見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2011/09/04

夢潰えたアフリカ合衆国


わたしたちはリビアについて知らなすぎる

昔々、台北からクルマで1時間ぐらい走ったところにある寂れた観光地(ガタガタ走って小池にポチャンとつかるジェットコースターに乗った)のみやげ物屋でカダフィ人形を買った
そのとき一緒にフセイン人形も買った
だがもうフセインはいいように使われてポイ捨てされている
カダフィもまもなく命運尽きるのが見えてきた 
でも、人形はまだ持っている
カダフィに関しては、アフリカ人を解放する真の革命、"アフリカ合衆国を作ろう"、そしてそこの初代大統領になろう!とのアメリカを突き放す壮大な夢と、砂漠をぶち抜く大灌漑プロジェクトを実現させたこと、これは絶対に評価する!
彼が着ている服も、ユニークでいつもおしゃれ!と思っている

○カダフィが作った偉大なる河(GMMR)

NATO空爆で直撃を食らえば大災害が起こるとカダフィは警告していた
まさかここを爆撃するほどイギリスもアメリカもバカじゃないとは思ったが、"人間の手による偉大な河川"プロジェクトはカダフィの偉業だから わかったもんじゃなかった

▽ウェブサイト「アフリカ大辞典」より引用

リビアは極度に乾燥し真水の水源が少なく、年間を通じて水を湛えている河川や水流もない。国の最大の試みは、水不足に対処するため大規模な灌漑計画や大人工河川(GMMR)計画が進められていることだ。
実際、リビア南部の砂漠地帯の幹線を走ると、オアシス地帯の緑のベルト地帯が切れ目なく続き、砂漠でありながら、水の豊富さを感じる。 巨大なスプリンクラーシステムを使った大規模な砂漠式農業も必見だろう。
石油やガス資源だけでなく、サハラ砂漠の地下に眠る豊富な滞留水を最も有効に活用している別のリビアが見えてくる。

◇リビアの富を奪うために欧米諸国が仕掛けたカダフィ打倒

そもそもイギリスとフランスがリビアに乗り込んで行ったのは、自国経済が破たん寸前だったからではないのか。リビアの富と石油を支配することによって自国の経済を復興させようとしたのであろう。

こうなると新生リビア政府は、カダフィ大佐が大金を投入して築き上げたインフラの多くを修復できないままで放置せざるを得なくなる。

その中で一番問題になるのは、カダフィ大佐が造り上げたGMR(人間が作った偉大な川)だ。GMRとは、リビア南部の地下水を汲み上げ、地中海沿岸地域に運び、農業用そして飲料として使うというものだ。このGMRの補修・手入れができなくなれば、人口が集中しているトリポリ市やベンガジ市は、一気に水がない死の世界に変貌する危険性がある。

(引用元:ダイヤモンドオンライン 佐々木良昭 2011年8月26日)
http://diamond.jp/articles/-/13752

◇民主化を求めてカイロのタハリール広場を埋め尽くした民衆とは違う
リビアはまったく別の問題

アフリカを自分たちの支配下に留めておきたいという欧米の強烈な意図の端的な表れです。アフリカ大陸は、自分とその一族の権力と富を維持増大させることだけしか考えていない腐敗し切った独裁的政治家がたくさんいます。その中でリビアのカダフィが飛びぬけて惨たらしく残酷な独裁者だとは、私が調べる限り、どうしても思われません。我々はカダフィについてもリビアについてもあまりに無知に過ぎます。

例えば、彼のGMR(Great Manmade River、リビア大人工河川)事業、カダフィ大佐はこの計画について「世界の8番目の不思議」と述べたとウィキペディアにあります。

この河川土木事業にカダフィのリビアは巨大な国費をつぎ込んできました。この計画によってリビアの砂漠が緑化され、国として食糧の安価な自給が可能になることについては多大の支持者が存在します。石油産出からの収入をこのような形で有効に使っている国家は珍しいと言わねばなりません。中近東やアフリカの石油産出国では多数の大金持ちが生まれるのが通例ですが、フォーブスの世界長者番付に一人のリビア人の名もないようです。寿命・教育・生活水準などに基づいて国ごとの発展の度合いを示すHDI(人間開発指数)というのがありますが、2011年度試算ではリビアはアフリカ大陸で第一位を占めています。また、幼児死亡率は最低、平均寿命は最高、食品の値段はおそらく最低です。教育費や医療費は、ほぼキューバ並みの低さに保たれているようです。

いわゆるグローバリゼーションを推し進めて利潤の最大化を目指す国際企業群の常套手段は、まず給水機構を私有化し、安価な食糧を運び込んでローカルな食糧生産を破壊し、土地を買収し、現地で奴隷的低賃金労働者を調達し、そこで輸出向きの食糧生産を始めることです。アフリカ大陸の随所に見られるトレンドです。ところが、リビアでは石油で儲けた金を治水事業に注ぎ、砂漠を緑化し、自国内で安価な食糧を生産しつつあります。これは国際企業群のもくろみに真っ向から逆らう動きであり、放っておくわけには行かないのです。

引用元:ブログ「私の闇の奥」2011年3月30日)
http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2011/03/post_7724.html

