日金曜にオンライン公開されている。

マルクス主義者狩りをする人

彼はまた、非常に極端な政治的見解を説明した1500ページの原稿を公開している。さらに、攻撃を実施する方法も詳細に説明する。攻撃で使用される機器の種類から自動車爆弾の使用に至るまで。

アンネシュ・ブレイビクはテンプル騎士団、フリーメーソンのメンバー。現在、彼はフリーメーソンの序列から除外される。

準備期間80日

豊富な材料で著者は行動計画、そして爆弾の製造を詳述。準備に彼がどのようにトータルで80日間を過ごしたか、彼は30日未満でそのプロセスを完了していたと後でわかる。

(引用元:ノルウェーTV2)
http://www.tv2.no/nyheter/innenriks/gjerningsmannen-la-ut-video-og-manifest-paa-nettet-3545104.html

上の写真はSkjermdump Youtube

◇ノルウェーの首都オスロ郊外のウトヤ島で起きた銃乱射事件から一夜明けた23日、警察はノルウェー人のアンネシュ・ブレイビク容疑者を訴追、極右組織とのつながりなど思想的な背景や犯行の動機など本格的な取り調べを始めた。警察はオスロ中心部の爆弾テロにも同容疑者が関与したと判断しており、乱射事件による死者は85人に増え、爆弾テロの死者7人と合わせ計92人が犠牲になった。
 
ロイター通信によると、ブレイビク容疑者は移民制限を主張する進歩党の元党員だったという。警察は「極右組織と関係があるキリスト教原理主義者」と指摘。同容疑者はオスロで爆弾テロを起こし約2時間後に警官の服を着てウトヤ島に上陸。与党・労働党の青年部集会に参加していた少年少女らを集め、約30分にわたって自動小銃を乱射した。

乱射事件には二人が関与したとの目撃証言があり、警察は共犯者の有無を捜査中だ。

同容疑者はネット上の交流サイト「フェイスブック」などを利用し、自らを「保守主義者」などと紹介。警察は「イスラム教には反感があるようだ」としている。

欧州では極右が主張する移民排斥の運動が高まっている。ノルウェーで極右台頭が現実になれば、国民の豊かさ指数世界一の座が脅かされかねない。

ウトヤ島の集会に出席する予定だったストルテンベルグ首相は「悪夢であり、国家的な悲劇だ。しかし、われわれの民主主義などの理念を壊すことはできない」と述べ、国民に対し真相究明に向けて全力を尽くすことを表明した。

警察は22日夜、オスロ市内の同容疑者のアパートを家宅捜索。地元メディアによると、爆弾の材料になる約6トンの化学肥料を購入していたという。

(引用元:東京新聞 2011年7月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011072402000041.html

◇犯行は「必要だった」 容疑者、弁護士に語る

ノルウェー連続テロのアンネシュ・ブレイビク容疑者の弁護士は23日夜、同国のテレビに対し、ブレイビク容疑者が事件について「必要なものだった」と述べたことを明らかにした。
弁護士は「彼は連続テロの行動は残忍だと認識しているが、これは必要なものだと考えていると話した」と語った。同容疑者は25日、裁判所で審理に臨むが、この場で自分の考えを説明してもよいと言っているという。

(引用元:時事通信 2011年7月24日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011072400026

◇クローズアップ2011:ノルウェー連続テロ 「寛容な社会」憎悪か

容疑者は極右青年 イスラム批判、ネットに投稿

「平和の国」ノルウェーを襲った22日の連続テロ事件は、当初はイスラム過激派の犯行を疑う見方もあった。だが、逮捕されたのは逆に欧州で増加するイスラム系移民に反発する極右思想の青年だった。事件の動機と背景を探った。

インターネットへの投稿や地元メディアの報道から浮かび上がる人物像は、移民に寛容な北欧型の「開かれた社会」に反発を増幅させていった姿だ。自らを「愛国主義者」などと評し、その言動には自己陶酔の世界さえ垣間見える。

「信念ある1人の人間は(自らの)利益しか考えない10万人分もの力に値する」。ブレイビク容疑者がツイッターに18日残した犯行予告とも読めるつぶやきは、19世紀の英国人哲学者ジョン・スチュワート・ミルの名言をまねたものだった。

地元紙ベルデンスガングが伝えた友人の証言によれば、ブレイビク容疑者は20代後半から極右思想に染まっていった。政治問題に強い関心を示し、イスラム批判のインターネットサイトに熱心に投稿しては「現在の政策は社会主義と資本主義の争いではなく、愛国主義と国際主義の戦いだ」などと主張していた。投稿の一つでは、日本と韓国について「多文化主義を拒否している国」と言及。日本などを反移民、非多文化社会の模範のようにたたえていた。