化石水を利用した人口河川によるリビア大規模灌漑事業は2010年9月末の時点で完成間近とある

◇中東・北アフリカでは砂漠を耕作地に変える努力が続けられているが、飲料水問題の影に隠れてしまっている。そのなかでリビアは、化石水の利用で砂漠を耕作地に変える大灌漑プロジェクトを進めてきた。現在、地勢を変える程の勢いで緑化が実現している。河川、湖もない年間平均降雨量さえ254ミリしかない国の砂漠大地の真只中に、緑豊かな果樹園が延々と広がっている。そこではぶどう、アーモンド、洋梨が開花し果実をつけている。カダフィ大佐が野心的に進めてきた大灌漑事業の成果である。

カダフィ大佐は、リビアからエジプト、チャド、スーダンに連なる巨大な地下化石水脈を飲料水と灌漑用に汲み揚げ、配水する巨大人口河川を建設する野心的なプロジェクトを進めてきた。その大事業がようやく完成間近に迫っている。プロジェクトには26年を費やした。総事業費は195億8000万ドルと言われる。政府はこの灌漑プロジェクトによって砂漠で16万ヘクタールの農地開発を計画している。

化石水とは、氷河期時代の氷解水がヌビアン砂漠の多孔質層に残存して地下水として滞留したものである。石油探査掘削と同時に発見できる。政府の資料によると、リビア国内には地下600メートルの地点に淡水貯水層が5カ所あり、水量は約1万~1万2000立方キロに達する。現在の需要で計算すると、化石水の埋蔵量は4625年分に達するという。リビア以外でも地下水の汲み上げを行っているが大々的に行っているのはリビアのみである。

リビア政府は、水を無駄にしないために新しい細流灌漑技術を採用している。配水量の70%以上が補助金の交付される農業分野で利用され、残りが飲料水に向けられる。工業用水としては利用されないという。政府は農業向け配水に多額の補助を行っている。農民の負担は1立方メートルにつき62セントに過ぎず、 一般市民が支払う金額のほぼ半分となっている。

(引用元:中東エネルギーフォーラム 中東問題研究家 江添 久義)
http://www.energyjl.com/2010_folder/September/10new0928_4.html

もうひとつ、リビアには再生可能エネルギーを利用したベンチャー事業もあった!

◇リビアのヨーロッパ向け送電プロジェクトに投資するアブダビのアル・マスカリ・ホールディング

2010年12月27日付アブダビ発行の英字紙ナショナル(The National)は、リビアがヨーロッパ向け電力輸出プロジェクトを進めようとしていることを明らかにした。モロッコではすでにドイツ企業と太陽光、太陽熱利用などによる発電事業で同様のプロジェクトを始めている。リビアも地理的条件、気象条件から考えれば立地条件で遜色ないと言える。

このプロジェクトは、太陽光・太陽熱発電施設、従来型の天然ガスを燃料とする発電所をリビアに建設の上、国内需要を超える余剰電力部分を高電圧海底ケーブルでイタリア南部に送電する壮大なもの。つまり、リビアをヨーロッパ向けの電力エネルギー供給のハブ基地にしようという訳である。大変興味を惹かれるプロジェクトだが、残念なのは計画のスケジュールなど詳細が依然明らかにされていない点である。

ただし、注目されるのは、このプロジェクトにアブダビのアル・マスカリ・ホールディングが投資をすることである。ナショナル紙の記事によれば、同社の投資額は30億ドルに上る。すでに同社とリビア民営化投資庁は2010年12月12日合意文書に調印したと報じられている。

アブダビのアル・マスカリ・ホールディングの会長は、リビアは世界でも最良の太陽光資源に恵まれていると語り、同社がリビアでの大規模太陽エネルギー発電等の再生可能エネルギーを利用したベンチャー事業に投資する意向を表明している。同グループは、この他にもスウェーデン、ノルウェー、カタール、スペインで再生可能エネルギー開発プロジェクトに投資をしている。なお、同社はすでにリビアの公営企業、民間企業との間で何件かの業務提携の実績を有しており、現地で20年前から工場を所有している。

(引用元:「最近の中東・エネルギー情勢から」2011年1月18日)

最後に、ロスチャイルド家の野望という話もある
気になる方は、右のリンクにある「NewsFanzine」の記事に目を通してはどうか

◇リビア侵略の陰にグローバル銀行

Truthoutに掲載された記事(All About Oil,or All About Banking)によると、リビアの反政府勢力が3月の暴動のあと、政府を作るより先に独自の中央銀行(100%アメリカの銀行)を作るために時間を要したとある。
また、ニューアメリカンの記事(by アレックス・ニューマン)によると、3月19日に行われた反乱軍の会合の結果、このごたまぜのリビア反乱軍が、国内の金融政策を統括する中央銀行をベンガジに設置することやリビア中央銀行の総裁の任命などを発表した。CNBCの編集長は、「強固な既存政権との戦いのまっ最中にある反乱グループが中央銀行を作るというのは初めてではないか?」と指摘する。

http://truthout.org/libya-all-about-oil-or-all-about-banking/1302678000


写真は人間が作った大河川、灌漑水に喜ぶリビアの人々