オスロの首相府近くでの爆弾テロと、与党・労働党の青少年キャンプでの銃乱射の共通点は、ストルテンベルグ首相が率いる中道左派の労働党だ。ブレイビク容疑者の思考形態から見て、「左派=移民に寛容」の一点から将来の労働党指導者候補の若者らを憎悪し、標的とした可能性は排除できない。

ブレイビク容疑者に事件以前、目立った右翼活動の記録はないという。拳銃やライフル、ショットガンは合法的に所持していた。菜園を営んでいたとの情報があり、09年に肥料会社を設立したという経歴から、爆薬に使える化学肥料の知識があったとの指摘も出ている。

ノルウェーでは80~90年代にネオナチが社会問題化したが、近年は沈静化している。極右勢力は細分化しているとされるが、「反イスラム、移民排斥」では結束する。ブレイビク容疑者も投稿の中で「穏健なイスラム」という表現に反論し、「(彼らも)排除された瞬間に過激化する」と憎悪をあらわにしていた。捜査当局者は容疑者を「キリスト教原理主義者」と呼んでいる。

ストルテンベルグ首相は23日の会見で「他国に比べ、ノルウェーの極右過激派の問題は大きくはない」と述べ、連続テロが、「開かれた社会」を自任してきたノルウェーの意表をついた事件だったことを言外ににじませた。

移民排斥論、欧州で台頭

欧州諸国では近年、長引く経済の低迷で社会や政治が右傾化している。背景にあるのは、移民排斥の思想だ。移民は70年代、発展を支える「労働力」として歓迎された。だが、経済が失速すると、安い賃金で働く移民は欧州の白人の職を奪う「重荷」に変貌した。極右勢力が唱える移民排斥は失業にあえぐ市民の不満の受け皿にもなっている。

欧州連合(EU)の統計によると全加盟27カ国で08年、中東やアフリカ系など計380万人の移民を受け入れた。この流入が加盟国の人口増につながり、労働力人口を支えた。欧州社会の発展・維持に移民は「不可欠」だ。

問題は、欧州が移民をいわば「出稼ぎ労働者」として受け入れてきたことだ。だが、移民は生活の場を欧州に移して定住するようになった。母国から家族を呼び寄せ、独自のコミュニティーを形成するに連れて文化的、宗教的な摩擦が顕在化。経済の悪化やイスラム過激派によるテロなどが追い打ちをかけ、キリスト教を伝統とする欧州社会とイスラム系移民の摩擦や移民排斥論に結びついた。

反移民のうねりは「寛容」が伝統の北欧とて例外ではない。4月のフィンランド総選挙では民族主義政党が議席を6倍に増やした。キャメロン英首相やメルケル独首相も最近、自国の多文化主義を「失敗」と言及した。

また、オランダでは6月末、動物愛護を名目に、食肉処理する家畜を事前に失神させることを義務付ける法案が賛成多数で下院を通過した。イスラム教やユダヤ教では、意識のある家畜を処理しなければならず、「移民排斥につながる」と両教徒は反発している。

ノルウェーの1人あたり国民総所得(10年)8万5380ドルは世界4位。ノーベル平和賞を選ぶ委員会はノルウェー議会が任命する。09年はソマリアなどから欧州で3番目に多い1万7200件の難民申請があった。

▽欧州のイスラムをめぐる動き
04年3月:マドリードの列車同時爆破テロで約190人死亡
   9月:フランスの小中高校でイスラム教徒のスカーフ着用禁止
  11月:オランダでイスラム原理主義に批判的な映画監督殺害
05年7月:ロンドンで地下鉄・バス同時多発テロ。56人以上が死亡
   9月:デンマーク紙がムハンマドの風刺漫画を掲載
06年8月:英国で米国行き旅客機の爆破未遂容疑で21人逮捕
07年9月:爆弾テロ計画容疑でドイツがイスラム過激派3人を逮捕
09年11月:スイス国民投票でイスラム礼拝所の尖塔の新設禁止可決
10年9月:スウェーデン国会に移民排斥を掲げる極右政党が初議席
  10月:仏でブルカ着用の全面禁止法が成立
  12月:スウェーデン・ストックホルムの商業施設で自爆テロ
11年7月:ノルウェーで連続テロ

(引用元:毎日新聞 2011年7月24日)
http://mainichi.jp/select/world/news/20110724ddm003030085000c.html